Tokyo at rain and Tokyo at night MOVIE!

東京の夜景動画ブログです。

あらたなものさし

2007-07-19 17:09:10 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


連休明けからエロゲの収録に立ち会っているのだが、やはり「ただそこにいるだけ」なのは今回も同じだ。ただ、今回はキリのいいところで現場責任者へバトンタッチというシフトなので、邪魔にならないよう気を配りつつおとなしくしている。



本当は収録前に原稿をあげておかねばならなかったのだが、いろいろあって全然間に合っていないため、収録後は事務所へ戻って原稿作業という、なかなかにハードなスケジュールだ。



とはいえ、収録に立ち会うと「なにもしないのになぜか消耗してしまう」ため、事務所へ向かう道すがらニコンサロンへ立ち寄り、展示を鑑賞しながらクールダウンを図ってみた。とはいえ、展示を観るというのはいささか危険で、往々にしてクールダウンどころか「さらに激しく消耗してしまう」こともあり、冷静に考えればかなり危険なことをしていたね。



幸運にも、新宿ニコンサロンで開催していたJui氏の[カフカラス]は控えめな穏やかさの漂う展示で、正しくクールダウンにはうってつけの内容だった。展示されていた作品は、端的に言ってしまうと日常写真の流れに連なるものだが、コンパクトデジカメのモノクロモードで撮影された画像をモノクロ出力したもので、日常の光景でありながら非常に「不自然」ななにかを発していた。



もちろん、デジカメの撮影画像と肉眼視した記憶の光景は、絶対に同一視できないものではあるが、その点は銀塩写真でも同じはずだ。しかし、展示作品には「写真としての自然さ」すら希薄で、どこか「作り事めいたいかがわしさ」さえ感じられた。
恐らく、というかほぼ間違いなく、それはこれまでに蓄積した「銀塩写真の記憶」から生まれる「写真という存在」に対し、これらの作品が決定的に異なるなにかを持っている、あるいはなにかを欠いていることを意味している。だが、その「なにか」については、作家自身もおぼろげにすら把握していないようだ。いや、作家は今回の展示をきっかけとすることで、はじめて銀塩とデジタルとの相違に対して真正面から向き合っているのかもしれない。



本当によく言われることだが、デジタルと銀塩とは全くの別物であり、当然ながら作品の評価基準も全く異なるはずだ。
にもかかわらず、デジタル独自の評価基準は成立途上にあり、デジタルを銀塩の基準でしか評価しない、あるいは出来ない人々が、賢しらにデジタル写真を語っているのが現状であろう。
作家氏とお話をさせていただいた際にも、他の来場者から画質うんぬんといった指摘をかなりされていたようで、その点に関して必要以上に神経質になっているようにも見受けられた。



確かに、作家独自の価値観を重視するがあまり、作品が独善的になってしまうのは問題だが、それでも作品として制作するのであれば、作家としての自律性に重きを置くのがスジだろう。実際問題、多くの人々が単純に美しいと感じる画像、より端的に言うなら「一般受けする画像」にはある一定のパターンがあり、それを丁寧に踏まえてさえいれば商業的には成功しやすい。



例えば、WEBには「もっとも美しい画像(The Prettiest Images)」なるサイトがあり、閲覧者が「ランダムに出てくる画像2枚の好きな方を選ぶ」と、トップページのランキングに反映されるシステムを採用している。ところが、登録画像の数やバリエーションはそこそこあるのに、なぜかトップの変動は少なく、しかも画像の傾向は非常に似通っている。まぁ、投票の公正さを保障しない、単なるWEBランキングといえばそれまでだが、トップにはいかにも受けそうな画像が並んでいるし、やはりある程度の信憑性はあるだろう。



正直、エロゲヲタもこのくらい分かりやすいと話が簡単でいいと思わなくも無いし、ゲームを製作する際には売れ筋を踏まえつつ創造性を確保することに心を砕く。だが、商業性と距離を置いて制作する作家であれば、やはり作家独自の価値観を貪欲に追求して欲しいし、もちろん自分も追及したいところだ。



Jui 「カフカラス」
会場: 新宿ニコンサロン
スケジュール: 2007年07月17日 ~ 2007年07月30日
住所: 〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 ニコンプラザ新宿内
電話: 03-3344-0565 ファックス: 03-3344-0566


にほんブログ村 美術ブログ 現代美術へにほんブログ村 その他日記ブログ オタク日記へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