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上信電鉄 7000形電車~久々に登場した自社発注の新型電車

2016-01-11 | 鉄道[北関東]

JR普通列車の格安企画乗車券・青春18きっぷ有効期間は、冬季分は昨日で終了となりましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、18きっぷを利用して何処か他所へ足を運んだ方も居られるかと思います。

18きっぷは5回分セットになっていますので、有効期間満了間際に1回分だけ残存している場合などは「消化」と称して近場への日帰り旅行に用いる事も少なくないもので、MAKIKYUも昨日最後の1回分を利用して群馬県内へ足を運んだものでした。

その際に高崎駅で上州富岡・下仁田方面へ向かう私鉄・上信電鉄の駅へ足を運んだら、まだ乗車した事がない新型車両が入線していました。

スケジュールにも余裕がありましたので、18きっぷ通用対象外で別途運賃が必要ですが、新型車両への体験乗車も兼ねて上信線の乗車券を購入・乗車したものでした。


新型車両は7000形と称し、形式付番は自社発注車両6000系の続番とも言えますが、6000形(と同時期に登場した別形式250形)の登場は1981年(昭和56年)、以降の上信線電車は専ら西武線の中古車両で賄われる状況でしたので、平成になってからの自社発注車両は7000形が初めてとなります。

営業開始は2013年ですので、6000形登場から30年以上の月日が経過しており、随分久々の新型車登場になりますが、上信線は昔国鉄車両が入線した実績もあり、国内各地のJRや大手私鉄の狭軌各路線の中古車両も比較的容易に導入可能な環境にありますので、新車登場の話を初めて聞いた際にはかなり驚いたものでした。

また営業開始時は西武線ワンマン車両(新101系・一部は上信電鉄にも移籍)の如く真っ白な装いで登場したものの、その後沿線高校を対象にした公募で選ばれた塗装が施されて現在に至っています。


車両規格的には先代の自社発注車・6000形に近似した20m級車体の3ドア車2両編成で、現行上信線他形式と同様に専らワンマン運転となっていますが、上信電鉄の自社発注車ならではの仕様とも言える右運転台構造は採用されず、近年中古導入した元西武線車両などと同様に、運転台は一般的な左運転台構造となっています。

最新型車両で下回りも旧車からの流用品ではなく新造ですので、地方私鉄ではまだ採用事例の少ないVVVFインバーター制御、台車も新型車両では一般的なボルスタレス式となっており、上信線でVVVF車とボルスタレス台車装備車両は7000形が初となります。
(地方私鉄の完全新造VVVF車は他に静岡県内私鉄で存在する程度で、他社譲受車両の改造で登場した車両を含めても少数派です)

前面窓は非貫通型車ながらも6000形などで見られる1枚窓ではなく、西武線の末期3ドア車を連想する2枚窓、近年の新形式車両では珍しく行先表示が字幕式(前面のみ)となっています。

側面も客窓が2段窓になっている辺りは、近年の新型車両らしくない雰囲気を感じ、製造年代の割にあまり新しい車両には見えないのも、7000形の大きな特徴と感じます。


客室内に足を踏み入れると、オールロングシート車ばかりの上信線において、ドア間にボックスシートが設けられたセミクロスシート車になっているのが大きな特徴です。

上信線では6000形も登場時はセミクロスシート車として登場したものの、後にオールロングシート車に改造されていますので、7000形も今後6000形と同様の状況にならないのか気になります。

内装も金属剥き出しの客ドアなどは簡素な雰囲気、座席モケットは寒色系(ブルー)ながらも、暖色系の柄入り化粧板などは悪くない雰囲気と感じたものです。

また近年では気動車や路面電車・新交通システム車両の製造が主体で、それ以外の鉄道車両製造実績が少ない新潟トランシスが製造した車両と言う点でも異色ですが、天井周りなども他鉄道ではまず見かけない雰囲気となっており、全国的に見れば地味な存在の車両ながらも、乗ってみると意外とインパクトがある車両と感じたものでした。

