Tokyo at rain and Tokyo at night MOVIE!

東京の夜景動画ブログです。

みたまま≠ありのまま

2007-03-30 21:48:54 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


今日はすばらしい好天に恵まれたが、残念ながら週末と月末と年度末が重なったため(そういえば、去年も同じことを書いた末、月末と年度末は常に重なるという指摘をいただいたけどね)、撮影はあきらめて事務所で仕事にいそしむ。
夕方には役場へ出かけて手続きを済ませるが、ほとんど滑り込みセーフだった。



とはいえ、夜には妙にゆっくりできたので、展示のテーマをあれこれ考え始める。



会場を押さえてからこっち、時間を見つけてはあれこれ考えて見たものの、やっぱり異なる地点から現実を把握しなおすというか、ある種のシュルレアリスム的な超現実感覚に基づいた現実世界への異議申し立てというか、そういう観念から離れることはできそうに無い。



この世とは不条理なものだが、人間はその不条理を引き受けることができるし、不条理を引き受けることができるからこそ、人間はすばらしいのだと思う。
そして、人間が神仏に頼ることなく不条理を引き受けられることを表明し、かつ実際に自ら進んで不条理を引き受け、さらに不条理を乗り越えた瞬間から、人間が人間としての生を謳歌するようになったのだ。



だから、人間は不条理を単に不条理として退けたり、あるいは物語を付与して不条理性を薄めたり、また不条理の中へ逃げ込んだり、ましてカルトや陰謀論を振りかざして不条理を正当化するようなことがあってはならない。



写真という技法は、必ずしもみたままを写し撮らない。
むしろ、往々にして見えなかったなにか、意図せざるなにかを写し出す。



しかし、みたままがありのままとは限らないし、むしろ人の視覚はありのままの姿を捉えられず、錯誤をもたらす事の方が多いのではないだろうか?



写真にみたままとは異なる風景、いわば不条理が写し出されているとき、実はありのままが写し撮られているかも知れないのだ。


警備員との戦い

2007-03-27 23:02:45 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


今日は朝から曇っていたが、機材の整備を依頼するついでもあったため、事務所へ立ち寄った後で撮影に出かけた。
とりあえず修理工房へ顔を出し、あれこれ相談したのだが、最終的には常識的な線に落ち着いた。



その後、少し離れた場所で撮影を始めたのだが、しばらくすると警備員にとがめられた。まぁ、こちらもある程度覚悟していたことだし、違法行為ではないことを説明しつつ移動した上、少し時間を置いて撮影を再開する。
なんだかんだと警備員の多い地域なので、出来るだけ公有地を選びながら撮影していたのだが、それでも来るときは来るというか、どこからともなく現れては慇懃にとがめだてしてくるので、最後のほうは少し疲れてしまった。



以前にも書いたが、基本的に建物は肖像権などの法的権利を有しないので、地権者といえどもみだりに撮影を禁ずることは問題なのだし、まして公開空き地として一般の自由な立ち入りを認めている区域となると、こちらとしてもいろいろ言いたいことはある(それに、公開空き地を設けることで、地権者は様々な規制を緩和されているし)。ただ、やはり他人の敷地内なので、もめるとこっちが不利なのも間違いないし、面白くは無いがとにかくさっさと移動する。



とはいえ、うかつにライトアップでもしようものなら、アイドルの記者会見並みに三脚が林立し、下手するとトラブルまで引き起こすという、なんともすばらしすぎる現状もあるから、撮影を制限したくなる気持ちもわからないわけではない。
しかし、それにしてもとにかく撮影禁止にしておけばよいというのは、あまりにも思考停止がすぎるとは思うし、この流れはなんとかならないものかと思うよ。



そういえば、金村ワークショップで一緒だった豊田康太氏の「祭壇に楔を」展が、今週末で終わってしまう。
既に一度ご挨拶にうかがってはいるのだが、できればもう一度観ておきたい。



週末に何とか時間を作らないとな~


データ収集という口実

2007-03-24 22:51:08 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


ようやく原稿が一段落したこともあり、今夜の雨は明日の午前中で上がると言う予報を信じて、新たに導入した機材や感材のテスト撮影を準備する。
ただ、かねてより温めていたことのためとはいえ、なんだかんだで思いのほか出費がかさんでしまい、ちょっとテンションが下がってしまう。



