文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
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岡本梨奈の 1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本

2020-01-30 10:02:54 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 本書は、大学受験のための古典文法の参考書だ。私は、文理という分類でいけば理系に区分されるのだろうが、実は、古文が得意だった。古文には、大学入学以来縁がなかったが、古文の文法が身に付けば、読書の幅が広がるのではないかと思って読んでみたという次第である。

 本書の構成は、基本的な事をまず先に書いて、その後、講師が説明し、生徒がこれに質問をするという形で、解説が続いている。正直、これが読みにくい。おそらく、講義という形だったらいいんだろうと思うし、他書と区別したいということも理解できる。

 どうして読みにくいのかと考えてみた。それは私の高校生のころの勉強方法とも関係しているようだ。必死で古文を勉強した覚えはない。1冊の例文のついた単語集を、例文といっしょに何度も繰り返しただけである。私が受験生のときは、新書サイズのそれほど厚くない古語の単語集があったが、それを繰り返しやっただけである。

 コツは、1日15分と短時間毎日繰り返すのである。覚えようとする必要はない。何度も繰り返すうちに自然に覚えてしまうし、例文も頭に入るのだから、古文もあまり苦労せずに読めるようになった。作者でも解けないと揶揄される現代文や、本来中国語である漢文よりよほどとっつきやすい。

 だから、あまり文法の細かいところをつつくのは、受験のテクニックとしては、否定的なのだ。私たちが日本語を話すときに文法を気にしているだろうか。そもそも古文の文法知識を問うような問題は、数としては少ないのではないだろうか。そのために本を一冊覚えるというのはどうだろう。基本的な部分を充実させればこんな厚さにはならないと思う。そして理系受験生には、古文関係はより薄くということを求められる。

 理系を目指す人間は数学や理科など、他にやらなければならないことも多く、それほど暇ではない。これが文系に進む人だったら違うのだろうが、理系志望者の場合、細かいことを聞かれても、どうせ出来る者は少ないと思えば、出来るに越したことはないのだが、捨ててしまっても、そう致命的にはならない。

 細かいことを言うと、動詞の六活用で、「已然形」というのがいきなり出てくる。これは私が高校生の頃聞いた覚えがない(居眠りしていただけかもしれないが)。説明が欲しいところだ。

 以上昔の理系受験生からの観点である。国語のある国立理系を目指している人の参考になれば幸いである。

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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