MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

JR常磐線・福島~宮城県境界の内陸移設区間に乗車

2017-02-07 | 鉄道[東北]

先月MAKIKYUは東北へ足を運ぶ機会があり、先日「MAKIKYUのページ」でも仙台地区のJR電化各線(仙石線を除く)で稼働開始した新型車両・E7211000番台に関して取り上げましたが、同系には東北本線と常磐線で乗車機会がありました。

常磐線は12月の仙台地区ダイヤ改正に併せ、東日本大震災以来不通が続いていた福島~宮城県境の相馬~浜吉田間が運転再開、MAKIKYUは先月この区間に乗車する機会もありましたので、この復旧区間の様子を取り上げたいと思います。
(
ちなみにMAKIKYUは上り電車(仙台発原ノ町行)で最後尾車両に乗車した事もあり、写真は全て最後尾から撮影したものとなります)

運転再開区間の北端は浜吉田駅、震災以降の一部区間運転時には浜吉田駅発着の列車も多数設定されていましたが、福島~宮城県境区間の復旧と共に浜吉田駅発着の列車は全て廃止となっています。

  
同駅を出発して少し南へ進むと、線路が内陸側にカーブしており、ここからが内陸移設でルート変更となった復旧区間で、今まで線路が通っていなかった所に新たに線路を敷設したものの、地上区間には何ヶ所かの踏切も見受けられたものでした。


一部区間は高架線となっており、新規開業線区を思わせる雰囲気はやはり内陸移設でルート変更した仙石線の野蒜周辺に通ずるものがありますが、内陸移設区間に移転した新たな山下駅も高架駅となっています。


山下駅は震災前に仙台~山下間の折り返し列車も設定されており、12月のダイヤ改正でも再び仙台~山下間の区間列車が設定されていますが、駅設備は旧国鉄の典型とも言える震災前の23線→島式ホーム12線に縮小されており、ホーム長も6両分程度であるなど、随分コンパクトな駅になっています。


駅周辺も三陸方面などに比べればまだマシな状況とは言えども、まだまだ復興事業進行中という雰囲気が強く感じられたものでした。

 
山下~坂元間では内陸移設に伴い、丘陵をトンネルで突き抜ける区間も存在しているのが特徴で、内陸移設区間に移転した坂元駅も山下駅と同様に高架駅となっています


新たな坂元駅は11線の棒線駅、震災前と異なり交換設備のない駅になっており、現在常磐線で列車運行を行っている単線区間においては、唯一列車行き違いの出来ない駅になっているのが大きな特徴で、山下駅以上にコンパクトな駅になったと感じたものでした。


坂元~新地間は宮城~福島の県境を超える区間にもなりますが、この区間では掘割となっている箇所も多数存在し、ここでも内陸移設の新ルートながら踏切も何ヶ所か見受けられたものでした。

新地駅は東日本大震災の大地震直後に発生した大津波で甚大な被害を受け、駅設備と共に停車中のE721系電車(トップナンバー編成を含む4両編成)が激しく損傷、その様子がニュース記事などでも盛んに報じられた事でも有名になった所です。


移転した新たな新地駅も、内陸移設区間では唯一の地上駅となっており、配線は相対式22線、先の2駅と同様にホーム長さは6両分程度と、震災前に比べるとコンパクトな駅になっています。


新地駅を出て暫くすると震災前のルートに合流、駒ヶ嶺駅は震災前と大差ない状況ですが、相馬地区の仮復旧時(原ノ町~相馬間で列車運行)は代行バスルートの関係などで列車発着が5年以上の長期に渡って見合わせとなっていた駅で、先月列車運行再開となった常磐線4駅の中でも、内陸移設で新装移転した3駅とは随分様相が異なっています。

駒ヶ嶺を出ると次は相馬、以南原ノ町までは一時期部分運行となっていた区間で、仙台~原ノ町間の直通列車運行再開で代行バスとの乗継時よりも利便性が格段に向上したと感じ、未曽有の大災害となった東日本大震災からの復興はまだまだながらも、少しずつ進行している事を実感したものでした。

MAKIKYU
は原ノ町到着後、更に南下して常磐線列車に小高駅まで乗車、MAKIKYUが震災後この区間に乗車するのは初めてでした。


こちらは相馬~浜吉田間運転再開前の原ノ町~相馬間区間運転時にも用いられていた7012両編成(編成番号は別)でしたが、LEDによる行先表示でも「小高」の行先がきちんと表示されており、輸送力的にはワンマン運転でも差支えなさそうな区間ながらも、車掌乗務によるツーマン運行となっていました。
(
震災前の原ノ町以南を走る普通列車は、一部ワンマン運転になっていました)

  
現在列車運行が南北に分断された状況になっているJR常磐線、常磐北線の南端と言っても過言ではない状況になっている小高駅は、中線に2両分だけの仮ホームが設けられており、如何にも暫定運行中といった雰囲気が感じられたものでした。


小高駅からは現在常磐南線の北端駅と言っても過言ではない竜田駅まで代行バスに乗車、MAKIKYUがこの区間の代行バスに乗車するのは2回目です。

以前乗車した際は竜田駅~原ノ町駅間がノンストップ運行でしたが、小高~原ノ町間の列車運行が再開してからは、小高駅も停車する様に改められ、小高駅に停車する様になってからの代行バス乗車は初めてでした。
(
小高~原ノ町間にある磐城太田駅は、代行バスは未経由)


以前竜田駅~原ノ町駅間の代行バスに乗車した際は、JRバスで使用していた高速車両が、塗装もそのままで浜通り交通に譲渡された車両でしたが、先日乗車した際は運行事業者こそ前回と同じ浜通り交通ながらも、新型観光車による運行となっていました。


この代行バスはガイド付きのツーマン運行でトイレ付車両による運行となっており、車内には放射線量を示すモニターも装備されているなど、運行地域の特殊性が強く感じられ、津波被災地とはまた異なる震災の爪痕が未だに色濃く残っており、常磐線の南北分断状況が解消し、再び鉄路が繋がる様になるのはまだまだ先だな…と感じたものでした。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。