空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

「永遠の沈黙」 マイクル・ヘイデン&リンダ・ケニー 藤田佳澄訳 ハヤカワ書房

2011-03-18 | 読書

図書館の人気の本は配本時に題名の横に注意書きがある。
ーこの本は希望者が多いので早く返却してくださいー。そうでしょ、そうでしょ。私も待っている。
本好きは相身互いでしょう。早く読んで返しなさいね。私も返す。

これは <全米ベストセラーの話題作>
と言うのにつられて買っていた、積んでいたのだが、図書館の予約本がまだ届かない。8冊もあるのに。買っているからには読まないと作者に失礼かも。と思ったのだが。



ショッピングセンターの建設予定地を掘り始めると人骨が出てきた。
検死官のジェイクと弁護士のマニーが調査を始める。

ジェイクの尊敬する先生で友人のピーターから急な呼び出しがきて、急いでいってみると彼は末期の癌らしかった。何か言いづらいことがあるように見えたが無理に聞かないまま帰宅した。

そしてピーターの死の知らせが来る。

発見された人骨を調べていて、不審なことに気が付く。

ピーターからは関係のありそうな遺品を預かっていた。

一方弁護士のマニーは骨から名前の確定した父親の、死因を調べて欲しいと依頼される。

それから二人は命を狙われながら、入り組んだ過去を調べることになる。



検死官という職業は話では読めるけれど現実にはとても素晴らしい職業だとは感じられないのが普通だろう。

だが怖いもの見たさや最先端の医療、捜査事情を知るには読者のヒントになる部分も多い。難しい仕事には敬意を覚える。

作者が監視官と弁護士のご夫婦だそうで、特に検死官の仕事については書きすぎほどかかれている。

軽いロマンス小説だろうと思えるくらい登場人物も少なく読みやすい。

理系の検死官はなりふり構わない仕事人間だが、人柄は温かくて思いやりもある。
ファッションに人一倍気を配るおしゃれな弁護士とのロマンスも、そう来るのね。と思える。

単純な話はわかりやすくて、たまにはいいかもしれない。

読書

36作目 「永遠の沈黙」★3

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「影法師」 百田尚樹 講談社

2011-03-18 | 読書

「永遠の0」で泣いた作者なので、ろくに立ち見もしないで予約したのが来るのを待っていた。
たまたまパソコンを起動してみたら、ー準備できたー と出ていた。
連絡が無いけど、これは急いで取りに行こう。
図書館に着いたら「いま整理したところだったんですよ」あきれ気味に言われた。予約センターの通信は中央図書館にあって、受け取りは近所だ、ヤッタネ!
まったく、言葉も無いくらい面白かった。バスタオルほど涙は出はないにしても小型ハンカチはいる(^^)

作者は、つぼを心得ているのが良くわかる、自分でもこうきたら泣く。ホラ、ヤッパリだ、と思いながら引き込まれた。

 



ちょっと身分の差がある家の二人子供の辿った運命。

「刎頚の友」の契りを交わした二人。

同じように学問の成績は抜群で、剣の腕も揃って午前試合に出るほどに優れている。

下士の勘一と、中士の家柄の彦四郎。

家を継げず養子に出ることしか道の無い次男の彦四郎と、下士で貧しくはあるが長男の勘一という立場の違い。


ついに勘一は藩主に認められ、国家老になった、いっぽう彦四郎は、出奔して、晩年に帰国し不遇のうちに死んだ。

勘一は二十年あまりの江戸詰めを終え帰国したが、彦四郎の死を知らなかった。
そして、刺客に襲われ、一命を助けられ、それを切っ掛けにして彦四郎の過去が次第に現れる。

彼は如何に生きて死んだか。
「刎頚の誓い」はどうなったのか。

わずかな運命のづれ、時間のずれが大きく生き方を変えた。
しかしそれだけだったのか。

生き残った片割れの悲憤と、爽やかな幕切れが、痛々しくも悲しい。

気負いの無い読みやすさで一気に読み切ることができる。

今、泣くことも必要だと思った。

佐々木小次郎と武蔵が友達であったなら、絶好の配役なのだが
と他愛の無い想像までした。

大収穫の一冊


読書
35作目 ★5

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