ヒロインは、和泉摩耶という33歳のパティシエ。アルバイトでワインバーの臨時シェフもしている。それが、おでんを作ったのはいいが、辛子がないことに気づき、買いに出たところで事故にあう。そして異世界に転生する。もちろん事故というのは異世界転生・転移もので定番となっているトラックに轢かれてである。なお、転生・転移ものにつきものの神様は出てこない。
異世界に生まれ変わったのはいいのだが、なんと12歳のエルゼヴェルト公爵令嬢で既婚者。名前もアルティリエ・ルティアーヌ=ディア=ディス=エルゼヴェルト=ダーディアと覚えきれないくらい長い。結婚したのは、なんと生後7か月。元の世界では33歳独身だったにも関わらずだ。夫はその国の王太子ナディルで15歳年上。エルゼヴェルト公爵家は4大公爵家筆頭である。亡き生母は、現国王の異母妹。
これだけ書くと、異世界転生大成功だと思う人が多いだろうが、実は、アルティリエの周りは陰謀だらけ。彼女自身も何者かに公爵家の城の3階から下の湖に落とされ(この時は3番目の兄に助けられた)、彼女の侍女の一人である毒見役のエルルーシアが遅効性の毒で死んでしまう。
ただ、漫画だけでは設定が良く分からないところがある。例えばエルゼヴェルト公爵家と王家の関係。なぜ上に5人の腹違いの兄がいるのに、アルティリエがエルゼヴェルト公爵家の唯一の後継者なのか。そのあたりはwebに公開されている原作小説を読めばいいだろう。
ナディルは相当癖があるようだが、果たして二人の仲はどうなるのか。そして陰謀を巡らしているのは誰か。いろいろと気になるところである。
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