鳥の巣頭の世迷い言

読書音楽観劇、ハゲタカ廃人、そしてアラシックライフをエンジョイしている三十路のお気楽会社員・ガバ鳥のblog

「彼ら」は須佐之男命なのか?@シン・ゴジラ感想3

2016年09月27日 21時30分24秒 | シン・ゴジラ
(怒涛の更新で失礼いたします。初めて映画を見たのが8月1日のくせになんで今になって…と思いますが、要は、今までに書き溜めていたものを放出しているということでしてね…。それだけ腹に貯めてるってことなんです。はい。)
 
 
映画「シン・ゴジラ」には古事記に纏わる様々な言葉が登場している…ということで、久しぶりにパラパラと古事記をめくってみました。
(読んだのは、むかしむかーしの学生時代以来のことでございます。そして好きなだけで詳しい訳ではありません。間違ってたらゴメンナサイm(_ _)m)
 
矢口蘭堂たち巨災対チームが血液凝固剤を用いてゴジラを凍結させるプランは「矢口プラン」と呼称されますが、実行に移す際の作戦名は「ヤシオリ作戦」と呼ばれ、凝固剤を投与する特殊建機小隊(特に高圧ポンプ車)は「アメノハバキリ」と呼ばれます。
既に多くの方々が指摘されている通り、ヤシオリやアメノハバキリの出典は古事記の須佐之男命(スサノオノミコト)による八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の退治の章です。
須佐之男命が八岐大蛇の退治する際に使用した八塩折の酒(ヤシオリの酒)がその由来であり、八岐大蛇を退治した刀である天羽々斬(アマノハバキリ)がその由来である…ということで、原文ではどんな感じだったかなとページを捲ってみた訳です。
それを読んで思った感想を自分のtwitterアカウントでツイートしたものを基に以下に再構成しました。
 

+++

 天照大御神の弟という尊い身であるにも関わらず、自身の狼藉により高天原を追い出された須佐之男命は出雲の地にあって、ある老夫婦と娘に出合います。
彼らは悲しみに暮れて泣いていました。須佐之男命がその理由を尋ねると娘を八岐大蛇に捧げねばならないからだと答えます。
彼らにとっての脅威である八岐大蛇については、以下のように語られます。
 
「その目は赤かがちの如くして、身一つに八頭八尾あり。またその身に苔と檜すぎと生ひ、その長さは谷八谷峡八尾にわたりて、その腹を見れば、悉くに常に血爛れつ」
(その目は赤いホオズキのようで、一つの胴体に八つの頭と尾をもっている。また、その身には苔と檜と杉が生え、長さは幾つもの谷や峰にわたるほど長い。その腹は常に血が流れ出して爛れている。)
 
「」内:岩波文庫「古事記」より一部抜粋
()内:ガバ鳥的てきとー現代語訳
 
 
興味深いのは、彼らが語った八岐大蛇の形です。8つに分かれた大蛇であることは記憶にあったのですが、さらに「その腹を見れば、悉くに常に血爛れつ(その腹は常に血が流れ出して爛れている)」状態であるとは古事記を今回の件で見返すまで知りませんでした。
 
常に腹が血に爛れている…という表記で思い出すのは、ゴジラ第二形態(いわゆる蒲田くん)の歩いている様子です。
鰓らしき所から血液を大量に流出させながら蒲田駅前の通りを行進をしていた、あの場面です。
これを見て、あれ、、、もしかしてゴジラってやっぱり八岐大蛇なのかしら、と益々思うわけです。
 
周知のように、ゴジラの画面1つ1つには沢山の情報(もとい、ネタバレ案件)が詰まっています。矢口の副長官執務室にあった鉄道模型や、検察庁長官の執務室に飾ってあった書も、それに該当することでしょう。
とすると、蒲田くんのこの描写と矢口プランの内容(凝固剤の経口投与)を併せると、矢口たちが須佐之男命よろしく、神の化身であるゴジラに対応しようとしていたことが浮かんでくるのかなと。
 

 
さて、古事記の話に戻ります。
八岐大蛇の話を聞いた須佐之男命は大蛇の退治を請け負います。その際に老夫婦に用意するように命じるのが八塩折の酒という訳です。
 
「汝らは、八塩折の酒を醸み、また垣を作り廻し、その垣に八門を作り…(略)」
(あなた方は八塩折の酒を準備し、垣をつくり、垣には8つの門を作り…)
 
「」内:岩波文庫「古事記」より一部抜粋
()内:ガバ鳥的てきとー現代語訳
 
 
面白いのは、八岐大蛇を酔わせた八塩折の酒が、8回醸造されたとても強いお酒(アルコール分が高い酒)という点です。
地上に住むものの手により手間をかけて作られたお酒を大蛇に飲ませ、脅威であった大蛇を酔わせてついには退治してしまうのには、凝固剤の精製過程と重なり、「ああー..。」と声を出してしまう所です。
 
また、それを実行したのが、高天原から追い出されてきた天照大御神の弟である須佐之男命という所も、3世議員であり若き官房副長官である「やんちゃ・世渡りが下手」な矢口や個性豊かな巨災対メンバー(霞が関のはぐれ者、一匹狼、厄介者、オタク等:ただし、難関の公務員第1種試験を突破したエリート官僚)が想起されます。
 
 
さて、八塩折の酒で酔った八岐大蛇を帯びていた十拳剣(とつかつるぎ;元は伊佐那岐命が帯剣しており、息子である火之神・香具土を斬った刀である)で斬った須佐之男命は、八岐大蛇の蛇身からひとふりの刀を見つけます。須佐之男命はこの刀、臭蛇太刀(くさなぎのつるぎ;臭い蛇の剣の意。蛇=なぎ)とし、姉である天照大御神に献上します。
この刀が後に草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれ、今に至る皇室の3種の神器の1つとなる訳です(現在、熱田神宮に奉られている)。
ゴジラが人類の脅威でもあると同時に人類に希望をもたらす福音でもある、と言ったのは映画の主人公である矢口蘭堂ですが、まさに、古事記にあっても同様に、脅威であった大蛇から宝を得ることが出来たというわけです。
 
ちなみに、十拳剣は大蛇を斬った刀ということで、後に天羽々斬(アメノハバキリ)と呼ばれます。羽々というのは、大蛇を意味する言葉だそうです(現在、石上神宮に奉られている)。
ということは、アメノハバキリ01と言われた特殊建機第一小隊(高圧ポンプ車群)は正しく八岐大蛇に挑む十拳剣/天羽々斬であるといえるのでしょう。
 
 
さて、見事に大蛇を退治した須佐之男命は、老夫婦の娘である櫛名田比媛(くしなだひめ)と結婚します。この時に彼は宮殿を築き、有名な八雲立つから始まる有名な詩をうたいます。
 
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣をぞ。」
(幾重にも雲が立ち上る、その名も出雲の国に、八重の玉垣のような垣を私の妻のいる新居の周りに作っている。雲は立ち、八重にも幾重にも垣をつくっている。)
 
「」内:岩波文庫「古事記」より一部抜粋
()内:ガバ鳥的てきとー現代語訳
 
 
この歌は、もともと須佐之男命が妻との新婚生活を送るための館を建てる時の歌なのですが、一説によると、須佐之男命による出雲の国の統治宣言でもあるということで、赤坂秀樹官房長官(臨時)と矢口蘭堂がヤシオリ策戦後の練馬駐屯地で話し合った内容がスルッと思い出されるわけです。
 
赤坂「せっかく崩壊した首都と政府だ。まともに機能する形に創り変える。」
 
日本が民主主義国家である以上、赤坂が日本を統治する訳でもありませんし、古事記で語られる国の統治と日本の統治とが直接結びつけられる訳でもありません。
ただ、赤坂が国を一から建て直すべく議員(閣僚)の立場から奮闘するのだろうな、というのが想起されるのです(この時に、もちろん矢口も共に道を同じくすることでしょう。両輪のように。)。
 
また、赤坂はこうも言います。
「スクラップ&ビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる。」
 
これセリフも含めて考えると、矢口や巨災対のメンバー、そして赤坂や泉たち、協力した民間会社職員などを含んだ多くの日本人は、須佐之男命よろしく、八岐大蛇であるゴジラに立ち向かい、草薙の剣のような福音(新元素)を得て、八重の垣根に囲まれた宮のように強固な国を作っていくのだろうな…と思う訳なのです。
 
 

 
Ref.
1)古事記(倉野憲司 校注、岩波文庫)
2)新潮日本古典集成 古事記(西宮一民 校注、新潮社)
3)日本国民文学全集 第1巻 古事記(訳者 福永武彦、河出書房)
4)古事記を旅する(三浦佑之、文芸春秋)

何も語らず、在るだけの神@シン・ゴジラ感想2

2016年09月27日 00時23分46秒 | シン・ゴジラ
(前回の感想が映画の話自体をぜーんぜん語っていないことに気付いたので今更ながら)

シン・ゴジラ(2016.07.29公開)を見て、思ったことはタイトルにある通りです。
「神は何も語らず、在るだけである。」あるいは、「神は沈黙している」でした。

「神は何も語らず、在るだけである。」
昔、樹なつみさんが描いたコミックスに、「八雲立つ」という出雲の神話を元にした話があったのですが、その中の登場人物である神子が胸中で呟いた台詞にありました(正確にいうと、彼の言った台詞が、私の記憶の中で年月をかけて変形/意訳された台詞ですが。)。
神子に神の意図が知りたいとすがりつく人間(出雲大王だったかな?)に対しての言葉だったかなと。

「神は沈黙している」
これは、遠藤周作が書いた小説の「沈黙」に出てくる台詞です。キリスト教の禁教令がしかれた江戸時代の日本にやってきた司祭が捕縛され棄教をせまられた際に(彼の中の)神(キリスト)と対話をする訳ですが、その中で出て来た司祭のものです。

マンガと小説、いずれの話においても、人間は神とコミュニケーションがとれず、一方的に人間が神の意図や言葉を(期待しているように)解釈して行動を起していく訳です。


さて、シン・ゴジラにおいても、同様のことが取れるかもしれません。
矢張り、ゴジラは何も語りません。また、何故、東京へやってくるのか、等の理由も明かされることもありません。
飽くまでも、ゴジラは生きるため、あるいは、ありとあらゆる環境に対応するために、放射能による汚染を耐え、形態を変えて海から陸にあがり、ついには航空攻撃に対する防御能力を身につける訳です(人間への攻撃かと思いきや、人間なんて意識してません。)。
まさに進化の極み!
なんとなく、全知全能の白痴盲目の神アザトース(クトゥルフ神話)というのを思い出してしまいますが。

結局、ゴジラは人間達の思惑通りにヤシオリ作戦(血液凝固剤)で凍結され、もの言わぬ像へとその姿を変える訳ですが、結局、ゴジラが何をしたかったのか、あるいは、始まりの人である牧博士も何をしたかったのか誰も解らないわけです。映画の中でも明確なメッセージはありません。
まさに、「彼は何を好きにしたんだ?」(by 矢口蘭堂)です。
私たち視聴者も含めた人間たちが解釈していくしかないという...。
そしてこれが、私が「神は何も語らず、在るだけである」「神は沈黙している」を想起した理由となる訳です。


ところで、シン・ゴジラの中の人間もゴジラと対話をしませんし、心情を理解をしようとしません。
人間たち(というよりも、ゴジラ対策のためのチーム、巨災対)はあくまでもゴジラを科学的に観察・分析し、対応を図ります。そして、ゴジラの生態を分析し、凍結する手段を模索するという、ありふれた「普通」の手段を法律上の手続きをふんだ上で実行をしています。
あくまでもそれは、科学的な「理解」であり、情緒的な「理解」ではない訳です。
人間が神を「理解」し、自身の説(科学)で神を殺す(凍結する)...ということを実行するという。
(因みに、前回の記事でコーフン気味に語ってしまったのは神殺しのプロセスにコーフンしたからでもあります。)

そう考えると、彼らは虚構であるゴジラ(神)の持つシステム/やり方に呑まれない登場人物たちであり、「八雲立つ」にも「沈黙」にも出て来ていない、現実的なタイプの人たちであると言えるのかもしれません。
(森へお帰り!とかもないし、鎮めるための古代から伝わる歌も謡わないんですよね)。
まさにポスターにあった、虚構vs現実の通りだなと思った次第。


追記)
矢口たちの牧博士への「理解」には、情緒的なものがあったと思われます。劇中で「彼は唯一の救いである妻を奪った放射能を憎んでいた」「彼はこの事態を予見していた気がする」と矢口は語っているからです。
ただし、ゴジラに対しては、とくに心情的な理解はないと思っています。

語りたくなる映画(シン・ゴジラ)

2016年09月26日 22時05分16秒 | シン・ゴジラ
シン・ゴジラにはまってしまいました。
劇場で見た回数は現時点で10回(2016年8月1日~2016年9月24日)。
こんなにハマるのは、ハゲタカ以来かもしれません。

さて、このシン・ゴジラですが、あらゆる専門家(研究者(生物、物理、化学、日本文学、折り紙)、自衛隊、公務員、インフラ、製造業者等)の琴線を揺らしたようで、各人のバックグラウンドを基にした独自の解説が多く展開されています。
例えば、宮澤賢治の詩集・春と修羅(牧 元教授のボートで発見された詩集)を基にした解説が展開されたり、ゴジラプルームの半減期についても言及したものもありました。



(元・日経サイエンスの中の人にして現・未来科学館の中の人である縞うさぎさんのツイート;見た瞬間、うんうん、見たい!とワクワクした。)


かくいう私も製造業のけんきゅーかいはつ的な世界の片隅で生きている古文大好き人間ですので、巨大不明生物(ゴジラ)の生態や凝固剤のスクリーニングや製造工程、あるいは古事記については多いに語りたい・知りたいところがあります。
勿論、バックグラウンドを持つが故に突っ込みどころもいくつか見つけてしまうのですが、その点をついて取材不足/映画を詰るというのは野暮というものでしょう。

私が「語りたい、知りたい」と思ってしまうのは、自分があの世界の中で生きていたら(あるいは今ここに巨大不明生物が発生したら)どういう立ち位置になるのか、どういう動きをするのかを考えてしまうためなのですが、そいういう風に考えさせるところに、この映画の力があるんだろうなと思いました。見ている人を虚構の世界に入り込ませる力というか。
映画の中の「働くオジさんたち」「働く大人たち」がカッコ良かったから、というのもあるでしょう。


ちなみに、
私が映画をみて最初に思ったことは、
・原子炉のようなものを有してエネルギーを変換して生きているならば、なんで「血液」が必要なの?
・ゴジラのADMEは?うんこ出るの?
・形態が変わるのであれば進化でなく変態というべきだが、なんか進化といわざるを得なくなるような発見でもあったの?それとも宗教的な観念なのか?ゲノムサイズで地上で一番進化した生物である…とエクスパートである尾頭らが定義したのはなんでか?(ヒトのゲノムサイズ (bp);3x10^9、ゴジラのゲノムサイズ;2.4x10^10、キヌガサソウ;1.5x10^11)
・製造するにあたって原料は国内在庫で足りたのか?緊急輸入するなら税関手続きとかは簡略化もしくは後回しにしたのか(あまりにも日数がないから)?
・凝固剤のスクリーニングはどういうプロトコールで進めたのか?必要最低量はどうやって算出したのか?
・製造するにあたって幾つかの会社のプラントを使用しているだろうが、質の担保(QC)はどうやったのか?(K東化学が頑張ったのか?)
・作戦名がヤシオリ(八塩折の酒:ヤマタノオロチを酔わせたお酒)で、特殊建機小隊がアメノハバキリ(天羽々斬;ヤマタノオロチを退治した素戔嗚尊のもつ太刀)と呼ばれるならば、ゴジラはヤマタノオロチだったのか?
でした。

いやはや、語りたくなるものですね。



Ref)
1)日経ビジネス(シン・ゴジラ、私はこう読む)
2)こばこのぼうさいにっき
3)こびわの独り言

シン・ゴジラに関する小道具(自分メモまとめ)

2016年09月25日 09時48分29秒 | シン・ゴジラ
にわかにシン・ゴジラ(庵野秀明 総監督・脚本・編集)を見て、うっかりハマってしまいました。
まさかまさかの鑑賞10回(20160801〜20160924)!
今の所、寝ても覚めても〜ゴジラ〜な状態です。

さて、オタ体質の私ですので、劇場にでてきた小道具の類いも何なのか、知りたいところです。ただ、私はものの特定は出来ない人なので(時計とかは出来ない。某会社のガロン瓶とかは解ったけど、毎日みてるからさ...)、公式HPやパンフレットから協力会社のHPを検索し、メディア協力情報を出しているもの(公にされている情報)をピックアップするという方法を取りました。
今回は、8月29日〜9月2日までの間に検索して自分のツイッターアカウントにのせた情報を以下の通りに纏めて掲載いたします。

今後、随時、情報を更新することが出来ればと思います。(特定できた方々の情報もおまちしてますー!!あかさかせんせーのめがねー!)

+++

1. 矢口の腕時計
グランドセイコー(SBGX063; クォーツ)



2. 赤坂の腕時計
グランドセイコー(SBGR087; メカニカル自動巻き)



(注意)
Seiko公式facebookでは商品名等の詳細情報はアナウンスされていない(Seikoブランド商品が使用された旨のアナウンスのみ)。
詳細情報は江南市にある時計・宝飾専門店であるSAKAI&COのスタッフブログに記載。よって、公式によるアナウンスではない。ただし、正確性は高いと思われる。


(2017/9/20追記)
2017.09.19付けのGQの記事「GQ Watch News SHARE ON Defining Details 映画の時計に作品の本質は宿る」にて、記事のライター(広田雅将 氏)がSEIKOの広報に問い合わせた結果、正式な回答を得ている。
江南市にある時計・宝飾専門店であるSAKAI&COのスタッフブログに記載の通りの型番だった。SAKAIさん、GJ!!
以下、GQの記事より抜粋
『逆に納得できたのは、昨年公開された『シン・ゴジラ』である。内閣官房副長官を務める矢口蘭堂(長谷川博己)と、内閣総理大臣補佐官を務める赤坂秀樹(竹野内豊)は、それぞれグランドセイコーを着けていた。しかもモデルの選択が実に理にかなっている。気になってセイコーの広報に問い合わせたところ、以下の回答を得た。
「制作サイドからの要望は『華美で無くかつ高級感があること』。とくに内閣官房副長官役の長谷川博己さんはスーツ以外に作業服も着るので、レザーバンドのクラシカルなモデルより、少しスポーティーなモデルが良い。SBGX063を提案したところ、採用された」
理にかなっていると書いたのは、時計の選択がそのまま両者の関係を示していたからだ。年下の矢口の方が赤坂より立場は上だったが、赤坂は矢口を叱責するし、後に内閣官房長官代理に出世したことを考えれば、赤坂のほうが偉いことがわかる。それを反映したのか、矢口のグランドセイコーは23万円(SBGX063)で、赤坂のモデルは40万円(SBGR087)だ。両者の力関係は、すでに時計に表れていたわけだ。』


3. 森課長の眼鏡
ヒューゴボス(BO6552J②)


4. 本部(警視庁)の眼鏡
セイコーTシリーズT8013


5. 早船の眼鏡
ポリス V8931J


6. 大河内の腕時計
オメガ・シーマスター アクアテラクロノメーター コーアクシュアル


7. 東の腕時計
アンティークオメガ


8. カヨコの腕時計
アンティークロレックス カメレオン


9. 花森の腕時計
ブルガリブルガリ


10. 尾頭の腕時計
アンティークオメガ


11. 矢口蘭堂官房副長官執務室にあった赤間硯
赤間硯 梅文自然硯(ばいもんしぜんけん)(日枝玉峯作)

12.矢口蘭堂官房副長官執務室にあった岩国石人形
額入り大名行列
(注意:岩国石人形公式ページ内のスタッフのコメントには画面に映ってなく確認できなかったとある。)

13. 矢口蘭堂官房副長官執務室にあった萩焼
泉流山 当主・吉賀將夫の花器、泉流山の茶器
(注意:具体的にどの場面にでるかまでは公式facebookではコメントされていない。)
その2にて、詳細を記載

14. 泉修一の腕時計 (2019/9/20追記)
ヴァシュロン・コンスタンタン「マルタ」

注意)2017.09.19付けのGQの記事「SHARE ON Defining Details 映画の時計に作品の本質は宿る」にて、記事のライター(広田雅将 氏)が推定して記載。メーカーから公式アナウンスは出ていない。広田雅将 氏は時計ジャーナリストであることから、正解である可能性は高い。
「もうひとつ面白い時計を見つけた。矢口の同期として、泉修一(松尾諭)という政治家が出てくる。立場は政調副会長。正式にアナウンスがあったわけではないが、見たところ、彼が腕に巻いていた時計のひとつは、ヴァシュロン・コンスタンタンの「マルタ」だった。「出世は男の本懐」と放言する泉のような政治家なら、なるほどこういう華やかな時計が似合うだろう。ここまで細部を作り込んだ映画が面白くないはずはない。『シン・ゴジラ』の大ヒットには納得させられた。」(上記より抜粋)



(Ref)
・1, 2について
Seiko 公式Facebook
SAKAI&Co スタッフブログ
GQ Watch News SHARE ON Defining Details 映画の時計に作品の本質は宿る (2017/9/19付け記事) (2017/9/20追記)

・3, 4, 5について
メガネドラッグ 公式HP(メディア協力)

・6, 7について
ジャックロード 公式HP(メディア貸出情報)

・8, 9, 10について
ベティロード 公式HP(メディア貸出情報)

・11について
毎日新聞山口版(2016.07.28付け)
(日枝玉峯さんの公式ページなし)

・12について
岩国石人形 公式HP

・13について
萩焼窯元・泉流山 公式facebook

・14に付いて(2017/9/20追記)
GQ Watch News SHARE ON Defining Details 映画の時計に作品の本質は宿る (2017/9/19付け記事)