Tokyo at rain and Tokyo at night MOVIE!

東京の夜景動画ブログです。

写真展のはしごで憂さ晴らし

2009-02-27 18:57:57 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Kita_Akabane004


ここしばらくあまりにもやさぐれていたものだから、見かねた知人が写真展のはしごに連れ出してくれた。
とはいえ、中野で用事を済ませてから茅場町と四谷、新宿を駆け足で周るという強行軍で、終わったときにはちょっと疲れてしまったけれど、却ってそのぐらいの方がよかったような気もしなくはない。ともあれ、なかなか有意義かつ、内容の濃い1日になったのは間違いないね。



でまぁ、最初に訪れたのは知る人ぞ知る森岡書店で、元田敬三氏による「MOTODABLACK」展を開催していた。展示内容については、自分なんぞがあれこれ言うよりも、新聞各紙などで評論家の方々がナイスな解説をしておられるので、そちらを参照していただければよいと思う。会期は明日までなのだが、時間のある方は足を運ばれてもよいと思う。
自分が訪れたときは、たまたま評論家のK太郎氏が元田氏とお話されている最中で、残念ながら作家氏ご自身とはお話できなかったのだが、そのK太郎氏は相変わらず「いかにも評論家のステレオタイプ」といった雰囲気をぷんぷん漂わせつつ、これまた相変わらずのK太郎節というかいつものように「最近の若手写真家」話を大きな声で楽しそうに語っておられた。というか、この方はギャラリーで他の話をしているのを聞いたことがないし、またいつも聞きたくもないのに聞こえるような大声で話をしているのだけど、なにか他の人に聞かせたいという意図があるのではないかとすら思う。



ゴシップ的な雑談はさておき、次に向かったのは機会があれば可能な限りチェックしているGallery Archipelagoで、現在は藤田昌彦写真展「とうきょう」を開催している。藤田氏は4年ほど前から東京をテーマに作品を制作しているが、今回の展示はひとつの形が練り上げられてきたことを割りと明確に示していたと思う。ただ、それが藤田氏の作家的な「上がり」を意味するのか、あるいは「詰まり」を意味するのか、その点についてはなんとも曖昧なところがあるように感じられてならない。
会場では作家氏ご本人ともいろいろお話させていただいたのだが、ほとんど言いたい放題に近い自分の話にも快く耳を傾けていただき、会場を後にしてから少し後悔したというか、大人気なかったのではないかと反省した。ただ、大人気ないついでに言わせていただくと、会期がまだあるのだから、展示替えというか、インスタレーションをいじるのもひとつの選択肢ではないかと思う。



そんなこんなで茅場町を後にして、今度は四谷三丁目で降りたのだが、特にどうこう言うに足るような何かがあるわけでもなく、そのまま新宿まで足を伸ばす。実はコニカミノルタプラザ緒方範人写真展「Cassandra Had the Strangest Dream」を鑑賞しようと思っていたのだが、会期を勘違いしていて観ることができなかった。ただ、現在開催中のカモマサユキ写真展「America,Americans」と井上麻衣写真展「白いユートピア」はなかなかよくって、こういってはなんだけど思わぬ拾い物をした気分になったね。



どちらもある意味でわかりやすく、かつとっつきやすい展示だったとは思うけど、個人的にはカモマサユキ氏の「America,Americans」に漂うスティーブン・ショアーな感じというか、モットはっきり言っちゃうとUncommon Placesっぽさに心地よさを覚えたのだけど、そこに「オリジナリティのなさ」を見出す人も少なくはないように思える。まぁ、自分は色彩表現という点では全く別物と思うし、ショアーに対する何がしかのオマージュが含まれていなくはなさそうだから、オリジナリティうんぬんで評価すべき展示ではないとも思うのだけどね。



ただ、心地よさというか個人的な好みという尺度で言うなら、井上氏の「白いユートピア」がはるかに上で、作品内容もさることながら、そのコンセプトがストライクゾーンのど真ん中に来ていて、すっかり気に入ってしまいました。ネタ晴らしになるので、あまり細かいことは言わないけど、製作過程においてもかなり手間をかけていて、しかもそれがコンセプトにきっちりあっている点も含め、ちょっと手放しで喜びたくなる展示だったのだけど、あえて言うなら「もう半歩」踏み込んでもよかったようなキがしなくはない。



この点については作家氏ご自身とお話した際にも口にしたのだけど、作品そのものからももう少しコンセプトの毒気を放出したほうがよかったような、そんなキがすごくするのだ。ただ、それをやっちゃうと下品になりすぎてしまうような気もするし、本当に難しいところではあろうね。



ともあれ、いずれもなかなかよい展示で、気分転換になると同時にテンションも上がるきっかけになりそうな、そんな予感がしている今日この頃だったりもします。



欲を言えば、早く雨が上がるといいんだけどね。


藤田昌彦 「とうきょう」 会場: Gallery Archipelago スケジュール: 2009年02月21日 ~ 2009年03月07日 住所: 〒104-0033 東京都中央区新川1-9-9 栗原ビル2F 電話: 03-3206-7116 ファックス: 03-3206-7116

