本書は、「緋が走る」や「島根の弁護士」などで知られるあおきてつおさんの描く古事記の謎。「マンガ家が解く古代史ミステリー」と銘打たれたものの一つである。それにしても、「緋が走る」のモチーフは萩焼だし、「島根の弁護士」は文字通り島根県の話だ。あおきさんは東京生まれの千葉県在住とのことである。どうして中国地方の山陰を舞台にした作品をあのように魅力的に描けるのだろう。もちろん他にも作品は沢山ある。しかし、上記の作品は、あおきさんの代表作と言ってもいいだろう。そんな青木さんの語る古事記の真相。
収録されているのは、「作られた神話」、「スサノオの正体」、「神武の実像」の3篇。そして、それぞれの中にさらに色々な話が織り込まれている。これらがあおきせんせが二人の可愛らしいJK?(JCじゃないよね)に説明するという形で進んでいく。あおきさんの描く女性キャラはなかなか可愛く絵柄も私好みだ。同じシリーズの「邪馬台国は隠された」と異なり、文字による説明はほとんだなく、マンガを使って、分かりやすく古事記の謎が解き明かされていく。
古事記ばかりでなく、古代史には謎が多い。それは生きている人は誰も自分の眼でみたことがないからだろう。だから残されたものから推理するしかない。それも人によっていうことが違っている。だから古代史は面白い。
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