Tokyo at rain and Tokyo at night MOVIE!

東京の夜景動画ブログです。

水島貴大展 「東京ロンリーハートランド」

2009-04-25 13:34:02 | お知らせ
Toyosu026


いろいろ思うところあって、環境を思い切って変えることにしたら、よせばいいのに流民の血が騒いでしまい、なにかとものいりナ事態にハッテンしてしまう。とりあえず、なにはともあれ稼がねばならんので、仕事を多めに入れたりもしているのだが、こういうときに限って前から欲しかったあれやこれやが目の前をちょろちょろして、要らぬ物欲を刺激したりするのが厄介だね。
仕方ないので、トニカク日々を節約モードですごすのだが、以前に知人からいただいた賞味期限越えの無脂肪チキンヌードルをすすりながら、ブラック・レーベル・ソサイアティ (Black Label Society)というかザック・ワイルド(Zakk Wylde)ソニック・ブリュー(Sonic Brew)なんかを地味に聴いてると、チバの仁清通りかリジャイナの通関待ちエリアか、どっちにせよ棺おけに両足突っ込んだ状態でお先真っ暗な感じがして、流民的ハイテンションがとても心地よく思えたりするんだけど、たぶんそれって本来は出てはいけない脳内物質が分泌されているのだろうね。



さておき、昨日鑑賞した水島貴大展 「東京ロンリーハートランド」もまた、そういう困ったハイテンション状態にドラッグ&ドロップ(この場合はキックアウトか?)させてくれる、ある意味で非常に厄介な、それでいて素晴らしく愛おしい展示だったね。もぅ、これは展示紹介のカットにTotem Pole Photo Galleryという展示空間からバレバレなんで、ストレートに言っちゃうけど、思いっきりいわゆる「新宿写真」なんですよね。
そう、どこからどう観てもあの「新宿写真」で、暗くて鬱々として鬱陶しくひねくれてて根性の捻じ曲がった貧乏臭さ丸出しで昭和ノスタルジーどっぷりの、本来ならば自分が最も嫌いなカテゴリーに属するのだけど、これがなぜか水島貴大展 「東京ロンリーハートランド」の作品たちはさっぱりとさわやかで素直だったりするから、世の中って本当に面白い。



作家氏からはいろいろお話を聞かせていただいたのだけど、とても素直にかつての荒木経惟森山大道が大好きで、それでいてオマージュとしてではなく、また今の世の中に何か物を言いたいわけでもなく、単純かつ「素で」よいと思った作品を展示した結果であるところが、このハイテンションにつながっているのだろうね。まぁ、あえてなにかケチをつけるのなら、カメラに引きずりまわされてる感じもしなくはないのだけど、それがテンションの高さにつながっているので、年寄りがどうこう言うことじゃぁないんだよね。



とにかく、なんとか時間を作ってでも鑑賞して欲しい展示だし、今後がいろいろな意味で楽しみな作家だとも思います。



水島貴大 「東京ロンリーハートランド」
会場: Totem Pole Photo Gallery
スケジュール: 2009年04月21日 ~ 2009年04月26日
住所: 〒163-0004 東京都新宿区四谷四丁目22 第二富士川ビル1F
電話: 03-3341-9341

田村玲子展「未分」

2009-04-15 12:18:28 | お知らせ
Toyosu025


今月いっぱいはのんびりモードのつもりだったが、明日から来週明けまで九州へ行くため、なんだかんだとばたばたしている。いつものこととはいえ、自分には計画性がどうしようもないほど欠如している事を、またしても思い知らされると共に、こんな風にばたばたしていることを楽しんでいる自分がいる限り、計画性は死ぬまで身につかないのではないかと、そんなことを思ったりもする。



そんなこんなであまり時間はないのだけど、それでもギャラリー山口田村玲子展は、前回の個展を見逃してしまったこともあって、どうしても観ておきたかったから少々無理をしても足を運んだ。でまぁ、結論から言ってしまうと、無理して観に行くだけの価値がある展示で、個人的には非常に満足している。



こうしてブログのエントリにするからには、やはりどうしても展示の内容について触れなければならないのだろうが、いつもの事ながら美術作品や展示を言語化するという行為には戸惑いやためらいを感じてしまう。もちろん、そんなことを感じるのだったらブログなんぞに書かなければよいのだけど、どこかに「言語化したい」という欲求が存在するのは確かで、また「言語化したい」という欲求を書きたてさせるなにかを持った展示であればこそ、こうして打鍵しながら煩悶する自分がここに存在しているわけだ。



どうでもいい自己弁護的な前置きはさておき、作品そのものはタイプCプリントの大伸ばしが中心で、いわゆる都市のランドスケープにカテゴライズされるだろう。ただ、自分が特に惹きつけられたのは、いかにもカテゴライズの範疇に収まってしまいそうな作品でありながら、作品そのものには便宜上の区分としてしか存在しないカテゴライズなるものを超越する要素で成立していることだ。とりわけ作品がタイプCプリント、いわゆるカラー写真であることには、個人的に軽い衝撃を受けた。



カラー写真であることは、それこそ観ればわかることなのだが、しかしながら作品には鑑賞者の世界を破壊するだけの力があり、例えば自分の場合は自身が「写真文脈におけるカラー写真であること」に、極めて深く捉われていた事を、残酷なほど明瞭かつ率直に指摘する力を強く感じた。幸いにも作家氏は在廊していたので、あれこれとお話しする機会をもてたのだが、制作過程における思索が作品に反映されていることを感じつつ、作品からも作家氏からも得るところの大きな時間だったと思う。



また、同じギャラリー山口の地下1階では平沼宏之展'born to be blue'も開催されていて、こちらは現在の写真における「モード」を強く感じさせる展示となっている。どちらもお勧めなので、時間を作ってでも鑑賞して欲しい。



田村玲子 展
会場: ギャラリー山口
スケジュール: 2009年04月13日 ~ 2009年04月18日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F・B1F
電話: 03-3564-6167

平沼宏之 展
会場: ギャラリー山口
スケジュール: 2009年04月13日 ~ 2009年04月18日
住所: 〒104-0031 東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F・B1F
電話: 03-3564-6167

森谷謙一郎展

2009-04-08 11:38:59 | お知らせ
Ikebukuro065


仕事は相変わらず低空飛行で、もちろん金銭的な余裕などは全くないのだが、なにやかやと雑多な用事があって、それなりに忙しくはしている。とはいえ、打ち合わせなどを持つ際は場所を出来るだけギャラリーなどの近くに設定して、帰りがけにでも展示を鑑賞しようとか、そういう自由度はあるのだから、なんだかんだ言っても恵まれた立場なのだろうね。



そういうわけで、久々にギャラリー巷房へ足を運んで森谷謙一郎展を鑑賞させていただいたのだが、自分の予想というか期待をはるかに超えるすばらしさで、とりあえずご紹介だけでもさせていただこうかと思ったワケデスヨ。



実を言うと、最近はギャラリー巷房から足が遠のいていて、この展示にしてもポストカードをいただいていなければ見逃していた可能性が高かったため、案内してくれた作者の森谷氏には本当に感謝しています。でまぁ、肝心の展示内容なのですけど、本当に申し訳ないがこの場でその詳細を語ることは止めておきます。もちろん、余計な先入観を持つことなく作品を素直に鑑賞していただきたいというのもあるのだけど、正直に言って、自分の言葉が作品に追いついていないから、余計な言葉で作品の価値を損ねてしまうのが恐ろしいという心情もありますね。



ただ、まぁある種のお約束として批評家めいた「かたり」を加えるなら、今回の展示はギャラリー巷房という空間に対して「真正面から勝負を挑む」ものであり、そしてそのことが非常にすばらしい結果をもたらしていると、それだけは間違いなく断言できます。自分がギャラリー巷房から足が遠のいてしまったひとつの要因が、ギャラリー自体の持つ空間的な力があまりにも圧倒的過ぎて、自分程度の鑑賞者では作品そのものと正面から向き合えないのではないかという疑念を抱いたところにあるので、今回の展示ではある意味で非常にすがすがしい思いすら感じました。



