美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




まず京都。日曜日の午後に京都に行きました。土日は会社の宿泊研
修で、土曜日の晩、宿泊先のビジネスホテルで携帯をチェックして
いたら幕内さんのこんな記事が...
review:奥村美佳展 ~いざない~ (ex-chamber museum)

おや、明日までやっている...

奥村さんの作品、実物は六枚しか観たことがありませんでした。も
っといろんな作品を観てみたいな...と常々思っていたところ。日曜
日の研修は午前中で終了だったので、昼から上京してみた次第です。

会場は平安神宮にほど近いギャラリー。二十枚ほどはあったでしょ
うか。大きいのから小さいのまでいろんな作品が並んでいます。こ
れまで観てきた作品は沈んだ色調のものが多かったのですが、今回
の展示には明るいトーンの作品が多く観られました。また、奥村さ
んには風景画、という印象があったのですが、静物画などもあって、
そんなのもうれしく...

こうした場所でのそうした作品との出会いは一期一会、売約済の作
品もちょこちょこあって、そんな作品は二度と観られないのだなぁ...
なんて考えてたら、なぜかしみじみとしてしまいました。一番気に
入ったのは幕内さんのレビューの一番上の画像。100号の作品です。
光ってました...凄い、凄いなぁ...
# この記事の画像は ex-chamber から無断引用してしまいました...

奥村美佳さんについて私が書いたこと。
第三回東山魁夷記念 日経日本画大賞展(ニューオータニ美術館)
『白暮の航路』奥村美佳(佐藤美術館収蔵)
両洋の眼展 (日本橋三越)


次にテレビ。京都から横浜に帰ってくると、ちょうど、NHKで松
井冬子さんの特集番組をやっていました。
痛みが美に変わる時~画家・松井冬子の世界~

露悪的な鼠の解剖とか、松井さんに痛いこと語らせる布施英利さん
とのトークはひどいなぁと思ったのですが、不思議と後味が良かっ
たのは上野千鶴子さんとの対話があったからかな。職業上言わなけ
ればならないからというエクスキューズ付きの『幸せになることを
恐れてはいけない。幸せになった時の作品が観たい』という言葉は
よかったと思います。

ただ、同じアートで一時間使うのであれば、松井冬子以外にももっ
といろんなネタがあるように思うので、そういう意味からは不満の
ある番組です。

松井冬子さんについて私が書いたこと。
MOTアニュアル2006 No Border 「日本画」から/「日本画」へ (東京都現代美術館)
日本×画展(にほんガテン!) (横浜美術館)
山本丘人展 (平塚市美術館)
パレード展 (成山画廊)
美術手帖 2008年 1月号
101東京コンテンポラリーアートフェア (末広町 旧練成中学校)


最後に雑誌。美術手帖の最新号を買いました。特集は会田誠さん。
まず読むべきは96ページの『あとがきメモランダム』。

> 全美大生は『何のために作品を作るか?』と聞かれたら、夢で
> も嘘でも『社会変革。』と即答する癖をつけた方がいいんじゃ
> ないか。もういいかげん『趣味の美術』は主婦と退職おじさん
> に任せた方がいい。
あははは...

> いつも少女ばかりではナニかなと思い、(サラリーマンの山を描
> く)『The Ash Color Mountain』ではひたすら男だけ描いてみよ
> うと思ったが(でもまたフェミニストから『なんで女性のオフィ
> ス・ワーカーがいないの!』と怒られるかな)、早くもこんな小
> さな部分のエスキースだけでウンザリ。本番を一緒に描いてくれ
> る根気のある人募集中。

そう、私は会田さんの書く日本語がとても好きです。

例えばこんなの
東京のアート前篇/後篇

この雑誌、最初手にとったときはなんだと思ったけれど、そんなに
ひどくはないと思います。むしろ好ましい...特に若手アーティスト
を中心とした対談関係が軒並み面白かった。
# ただ、会田さんの巻頭エッセイはいかがなものだろう...(^^;
美術手帖 2008年 05月号


