松代守弘が2006年3月に開催した写真展「秩序の目録」については、肯定的な意見もあったが、もちろん否定的な意見も多々あった。
ギャラリーにおける展示状況は、概ねこんな感じだった。
展示作品に対する肯定的な意見については、ここではひとまずおくこととする。
ただ、複数の真摯な肯定的意見が寄せられたことを記し、この場を借りて感謝の意を表するにとどめる。
展示空間そのもの、およびギャラリーコンシールについては、ほぼ全ての来場者が非常に高く評価しており、ギャラリー全体のかもし出す「雰囲気」が特に好評だった。松代自身も白壁の展示空間を気に入っているし、もちろん全体の雰囲気も高く評価している。また、壁面も今回のような「直張り」に適しており、天井が高く、照明も明るめだったことを含め、物理的な側面においては申し分ない空間だったといえよう。
ただし、全体の雰囲気が「よすぎる」ため、展示のテーマとギャラリーの雰囲気が、必ずしも「最も高い次元でマッチングしていない」のではないかという意見もいただいている。
展示作品に対する否定的な意見については数多く寄せられているが、特に深刻かつ致命的な問題となったのは「技術的なミスや荒さが目立つ」という点であった。 とりあえず「表現的な意図が存在しているであろうことはわからなくもない」ものの、それでもなお観る人によっては「単なる失敗もしくは手抜き」と思われる危険性をはらんでいる、との指摘は極めて重く受け止めねばならない。
いずれにしても、写真としての基本的な技術をきちんと踏まえてこそ、はじめて表現の可能性が開けてくるのだから、今後はよりいっそう技術的な水準を向上させなければならない。
先述したように、展示空間そのものやギャラリーに対する否定的な意見はほぼ皆無だった。
しかし、その点についても考えなければならない点がなかったとはいえない。つまり、展示空間と展示コンセプトとのマッチングという点において、多少の反省点が見受けられる。特に今回の展示は「政治的な読み」も可能な内容であり、もう少しその点に配慮した空間設定、もしくは展示解説があってもよかったのではないかという指摘については、やはり真摯に受け止めたいと思う。
また、より根本的な問題としてギャラリーの雰囲気に作品が飲まれているのではないかという指摘があり、この点については自分としても極めて深刻に受け止めている。
やはり、ギャラリーと作品は相互に高めあっていくような関係を目指すべきであり、どちらかが他方に対して依存的な関係を持つことは問題だと思う。その点において、今回の展示はいろいろと反省すべき点も多く、次回はこれらの反省点を踏まえた展示計画の立案が求められる。
ただし、純粋に展示空間としては基本的に満足しており、作品点数や中央を抜いた展示スタイルも含めて、可能であれば次回以降も踏襲していきたいと考えている。
ともかく、今回の展示に来場していただいた皆さんには、本当に心から感謝しております。
次回の展示についてはまだ決まっていませんが、遅くとも来年の春までには開催したいと考えております。
本当にありがとうございました。
それでは、ぴ~~~~~~~~す!!