元田敬三 展 会場: 森岡書店 スケジュール: 2009年02月16日 ~ 2009年02月28日 住所: 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-17-13 第2井上ビル305号 森岡書店 電話: 03-3249-3456

井上麻衣 「白いユートピア」 会場: コニカミノルタプラザ スケジュール: 2009年02月24日 ~ 2009年03月04日 住所: 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F 電話: 03-3225-5001 ファックス: 03-3225-0800

カモ マサユキ 「America, Americans」 会場: コニカミノルタプラザ スケジュール: 2009年02月24日 ~ 2009年03月04日 住所: 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F 電話: 03-3225-5001 ファックス: 03-3225-0800

緒方範人 展 会場: コニカミノルタプラザ スケジュール: 2009年02月13日 ~ 2009年02月23日 住所: 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F 電話: 03-3225-5001 ファックス: 03-3225-0800

自然な表情って、本当は美しくないのでは?

2009-01-23 19:40:52 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Ikebukuro058


ようやく原稿も一段落して少しはのんびり出来るようになったと思ったが、事務所の掃除やらネガの整理やら未現像フィルムの処理やらといった、作業中に先送りしていた雑務が予想以上に滞留していてげんなりする。とりあえず、雑務に手をつける前に表参道画廊へおうかがいして新年のご挨拶をさせていただいたが、開催中のI’m here. vol.3 東京展 [森の発生/森の腐敗]がなかなか興味深く、スタッフの方としばらく話し込んでしまった。明日に迫っているが、24日にはレセプションパーティー&スペシャルトークイベントも開催されるので、興味のある方はぜひとも足を運んで欲しい。
また、冬季休廊明けの3月2日からはMUSEE Fにて薈田純一氏の「Visions of Trees」projected展も開催されるので、今から非常に楽しみにしている。



さておき、ここで本当にのんびりしてしまうと、また後からしんどいことになるのは間違いないので、気を取り直してネガの整理から手をつけ始めた。でまぁ、ここ1年ほど撮り続けたストリートフォトをチェックしながらつくづく思ったのは、いわゆる自然な表情ってキレイじゃないのね。



こんなことを書くと、特に梅佳代あたりの日常写真を当たり前に受け止めた若い世代の人たちから失笑を買うのではないかと思うし、商業メディアの内情についても既にある程度以上まで受け手に知れ渡っていると思うから、ワレながらいまさらなにを思うのかと苦笑もするのだけどね。かつてはフィクションとノンフィクションとに間に「明確で絶対的な区別が存在している」とか、土門拳が言うところの絶対非演出の絶対スナップをテーゼとするリアリズムフォトに「絶対的な真実」があるとか、そういうお題目をホンキで信じたナイーブな人々が存在していたのですよ。



もちろん自分もそのひとりで、少なくともストリートフォトは絶対非演出の絶対スナップが本筋だと思っていたし、最初はキャンディードな方法論でも撮ってみたのですね。ところが、まぁ面白いっちゃぁ面白いんだけど、ぶっちゃけ「面白写真とか変顔写真」へ流れてしまい、どうにもこうにも「しまりがない」んですねぇ~



これはちょっとおかしいぞと思って、手元にあるスティーブン・ショアーとかロバート・フランクゲイリー・ウィノグランドあたりの作品をあれこれチェックしてみたんだけど、どうやら彼らは「だらしのない人々」を意識的に避けている、少なくともプリントを選別する段階で落としているように思えてきた。むしろ、画面にはある種の緊張感が存在していたり、たとえ画面内の人々がリラックスしているように見えても、それは無防備にだらけたり、ましてや虚脱しているのではなく、くつろぎを保つように「制御している」のではなかろうか?
そういうことに気がついて、去年の秋ごろから意識的に方向性を変えたのだけど、画面に緊張感のないカットはほんとに使えネェって、ここでまた再確認させられちゃいました。



これはポートレートを撮影するときにいつも気をつけている(そして編集者からいつも念を押される)ことなのだけど、現実として「筋肉を適度に緊張させていない人間は醜い」ので、現場ではモデルを弛緩させないようにオンとオフの切り替えをきちんとコントロールしなければならない。結局、ストリートフォトグラフィーも同じ事で、画面に適度な緊張感が存在しないと、それは「単にこっけいな写真」にしかならないんだね。
なんだかんだで、自分も土門拳が言うところの絶対非演出の絶対スナップをどっかで気にかけていたところはあるのだけど、やっぱりあれは過去の遺物なんだろうなぁ…



でも、逆に言えば「変顔写真」を狙うなら土門メソッドが最適ということにもなるわけで、現代美術的には文字通り現代に通用する現代の撮影姿勢ということになるんだょねぇ~w


ストリートフォトは迷惑行為?

