文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち

2019-12-17 10:29:28 | 書評:その他
創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち (新潮文庫)
小島 秀夫
新潮社

 私は、あまり存じ上げなかったが、著者は、ゲームの世界では有名な人のようである。本書は著者の血となり肉となった、色々な物語について述べたエッセイ集だ。

 本書は、著者が触れてきた物語をMEMEという観点から述べたものである。二部構成になっており、一部は副題と同じ「僕が愛したMEMEたち」、二部は「ある日、どこかで、好きだったこと 」というタイトルが付けられている。この二つは、そう実質的に変わりがあるように見えないので、発表した年代の違いかなと思ったのだが、一部は、「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)2010年8月号から2013年1月号に、二部は「Papyrus」(幻冬舎)2007年4月vol.11から2009年6月vol.24に連載されたもののようだ。

 MEMEとは私の知らない言葉だったのだが、本書では、MEMEについて次のように言っている。

「これはリチャード・ドーキンスが提唱した概念である。生物学的な遺伝子(GENE)とは異なり、文化や習慣や価値観などを次世代に継承していく情報のことだ。物語は、MEMEの形態のひとつだと言っていいだろう。」(pp11-12)

 

 これだけでは分かり難いので、ちょっと調べてみた。MEMEというのは、遺伝子との類推から生まれて、人から人に伝わっていく文化的、社会的な情報のことを言うようである。つまり、著者の言うように、物語などもMEMEだ。別に小説である必要はない。漫画だって映画だってMEMEなのである。だから、本書には、著者が読んだり観たりした本や映画などのことが紹介されている。

 紹介されている作品の中には、名作と言われているものも多い。これからも世代を超えてMEMEは受け継がれていくのだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする