文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

半七捕物帳の思い出

2021-07-24 08:59:24 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 著者は、ドイルのシャーロックホームズに触発されて、半七捕物帳を書き始めたらしい。設定を江戸時代に持ってきたのは。それまで江戸時代を舞台とした探偵ものが無かったからだ。大岡政談や板倉政談というものはあったが、それらは裁判を中心としたもので、探偵ものとは少しジャンルが異なる。

 大岡政談はそれほど説明の必要はないだろうが、名奉行大岡忠相を主人公としたものだ。板倉政談については少し説明が必要かもしれない。徳川家康に仕え、京都所司代となった板倉勝重の名裁きを描いたものである。実は、大岡裁きとして有名な「三方一両損」の話も、彼とその息子の重宗が京都所司代在職中に行った施政の概要を記した「板倉政要」に収められているもので、大岡政談では、それを翻案して使っているのだ。

 もう一つの理由は、著者に江戸時代の風俗、習慣、法令や、町奉行、与力、同心、岡っ引などに関する予備知識を持っていたからだという、

 このように、半七捕物帳の書かれた背景を知ることが出来、短い文章ながらなかなか興味深い。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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