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「禁猟区」 乃南アサ 新潮社

2011-03-11 | 読書

乃南さんを読んで肩の凝りをほぐそうと、図書館で見つけてきた。
短編集なので読みやすかった。

警察官の規律違反や犯罪を、隠密裏に調べていく、監察官という部署の人たちの話。
だが警官が犯罪の罠にはまっていく経緯が、少し物悲しく、厳しい規律の中で働く人たちの、哀歓もうかがえる。

「禁猟区」
違法な風俗営業の実態を調べていくうちに、ホストはまった、婦人警官。

「免疫力」
子供の病気が助かった民間薬を、同じ立場の人に知らせ、少しでも役立てばと思った。警官。
声をかけたのがヤクザだった。信じていたヤクザはやはりヤクザな人間だった。

「秋霖」
時効直前まで追い詰めた犯人。刑事の執念が自分の仕掛けた罠に落ちる。

「見つめないで」
管理官の女性に片思いをした、無骨な警官が思いついた作戦は。




あまり周囲から好意をもたれない監察官も、必要な部署である。
しかし、間違えばスパイと呼ばれかねない隠密行動や、内部告発に近い警官狩り。

そこには、犯罪とはいえ、隠された警察官の物語があった。

面白い視点で書かれた小説で、読みやすい上に感情移入も容易。
ありがちだろうと言うストーリーも読ませる腕は確かだ。

あまり目新しい話ではなく、警察小説もいろいろと出すぎた感がある。

乃南アサさんは音道シリ-ズが面白い。★3


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