いわゆる「虫」というのは、狭義と広義の意味がある。狭義の意味とは「昆虫」であるが広義の意味とは昆虫を含む小さな生き物全般である(ただし、明らかに爬虫類や両生類などに分類されるものは除く)本書では広義の意味で「虫」という言葉を使っている。だから、クモやサソリ、ムカデやゲジゲジやナメクジ、デンデンムシと言ったようなものも含まれている。
私もかなりの虫好きであり、子供の頃は昆虫博士になりたいと思っていたのだが、著者とは大分方向性が違うようだ。なにしろ、毒グモやサソリ,ハチなどの毒を持つものは、どんな具合か試そうと、自分からかまれたり刺されたりしているのである。さすがにそんな真似はできない。帯の写真にあるようにサソリを顔に這わせたりなんかは絶対に無理である。
男の子にはクワガタ好きな子が多い。もちろんカブトムシ派もいるが、多くの子はクワガタの方がかっこよくて強いと思っているのではないだろうか(体格的なものを考えると日本で普通に見られるやつなら絶対にカブトムシの方が強い。)。それでは世界最強のクワガタは何かというのを著者は調べるのだが、その方法がぶっ飛んでいる。何しろ自分の指を挟ませてみて、その感触で決めるのだから。ちなみに、本書では、最強のクワガタは、アフリカのタランドゥスオオツヤクワガタだそうだ。
もちろん食べ比べたりもしている。多くの虫は頭に「虫にしてはうまい」という言葉が付くが、シロスジカミキリの幼虫とソフトシェルセミは本当にうまいらしい。後者は、羽化直後の真っ白なセミのことだ。
このように、とてもマネをしようという気にはならないのだが、怖いもの見たさで次は何をやってくれるんだろうという期待を持って本書を読むことができた。
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