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東京の夜景動画ブログです。

甲斐優子展「GEOGRAPHICAL FEATURES」と大平暁展

2009-06-19 14:01:49 | お知らせ
Sakuradamon001


仕事はぼちぼち。
けして悪くはないけど、間違っても良いとはいえない。まぁ、仕事というのはそういうものなのかもしれないけど、こういうときはつい「いらぬなにか」へ手を出したくなるから、その点はくれぐれも引き締めておかねばならないね。



さておき、なんとかうまい具合に少し時間をやりくりできたので、表参道画廊にて開催中の甲斐優子展「GEOGRAPHICAL FEATURES」を鑑賞する。ポストカードが心に引っかかったので、なんとか鑑賞したいと思っていたのだが、少なくとも時間をやりくりしたかいはあったね。



例によって展示内容の詳細には触れないが、そもそもタイトルとテーマと作品が一直線でつながっているような展示なので、タイトルやポストカードが気に入ったのであれば、必ず期待に答える作品といってもいいだろう。個人的には、鑑賞者と作品との間にさえぎるものが何もないインスタレーションに好感を持ったし、全体の配置についても、とりあえず無難にはまとまっていたと思う。



タイトルとテーマと作品が一直線でつながっているような展示なのだから、インスタレーションもそのようであるべきといっても言い過ぎではなかろうし、今回の展示を通じて自信を深めても良いのではなかろうかとも思う。



併設されているMUSEE Fでは大平暁展が開催されていたが、こちらはモダンでコンテンポラリーな軽さと楽しさ、可愛らしさを持ちながら、それでいて丁寧にきちんときれいにまとまっていた。作家の大平氏はJR中央線沿線を拠点とするアーティストユニットを主宰しているそうで、インスタレーションからも手馴れた危なげのなさが感じられた。ちなみに「jet's boys」とは、超低空、超低速、なのに気分はジェットな感じのアーティストユニットだそうで、自分は説明を読んだ瞬間にカプロニ・カンピニ N.1のことを思い出したが、展示会場でそんなマニアックな航空機のことを語っても無意味だし、脳内でもて遊ぶだけにとどめておいた。



それにしても、とりあえず写真月間なので写真で展示しちゃいました的ナ軽さが心地よくて可愛らしく、それでいて計算されたインスタレーションや全体の丁寧なまとまりなどに可愛げの無さも潜ませている、なんとも小憎らしい展示でございました。



会期は明日までなのだけど、出来れば足を運んでいただきたい展示です。



大平暁 展 会場: ミュゼF スケジュール: 2009年06月15日 ~ 2009年06月20日 住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02 電話: 03-5775-2469

Jui 展「CAOSMOS」

2009-06-11 11:21:16 | お知らせ
Ariake019


今年の10月に表参道画廊MUSEE Fにて個展を開催します。
詳細につきましては、固まり次第、当ブログなどで告知させていただきます。
よろしくお願いします。



というわけで、これからしばらくは展示などを鑑賞するにしても「自分自身の個展を念頭に置きつつ」となるわけだけど、現在新宿ニコンサロンにて開催中のJui 展「CAOSMOS」は、その意味でも非常に刺激的で、また大いに参考になる展示だった。



今回も展示内容の詳細については語らないが、自分自身が特に強く思ったのは「自由であること」だった。



まぁ、単に「自由であること」といっても非常に漠然としていて、そもそも「いったいなにから自由であるのか?」という疑問すら残るのだけど、とりあえずここではあえて漠然と「自由であること」と感じだとだけ述べておこう。ただ、それでもやはり「いったいなにから自由であるのか?」という問題については、曖昧なまま投げ捨てておくわけにも行かないだろう。



自分が感じた「自由」とは、まずなによりも「画面を制御したい、思いのままに画面を構成したい」という欲求からの自由であり、また「写真へのフェティシズム」からの自由であり、そして「作家自身の背景、例えば性別や出自、世代、作家自身が生きる時代、社会の情勢など」からの自由だった。



そもそも、作家的に作品を制作しているのだから、画面を制御するとか、まして「思いのままに画面を構成したい」と望むこと自体はとても自然なことだし、むしろ当然のことですらあるのかも知れないのだけど、しかしそれを自明のこととしてしまうのは極めて危険で、言葉は悪いけどある意味で愚なことではないかと思う。そして、これはもうひとつの「写真へのフェティシズム」にもつながるのだけど、写真という表現技法を選択する以上は「画面を制御したい、思いのままに画面を構成したいという欲求」を持つことは、少なくとも「機材に対するフェティシズム」に束縛される危険をも冒すことにつながりかねない。