2008-10-14 15:40:26 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Otemachi007


10月9日、東京都の東京都町田市議会がGoogleマップの「ストリートビュー」についての規制や法整備を求める「地域安全に関する意見書」を採択した。



Impress Watchの記事
「ストリートビュー」法規制検討を、町田市議会が政府などに要請



個人的には、今年の8月28日に開催されたMIAUシンポジウムの議論において、主要な問題点は既に出尽くしたと思うので、特に情報技術と社会との関連やプライバシー問題という立脚点で独自の意見を述べることはない。



Impress Watchの記事
「ストリートビュー」はどこが問題か、MIAUシンポジウムで議論



あえて言うなら、松代個人はシンポジウムに参加したOpenTechPress主筆の八田氏とほぼ同じ意見であり、特に地域安全に対する問題に対しては全く同意見だ。



八田氏の発言より
犯罪を誘発するという議論もあるが、ベンツ窃盗団はベンツのありそうな場所はわかっていて、網走には行かずに田園調布に行く。ストーカーにつながるとも言われるが、それも犯人が住所を手に入れれば、ストリートビューとは無関係に実行するだろう。



むしろ、プライバシー侵害を懸念する主婦連合会の河村氏が「すごく卑近だが、『あの子の家はどこ、こんな車に乗っている』というのが人を傷つける。そのようにして世の中が住みにくくなるのは、わかりやすいデメリットではないか。」との反対意見を述べた点について、地域の住人は当然のように『あの子の家はどこ、こんな車に乗っている』事を把握しているにもかかわらず、地域の住人なら人を傷つけないが、ストリートヴューは人を傷つけるとの認識が自明であることにものすごい危機感を覚える。

意地悪く言い換えれば、近所づきあいのない引きこもりだろうが、小汚いアニオタやエロゲオタだろうが、あるいは不法滞在の外国人だろうが、同じ地域に住んでさえいれば毎日のように近所をはいかいして、その挙句に『あの子の家はどこ、こんな車に乗っている』事を把握していても、そしてそのことをブログやサイトにアップしても人を傷つけないけれど、数ヶ月に1度かそこら巡回するストリートビューカーは(そしてストリートビューは)大いに人を傷つけると、そういうことになろう。



また、町田市議会においてはMIAU等での議論を全く無視して議論を進めた形跡があることについては、たとえ地方議会といえども立法者としての職務を全うしていないのは明らかであり、市議会議員らの怠慢を強く非難したいと思う。



さて、この意見書における本当の問題点は、以下の第4項にある。



4)個人や自宅等を無許可で撮影し、無断で公開する行為につき、都道府県迷惑防止条例上の迷惑行為として加えることを検討すること。



これって、そもそもストレートに日本国憲法に違反するし、街頭で写真を撮影することそのものを禁止するのと同義でもある。



今のところ、この点についてストリートフォトをテーマにしている作家氏や写真愛好者たちが公に何がしかの発言をしたり、あるいは立場を表明した形跡は見当たらない。非常に残念なことではあるのだが、このブログエントリでも皮肉られているように「非アダルト系写真家の表現規制に対する意識の低さ」はちょっとびっくりするものがあり、なにかアクションを起こすことは今後も期待できないだろう。



自分自身は街頭に出ていた、あるいは公道から見える場所に存在していたからといって、必ずしもプライバシー権を放棄したとはいえないという考えにも一定の理解をもつものの、プライバシーという個々人の認識が大きく異なる権利を尺度として、事実上「個人的な快不快を条例なり法律という形で万人へ押し付ける」かのような町田市議会の意見書には絶対的に反対だし、また可能な限り抵抗していくつもりだ。



まぁ、正直言ってWEBでは町田市議会の意見書に賛成する声ばかりが鳴り響いていて、行動を起こす前からもぅすっかりうんざりでもあるんだけどネェ~


偽本城

2008-09-15 21:36:03 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Toronto_5D002


家族が懸賞に当選したため、カナダで「グレン・グールドゆかりの地を巡る旅」の「取材ツアー」に同行させていただくという、願ってもない幸運に見舞われた。ただ、あくまでも「取材ツアー」へ同行するというものだったので、単なる観光旅行とは勝手が違うところも少なくはなかったのだが、それでもカナダやトロントを満喫させていただいたし、ナイアガラでは「空撮取材にも同行させていただく」など、個人的には至れり尽くせりの旅だった。



でまぁ、個人的にはめったにない空撮の機会だから「本城直季氏のように実際の風景や人物などをミニチュアのように見せる写真に挑戦してみた」のだが、これがあまりにも安易にうまく行き過ぎて少々うんざりしてしまった。それどころか、コツさえつかめば「地上でもかなりいい線まで迫れる」のだから、こりゃぁ巷に偽本城があふれるわけだわいと、妙なところで納得してしまった。



もちろん、本城氏は大判カメラを駆使してあのようなイメージをものにしておられるわけで、まがりなりにも木村伊兵衛賞を受けた「small planet」と、デジカメでちょちょいと撮った画像とは比べるべくもないはずなのだが、簡単そうに見えて本当は手の届かないところにあると思っていたイメージが、お金と時間と機材さえ整えれば「誰でも簡単に撮れる」と思ってしまった(思わせられた)のは、自分でもいささか(いや激しく)ショックだったぬぅ~



いや、この際だから建前やきれいごとはやめておこう。
自分でもうすうす感じていたからこそ、この機会を捉えて実行に移したのだから、ショックを受けたふりをするのはうそつきもいいところだ。



本物の本城氏にしたっていろいろの評価もあるのは知っているし、自分自身も木村伊兵衛賞をはじめとする写真界の「権威やら何やら」に対しては反発したり文句を言いたかったりもするのだが、それでもなお、いやそれだからこそ「技術のような客観的に把握できる要素で圧倒して欲しかった」というところもあるのだが、それさえも崩れてしまうとなぁ~



ほんと、このブログを書いているこの瞬間でさえ、心のどっかで「お前の認識はなにもかも間違いだ!本城氏は達人のみが到達できる技術を持ち合わせているのだ!」と、誰かに言って欲しいとも願ってはいるのだけど…



でも、本当に偽本城は巷にあふれかえってきたし、やっぱり木村伊兵衛賞って易い賞に思えてならないよ~


Nice Bokeh!

2008-08-23 22:47:07 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Chiyoda006


今日は朝から曇り空が広がり、昼過ぎにはポツリポツリと雨が降ってきた。明日は撮影取材の予定だが、この調子ではかなり苦労させられそうだ。



午後には久しぶりにギャラリー巷房を訪れ、最終日を迎えていた渡辺兼人展を鑑賞する。ある意味で、日本におけるストレートフォトの王道を行くがごとくの作品だったが、どういうわけか自分とは遠くかけ離れた世界のような印象を持ってしまった。自分は、渡辺氏の作品からどことなく醒めた距離感というか、撮影者は被写体とも鑑賞者とも隔絶した別次元に身を置いて、純粋に「撮影という行為を楽しんでいる」かのように感じたのだが、残念ながら作家氏とはお話する機会がなかったので、作家的意図がそこにあったのかどうかはわからない。



ただ、個人的にはそういう醒めた作品の方が圧倒的に好きなので、これからもますます渡辺氏の作品には注目し続けたいところだ。



そういえば、最近はブログや画像共有サイトなどで頻繁に無受けられるような、撮影者と鑑賞者の密接すぎる関係の方が気持ち悪く思えてしまい、過剰に反応するのはよくないと思いつつもコメント欄などは見ないようにしてしまう。もちろん、機能そのものは非常に便利だし、自分自身もflickerはヘビーユーザなのだが、それにしても気味が悪いのだ。



ブログにしても画像共有サイトにしても、カテゴリや画像プールの細分化が激しいので、それぞれの好みというか評価基準に合致した画像を投稿すれば、比較的簡単に高い評価を得ることが出来る。だが、自分はそこに自己承認欲求を満たし満たされるある種の共依存関係のような何かを感じてしまい、それに対してはどうしても言いようもない嫌悪感を覚えてしまう。



別に彼らが他人へ迷惑をかけているわけでもないし、嫌がるほうがどうかしているとは思うのだけど、押さえられないんだよネェ~



なにより、コメントに「Nice Bokeh!」とか書かれると、反射的に「ぼけちゃうわ!」と返したくなるんだよな~



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ストリートフォトグラファはGoogleに感謝し、支援すべきでは?

2008-08-13 19:34:58 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Chiyoda008


今月5日から日本版Googleマップでもストリートビュー機能サービスが提供されはじめたが、少なくともWEB界隈では批判的な意見ばかりが目に付いてしょうがない(「ストリートビュー」に批判相次ぐ キスシーンやラブホ画像次々削除)。ただ、ブログなどで指摘されている問題点や批判はいずれも感覚的、感情的に「気持ち悪い」とか、あるいはプライバシー権の範囲を非常に恣意的かつ大きく解釈した、いわば暴論に限りなく近いものであり、法律的な観点からは問題がないし、またGoogleによる方針説明(「ストリートビュー」のプライバシー問題、グーグルが方針説明)からも特に問題は感じられなかった。
むしろ、個人識別を回避するための自動ぼかし処理や通報による「不適切な画像の削除」までも、個人が趣味的あるいは作家的に撮影するストリートフォトグラフィにまで波及するという、非常に小さな可能性の方が気味悪く思えたりしなくもない。だが、いずれにせよグーグルで地図製品担当のプロダクトマネージャーを務める河合敬一氏の「法律的に検討した結果、公道から撮影したものであれば、基本的には公開して構わないと考えている」とのコメントは、当然ながら法律的に全く当を得たものであるばかりか、個々のストリートフォトグラファにとっても参考になるところが大きいのではなかろうか。



自分自身はどちらかといえばキャンディードフォト的なストリートフォトには批判的でもあるし、先日のエントリ(ストリートスナップ(ストリートフォト)のゴールデンルール)でも触れたように、特に女性や子供は画像に姿が含まれている(あるいはそのように見えるというだけで)WEB上ではアクセスが稼げるという現実もある以上、自分自身や子供らの姿が撮影、そして公開されるかもしれないという可能性に対しても、ある程度は敏感になってしまうという心情には共感するところがないでもない。とはいえ、だからといって「それが法によって規制される」とか、ましてや処罰の対象とすべきなどというのは暴論に他ならない。
むしろ、ストリートフォトグラファには今回のストリートビュー機能がもたらした可能性を肯定的に受け止め、ストリートフォトグラフィのより自由で高度な表現を可能とするきっかけとするぐらいの心意気が必要なのではなかろうか?



少なくとも、個人的には最近盛んな「安心安全パトロール」で行われているとうわさされる「不審者や不審な家屋の撮影」のほうが、グーグルストリートやストリートフォトグラフィよりもよほどキミが悪いと思うし、ブログやら何やらでプライバシーがどうこうとおびえたようなことをほざいている連中よりも、グーグルが示した姿勢の方がよほどまともで筋が通っていると思う次第なんだよね。



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梅雨明け

2008-07-19 20:14:25 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Nihonbashi004


今日は朝から好い天気で、とりあえず布団を干して洗濯を済ませてから家を出た。どうやら梅雨も明けたらしいが、今年はあまり雨らしい雨が降らなかったようにも思える。



自分もなんとか原稿を上げ、久しぶりに休みらしい週末を迎えて開放感に浸りつつ、撮影をかねて埋立地へ向かった。最近は銀塩で撮る事が本当に多くなっており、デジタルとの距離感を見失いつつあるようにすら感じられるのだが、そうは言ってもデジタルの利便性は捨てがたく、まだしばらくの間はなんとも悩ましい日々を送るのだろう。



ただ、銀塩環境は日々悪化の一途をたどりつつあり、感材の供給が完全に絶たれることはなかろうが、値上げや供給不足によって事実上使用不可能となる日が現実に訪れる可能性は高い。自分自身の制作という観点では、今年の夏がひとつの正念場というか、デジタルでの制作に本腰を入れるのか、あるいは銀塩と心中するのか、決断のときは迫りつつあるのかもしれない。



とはいえ、本当は両方やりたいんだけどネェ~



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鈍色の日々

2008-06-25 13:18:26 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Nihonbashi001


気持ちよい梅雨の晴れ間だった昨日とは打って変わって、今日は朝から雲が低く垂れ込め、昼前にようやくかすかに日が差したか差さないかといったところだった。毎年、梅雨時には撮影がほとんど出来ないのだが、今年も同様に昼間の撮影は開店休業状態だ。ただ、最近は夜にも撮影しているので、そちらの方が中心になりつつある。



夜の撮影は小型カメラでのストリートフォトなので、これまでとは全く異なる方法論の全く異なる作品となるのだが、実は平行して進めた時期もあったので、撮影そのものについてはある程度の勘が働かなくもない。もちろん、そうは言っても休止していた期間も相当にあり、今のところはまだ勘を取り戻しつつあるかどうかといった段階で、新しいテーマとして立ち上がったとはいえないところがもどかしい。



もどかしいといえば、最近はますます街頭での撮影に対する周囲の目線が厳しくなっており、別な意味で「勘を最大限に働かせねばならない」局面が増えたのではないかと、非常に強く思う。これには、秋葉原での一件で「オタクが事件現場の記念写真をとりまくっていた」かのように報じられたことも、少なからず影響しているのではないかと思えてならない。



しかし、これまでにも大きな事件や事故、災害などに際して「現場で記念写真を撮る人々が存在していた」のは確かだし、その数も撮影機材の普及に伴って「爆発的に増えた」のも間違いない。にもかかわらず、秋葉原の一件、モット言えばオタクのみが槍玉に上がるというのは、メディアの側にある「一定の悪意」を感じざるを得ないのだ。



さらに言えば、数年前から顕在化し始めた「市民メディア」の側においても、そういった撮影行為を不快なものとして退ける傾向があり、マスメディアであろうと市民メディアであろうと、メディアと称するものは「旧来の価値観、多数派の趣味志向」に擦り寄らざるを得ないのかと、ひどく絶望的な気分になる。特に市民メディアと自称する人々に対しては、彼らこそ「メディアの側にある悪意と対決」し、なおかつ「自由な撮影行為が保証される環境づくり」を心がけねばならないはずなのに、そういった言動がほとんど全くといってもよいほど見受けられないどころか、むしろマスメディアの側に立ってオタクを問題視するかのような姿勢が観られるのは、控えめに言っても社会に対する二枚舌だし、メディアとしての自殺といっても差し支えなかろうかと思う。



自分は自由主義を身上とするが、自らが不快に思う存在を「ただそれだけの理由で社会から排除する自由」やし、あるいは「排除されようとしているところを傍観する自由」は存在しないと思うのだ。



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小休止

2008-05-08 14:41:36 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Ikebukuro049


個展を無事に終えたのはよいのだが、なんだか腑抜け状態のままだらだらすごしてしまっている。今日も朝から好い天気だったが、洗濯だけ済ませて事務所へ向かった。



とはいえ、最近は撮影の中心を夜間にシフトさせたり過去の撮影素材を整理したりと、本当に何もしていないというわけではないのだが、なにかどこかに積極性が欠けているというか、ぶっちゃけ惰性で動いてる感が無きにしも非ずなんだな~(・谷・)



以前は展示などを観て気持ちを切り替えたり、モチベーションをあげたりもしていたんだけど、今度はそうも行かないみたいだ。なにしろ、そもそもからして展示を観に行こうという気持ちが薄まっているし、特に写真作品は観ても刺激を受けなくなりつつある。



恐らく、自分自身の興味が方向性を変えつつあることと、作家的な写真というジャンルの行き詰まりが悪い形でシンクロしているのだろうけど、ならばジャンルの束縛から逃れて新たな地平を開こうという意欲スラわかないというのはとても切ない。



