美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




成山画廊に初めて接近したのは今年一月に開催されたアートアグネ
スです。ホテルの部屋をギャラリーに見立てた部屋部屋で、ひとき
わ目を惹く一室がありました...

採光の良い部屋にはソファーで寛ぐ一人の男性、いかつい指輪を嵌
めた手には紅ワインの入ったグラス...白スーツの濃い目の男性は、
ある意味衝撃的でした。今となっては展示作品よりインパクトがあ
ったかもしれません。
# あれはオーナーだったのだろうか...未だに不明...

その後も、あやしげなホームページをのぞいたり、業界の人から悪
い噂(?)を聞いたりしたもので、とってもダークなイメージのあっ
た成山画廊、そんなダークサイドに今回初めて足を踏み入れました...

ギャラリーは九段下駅から九段坂をあがって千鳥ヶ淵を曲がるあた
り、アパートメントの二階にあります。

こじんまりとした小さな室内には、成山さんがお気に入りのこって
りとした作品がところ狭しと並んでいます。私が知っている作家は
ダイアン・アーバスと三島由紀夫(?)、そして松井冬子さんくらい...

フリークス的なものは苦手なのですが、その手の展示が多くありま
す。そんなフリークスの作品と並べられているアーバスの健常者に
はぞっとします。しかし先日銀座で観た『異形の愛』を思い出すと、
無闇に忌み嫌うこともないのではないかなんて気がしてきます...
# 気がしただけで、自分の手元に置こうとは思わないのですが...

三島由紀夫は切腹の自演、随分とけれんみのある演技はある意味フ
リークス的かも...
# 小さな写真でよかった...

松井冬子さんの新作は双頭の蛇、タイトルは『なめらかな感情を日
常的に投与する』です...この作風は、このギャラリーにぴったりし
ています。松井さんは成山画廊が扱う初めての新人作家だったそう
です。秋にはここで個展が開かれるようですが、どんな展示になる
のでしょう...

初めての作家さんでは彫刻家、土屋仁応さんの馬がよかった...小さ
な白馬の目がきらきらしています。水晶だそうです。とてもきれい
な彫刻。ちょっと欲しくなりました...

オーナー自ら火を吹く写真や、小学生の頃に描いた作品などもあっ
て、好きなもので身の回りを埋め尽くそうというシンプルな欲望が
感じられます。いいな、そういうの...

というわけで怖いもの観たさに行ったのですが、パレードというだ
けあって思いのほか観やすい展示でした。あるいは、それは、我々
をあちら側にひっぱるための罠なのでしょうか...

これからも騙されにきてみようかな...そんな風に思わせるユニーク
なギャラリーです...

・『パレード展』(成山画廊) - 7/21 まで...

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コメント
 
 
 
行きたいのですが (ogawama)
2007-07-15 08:46:31
『パレード展』見たいのですが...。
私が行けるのは水曜日で、その日は「予約制」となっているので恐れ多くて、あきらめていました。
lysanderさんのおかげで雰囲気がちょっとわかりました。
 
 
 
Re: 行きたいのですが (lysander)
2007-07-15 19:25:14
ogawamaさん
コメントありがとうございます。

> その日は「予約制」となっているので恐れ多くて、
予約しないと!...(~~)
土屋仁応さんの白い馬は必見です!!
 
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