まず、お断りしておかなければならないが、本書は、父の遺品なので、私が買った訳ではない。父は確か退職してからだったと思うが、なぜか短歌に目覚め、昔の勤務先のOB新聞の短歌欄の常連だった。どこかの自治体で募集していた短歌大会で入選したこともある。地元の短歌会にも所属していたようだ。もっとも亡くなる前には、昔に比べると大分元気がなくなったためか、短歌会の参加者が少なくなったためか、ほとんど活動はしていなかったが。
さて、本書の方だが、645種類の植物が、その植物を簡単に紹介した後、読み込んだ現代歌人の歌とともに紹介されている。よほど変わった植物でない限りは、この本でまにあうだろうし、そもそも変わった植物を謳った短歌も少ないのではないかと思う。もっとも同じ植物でも、表記方法はいろいろあるようで、例えばサボテンの場合は、サボテンと書かれている歌が多いが、仙人掌と書いて(サボテン)とルビをふっていたり、シャボテンと書いていたりする。この草木花編の他に、天地季節編、鳥獣虫魚編、生活文化編もあるので、短歌を趣味にしている人は手元に置いておけばいろいろと参考になるのではないかと思う。
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