鳥の巣頭の世迷い言

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立川予備施設の見学会へ行ってきた

2017年11月25日 19時56分40秒 | シン・ゴジラ



11月23日(木)、ワタクシ、立川予備施設(立川防災合同庁舎)の見学ツアーに行ってまいりました。
去年は落選しただけに、今年見学できる幸運に嬉しさ100倍。念願叶っての立川入りです。
立川駐屯地の航空祭も同日に行われていたので、バリバリとヘリが飛んでる音の中、見学をしてきました。

燦然と輝く参加証


ツアーは、
まず、立川市役所に集合→受付→参加証を受け取る→市役所職員さん引率の元、施設(合同庁舎:内閣府+国交省)に入る→内閣府+国交省の職員さんがお出迎え→対策本部会議室で内閣府の職員さんによる施設の概要(早口)説明→施設見学→国交省の職員さん説明→質疑応答→解散(トータル50分くらい)
でした。

施設の中は撮影禁止でしたが、建物外観は撮影可能ということで、最初にバッシバッシと撮影。門を潜る前、建物に入る前にも行きがけの駄賃とばかりに撮影。
施設としては、新館(立川駐屯地側)と本館(道路から見える建物:パラボラアンテナがある建物)が渡り廊下で結ばれてる感じです。

本館(道路に面している側)


本館2(敷地に入って)


渡り廊下(新館と本館の間)


新館(立川駐屯地側)



まず建物(本館)に入り、階段を使って2階へ登ります。エレベーターもあるけど、ちょっとかなり古い型番。基本、施設内の移動は階段+徒歩。バリアフリーじゃない。緊急事態に対処しなければならない人たちが詰めている所だからというのもあるが(一般市民は入らない)、そんなものなのかな。
<矢口さんたち、五体満足で立川にたどり着けてよかったね!

ちらっと見えた廊下の部屋には本部長控え室の表示が。
本部長控え室の表札がプリントアウトされた黄色になりかけの紙で、黄色くなったセロハンテープで貼ってあったのが印象的。
良いとか悪いとかじゃなくて、本当に使われてない建物なんだなーという印象。

その本部長控え室を横目に、ツアー客(私たち)が最初に入ったのは、災害対策本部会議室。広い。
机の1人分のスペースにはマイク+ディスプレイが1個ずつ設置されていました。ディスプレイは机の中?に埋め込まれてる感じ。50人くらいは確実に参加できそう(1列に12個のディスプレイ+椅子。これが2列X2(左右)=4列。総理が座る椅子の列は1列10個くらい。これは1x1=1列)。壁際に椅子を並べればもっと参加できそうな感じ。
部屋の中央には大きなディスプレイが3枚設置されていて、左→右の順番で、新館屋上(立川駐屯地側)に設置された定点カメラ映像、説明資料、本館屋上(パラボラアンテナがある側)に設置された定点カメラ映像がそれぞれ写っていました。説明資料については、各人の机にはめ込まれたディスプレイにも映ってます。
ここの椅子にどかっと参加者が座り、まずは内閣府の職員さんから施設の概要(立川防災基地について、そもそもの成り立ち、立川防災予備施設の説明など)についての説明を受けました。
内閣府職員さんが、パネルに資料を映し、指し棒片手に説明してくれました。が、カンペなしでスラスラしゃべるしゃべる。立て板に水のごとし。シンゴジの巨災対メンバーが喋ってる感じです。官僚の人が早口ってこういうことね、みたいな。
ちなみに、対策本部会議室にある椅子、2つだけ他のものとは異なるタイプで、本部長(総理大臣)のものと副本部長(官房長官)のもの。概要説明を受ける際に、好きな席に座っていいとのことで、ツアー参加者の2人組がそこに座っていましたが、「あ...そこに座るんですね?真ん中ですね!」と職員さんたち(ツアーをコーディネートされた立川市職員さんたちも含めて)がフフフとなっていました。←私も坐ってみたかったなあ。

蛇足ですが、対策本部の椅子の座り心地は悪くなかったです。国会議事堂の椅子よりか実用的だし腰にも良いと思いました(見た目の豪華さは議事堂の方が上だけど←今年の五月に国会議事堂見学に行ってまして…)。ただ、マイクの型番は古そうでした。

