![Shinjyuku011](http://farm2.static.flickr.com/1186/526070001_ca2530228b.jpg)
選挙がはじまったこともあり、シン・リジィの"The Holy War"でテンションをあげる。個人的には"Whiskey in the jar"等のようにちょっと緩めの曲をぐだぐだしながら聴くのも好きなのだが、この曲や"Cold Sweat"のようにハイテンションのギターとフィルのひそやかに忍び寄るようなボーカルの組み合わせもすごく心地よい。
っちゅうか、マジで今度の選挙は"The Holy War"なんだよな。
自分も保坂展人候補や社民党への投票を依頼してるけど、選挙にここまで入れ込んだのは生まれて初めてかもしれない。政治に対して興味がなかったとは言わないけど、どちらかといえばノンポリの自分が、それもサヨクの候補を応援するなんて…
新しい自分を発見もいいトコロな感じだね。
新しい自分を発見といえば、自分自身が現代美術にはまるきっかけとなったシュルレアリスムの十八番なんだけど、最近は写真や現代美術においても「作家自身や受け手の意識内にとどまる作品」がもてはやされているような感じがしていて、まぁちょっとばっかり寂しいようなキがしなくもない。とはいえ、シュルレアリスムの基礎となっていたフロイトやサヨクの理論がすっかり陳腐化してしまった現代においては、受け手はもちろん作家自身の意識すら超越した超現実などという、本当にわけのわからないものより「芸術の中に癒し」を求めるほうが、たとえそれが意識内部への限りない退行を意味していたとしても、むしろ自然なことなのかもしれないね。
さておき、かれこれ2年ほど前に表参道画廊で写真展『L'INNOMMABLE(名づけえぬもの)』を鑑賞させていただいた高橋昇氏が、今度はP.G.I.(フォト・ギャラリー・インターナショナル)ギャラリーにて高橋昇作品展「Under Current -底流-」を開催するというので、展示準備の合間を縫って田町の会場へ出かけた。
作品そのものについては非常に評価も高く、既にいくつかの写真系ブログなどで紹介されていることもあり、本来なら自分なんかがこんなところで賢しらに解説する必要は全く無いと思う。ただ、興味を持って会場へ赴き、そして作品と向き合っていただければそれで問題ない。とはいえ、蛇足を承知でコメントするならば、プリントそのものをいったん度外視して、それよりも作品の図像(イメージ)と向き合って欲しいとは思う。
もちろん、プリントそのもののクオリティも極めて重要だし、写真という文脈で語るからにはその点を避けては通れないことや、なによりも作家自身がプリントのクオリティにこだわっていること、さらにはプリントのクオリティと作品は不可分の存在でもあることは重々承知の上、それでもやはり鑑賞する際にはプリントよりも作品の図像(イメージ)に力点を置いて欲しいとは思う。
なぜなら、自分にとってはプリントという「図像の支持体となる物質的な存在」よりも、やはり「図像そのものという概念上の存在」の方がより現実を超えた存在であるかのように思えてならないからだ。もちろん、平面作品においては支持体と図像が不可分であり、その点は写真といえども例外ではないことは承知なのだが、それでもやはり「支持体と図像」を対立的な概念として捉え、そして「支持体より図像」だと思ってしまうのだ。
まぁ、少なくともデュシャンのいわゆる「大ガラス」以降、美術における「支持体と図像」話は愛好者をうんざりさせる神学論争だったり、あるいはいささか頭のおかしい人々を惹きつけるえさだったりするし、無邪気にプリントのクオリティを楽しむことが悪いわけでもないのだけど、それでもやはり図像へと目を向けたくなるのは、それこそ「ハイクオリティプリントを大変な労力をつぎ込んで作成した作家自身の意識」すら超越した、図像としての魅力が作品に宿っているからではなかろうかと、そんな風に思えてしまったからなんだよねぇ~
とにもかくにも、写真愛好者以外にはかなり敷居の高いギャラリーだと思うけど(場所も悪いしね)、それでもなんとか時間を作って鑑賞してほしい展示なのは間違いない。
高橋昇 「Under Current -底流-」
会場: Photo Gallery International
スケジュール: 2009年08月12日 ~ 2009年08月22日
住所: 〒108-0023 東京都港区芝浦4-12-32
電話: 03-3455-7827 ファックス: 03-3455-8143