個人的には今ほどアートにバラエティやライブ感を感じたことがあ
りません。もうちょっとこの様子を楽しんでいこうと思います。

コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
さすが (ogawama)
2008-04-24 21:31:24
私もex-chamber museumを見て「行きたかったなー」とブクマしました。
lysanderさんは本当に行っちゃったんですね、すごい...。
奥村美佳さんは元々lysanderさんの記事に惹かれて、ニューオータニと三越を見に行きました。
とても静かで、でも瑞々しい絵だなあと思いました。

 
 
 
Re: さすが (lysander)
2008-04-25 00:41:13
ogawamaさん
コメントありがとうございます。

> 本当に行っちゃったんですね
行ってしまいました。
暁斎展があったから思い切れました。暁斎さまさま...
# もっとも暁斎展だけだったら京都まで行かなかったでしょう...

東京でも個展開いたらいいのになぁ...
 
 
 
Unknown (はな)
2008-04-25 13:33:37
はじめまして、はなと申します。
こちらのブログはこっそりと時々拝見しておりました。
私もNHKの松井冬子さんの特集を見たのですが、あれには幻滅しました、番組の作りに、です。
松井さんの作品をまだ直接見たことがあるわけでなく、松井ファンとしてNHKにがっかりした、というわけではないのですが、なんともなんとも…という感じでした。
最初のごあいさつがこんなネガティブなコメントでごめんなさい。
また時々ちょこっとお邪魔します。
 
 
 
Unknown (lysander)
2008-04-26 01:19:35
はなさん
はじめまして
コメントありがとうございます。

この番組では松井さんの制作風景が観られたのが良かったです。
『教授には怒られるけど現代アートだから』と言い訳しながら
下絵をコピーするところはチャーミングですし、下絵の上に
絹地を貼って筆でなぞるところでは緊張感が伝わってきます。

ただ、イメージを前面に出すならもっときちんと撮ってあげた
らいいのに...と思いました。
九相図みながら『面白い』とつぶやくところなんて、あまりに
も無防備でとても不気味に感じました。
 
 
 
松井冬子は本物 (奥村欣央)
2008-05-06 13:33:00
松井冬子は苦しみの糧という絵の具を持っている。俺は画家で写真家です。彼女はいろんな面で神無月リナに似てる。リナはモデルで小説家です。俺は日本画を学んでたが松井の実力は確かなものだ。
 
 
 
Re: 松井冬子は本物 (lysander)
2008-05-06 22:17:32
奥村さん
コメントありがとうございます。

> 松井冬子は苦しみの糧という絵の具を持っている。
それはそうなのでしょう。
そんな松井さんを理解した上で、上野さんはいつまでも
それ(=苦しみ)だけで作品を作ることはないよと言って
いたのだと思います。
私はそうした言葉にほっとしました。
 
 
 
ブランド品激安卸販売専門店 (020スーパーコピー)
2016-10-10 12:30:46
CHANELが発表しているマトラッセラインは、初めに発表されてから約80年の年月を経ているにも関わらず、長年売れ続けているというCHANELの有名バッグです。
lv020brand@yahoo.co.jp
スーパーコピー財布
 
 
 
バレエ 絵画(http://www.meigakan.com/) (リビング用絵画 )
2016-10-31 12:37:46
まず最初に、1番下のレベルからの脱出でした。

それは、他の上達している人たちにおいていかれずに、
上達できているというレベルでした。
 
 
 
母の日 油絵 (誕生日 油絵(http://www.meigakan.com/))
2016-11-23 12:49:09
なおサロン出品用『草上の昼食』は当初マネの手元にあったが、家賃代として当時住んでいた借家の大家に取られ、数年後、モネの元へ再び戻ってきた(取り戻した)時には画面の損傷が著しく、現在残される左側部分と中央部分以外は切り捨てられた。

meigakan@yahoo.co.jp
 
 
 
油絵 花 (http://www.meigakan.com/)
2016-12-07 11:42:57
獣の衣を纏う洗礼者聖ヨハネを始めとする諸聖人たち。当時の文献や資料によって通例的にこの人物を洗礼者聖ヨハネとしているが、最初の人間アダムと解釈する説も唱えられている。

meigakan@yahoo.co.jp
 
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