結構柔らかかった国会議事堂の椅子



(職員さん説明の概要)
立川に予備施設がある理由は、やはりその立地。立川は地盤が比較的強固であり、都心部からも近い。関係者が歩いてでも移動できる。十分なスペースがある(昭和公園などスペースに余裕がある)など。災害が発生した時には総理官邸に対策本部が置かれるが、都心が壊滅状態になるような事態になって官邸が機能不全に陥った時、予備施設(立川)へ移管して、ここに関係省庁が集まり、対策本部を立ち上げることとなる。
予備施設には、総理や閣僚の部屋、対策本部会議室(いまいる部屋)がある。記者会見する部屋もある。対策本部の職員用の仮眠室もあり、仮眠室にはシャワーが備え付けられている。地下に食料備蓄庫もあり、1週間分は確保されている。自家発電の装置やアンテナなどの通信室も備えている。
予備施設には、普段は内閣府の職員は常駐していない。私(説明をしてくれた内閣府職員さん)も普段は永田町に勤めている。普段は契約した業者がメンテナンスを行なっている。災害が発生していざ使用するとなれば業者の人数を増やして(←数人だった記憶。3人とか)、(職員たちが移動してくるから)立ち上げ準備や警備をしてもらう。
今年の10月に、関係省庁の合同で立川予備施設を使用しての防災訓練が行われた(←宮内庁も入ってたのに個人的に驚き)。時々、建物の有効利用ということで、DMATも参加しての訓練にも使用されている(訓練の案内のレターについては資料名を後述)。

<立川予備施設のそもそもについて>



(提示された資料の一部:資料名は後述)

<立川予備施設の施設について>

(提示された資料の一部:資料名は後述)



説明の途中に、「シンゴジラ見たことある人?」という質問を受けたのですが、参加者のほとんどが手をあげていました(笑)。それを受けて、内閣府の職員さんも安心して?、シンゴジ撮影の話をしてくれました。「シンゴジの撮影は屋上、出入り口のみで行われた。あとはセット。庵野監督らは建物の中も見学した。」とのこと。映画をみて、とても忠実に再現されているなと感心されたそう。

ちなみに、会議室の表示はさすがに黒いプラスチック板に白色の文字で記載がありました(けど、本部長控え室は紙+紙とセロテープ)。この会議室の中の様子(会議室に限らないが)については、日経オンラインや文春とかが綺麗な写真をあげているので、ご参考までに。
日経オンライン:立川の内閣府災害対策本部予備施設に行ってみた。

(ガバ鳥補足)施設の概要の説明で使用された資料は、内閣府の既存の資料からだったと思う。新作?はなかったかなと。
説明に使われた資料は、
①「立川広域防災基地及び災害対策本部予備施設(概要)(PDF)」
②「防災基本政策の企画立案等に必要な経費(内閣府)平成29年6月(PDF)」
←施設概要(24ページ目)
また、2017年10月に行われた訓練については、内閣府よりレターが出ていたのを後で確認(Google先生ありがとう)。
「立川広域防災基地周辺における中央省庁の災害対策本部設置準備訓練の実施について 」

説明が終わった後は、会議室に入る前にちろっと確認した本部長控え室(さっきの打ち出しの紙+セロハンテープ表示の部屋)へ。
元は総理執務室として作られていたため、他の部屋よりグレードが高いとのこと(とはいえ、小学校の校長室のより控えめな感じがした)。部屋の戸棚に入ってた急すや湯のみは凄くクラシカルなものでした(白地に大きめなお青い水玉のついた湯のみ。お客様に出す用としてよく出てくるやつ。)。備え付けのテレビは小さなブラウン管。27インチもなさそう。The昭和。てっきり大きなプラズマテレビだと思ってました。総理...(T_T)←いやね、酒池肉林されたら嫌だけども...。
本部長控え室の写真については、朝日新聞やdragonerさんの記事(文春)も参考までに。