ただ、それでもなお「やりたいこと」は残っているので、なにかの形で発表したいとは思っている。
少し長く休んだほうがよいのかもしれない…



って、こういうときに限って何かに引っ張られちゃったりするんだけどね~



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写真のこと

2008-04-20 14:59:09 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Ikebukuro048


曇りのち晴れとの予報に反し、今日も朝からぐずぐずと厚い雲が空を多い、今にも雨が降り出しそうな気配だった。ここしばらく悪天候が続き、気分的にも滅入っていたので、たまっていた洗濯物だけ片付け、自宅でだらだら過ごす。



最近は展示もパットしない感じで、先日もとある公共美術館で展示を鑑賞したものの、自分の抱いていた印象や感覚を再確認するだけの結果に終わってしまい、いささか消化不良気味のまま会場を後にしている。ただ、これは既に評価の確定した作家なり作品なりでないと展示が極めて困難という、公共美術館のもつ宿命から来ている部分が多々あり、だからこそ石棺などと陰口も叩かれたりするのだ。しかし、もちろん全ての公共美術館がそうとは限らないし、むしろ意欲的な展示を企画しているところも少なくないのだから、その点に関してはなんとももどかしいところではある。
むしろ、公共美術館といえどもスポンサーというか、上の意向には逆らえない悲しさというか、そういう大人の事情を感じてしまった。平たく言うと、展示についても予算執行権限を持つ国家なり自治体なりの意向に従わざるを得ないわけだし、表立って口を出さなかったとしても所轄官庁なり自治体首長の意向を「意識せずに企画を立てることは出来ない」のだから、現在の状況を考えればキュレーター諸氏は日々努力を重ねているとさえいえよう。



それにしても、こと写真というメディアについては「恵比寿より竹橋」という感が強く、それはやはり東京の殿様があんな調子だからなのかと思ってしまいたくなる。もちろん、写真というメディアそのものの抱える難題にも因る部分は少なくないのだが、それにしてもいささか落差が激しすぎやしないかとは思う。



とりあえず、写真についても現代美術という立場からアプローチしたほうが興味深く、かつエキサイティングなのは間違いないし、その意味では旧来のいわゆる「写真」という世界からはますます縁が遠くなってしまうのも、仕方のないことではないかと思う。



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外側に立つということ

2008-03-03 19:54:53 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Kayabachou005


今日は夕方からにわか雨との予報だったが、あさから割とよく晴れていたこともあり、思い切って洗濯物を干してから事務所へ向かった。午後には、古くから付き合いのある編集者氏と、今後の作業について打ち合わせを持ったが、写真の世界を取り巻く閉塞感、無力感の厳しさに、改めて暗澹たる思いを強めた。



もちろん、この場で具体的なことは明らかに出来ないが、例えば写真以外のことをなにも知らないし、また知ろうとすらしないにもかかわらず、闇雲に「写真を通じて世間に語りかけようとする」写真家が、WEB空間で声高に主張することについて、意識して強く危機感を持つよう促されたことは、同意できない部分も少なからずあったとはいえ、それでもやはり耳の痛い話ではあった。実際、編集者氏がわざわざそのような小言をたれたということは、自分もまた「写真のことしか知ろうともしないくせに、高いところから物を言いたがるお写真作家様」の同類か、そうとまでいわなくともかなり近い存在になっていることの裏返しであり、まず自分自身の問題として受け止めなければならないのは確かだった。



確かに、いくつかの点で認識の相違や事実誤認も無くはなかったが、全体として編集者氏の意見は筋が通っていたと思う。特に、デジタル画像を旧来の銀塩写真の延長線上に捉えるのは全くの誤りであり、そして写真に関わる人々の大半はその誤りから抜け出せていないとの指摘は全くその通りで、自分自身もかねてから同じことを考えていたなどと見苦しい言い訳を重ねるほか無かった。



自分は2回目の個展でフィル・シェリダンの「外側に立て…でないと物事の姿を見誤るぞ」という言葉を引用したが、正しく今こそが「写真の外側に立つ」べき時なのだろう。



外側に立つといえば、今日まで新宿ニコンサロンで開催されていた松下初美展は、文字通りの意味で「写真の外側に立つ」展示であり、自分としても極めて刺激的な展示であった。作品は、作家氏自身の「社会の内側に入るために、自分自身を外側に置き去る」経験を撮影したものといえ、ある意味では「自分の内面を抹消していった記録」とも言えなくはなかろう。
作家自身が、写真の外側からレリーズを握ったかのような作品のひとつひとつに、外側から世の中を観る人間のまなざしが写し出されており、心象風景の安易な投影に走りがちなテーマと取り組みながらも、あえて自らを作品の外側に置いた作家氏の才能には、ただただ脱帽するほか無かった。



やっぱ、なんでも内側に居続けると腐っちゃうものなのかなぁと、自分もほんとに気をつけねばいかんなぁと、そんなことを考えていた矢先に、編集者氏から耳の痛いことを言われたものだから、なにか偶然とは思えない流れのようなものを感じてしまったね。


松下初美 展
会場: 新宿ニコンサロン
スケジュール: 2008年02月26日 ~ 2008年03月03日
住所: 〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 ニコンプラザ新宿内
電話: 03-3344-0565 ファックス: 03-3344-0566