しかし、日本対ペルー戦観たらそんなもやもや吹き飛んじゃったね!
ペルーのチーム状態は最悪に近かったとはいえ、わかりやすくそして面白く勝ったんだから、ただのサッカーファンでしかない自分にとっては、すっかりご機嫌なのでありますよ。



さておき、写真を撮影するには機材や感材が必要不可欠だし、使い慣れない機材や感材を使う際には、テストが必要なのも確かなのだが、自分はテスト撮影という行為に、どうしてもなんだかちょっと後ろめたい感じがしてしまうのだ。
というのも、写真では往々にして機材や感材を使うこと事態が目的化して、撮影することの目的が消滅してしまうということがある。まぁ、そのこと自体は他人がとやかく言うようなものでもないし、無邪気に喜んでいる分には害も無い。それどころか、写真業界はそのような方々に支えられているといっても過言ではないだが、そうはいってもなんだかちょっと子供っぽいというかなんと言うか、あまり印象がよろしくないのは間違いない。



つまり、写真そのものが好きな人間にとって、機材や感材マニアの態度というのは、いわば「写真は機材や感材を使った結果の副産物にしか過ぎないのでは?」という不信感と、さらに加えて「機材や感材さえよいものを使えば、撮影者の能力は必要ないと考えているのでは?」という不信感を、同時に抱かせるものがあるのだ。



写真サークルの光画くんに対して、他の参加者がいささか冷淡だったのも、そういうところにあるのは間違いなかろう。実際、自分も光画くんの機材や感材に対する態度はあまりに無邪気すぎたと思うが、それでも光画くんは正直にカメラ大好きといってはばからなかったのだから、あまり目くじら立てるのもどうかと思わなくも無いんだよね。
それに、光画くんは妙な理屈をこねくり回したり、撮影マナーやナニやらを持ち出して、他のマニアを小ばかにするようなことも無かったから、その点についてはむしろ好感を持っていたといってもいい。



少なくとも、自分にとってはなにかと「美について語りたがる」とか、あるいは「自らの審美眼や美意識を押し付けてくる」くせに、実のところは機材や感材にしか興味が無いのではないかと思わせるような人物より、光画くんのほうがよほど付き合いやすかったよ。



さてと、今日も天に向かってつば吐きまくったことだし、明日に備えて早寝するかぃ。



あ、光画くんにカメラショーのチケットあげるの忘れてた!


光画くんのこと

2007-03-21 23:38:33 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


今日は朝からいい天気で、しかも休日だというのに、撮影にも行かず仕事していた。
ところが、写真サークルのオフに参加していた知人から連絡があり、とりあえず夕食を共にすることとなった。



夕食を共にしながらあれこれ話を聞いていたのだが、どうやらなにか面白からぬ出来事があったらしく、それでオフ会を中座したことがわかってくる。まぁ、こういうときは適当に濁して終わりにするのが大人の対応なのだろうが、よせばいいのに根掘り葉掘り聞きだしてしまった。



結論から言うと、自分が「光画くん」と呼んでいたとあるカメラオタクが、写真サークルの参加者にいぢられた挙句、ふてくされて帰っちゃったようなのだ。



その光画くんは激しいカメヲタで、ぶっちゃけなんで写真サークルに来てるのか、自分もいまひとつわからないところもあった。なにしろ、光画といえば「究極超人あ~る」がデフォで、基本的にカメラ好きのオーディオ好き、パソコンハードマニアでガンマニア、そしてミリオタといった具合で、自分から見ても浮いた存在であることは間違いなかった。
ただ、カメラをはじめとして機械一般に関する知識はたいしたもので、自分もいろいろなことを教わっていたのだが、いかんせんディレッタント臭さというかなんというか、光画くんには「なにを目指しているのかわからない危うさ」が漂っていたのは確かだ。敢えてきつい表現をするなら、いささかワナビーっぽいところもあったのだが、光画くんは実家に立派なオーディオルームを持っているなど、どっちかといえばやっぱりディレッタントの方が近いのだろうと思う。