矢口蘭堂が35キロ歩いてたどりついた、臨時政府・立川防災合同庁舎9つの秘密 | 1年後の『シン・ゴジラ』(文春/dragonerさん)
朝日新聞アーカイブ

オペレーションルーム(新館2階)も拝見。ファックスやプリンター、大きな印刷機(学会のポスター発表で使うような、A0が印刷できそうなやつ)もありました。ファックスには中央防災の張り紙。デスクの上のノートパソコン(NEC)には内閣府(防災)Tachikawaの張り紙。
職員さんの説明では、100台は常に稼働可能な状態。足りなければ随時拡張できるようにしているとのこと。
「(パソコンを)開けた途端に更新プログラム100とかならない様にしている(職員さん)」
椅子には青色、赤色、黄色、ビブスがかかっている(私が見える範囲では、黄色は医療、海外支援受け入れ。青色は国会対応、総務。赤色は遠くにあったので字が読めなかった)。全体として、有明にある臨海公園の中にある本部棟(りそな)のオペレーションルームと同じようなビブス。
「関係省庁が合同でオペレーションに臨むため、ビブスによりチーム分けをしている(内閣府職員さん)」
ちなみに、質疑応答の時にビブスの色に意味はあるのか?と私が質問したところ、「色分けに意味があるのであって、その色に意味はない。なんで3色なのかは分からない」との回答を得てイマス。←私のポンコツ質問にも答えてくれる良い人だった、職員さん。ごめん…。
オペレーションルーム全体の雰囲気としては、ヤシオリ作戦の推移をモニターで見守っていた赤坂官房長官代理の周りにいた人たちが仕事してたスペースに似てます(分かりにくい表現)。

<有明の臨海公園にあるオペレーションルーム>



新館の3Fには本部長室が入ってる。映画だと、「総理の仕事も大変だなあ」のシーンに登場するところ。セキュリティの関係で、ツアー客も入れない。ということで、こっから先が執務室です的なガラス扉を見学。内閣府職員さんが執務室の部屋の中の様子を写真で見せてくれました。その限りでは、再現度は結構高い。ここに総理が...とか容易に想像できたよ。

新館1階にある、記者の控え室と記者会見室も拝見。記者会見室については、先ほどツイートした文春の記事も参照に。記者の人たちが入りやすい様、控え室+会見室(廊下を挟んで向かい合わせになってる)の近くには外へ通じるドアがありました。外部の人間が自由に出入りできるように見えたがセキュリティ大丈夫かいなと思ったが、ちゃんと記者の出入りスペース(というより外部の人が入るスペース)と職員の人たちの仕事スペースを仕切りができるドアがあり、ひと安心。

食堂も拝見。とはいえ、鍋などの調理道具は置いてない。ガス台、水道があるだけ。
「食料備蓄庫にあるのは、調理しなくても良いものばかりだから、調理道具はない(職員さん)」
記憶してる限り、電子レンジもなかったよーな。ちなみに食堂のドアには「リフレッシュルーム」の表示が。これも紙+セロテープ留めでした。←しつこい
ちなみにこの食堂(リフレッシュルーム)、あまり広くない。狭いと思います。テーブル1+椅子4のセットがいくつか(5セット?)あったくらい。食べたらすぐ出て行く感じなんじゃないかしら(ちゃんと休めるのか、BBAは心配です。寝不足で計算ミスとか連発しないかなあ、するくらいなら寝てね、という意味で。)。

話は前後するが、新館にあった、大きな会議室(中身は、ふつーの業務を行うオフィス的な。事務机が迎え合わせになって島を形成、その島がいくつかある。机の上には何もない。張り紙もない。)にも案内されました。ここの窓からシンゴジの撮影がされた本館の屋上(パラボラアンテナのある屋上)が見えるからかな。
どこか、「君が落ち着け」部屋に雰囲気は似てる(by立川市職員さん)。松尾さんの後ろに映ってた壁の感じがそっくり。「映画だとドアが木製だったけど、雰囲気は似てるでしょ?(by立川市職員さん)」とのことでした。
帰宅してから映画を確かめてみましたが、確かにそっくり。さすがだ美術さん...。