その「写真へのフェティシズム」だけど、少なくとも自分はそれを「自覚しないこと」がとても危険で、そして写真という表現手段の持つ美点を殺すことだと思っている。だから、最近流行のオリジナルプリント嗜好や志向にはとても懐疑的だし、その意味でこの展示は非常に心地よく、かつ勇気付けられる内容だったと思うのだ。



最後に「作家自身の背景、例えば性別や出自、世代、作家自身が生きる時代、社会の情勢など」からの自由だけど、これは読んで字の通りだし、説明し始めるとちょっとキリがないテーマだから、とりあえずここでは指摘するだけに留めておこうかと思う。もちろん、写真という表現手段はそれ単体でひとつのメディアでもあり、だからこそ「作家自身の背景、例えば性別や出自、世代、作家自身が生きる時代、社会の情勢など」と距離を置こうとすることは、ある意味で写真という表現手段の持つ美点を殺すことにつながりかねない危うさを秘めているのかもしれない。しかし、少なくとも自分は写真がはそれ単体でひとつのメディアであることがあまりにも自明となりすぎていて、作品に「作家自身の背景、例えば性別や出自、世代、作家自身が生きる時代、社会の情勢など」が織り込まれていないと作品としての価値が低いかのような受け止め方には、どうしても賛同することが出来ない。
むしろ、この展示のような自由さの方がはるかに心地よく、好ましく感じられるのだ。



しかし、自分自身はそういったあれこれから「素直に自由でいられるのか?」というと、ここでこんなブログを書いていること自体、それらを意識していることに他ならないわけで…



はぁ~OTZ



Jui 「CAOSMOS」
会場: 新宿ニコンサロン
スケジュール: 2009年06月09日 ~ 2009年06月22日
住所: 〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 ニコンプラザ新宿内
電話: 03-3344-0565 ファックス: 03-3344-0566

榎本千賀子展「AX」と箱山直子展「New Gardens」

2009-06-02 18:06:54 | お知らせ
Ariake018


月も改まって、流石に仕事のほうは落ち着き始めているのだが、個人的なことではなにかとうんざりすることも多く、正直しんどいなぁと思う。とはいえ、しんどがってばかりもいられないし、しんどいことの原因は自分にあるのだからと言い聞かせて、なんとか気持ちを切り替えようとする。



以前は、気持ちを切り替える手段として展示を鑑賞したりもしたのだが、最近は「気持ちを切り替えておかないと、作品を素直に鑑賞できない」と思うようになり、今度は展示を観に行くための気分転換方法を模索するという、どうにもなんだかよろしくない、お麩のぐずぐずスパイラルに陥ってしまった。さておき、とりあえず別の方法で気持ちを多少は切り替えることも出来たため、以前から楽しみにしていた榎本千賀子展「AX」を鑑賞するため、表参道画廊へ向かった。



榎本氏がMUSEE Fで作品を展示するのはこれで2回目で、表参道画廊での展示も含めて自分が氏の作品を鑑賞するのは3回目だが、作品とテキスト、インスタレーションのすべてにおいて、今回は最もわかりやすい内容だったと思う。でまぁ、わかりやすい作品をぐだぐだ解説するほど愚かしいことはないのだろうと思うので、今回も展示内容そのものについては言及を控えさせていただく。



ただ、作家が展示内容をわかりやすくしようと思った動機についてはかなり気になったし、そもそも作家自身は「わかりやすい展示だと思っているのかどうか?」についても気になった。しかし、残念ながら不在だったので、お話させていただく機会はなかった。



次に併設されている表参道画廊箱山直子展「New Gardens」を鑑賞したが、こちらも変にひねったところのない素直な展示で、個人的にとても好感を持った。人間が美しさをめでるために開発した品種の植物たちが、管理を放棄されたにも関わらず「うかつにも美しくなってしまった」状況とただ向き合い、そしてストレートに作品としている素直さが非常に好ましく、そして作品を制作するという行為をも含めた美しさがそこには存在していると思う。
こちらは幸運にも作家氏とお話しする機会があったが、過去の展示をいくつも見逃していたことを知り、非常に申し訳なく思うと同時に、過去に展示を開いたギャラリーには割りとよく行く所も含まれていたので、次回の展示は必ず観に行こうとも思った。



どちらもお勧めの展示なので、ぜひとも機会を作って鑑賞して欲しい。



榎本千賀子 展
会場: ミュゼF
スケジュール: 2009年06月01日 ~ 2009年06月06日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469

箱山直子 展
会場: 表参道画廊
スケジュール: 2009年05月25日 ~ 2009年06月06日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469 ファックス: 03-5775-2469