前後の文脈はわからないとはいえ、それにしても「ここは君のような人間が来るべきところではない」とまで光画くんに言い放ったのだから、どう考えても穏やかな話ではない。
ここを閲覧しているサークル参加者がいるのを承知で書くけど、カメラ関係でわからないことがあるとすぐ光画くんを頼ったり、時にはレンズや機材の調整までお願いしていたくせに、影では「写真のことを知らないカメヲタ」呼ばわりしていたのを知っている自分としては、光画くんが怒るのも無理ないことだろうと思ってしまう。



とはいえ、かく言う自分も光画くんに「自分の嫌っている大判カメラオタクとキャラがかぶっている」といって、ちまちまいぢっていたこともあったし、同じ穴の狢といわれれば返す言葉も無い(ただ、光画くんも「毒はいちゃいますよ~」なんてネタを多用していたけどね)。
サークル以外では接点も無いので、光画くんが本当にサークルを去ってしまったら、自分としてもそれっきりではあるのだけど、なんかこうじむじむする一件ではある。



だいたい、自分も影では光画くんと同じように言われていないという保障は、それこそどこにもないのだからねぇ~


久々のスタジオ撮影

2007-03-18 21:12:30 | 業務関連


今日は久々にスタジオで撮影することとなったのだが、自分にはあまり経験が無い撮影内容だったので、入る前からいささか緊張していた。
ただ、今回の撮影はスタッフがほとんどいないので、そういう所へ気を使わなくても良いのは助かった。



昼に編集者氏や他の方々と合流して、昼食をかねた打ち合わせの合間に、ごく簡単な自己紹介をさせていただく。
初対面の方も非常に気持ちの良い人で、おかげで徐々に緊張もほぐれてきた。



撮影そのものは大きなトラブルも無く終了し、編集者氏とデータの受け渡し方法などを確認して、ほぼ予定通りに終了。
珍しくまだ日の高いうちにスタジオを出て、のんびりと事務所へ戻る。



今日の撮影はいろいろと勉強になることも多かったし、編集者氏や皆さんには本当に感謝しています。
ただ、スタジオ撮影の日に限って天気がいいのは、ほんとになんとかならないものかねぇ~


なんとか一段落はしたけれど

2007-03-15 23:03:40 | 業務関連


どうにかこうにか原稿をひとつ仕上げて、ようやくちょっと一息…
とはいえ、まだ1本残っているし、あまり気を抜いてもいられないね。



編集者へ連絡して、今後の作業についてやり取りして、明日からまた作業を進めることにするが、まぁ今日はゆっくり休もう。
それに、今日は他にもいくつかいいことがあったし、あまり過剰にあせらないように、できるだけ着実に進めようと思う。



ただ、来月から再来月にかけては、金村ワークショップ関係の方々が続々と個展を開催するし、仕事が終わったら自分もきっちりしきりなおさないとな~


展示会場予約

2007-03-12 22:29:07 | 展示準備2007年10月


今日は非常に好い天気だったが、原稿が佳境を迎えつつあったので、残念だけど事務所で作業に当たる。
ただ、作業の合間に表参道画廊へメールを送り、展示会場を予約する。



既に、前回の個展が終了する時に軽くお願いしていたし、先日も画廊へご挨拶に伺って予約状況を確認させていただいているので、コレで会場そのものは押さえたも同然といえるだろう。



会期等については、もう少しきちんとお話できるようになってから、またこの場を借りて発表させていただくが、展示の方向性についてはまだまだ悩ましいところもあり、本当のぎりぎりまで引っ張ってしまうかもしれない。
とはいえ、まだ半年以上も先のことなので、そんなにあせることでもないんだけどさ。



とりあえず、原稿もひとつ仕上げたし、この仕事が終わったら撮影に行こうな(死亡フラグ)。


ぷちブランド志向

2007-03-09 23:46:16 | 業務関連


自分へRealforce91U(USB)を長期無償貸与している知人が、今度は東プレの「キャパシティブ・コンパクトキーボード」をあまらせたというので、早速お願いして借り受けた。自分はキーボードマニアではないつもりだったが、借りたRealforce91U(USB)のキータッチがあんまり良かったので、今度は恥も外聞も無くスカベンジャーに成り果てたというわけ。