そっくりだった「君が落ち着け」の後ろの壁


しかしこの会議室、漂う空気がThe昭和的な。平成元年的な。なんで...と思ったら、備品に貼られてたステッカーをみて納得。表示が国土庁になってた...。備品から漂う空気のせいだったのかしらん?
ちなみにこの会議室から、パラボラアンテナのあった屋上(本館)の様子、バッチリ肉眼ではっきり確認できました。矢口とカヨコが話をしていたシーンで使用されてたけど、会議室に詰めてる職員に(窓から)バッチリ見られてたかもしれないぞ。
ここで屋上での撮影話に。
「皆さんにもご案内したかったが、屋上に行くにはハシゴを使っていくしかないので、安全上の理由で出来なかった。映画撮影の時は、俳優のみなさんはリフターを使っていた。(内閣府職員さん)」
ちなみに、屋上で話をしていたシーンのバックが青かったのは、隣にある施設(海保)が後ろに映ってたからだそうな。←海保の建物の外壁が青い。

予備施設の隣の青い建物(海保)


施設のすぐ裏は立川駐屯地。ヘリがバラバラ飛んでいたが、「何としても辿り着かなければならない人たち(by職員さん)」のうち、総理などはヘリなどでここにたどり着くことが想定されてるそうです。
立川航空祭が同日にあったので、ついでに撮影。

木更津からきた輸送ヘリ(市営バスが面取りしてヘリになった形みたいと思ってごめん)


ヘリ(型番は失念)


ヤシオリ作戦前の演説が聞けそうな風景



ところで、この施設は合同庁舎ということもあり、本館の1Fフロアの半分は国交省の事務所が入ってます。
ということで、ここの事務所の職員さんからも説明。国交省が何をしているのか(河川や港、公園の整備、法務局や税務署などの他省庁の庁舎のメンテナンスとか)を教えていただきました。
国交省、色々やってるんだね…。
説明を聴きながら、東日本大震災後の「櫛の歯作戦」とか「私のことを闇屋のオヤジと思い、なんでも言ってください。」といってた人(当時の国交省東北地方整備局長の徳山氏)を何となく思い出してました。物流を支えてます的な。


最後の質疑応答で、私のポンコツ質問(Q.ビブスの色に意味あるの? 黄色が医療支援である意味とか。A.ないです。色分けに意味があります)の他に、歴代閣僚の中でこの施設を訪れた人はいるか?という質問がでました。
で、職員さん曰く、歴代の閣僚の中で実際に施設の見学に来たのは河野現外務大臣(当時は防災担当相+行革担当相)だそうで。河野さんが行革担当ということで、(整理の対象になるかと)ドキドキしていたが、結果、幾つか指摘はあったがちゃんとしているということで存続することになったそうな。良かった良かった。

最後に、立川市の姉妹都市から提供いただいたミネラルウォーターをお土産にもらい、解散しました。
非常に有益+濃ゆいツアーとなりましたが、なかなか、こういう機会はないですね。
立川市、内閣府、国交省の職員さん、関係者のみなさん、素敵なツアーをどうもありがとうございました。

それにしても、もっとバックグラウンドについて知っていれば、もっと質問できたり理解が深まったかもしれませんが、それは次回以降の宿題にしようと思いました...。勉強、大事ダネ。


お土産のミネラルウォーター



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参考URL

内閣府防災情報のページ
立川市フィルムコミッション

狂らんの渦に立つ孤独な王様@リチャード三世(プルカレーテ演出)

2017年11月04日 22時06分12秒 | 舞台・コンサート感想
2017年10月に「リチャード三世」(東京公演)を観劇した時の、懐かしい写真を発掘した。あの舞台を観劇できたのは、とても得難い体験だった。ほぼほぼオールメールのピカレスク。
ドラマチックでアグレッシブ。退屈する暇なんて一つもない、無駄が一つもない、そんな舞台だった。

ハイヒールを片方だけ履いた不格好な姿勢のリチャード(湾曲した背中をしていたというリチャードの生まれながらの不具をみせるため?)、真っ白に顔を塗りたくられたエドワード4世妃エリザベス、歌いくるう楽隊、見ていて何故か不安な気分になってくる舞台セットなど、どれも忘れ難いものたちでした。

結局2回ほどこの舞台を観に行きましたが、また観劇する機会があればいいなと思いました。



2017年10月(東京芸術劇場)鑑賞

リチャード三世
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:木下順二
演出・上演台本:シルヴィウ・プルカレーテ
主演:佐々木蔵之介