文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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任侠転生ー異世界のヤクザ姫ー 1

2020-11-28 08:05:47 | 書評:その他

 

 主人公は、背中に吉祥天の彫り物をしょった「暴れ吉祥」と二つ名を持つ新宿の龍と呼ばれた、昔気質の老ヤクザ。吉祥天というのは、仏教を守護する天部の一柱で、幸運や富を運んでくるものとして信仰されている。元々はヒンドゥー教の女神ラクシュミーが仏教に取り入れられたものだ。

 さてこの主人公、シマを狙う兄弟分の罠で命を落としたと思いきや、何と異世界の王女、サナリア・リュー・ルンドブルグとして転生?する。普通転生というと赤ん坊からやり直す例が多いが、この作品では、気が付けばお姫さまだったという設定だ。見かけはかわいらしい女の子が、ついているかどうか(何が?)を確認するため股を開いたり、オッサン口調のヤクザ言葉でしゃべったりするのが何とも笑える。

 この異世界には「守護女神を背負いし勇者、吉祥をもたらさん」という伝承があるようだ。最初のページにその絵が出てくるが、女神は背中に彫ってあるわけではなく、楯の衣装になっているし、姿も西洋的な女神さまだ。これに対して、リュー姫の背中に浮かぶのは東洋的な吉祥天。果たして彼女は勇者なのか?

 最後に魔王らしきものが出てきたが、このあとどう展開するのだろう。この巻では子分が最初から2人おり、子供が45人もいるゴブリンが子分になったようだ。これからも子分は増え続けて、リュー一家ができるのだろうか。

 

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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