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蒔田恵理 「視覚の収束」

2008-02-23 20:49:10 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Kayabachou002


今日は朝から天気がよかったので、布団を干して洗濯を済ませたが、風が強かったので取り込んでから家を出た。先日、北九州で撮影した際にレンズボードを破損したので、工房へ持ち込んで修理の打ち合わせをするためだ。工房付近で知人と合流し、知人も機材をメンテに出したのだが、機材整備のコスト負担は悩みの種だ。



なにしろ、最近またぞろデジタル化の話も出ているので、正直言うと銀塩撤退の機会でもあったのだが、情が移ったというかなんと言うか、まぁなんとはなしに修理することとしてしまった。あまり合理的な判断ではないが、実は深く考えたくないテーマでもあるので、今回はこれでヨシとしたいところだけどね。



その後、知人とニコンサロンで蒔田恵理展「視覚の収束」を鑑賞したが、視覚の軽やかさとプリントの丁寧さが強く印象に残った。タイトルこそ「視覚の収束」となってはいるのだが、なにか意識が拡散していくような、そういうとらえどころの無さが、観るものにとって心地よく響く作品だったように思う。



また、プリントの丁寧さやトーンのなだらかさが作品の浮遊感を支えており、全体として非常に良く計算された展示であったといえよう。まぁ、プリントに関しては目を覆いたくなるような大失敗を目の当たりにしたばかりなので、ちょっと美化しすぎている可能性が無きにしも非ずとはいえ、丁寧な仕事をされているのは間違いない。



それから新宿へ移動し、コニカミノルタプラザで山田夏樹展「優しい闇」を鑑賞したが、こちらは素朴な撮影態度が内政的な作品のよさを引き出しており、計算されざる美しさを醸していたように思う。また、個人的には撮影に関する素朴さを大切にして欲しいと思う。
こういうことを書いてしまうと角が立つかもしれないが、新人作家にやたらと撮影技術や機材の知識を教え込もうとする「先輩方」が数多く存在していて、もしかしたらそれはそれでありがたいのかもしれないけれど、たいていの場合は中途半端にオタク化した挙げ句、こぎれいでフォトジェニックな「お写真」しか撮れなくなってしまうものだ。しかし、作家として活動を継続するのであれば、特に自身の感性に忠実なタイプの作家であれば、技術や機材の知識は時として作家の感性を摩滅させてしまいかねないことを、周囲の人間はもっとよく知るべきではなかろうかと思うのだ。



まぁ、自分のように「外部からネタを仕込まないとなぁんも出てこない」タイプは、反対に技術と知識で勝負するしかないのだけど、悲しいかな「天然には絶対勝てない」定めなんだよな~


蒔田恵理 「視覚の収束」
会場: 銀座ニコンサロン
スケジュール: 2008年02月20日 ~ 2008年03月04日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA1階 ニコンプラザ銀座内
電話: 03-3248-3783

山田夏樹 展
会場: コニカミノルタプラザ
スケジュール: 2008年02月23日 ~ 2008年03月03日
住所: 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F
電話: 03-3225-5001 ファックス: 03-3225-0800

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悩ましい日々

2008-01-24 17:07:41 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Shinjyuku015


今日は午前中から午後にかけて好天が予想されたので、前夜から地味に撮影の準備をしていたものの、昼前から急速に曇り始めたために午前の撮影は断念し、予定を変更して事務所で地味に仕事をこなした。その後、急速に天候が回復したため、せっかくなので近所を撮影してシートフィルムを8枚ほど消費したが、正直言っていささか消化不良気味だ。
撮影テーマがテーマなので、天候に振り回されるのは避けがたいことだし、今日は非常に風が強くて水準器などを吹き飛ばされかかったりしたので、いつものように海岸や川辺で撮影してたらどんなことになっていたかとも思う。また、用意した感材も練習用だし、そもそも最近は飛び道具の実験にかまけていたため、撮影勘を失わないためのトレーニングというつもりだったので、所期の目的は十分に果たしているのだが、その一方で久しぶりに抜けのよい青空が広がったのに、チャンスを不意にしてしまったような気もして悩ましい。



悩ましいといえば、現在の撮影テーマそのものについても悩ましく、特に飛び道具が思いのほかよく出来ていることがわかってからというもの、これまでのように2つのテーマを並行して撮影し続けるべきか、それともどちらかに傾斜して進めるべきかが悩ましい。撮影という行為は、ある意味でスポーツや楽器の演奏などと共通する面があり、日ごろから一定のトレーニングを心がけていないと、急速に勘が鈍ってしまう。そのため、まじめに写真と取り組む人であればあるほど機材や撮影テーマを絞り込んで行くものだが、自分の場合はこれまでのテーマと飛び道具の撮影感覚があまりにもかけ離れていたため、両立させるのがいささか難しいのだ。