ちなみに上信電鉄は近年他社からの譲渡車両ばかりの地方私鉄が多い中で、常に自社発注車両を走らせ続け、先代自社発注車両の6000形などもかなりインパクトのある車両と感じますが、その一方で自社発注車両の中には今日でも非冷房車が混在する状況です。

現在も非冷房車で残る車両は登場から45年以上が経過している上に、今日の電車では路面電車を除くとかなり少数派とも言える旧式の自動ブレーキ車ですので、そう遠くない時期に代替される可能性も否定できません。

近年の中古車両放出先となっていた西武鉄道も、3ドア車で地方私鉄への放出可能な車両は退役が進み、最近では4ドア車(2000系)の廃車も始まる状況ですので、古参車両代替を進めるのであれば、今後20m級3ドア車の中古車両確保が出来ない事で7000形の増備が進むのか、それとも4ドア車(中間2ドア締切でもさほど問題ない気がします)を中古導入する動きが生じるのかも気になる所です。

車体長が若干短い18m級車両でも、2両編成なら輸送力的には凌げない程ではない気もしますし、今後こちらも首都圏で放出車両の大量発生が確実な状況ですので、これも選択肢の一つとして考えられなくはない気がしますが…



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ボックス席は必要か? (6994)
2016-01-14 23:33:45
 上信電鉄程度の距離なら、沿線に富岡製糸場があるとは言え、ボックスシートは不要と考えます。向かい合わせでは、対面を嫌いドア付近が混雑します。或いは、伊豆箱根鉄道のように、転換クロスでも良かったかと思います。
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世界遺産指定も影響している気がしますが… (MAKIKYU)
2016-01-15 10:19:14
6994様こんにちは。

上信電鉄の沿線にある富岡製糸場は、近年世界遺産に指定された事で観光客も増大し、7000形のボックスシート設置もこの事が影響している様です。

上信電鉄では以前セミクロスシート車だった6000系がオールロングシート化改造され、現在は全列車がワンマン運転で出入口付近に乗客が固まるかと思いますので、最混雑時間帯の高崎行列車充当などとなると、混雑対応という点では少々難ありと言う気もします。

また上信電鉄のワンマン運転は、無人駅では前乗前降となっていますので、JR東日本が新潟地区に導入したE129系の様なセミロングシート配置にするだけでも、混雑緩和という点ではかなり大きな効果が得られると感じ、7000形をもう1編成導入するならボックスシートの半分を新車に移設するのもアリかと思います。

転換式クロスシートも旅行客対策としては悪くない気がしますが、高崎駅待合室に211系グリーン車廃車発生品の座席を用いている位ですので、これを転用整備して広いシートピッチで配置するのも悪くないのでは…と感じています。

この方がグレード向上と導入費低減の両面で一石二鳥かと思いますので…
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Unknown (H・Sさん)
2017-05-13 23:47:13
7000系の増備が、なければ一畑電車から2100系3扉2両2編成4両購入して導入して非冷房車両を置き換えてほしい。
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旧型車代替に関して (MAKIKYU)
2017-05-15 14:54:51
H・Sさん様こんにちは。

上信電鉄では新鋭車両7000系が導入された一方、未だに自動ブレーキの非冷房車も残存しており、車齢もかなり高い車両ですので、そう遠くない時期に代替される可能性はかなり大きいのでは…と推測しています。

ただ一畑の2100系は同型車が既に富士急で廃車解体されるなど、車体・下回り共に老朽化が進行しており、車齢は残存する非冷房車と大差ない事も考慮すると、導入可能性はかなり低い気もします。

上信電鉄が譲渡車両を導入する際は、西武鉄道からの移籍が定番となっている事も考慮すると、もし中古車両で非冷房車代替を進めるのであれば、現在廃車進行中の2000系列で今後2両編成車の廃車が発生した際に、その中で状態の良好な車両を導入するのが最も妥当な気もします。

ただ車両代替時期や今後の使用年数などを考慮すると、どの様な形で非冷房車代替を行うかは断定できませんが…
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