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ダーガーと同人作家とゑ炉

2007-07-16 17:48:06 | 撮影とテーマ設定2006~07年11月


前日までの雨がウソのような青空が広がって、文字通りの台風一過となったこともあり、朝から大喜びで撮影に出かけるも、現場到着時にはすっかり曇っていた。半ばやけになってシートフィルムを10枚消費したが、ロケハンにしかなってない。今日はツキに見放されたようだし、さて帰ろうかという段になって知人から携帯へ着信。ひまなら飯でもという話だったので、五反田の韓国料理屋へ向かった。



おりしも原美術館で「ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語―夢の楽園」展が最終日を迎えていたため、自分はついでに「見物」してくるつもりだったが、よせば良いのに知人も喰い付いてしまい、むさいオタクが2人で休日の原美術館という、なかなかに激しく場違いな有様となってしまった。



案の定というかなんと言うか、知人の反応はドン引きに近いものだったため、自分はさっさと分離して足早に会場を廻った。来るたびに思うことだが、原美術館の鑑賞者はほんとにおしゃれな人が多く、それも美男美女がそろっているので、別の意味で非常に敷居が高い。まぁ、おしゃれといっても全てに肯定的な意味を持つものでもないが、少なくとも現代美術関係者や作家が往々にして放つ「やさぐれ感」や「攻撃性」とは無縁そうな、いかにもアモアム読者や「根岸崇一」のような人々をたくさん見かけた(そして代官山ならぬ御殿山おしゃれファックをキメルのだろう)。



その後、一通りの作品見物と人間観察を終え、再び合流したら知人はすっかりお冠だった。けっこう足早に廻ったつもりだったが、それでも意外に時間をかけてしまったのかとも思ったが、どうやら全然違っていたらしい。



結論から言ってしまうと、知人は単純素朴に「ダーガーがげーじゅつなら、ゑ炉同人はなぜアートじゃないのか?」という疑問を抱き、そして美術館に集う「おされな鑑賞者たちが口々に賞賛の言葉を述べている」ことに対して、だんだん腹が立ってきたということらしい。



大丈夫!自分もその点には腹立ってるから!



なまじダーガーの絵柄が萌えっぽく、また設定から濃厚なミリヲタ臭が漂うところや、小説と称される文章がTRPGの設定ヲタが書き散らしたような代物に過ぎない点もまた、オタクの嫌なつぼを激しく刺激するのは間違いない。ただ、そのボリュームは「正しく狂気の産物」に達してるのだが、それなら奈須きのこだって芸術的大作家になってもおかしくは無かろうと思う。



種明かしをしてしまうと、ダーガーはネイサン・ラーナーという紹介者を得たことが、現在における芸術的評価につながっているわけで、また今回の展示はラーナーの存在にも光を当てているところが「肝」なのだが、まぁその辺のあれこれについては専門家による解説がなされているので、自分などがこの場でどうこう言うようなものでもないだろう。



知人にはどうにも辛い思いをさせてしまったが、おかげで村上一派がげーじゅつ扱いされる理由や、また「ゑ炉」がげーじゅつとして生き残りを図っている状況について、それこそ「皮膚感覚で理解」してもらったのはありがたかった。



これから「炉」をやりたいなら、がんばって「げーじゅつ」として売り込むしかなかろうよ。
まぁ、自分は「熟」が好きなので、そっち方面はパスだけどな。



「ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語―夢の楽園」展
会場: 原美術館
スケジュール: 2007年04月14日 ~ 2007年07月16日
住所: 〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25
電話: 03-3445-0651


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