まぁ、それぞれの撮影感覚がかけ離れているからこそ、いささか制作が煮詰まりギミだったところに、程よい刺激となっているという側面もあるのだが、それこそ機材におぼれるカメヲタじゃぁあるまいし、機材やテーマをとっかえひっかえするのは百害あって一利なしだ。とりあえず、現在は飛び道具の撮影により大きな楽しさを感じているが、それは単に目新しい「おもちゃ」を手に入れたためで、あくまでも一過性のマイブームに過ぎないのか、あるいは自分自身の感覚が大きく変化しているのか、もう少し時間をかけて見極めないとならないのかもしれない。



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雨でぐだぐだ

2008-01-12 22:54:16 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Shinjyuku008


今日は朝から雨模様な上に寒く、布団から出るのも一苦労だった。とりあえず、知人との約束があるので家を出たものの、撮影をしようという気持ちにすらならない。 まぁ、悪天候を押して会うだけの値打ちを持つ知人なので、出かけることそのものに不満は無いのだが、この寒さばかりは本当にやりきれなくなる。



やりきれなくなるといえば、例えば自分の力では避けがたいあれやこれやで、意図せずに他人を傷つけてしまうというやりきれなさもあるのだが、そういうことをひとつひとつ飲み込み、乗り越えていくこともまた生きるということなのだろうと思う。結局、夜になってロールフィルムを2本消費し、重いものを抱えたまま帰宅する。



天気に文句を言っても仕方ないのだけど、本当に今から春が待ち遠しいなぁ~



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Fall Europa

2008-01-09 23:59:28 | 撮影とテーマ設定2008~09年3月
Shinjyuku009


今日は朝から曇りがちなところに、午前中から仕事上の厄介ごとをいくつか処理しなければならなかったので、昼すぎにはすっかり憂鬱な気分になっていた。こういう時には、無理せずおとなしくしているのが一番だけど、それが出来れば苦労は無いねってのが現実だねぇ~



ただ、仕事とは反比例するかのようにプライベートは好調で、また今年に入ってからは鑑賞した展示が全てアタリという、なんともかんとも恐怖劇場アンバランスな日々が続いている。プライベートのことはさておくとして、展示は杉本博司氏の「漏光」と高橋ジュンコ氏の「wreck 」に、荒木珠奈氏の個展と、やはりなんだかんだで表現手段としての写真に寄ってはいる。とはいえ、表現手段の表面的な類似やカテゴリー別けとは全く無関係に、作家の視程が「いわゆる写真の領域」を大きく超えており、それぞれに極めて刺激的な展示だった。



もちろん、週間アエラ2008年1月14日号の「現代の肖像」で取り上げられたように、杉本博司氏は既に評価の定まった大御所作家といえ、今回ギャラリー小柳で展示されているのはいずれも代表作なのだから、まぁよくて当たり前といってしまえばそれまでだ。しかし、個人的にはオリジナル作品の大きさやインスタレーションの仕掛けなどから、杉本氏の視程が「いわゆる写真の領域」を大きく超えていることを「体感」する内容だったと思う。問題は、それが「一回性の再現不能なアウラ」に回収されてしまうものなのか、あるいは「それでもなお複製可能な存在」と見なしうるものなのかだが、自分のような浅学無頼の徒にはわかるはずも無いのだろう(インスタレーションを構成している物質的存在に、その答えは隠されているような気がする)。



次に荒木珠奈氏の個展だけど、なによりもまずギャラリーの空間的特性を存分に利用した構成がすばらしく、さらに制作技術も非常に高い水準に到達しておられるように思え、様々な意味で作家の力量に圧倒される展示だった。個人的には、版画という技法へのフェティッシュな愛着コミの評価となってしまうのだけど、その分を割り引いても多くの方に鑑賞していただきたい内容だと思う。



最後に高橋ジュンコ氏の「wreck 」だけど、こちらは自分自身の興味や関心が、作家の視程と全くかけ離れていることが却って興味深く、またその距離感が自分にとってのツボを刺激した展示だった。もちろん、この感覚はあくまでも受け手側に内在する個人的な要素が引き起こしたものに過ぎず、どこにも普遍性は存在していない。だが、それでも「ある特異な背景を持つ海難」に対して、作家が写真という表現手段を用いて制作した結果と、単に記録として写真という媒体を用いることとの相違について、あれこれと考えをめぐらせたのは面白い経験だった。



というわけで、以下のリンクをおまけにはっておく。機会があれば、海難そのものの背景を知った上で、作品を鑑賞するのも面白いのではないかと思う。



貨物船「HUAL EUROPE(ファル・ヨ-ロッパ)号」座礁油流出事故に対する対応状況について
ファル・ヨーロッパの事故を思い出して
HUAL EUROPE


杉本博司 「漏光」
会場: ギャラリー小柳
スケジュール: 2007年12月06日 ~ 2008年01月12日
年末年始休業: 12月28日〜1月7日
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8F
電話: 03-3561-1896

荒木珠奈 展
会場: 巷房階段下
スケジュール: 2008年01月04日 ~ 2008年01月12日
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727

荒木珠奈 展
会場: Space Kobo & Tomo
スケジュール: 2008年01月04日 ~ 2008年01月12日
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727

高橋ジュンコ 「wreck」
会場: 森岡書店
スケジュール: 2007年12月17日 ~ 2008年01月12日
住所: 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-17-13 第2井上ビル305号 森岡書店
電話: 03-3249-3456

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