MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

寝台特急「あけぼの」号(1)~機関車編

2009-06-23 | 鉄道[東北]

  

今月初めにMAKIKYUが青森・函館方面へ出向いた際には、JR東日本が通年で発売している「青森・函館フリーきっぷ」を利用したのですが、この乗車券では基本的に首都圏~フリーエリア間の往復は東北新幹線経由(IGRいわて銀河鉄道&青い森鉄道利用の際は、同区間分の運賃が別途必要)となっています。

しかし上野~青森間を運行する寝台特急「あけぼの」号に乗車する事も可能で、この場合に限りフリーエリアまでの途中下車は不可能(=弘前までは下車前途無効)ながらも、羽越本線~奥羽本線経由での利用も認められている事から、「往復で同じ列車に乗るよりは…&同じ経路を通るよりは…」という事もあり、往路で「あけぼの」号に乗車する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

「あけぼの」号は国鉄時代から続く寝台客車を連ねた「ブルートレイン」で、九州方面などへ向かう寝台列車が絶滅した今日では、指の数程しか残っていない希少な「ブルートレイン」の一つになっています。

それに加えて今日の日本では、定期旅客列車での客車列車が次々と電車や気動車に置き換えられ、JR線上では旅客6社全てで昼行定期列車から客車列車が消滅するなど、機関車が客車を牽引する姿自体も見る機会が非常に少なくなっていますので、この点でも非常に希少な存在といえます。

また「あけぼの」号の場合は、上野~青森間の列車運転区間で直流電化区間と交流電化区間の双方を走る事になるのですが、交直両用のEF81形電気機関車などを用いれば機関車交代なしで全区間走破も可能で、現に比較的最近までEF81形が全区間通して「あけぼの」号の牽引を務めていました。

しかし今年春のダイヤ改正からは上野~長岡間では直流電気機関車のEF64形が牽引を務める形態に変更され、長岡駅で機関車が交代する事になりましたので、1列車で2つの機関車が牽引を務める姿を見る事が可能になっています。

その上首都圏の上野駅を発着する列車だけあり、多くの人々の目を引く事もあってか、ブルートレインはおろか、客車列車自体が日本では希少になりつつある現状では、かなりの注目を集める存在となっており、MAKIKYUが「あけぼの」号に乗車する際は、乗客以外にもその姿を一目見てカメラに収めようとする人の姿が絶えず、利用の低調振りが騒がれ、列車廃止が続くブルートレインも、人気は絶大である事を改めて感じさせられたものです。

ただ「あけぼの」号は下りの出発時刻が上野駅21時台となっており、列車が発車する上野駅地上ホームも薄暗いなど、EF64形の姿を捉えるにはやや不適なコンディションになっている事や、深夜に行われる機関車交換は、長岡駅が運転停車となっており、乗客がホームに降りてその姿を目撃する事が出来ない点などは、少々惜しいものです。

また「あけぼの」号は新幹線~特急乗り継ぎ(八戸乗換え)では、首都圏から片道4時間程度で到達可能な上野~青森間を、12時間以上の時間を要して運行する上に、下り列車の青森到着時刻は朝一番の新幹線から乗り継いだ場合とほぼ同等です。

それどころか上り列車に至っては、「あけぼの」号発車時刻より後に青森駅を出発する八戸行き特急~新幹線乗り継ぎでも、青森~首都圏間をその日の内に移動出来る程で、「あけぼの」号は首都圏~青森間を直通する交通手段としての必然性は乏しく、専ら首都圏~奥羽本線沿線間の交通手段としての役割がメインとなっていますので、青森までの運行は、奥羽本線内での昼行列車としての役割を兼ねている事や、車両運用上の都合が大きいといえます。

この様な有様ですので、全区間乗り通す乗客は物好き程度…というのが現状ですが、「あけぼの」号を青森駅まで乗り通した場合、青森駅到着後の客車取り込みでは、列車を牽引しているEF81形は切り離された後に単機回送となり、代わりにディーゼル機関車のDE10形が基地への客車取り込みの任務に当たります。

そのため青森駅到着後は営業中ではないものの、上野出発時点から数えて3機目の機関車が客車を牽引する姿も見られ、途中駅で下車した乗客は見る事が出来ない姿を見る事もでき、全区間乗り通した乗客への特典?とも感じさせる光景を見る事が出来ます。
(この姿は下り列車の青森駅到着時だけでなく、上り列車の青森駅入線時にも見る事が出来る様ですが、こちらは時期によっては暗くなってからの入線になってしまいます)

この姿はEF64形やEF81形が客車の先頭に立つ姿とは異なり、「あけぼの」号のヘッドマークこそありませんが、今日では主に入れ替え用途で用いられる機関車とはいえ、DE10形自体が過去に様々な旅客列車牽引にも用いられ、今日でも臨時列車などで登場する機会が多く見られます。

それどころか「あけぼの」号自体も、ミニ新幹線工事に伴う迂回運転時に一部区間でDE10形が牽引を務めた事もあるだけに、この姿も結構様になっているのでは…と感じたものです。

「あけぼの」号に関しては近日中に続編として、客車の外観や車内の様子などに関しても取り上げたいと思います。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (セト市交通局)
2009-06-24 21:28:06
ご無沙汰しております。あけぼの号ですが、私は過去2回利用したことがあります。
 1回目は2002年1月に当時下宿していた札幌まで帰るときに上野~青森間をB個室で移動しました。ちょうど「北斗星」の寝台券がB寝台も含め完売していたので、当時は東北本線経由の乗車券でも乗車できた「あけぼの」に乗りました。途中までは結構利用率は高く、ほぼ満席でした。
 2回目は2007年3月に大館→弘前間だけのヒルネ利用でした。
 あけぼの号は羽越本線・奥羽本線内の駅ではこまめに停車しますし、フリーきっぷでも個室に乗れるようなので、結構便利ではないでしょうか。
返信する
こちらも過去にヒルネ利用は… (MAKIKYU)
2009-06-25 22:12:16
セト市交通局様こんばんは。

こちらも機関車牽引の客車「あけぼの」号には、過去にヒルネ利用で乗車した事もあるのですが、寝台利用で夜を越したのは、今月の乗車が初めてです。
(他に随分前に583系で運転された臨時「あけぼの」で、グリーン車に乗車した事もあります)

ヒルネ利用は大館→弘前の区間では普通列車空白帯に走っており、こちらが以前ヒルネ利用で乗車したのもこの区間なのですが、この区間では利用価値も大きく、日頃乗車機会の少ない寝台列車に手頃に乗車できる事も有り難いですね。

また各種フリーきっぷでの個室利用が可能な事や、ゴロンとシートは指定席特急料金で利用できるなど、料金的にも比較的利用しやすい事も有り難い限りで、機会があればまた利用したいと思ったものです。
返信する
時代に逆行か? (開運skyliner)
2009-06-28 14:48:31
「あけぼの」は今年のダイヤ改正より、それまでのEF81のスルーを止めて上野~長岡間がEF64とのリレーになりましたよね!別に板谷峠を越える訳でもないのに人件費や手間を掛けてまで機関車の付け替えを行うのかが疑問に思う処です。
もしかしたらEF81は上越国境には不向きだった為であるとしたら今まではEF81に対して無理な仕業をさせてた事になります。これじゃEF81の寿命が縮むのも無理ないと思います。でもだからと言っていつまでも手間の掛かる機関車付け替えをやる筈も無いでしょう。EF64の「あけぼの」もそんなに長くはないでしょう。だとしたらEF510への置き換えは「北斗星」「カシオペア」よりも「あけぼの」が先になる事は間違いないでしょう。
返信する
機関車の老朽化も影響している様で… (MAKIKYU)
2009-06-28 21:47:32
開運Skyliner様こんばんは。

あけぼの号のダイヤ改正後における長岡での機関車交替は、最近発売された某情報誌にも取り上げられていましたが、EF81形の老朽化も影響している様です。

ただEF81形に限らず、ダイヤ改正以降に上越国境越えに充当される様になったEF64形も国鉄時代に製造された機関車で、これも決して新しくないだけに、牽引機のEF510形への置き換えは、いつ行われてもおかしくないと感じます。

とはいえあけぼの号は機関車だけでなく、客車の方も老朽化していますので、機関車だけ新型に置き換えて現状で推移する可能性は低く、何らかの大きな動きが近い将来出てくるものと思いますが、今後どの様な形になるのかも気になるものです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。