ひょんな偶然から、某私鉄沿線で開発中の住宅地を訪ねた。
言葉通りの意味で、本当になにもない、ただ造成地が広がっているばかりで、遠くにぽつりぽつりと見える住宅が、あたかも島のように感じられる。
WEBから出力した地図には、コンビニなどのランドマークが記されているのだが、街道沿いの焼肉店とガソリンスタンドだけを残して、そのほかはコンビニさえもつぶれているような有様だった。
起伏のあまりない土地だったので、視界をさえぎるものはほとんどない。梅雨時とは思えない、やや霞がかった青空の向こうには、真新しい鉄道の高架線が走っていた。
いつものようにシャッターを切り、フィルム2本(42カット)を消費する。
しばらく歩いて、連絡が取れなくなっている業者を訪ねる。だが、やはり業者はそこに居らず、留守番の老婆と意味不明のやり取りを少しして、空手のまま東京へ戻った。
しかし、今日はそういう流れがふさわしいような、そういう気がした。
追伸
ラウシェンバーグ展について、先日のエントリーはいささか不親切に過ぎたように思えるので、少々補足しておく。
まず、展示内容に関しては、こちらの「ロバート・ラウシェンバーグ展」を参照してほしい。リンク先にもあるが、自分が鑑賞したのはメトロポリタンでの展示を経て、MOCAへ巡回してきた(戻ってきた?)際の展示である。
次に、作家自身については、こちらの「都市の事物と芸術のあいだ」を参照してほしい。また、こちらの「ART CONTEMPORARY IN JAPAN」は現代芸術、特にアメリカ現代芸術に関する要領のよい解説があり、より興味を深めるための入り口として紹介させていただく。また、サイト内の「アメリカ現代芸術作家論」には、アメリカ現代芸術を語る上で最低限抑えておきたい作家たちが紹介されており(もちろん、ロバート・ラウシェンバーグも含まれている)、自分自身も大いに参考とさせていただいた。ただし、写真作品(及び作家)の取り扱いについては、一部に違和感を覚えたことも付記しておきたい。
ちなみに、自分がラウシェンバーグ展を観に行ったのは、ぶっちゃけ「巨匠の作品をこの眼で観ておこう」ぐらいの動機で、特にそれ以上のものはなかったのだけど、それでもやはり「観ておいて損はなかった」と激しく痛感させられました。
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伊藤剛氏が、熊本市現代美術館の「生人形と江戸の欲望展、反近代の逆襲II」に関連するトークイベント「キャラクター文化と生人形」に招かれたそうです。詳細については、伊藤氏自身のブログを参照していただくとして、なんでわざわざ熊本のトークイベントを紹介したかというと、大学の後輩が展示カタログに解説文を執筆していたんですよ(しかもメイン級の扱い)。
正直、伊藤氏のブログでこのイベントを知らなければ、カタログについて調べたりもしなかったのは間違いないので、偶然というものの不思議さ、面白さに、ただ驚かされるばかりです。
とはいえ、カタログ通販が「現金書留のみ」ってのは、いささか、いやはっきり言って、めちゃめちゃ勘弁してほしいところですなぁ~