日本一のバス事業者であると共に、本州以外で鉄道を運行する唯一の大手私鉄としても知られる西日本鉄道(西鉄)は、今月に入ってからICカード(nimoca)の他カード(SUGOCAなど3種)との相互利用開始や、新駅(紫駅)開業とこれに伴うダイヤ改正、割引率の高さが魅力的な磁気SFカード(よかネットカード)の発売終了など、大きな動きが目白押しとなっている事は、ご存知の方も多いかと思います。
この様な大イベントは日を同じくするのが通例ですが、西鉄では今月に入ってからのこれらの大イベントは全て異なる日(前者から順に13日・27日・31日)となっている点は、様々な事情が存在しているとは思いますが、極めて異色と言えます。
その中でも先日紫駅開業と共に行われたダイヤ改正では、天神大牟田線で平日朝ラッシュ時間帯にだけ運行していた2種別が消滅し、列車種別は全日各時間帯において運行する特急・急行・普通の3種に整理されましたので、西鉄電車を使い慣れない人間にも単純で分かりやすい運行体系になったと言えます。
ちなみに先日のダイヤ改正で消滅した2種別は「快速急行」「直行」の2種別で、快速急行の方はMAKIKYUが乗車する機会はないまま終焉を迎えてしまいましたが、直行の方は先月MAKIKYUが九州へ出向いた際にも、始発の福岡(天神)から1駅だけながら乗車する機会がありました。
「直行」と聞くと、MAKIKYUは西鉄電車の走る福岡から高速船で北上し、所要3時間程の半島各地を走る市外バス(主に観光タイプの車両を用いる都市間バスですが、座席は先着順の自由席である事が殆どで、彼の地では高速バスとは別種のバスとして運行しています)を連想してしまいますが、日本の鉄道(ケーブルカーを除く)における列車種別では、近年では西鉄が唯一の存在でした。
西鉄電車の「直行」は英訳が「NON-STOP」ではなく「STRAIGHT」を用いていたのも特徴的で、かつては福岡を出ると途中停車駅がなく、終点まで直行していたのですが、近年は薬院駅にも停車しており、「直行」という種別名にも関わらず途中停車駅が存在していた事も異色でした。
また「直行」は平日の朝ラッシュ終わり頃に、福岡(天神)へ到着した列車を折り返して車庫(筑紫)に戻す際、実質回送と言っても過言ではない下り方面の車両を、何本かだけ「直行」として二日市まで営業で走らせていた状況でしたので、日頃西鉄電車を利用している方でも馴染みは…という方が多いかと思いますし、九州外の人間であるMAKIKYUなどは尚更です。
その上二日市までの停車駅は「特急」と全く変わらず、朝ラッシュ終わり頃の下り数本のために、わざわざ別種別を設定していた事は異例と言えます。
今までこんな列車が走り続けていた事自体が不思議なもので、「直行」廃止→急行格下げで途中駅の利便性向上を図る事は、MAKIKYUは妥当な施策と感じ、同感と思われる方も多いかと思います。
停車駅増加は勘弁と感じる方も、二日市行きの特急として走らせれば…と思われる方が大勢かと思いますので、実効性のない種別を増やす事で不慣れな利用者を混乱させる事を考えると、「直行」廃止は妥当な施策と言えます。
とはいえ西鉄電車にしか存在しない異色の種別が消滅した事は、他の大手私鉄には見られないサービスが幾つも存在する西鉄の独自色が薄れ、趣味的には寂しいと感じてしまう一面もあります。
「直行」は他鉄道では見られない種別として知られていただけに、定期列車で姿をみる機会は無くなっても、イベントや臨時列車での登板に期待すると共に、西鉄電車で異色の種別が用いられていた事を、記憶の片隅に留めておきたいものです。
早速、西鉄の快速急行と直行が廃止されたことについて意見を述べたいと思います。
直行の廃止は妥当な選択肢だったと私は思います。なぜ二日市行き特急とできなかったのか大きな疑問です。種別がが1個なくなってしまったのは誠に寂しい限りですが、乗客の混乱防止のためなら仕方ないと思います。
一方、快速急行の廃止ですがこちらは残念でなりません。ラッシュアワーに下大利と春日原をスルーできた点などを踏まえると、混雑にも打ち勝てる重要な種別だったと思います。九州唯一の快速急行だっただけに非常に悔やまれる限りです。
特急、急行、普通の3本立てというのはわかりやすい反面、面白みがなく利便性にも欠けると私は思うのですが皆さんはどうお思いでしょうか?。
それではこれからよろしくお願い致します。
西鉄のダイヤ改正に伴う種別整理ですが、直行に関しては同感で、実態が回送の客扱いで利用率が芳しくない事を踏まえると、急行格下げで途中駅の便宜を図るのは妥当な施策と感じています。
また快速急行の設定は、ホーム長さの限られる春日原などを通過する事で8両編成の運転を可能にし、輸送力を確保する目的もあった様で、輸送人員の減少で8両編成運転の必然性が薄れた事も、快速急行廃止の大きな要因になっている様です。
今回の西鉄種別整理は、イレギュラーな種別を整理して分かりやすいダイヤとした点は、利便性向上の面で評価できると感じていますが、趣味的にはやや面白みが薄れますので、今後イベントなどで廃止種別の復活に期待したいものです。
快速急行廃止の件ですが、減車(8両→7両)で始発駅である大牟田からでも座れない状況となっています。
隣駅である新栄町からは75分間の立ちっぱなし以外選択肢がない状態です。
大手私鉄の中でも比較的距離の長い西鉄本線では、遠距離列車と近距離列車・普通とでの混雑格差も顕著です。
輸送人員の減少と言っても、なぜ混雑の低い後者でなく前者なのか?首をかしげる点ばかりです。
遠距離区間の混雑で言えば小田急線などの例もあるかとは考えますが、これは輸送設備が逼迫した結果であり、西鉄の場合は近距離偏重体質と言わざる得ない気がします。
こちらは日頃首都圏に身をおく事もあり、朝ラッシュ時の天神方向行き列車自体、乗車した事がない状況ですので、快速急行は乗車機会がないまま終焉を迎えてしまった程です。
そのため最混雑時間帯の状況も、話を聞く程度で直接確かめるのも難しい状況ですが、いくら座席数の少ない4ドア車などを用いるとはいえ、急行格下げに伴って始発大牟田でも座れない状況となれば困ったもので、運賃設定が大幅に安い通学定期券利用はともかく、定期外旅客などが競合するJRへ流出しないかも気になります。
また大牟田からの天神方面行き優等列車は、朝ラッシュ時間帯でも運転本数が限られ、通勤時間帯に30分も間隔が開いているのも問題と言う気がします。
制約の大きい8両編成を走らせなくても、設備的に逼迫しているわけではないかと思いますので、そうなれば増発・区間延長で対応可能なはずで、快速急行の復活は厳しいにしろ、急行の増発などは期待したいものですね。