Tokyo at rain and Tokyo at night MOVIE!

東京の夜景動画ブログです。

展示、鑑賞、撮影

2007-07-07 21:35:52 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


今日は雨も降らず、湿気はあったものの比較的涼しかったので、昼過ぎから思い切って撮影に出かけた。
現地に到着したのは2時過ぎだったが、雲間から時折光もさすといったコンディションで、シートフィルムを4枚消費している。



その後、ギャラリー巷房へ向かい、加藤修展と狩野志歩氏のビデオインスタレーション「Candle」を鑑賞する。
加藤氏の作品はメッセージ色の強いもので、ある意味では鑑賞者に深い思考を要求してもいるのだが、声高に作品が訴えかけるというものではなく、作家と鑑賞者が作品を通じて対話することによって、自らの思考を深めてゆくという構成になっていたように感じた。ただ、個人的には階段下に展示されていた作品の方が、純粋に形状と質感の面白さを楽しむことが出来たので、その両面を見ることができたという点でも興味深かった。



また、狩野志歩氏の「Candle」はけれんみの全く無い作品で、ビデオインスタレーションがちょっと苦手な自分も、割とのんびり鑑賞させていただくことができた。鑑賞後、作家氏とお話させていただいたのだが、思えばずいぶんと大きな口を叩いてしまった。技術的な基礎があまりにもしっかりしていたので、多少は予防線を張りながらお話させていただいたので、本当にひどいことは言ってないと信じたいが、外見にすっかり騙されてしまうところだった。
人は見かけが9割なんて、誰が言ったんだ
あぶないあぶないぬぅ~



ギャラリー巷房を出た後、近所のギャラリーQをはしごする。
こちらでは池田路世氏の彩色木彫面を展示していたが、ある種の生々しさを含んだ興味深い作品だった。
というのも、伝統的な面は怒りや悲しみ、笑いといった「感情」や、あるいは役者が演じる「役割」をあらわしており、同じ表情なり役割の面同士であれば、相互に互換可能な存在であったといえよう。また、伝統的な面は基本的に記号化、様式化されており、面によって「人にあらず、役割である」様を表しているといえよう(これは、現代のヒーローものにまで連なる視覚表現ではなかろうか?)
しかし、池田氏の作品は非常に具象的かつ生々しく、役割や表情ではなく、個々の面が人格のようななにかを備えているように思えた。なんと言うか、面というより立体ポートレートといった趣を感じたのだが、果たしてどのように評価されたのであろうか?
もちろん、個人的には評価されるべき作品だと思うのだが、新GalleryQのオープン記念企画である「The Party」展にも出品が決定したとのことなので、ぜひともその目で確かめていただきたい。



でまぁ、調子に乗って四谷のギャラリーRooneeへ向かい、荒多恵子写真展伊良波愛理写真展を鑑賞した。
荒多恵子氏は既に作家としての実績もあり、今回もご自身の表現したいテーマをはっきりと把握されていることが伝わってきた。だが、対照的に伊良波氏の作品にはなんともいえないもどかしさとか、作家自身がどうにも出来ないとまどいというかなんというか、そういうごちゃっとしてはっきりとしない感覚があり、ぶっちゃけ初々しさが濃厚に漂う展示だった。ただ、もう少し展示空間に対する配慮が欲しかったというか、まぁ次回以降はもうちょっと広くて静かな空間を押さえたほうがよいかなとは思ってしまいました。



ここまで来るとほとんど毒皿状態で、そのままPlaceMまで足を伸ばし、斎院真理子氏の斎院真理子 「yokohama hanon」を鑑賞する。作家氏ご本人ともお話させていただいたのだが、非常にそつなくまとまった展示で、技術的にも一定の水準に到達しており、突っ込みどころはほとんど皆無に等しい。会期は明日までだが、オーソドックスなストレートフォトを堪能したいのであれば、時間を作ってでも足を運ぶべきだろう。



最後は表参道画廊へ向かい、大竹敦人氏、下園城二氏、奥村昭彦氏が参加した「Optic Topography・光学的地理A」展と、竹原伸彦氏のビデオインスタレーションを鑑賞した。竹原氏のビデオインスタレーションは、本当にけれんみのかけらも無い作品で、鑑賞しているほうが不安になるくらいソリッドな、こういう表現が許されるのであれば「素体」といっても過言ではないほど、ぎりぎりまでそぎ落とされたミニマルさがそこにあった。というか、本当にそれしかなかった!
繰り返しになるが、自分はビデオインスタレーションがちょっと苦手なので、正直しんどいところも無くはなかったのだが、個々まで潔い作品となると、応援せざるを得ないような気にもなってくるから不思議だ。



また「Optic Topography・光学的地理A」は「Trait d'union 21企画展」の一環であり、今年は写真がテーマになったというわけ。3人展であるにもかかわらず、展示としての一体感というかハーモニーのようなものがあり、それぞれの作家が相互補完的に作品の意味性を高めているところは見事だろう。いずれにしても、非常に鑑賞する価値の高い展示だと思うので、ぜひとも足を運んで欲しい。



この「Optic Topography・光学的地理A」については、自分も機会を作ってまた鑑賞するつもりだし、出来ればもう少し突っ込んで感想を書きたいとも思っている。



それにしても、機材を担いでうろうろしたから、ちょっと疲れちゃったなぁ~
軽い三脚が欲しいね。



加藤修 展
会場: 巷房階段下
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月07日
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727



加藤修 展
会場: 巷房
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月07日
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビル3F
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727



狩野志歩 「Candle」
会場: Space Kobo & Tomo
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月07日
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727



池田路世 展
会場: ギャラリーQ
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月07日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座1-15-7 マック銀座ビル2階
電話: 03-3535-2524 ファックス: 03-3535-2524



伊良波愛理 展
会場: ルーニィ 247 photography
スケジュール: 2007年06月26日 ~ 2007年07月08日 16:00
住所: 〒160-0004 東京都新宿区四谷4-11みすずビル1F
電話: 03-3341-8118 ファックス: 03-3341-8118



斎院真理子 「yokohama hanon」
会場: Place M
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月08日
住所: 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F
電話: 03-3358-3974 ファックス: 03-3358-3974



「Trait d'union21」展
会場: 表参道画廊
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月14日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469 ファックス: 03-5775-2469



竹原伸彦 展
会場: ミュゼF
スケジュール: 2007年07月02日 ~ 2007年07月07日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469


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