知人は文章を書く仕事だし書く量もハンパではないので、キーボードに対するこだわりは並ではないのだが、それにしても景気よくつぎ込むものだ。ただ、自分も写真機材につぎ込んだお金はハンパ無いので、あまり他人様のことをとやかく言えたものでもないんだけどね…



まぁ、たかがキーボードといってしまえばそれまでだし、いいキーボードを使ったからといって、入力される情報に変化が生じるわけも無い(というか、生じてもらったら困る)。
というわけで、文字という表現手段を使うのであれば、なおのこと機材が作品の質を左右するはずはないのだが、実際問題として作家の精神面に大きな影響を与える道具であり、こだわりを持ちたくなるのも十分に共感できる。



だが、十分に共感できるといいつつも、やはり道具自慢というかなんというか…
ある種のステータスシンボル的な、いささか不穏当な気配を嗅ぎ取ってしまうのも事実だ。かといって、わざわざ高品質だが高価な道具を避け、あえて安物ばかり使うというのも、正直中二病臭くて嫌になる。



借りてきた「キャパシティブ・コンパクトキーボード」をつなぎ、大喜びでブログを書いている自分のことをすっかり棚上げしつつ、道具に対して素直に、あるいはクールになれない自分を省みるのだった。


I try...

2007-03-06 22:08:01 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


今日はコニカミノルタプラザで山方伸写真展「over the river」が初日を迎えたため、打ち合わせの合間にご挨拶させていただいた。



山方氏の作品は日本のありふれた、敢えて言うなら「都会ではないどこか」の風景を、てらいも気負いも無く撮影したものだが、それにもかかわらず観る者の心に重たいなにかを残すように思う。



かつて、当時の国鉄と組んだ電通ディスカバー・ジャパン(DISCOVER JAPAN)というキャンペーンを張って以来、この国では「都会ではないどこか」と都会とを対比させ、あたかも「都会ではないどこか」にこそ日本人の原風景があり、また「都会ではないどこか」には理想郷があるかのような宣伝が繰り返されている。
しかし、山方氏の作品は都会と「都会ではないどこか」は文字通りの意味で地続きであり、また「どこに行ってもたいして変わり映えがしない風景」が広がる、いうなればすべてにおいて匿名的な空間であることを、この上も無く鮮明に提示していると思う。さらに言えば、いわゆる「ご当地ブーム」に表われているように、ただただいたずらに表面的な差異を誇示し、他者への敬意を欠いた自己顕示のみが横行する、極めて胡散臭い郷土意識に対して、山形氏の作品は決定的な異議申し立てとなっているように思えてならないのだ。



しかし、こうしてえらそうに言う自分もまた、山形氏の作品と正面から向き合い、そしてその意味をしっかり受け止めることができるかどうかとなると、ただ「やってみます」としか言いようが無いんだけどね。


よい刺激と越えられない壁2

2007-03-03 23:54:34 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


今日はロータスルートギャラリーにおいて、高橋ジュンコビデオインスタレーション展「Tokyo Mid 1 」&「 Tokyo Mid 2 」にともなうトークイベントが開かれるので、少し早めにでて付近の自主ギャラリーをチェックしつつ、会場へ足を向けた。
今週も各ギャラリーでは、ギャラリーの設けたテーマに応じた公募作品や、非常にオーソドックスな日常写真などが展示されていたが、現在の写真状況を知るには有益だった。



肝心のビデオインスタレーション「Tokyo Mid 1 」&「 Tokyo Mid 2 」は、やはり「不在」というテーマを強く感じてしまったが、作家自身がそこまで強くテーマを意識しているのかどうかとなると、自分自身の過剰反応というか、フェミ文脈でものを観すぎてしまう悪癖が現れているような感じもして、ちょっとすぐには判断できないように思う。



トークイベントは、竹内万里子氏の目配りが利いたわかりやすいもので、個人的には好感を持った。もしかしたら、作品の前提となる情報の説明に時間を割きすぎていると感じた人がいるかもしれないが、写学生もたくさん参加していたこともあるし、作家を交えて基礎的な部分を確認するという方向性は当を得ていたように思う。



その後の懇親会でも非常に興味深いお話を聞かせていただき、きわめて満足度の高いイベントだった。