文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

みだれ髪

2023-10-01 14:55:01 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 有名な女性歌人与謝野晶子の処女歌集である。晶子は、大阪府堺市の生まれで、その後東京へ移住。実の兄に「鳳-テブナンの定理」で有名な東京帝大の教授だった電気工学者鳳秀太郎がいる。(これは鳳博士がテブナンとは独立にこの定理を発見したことにより、昔はこの呼び方も使われていたが、最近は「テブナンの定理」と言われるのがほとんどである。)

 夫鉄幹との熱烈な不倫恋愛でも知られるが、この鉄幹も京都生まれの人。だからこの歌集は、京都の地名がそこかしこに見られる。まれに、奈良や大阪の地名も出てくるが、出てくるのは殆ど京都の地名である。自分の処女歌集なのだから、もっと堺市の歌が出てきても良いと思うのだが、これは鉄幹が京都生まれの人だからだろう。

 鉄幹は、山口県周南市(当時は都濃郡徳山町)の徳山女学校の教員だったこともあるが、複数の女子生徒と問題を起こしている。鉄幹の写真も残っているが、それほどイケメンというわけではないのに、どうしてモテモテだったのだろう。それとも女子校というのは、そんなに教員がモテるような雰囲気なのか。晶子も鉄幹の3番目の妻だが、写真を見るとどうしてもそれほど羨ましいという感じがしないのだ。

 確かにこの歌集を読むと、情熱的な歌が多い。これは鉄幹に対する恋慕の情だというが、よく分からんというのが正直なところだ。タイトルに「乱れ髪」とあるように歌には髪の毛それも女性の髪と思われるものを歌ったものが沢山出てくる。

 おそらくこの歌集で一番有名な歌は、「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」だろうが、少し疑問がある。どうしてやは肌のあつき血汐にふれも見でということが分かったのだろう。晶子が生まれる少し前に僧侶の結婚は全面的に解禁されたので、もしかするとやわ肌にふれているのかもしれないのだ。まさかキリスト教の修道院じゃないと思うのだが。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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