また、最後になりましたが、同時にギャラリー巷房で」開催されている武山剛士展も非常にすばらしく、やはり巷房のオーナー氏は優れた眼力をお持ちであることを再確認させていただきました。



それにしても、やっぱ「物事には正面から本気で取り組むこと」が大切なのだと、自分のようにひねくれたことばかりしていてはイカンのだと、そういうことも同時に感じさせてくれましたね。



森谷謙一郎 展
会場: 巷房 (2)
スケジュール: 2009年04月06日 ~ 2009年04月11日 17:00
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727

森谷謙一郎 展
会場: 巷房階段下
スケジュール: 2009年04月06日 ~ 2009年04月11日 17:00
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビルB1
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727

武山剛士 展
会場: 巷房
スケジュール: 2009年04月06日 ~ 2009年04月11日
住所: 〒104-0061 東京都 中央区 銀座1-9-8 奥野ビル3F
電話: 03-3567-8727 ファックス: 03-3567-8727

林裕司展「reflection」リフレクション-反射

2009-04-02 16:14:58 | お知らせ
Ikebukuro074


年度初めだというのに、今年は全然忙しくない。むしろひまなぐらいで、少し寂しかったりもする。
要するに不景気ということなのだろうけど、よく考えてみれば自分にとって景気のよかった時期というものはなかったので、単に忙しくない分だけマシなのかもしれないとは思う。



そんなこんなで、取引先へのご挨拶に出かけたついでに、新宿あたりのギャラリーをぶらぶら散歩したものの、率直に言ってあまり興味深い作品にはめぐり合えなかった。むしろ、写真というへ表現方法やそれを取り巻く人々への違和感や、写真という表現方法の終焉というか、表現に対する閉塞感を強く覚えた。



ただ、蒼穹舎村上雄大写真展「GET BACK AGAIN」コニカミノルタプラザ大丸剛史写真展は例外で、特に後者は作家が思索することや写真という表現技法を使って制作するという「行為」に対する意識の高さが窺われ、そしてなおかつ作品としてもすばらしいという、非常に良質な展示だったように思う。残念なことに、会期は既に終わってしまったのだが、次回の展示に期待したい。また、村上雄大写真展「GET BACK AGAINには、プリミティブではありつつも「ナイーブさを感じさせない」素直さがあふれていて、やはり「作家自身が素直に表現することを愛している」ことの重要性を、いまさらながら痛感させられた。



閉塞状況という展では、現代美術も似たり寄ったりではないかと思わなくもないのだが、それでもなお自分は現代美術のほうによりジャンルとしての活力を感じる。例えば、よく行く表参道画廊での展示などがそうで、今回MUSEE Fで開催されている林裕司展「reflection」リフレクション-反射にも、大丸剛史写真展と同様の「行為」に対する意識の高さが現れていると思う。



今回の展示はインスタレーションがすばらしく、なおかつ制作からインスタレーションにいたる流れという部分もよく練りこまれており、個人的には本当によい展示だと思う。なにより、少しはなれたところから作品を眺め、そして振り返ったときの(たとえ予測はしていても)、それを超える軽い衝撃が心地よく、かつ好ましく思えてならなかった。



作家氏とお話したときに、展示を総体としてではなく、個々の作品ばかりに着目してしまう鑑賞者の話が出たが、そのような文字通りの意味で「木を見て森を見ようとしない」鑑賞者のことなどほっといて、作家自身の信じる道を追求して欲しいと、心から願う。



それにしても、写真家ってもぅ時代遅れの存在なんだろぅなぁ…



林裕司 「reflection」  会場: ミュゼF
スケジュール: 2009年03月30日 ~ 2009年04月04日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469