ネタバレメモ書きも一応、これでフィニッシュ。
それにしても、1回の視聴でこれだけのメモ書き(全部で9回)を残す私の妄想も凄いが(苦笑)、それを描かせた「ハゲタカ」はもっと凄いと思う。
スタッフやキャストがどれだけこの作品を磨き上げて行ったか、ということがよく解る・・・。
<私の妄想が爆走しすぎているという事実は・・・ありませんでした。←
1. 再出発 in アカマ自動車エントランス
雨の中の電話から数日後、アカマ自動車の社長退任のニュースは東洋テレビの三島キャスターによって伝えられております。
またこれに続いて、暴漢により刺し殺された劉一華がニセモノの劉であったことも伝えられております。
でもそのニュースも、大不況に突入した世間にとっては、取るに足らない事項になるのでしょうな・・・。
そしてそして。
アカマ自動車エントランスにて、最後に残った役者たち(残された役者ともいう)、鷲津と芝野が話しております。
アカマ自動車再建に対しての打ち合わせみたいです。
ここで、後任の社長として自分が推挙されそうなことを鷲津に告げております。
「大変なのはこれからだ。」
と言いつつも、希望を捨てていない芝野さん。
「お前の言う通り、どうしようもないかもしれない。」
「だけど俺は、日本人の勤勉さを買っている。」
あくまでも希望を捨てていないのだな、芝野さん。
経営者に向いているのは、「明るい人」であること、と作家の村上龍が言っておりましたが、ここでいう「明るい人」というのは、芝野さんのように希望を見出せるヒトたちのことをいうのでしょうね。
そういう人たちだからこそ、一緒に働きたいと思うのでしょうな・・・。
「日本人もまだまだ捨てたもんじゃない。」
と言い切る芝野先輩に、
「相変わらず、クソがつくほど真面目」という後輩の鷲津(笑)。
それに対して苦笑する芝野先輩が、とても素敵です・・・。<鼻血
正直、映画版には芝野の出番はさほどない。
だけど、映画の中で希望を担わせる人物として芝野以外にそれはありえない、と言い切る存在感にあふれている。
野中さんは、背負うもの(スポンサー)があって動くに動けなかった。
古谷社長は、凝り固まり、そして何も変わらないと諦観してしまった。
(鷲津も一時期、放り捨ててましたな、日本を)
だけど芝野は捨てずにここまでやって来た。
それを考えると、芝野の存在感はここで輝いてくるなあ。
こういうお父さんがいれば素敵だな。自慢しまくる・・・p(^_^)q
でも忘れちゃ行けないのは。
鷲津とても、最後の最後まで粘って希望をつかみ取る人間であるということ。
だからこそ、芝野は笑って問いかけるのだと思う。
「これからどうする?」と。
それに対する鷲津さんの答えが、
「見に行きますよ・・・。焼け野原を。資本主義のね。」
何と言うか、深淵な答えです。ファンの間では、いかような解釈も出来そうです。
<ちなみに、この時点で私は、鷲津はアメリカに渡るものと思ってました。
「お前らしい。」という芝野さんの答えは、2人の間に漂う理解が醸し出されてました。
信頼と理解って、なれ合うよりも愛おしい。
そして、もう一人、理解されている人がいた。
「これが、私の処に送られてきました。」
鷲津が差し出したのは、劉から送られて来た資料。中には、アカマを含めた企業再生案が書かれていた。
アカマに対しては、特に念入りに書き込まれていた再生案(といっても、清書はされていない。あちこちに劉の書き込みが入っている)は、劉が鷲津に対して送った信頼から来るもの。
そして、芝野はそれを受け取った(と思う。)。
姿形はなくなってしまっても、魂だけでも、信用されて理解されているということを見出せるのは素晴らしい・・・。
それを感じさせる一コマです。
だからこその、あの台詞だったのかな。
「見に行きますよ・・・。焼け野原を。資本主義のね。」
2. それでも往く道
鷲津は出発した。
行き先は、劉(正確には、頭をそった少年)の故郷。
<かなりビックリした
劉の生家を訪れた先に見たものは、壁に描かれた赤い車・・・。
その絵を撫でるようになぞるように見やる鷲津の視線・・・。「流した血を受け取る覚悟」by 大木会長 が、ひしひしと感じ取れました。他に肉親はいないのだろうな・・・。劉は、独りボッチだったのかも。偽名を使っていたとしても、本当の家族が一人でもいれば、それがアイデンティティの一部になるもの。母子の生活、推して知るべし・・・。
そんな劉を受け取りに、鷲津は行ったのだな・・・切ない。
そして一方日本で、劉の一部を受け継いだ者がおります。
言わずとしれた、守山君。
400万円もらった後、どうやってかは解りませんが、彼はニューアカマGTに乗って町を闊歩しておりました。
劉にもらった400万をそのまま車につぎ込むとは考えられないので(ストーリーの上でも)、恐らく彼は株か何かで資産(400万円)を増やしたのではないか、、、。<でないと、守山くんを劉の死んだ後に移す理由がなくなるし。
にしても守山君。着ている服もレベルアップしている処を見ると、そうとう儲けた?
第二の劉は、守山君になったりするのか・・・?ということを思わせる一コマでした・・・。
守山くんは何処に行くのかな・・・?
赤い車が走る日本の整備されたアスファルトの道が、凄く印象的でした。。。
そして、由香ちゃん。
残された劉の取材テープをじっと見ております。
「君も、コチラ側の人間だったはずだ・・・。」
今となってはニセモノの存在となった劉一華の言葉の裏の真実に、どう向き合うのか。
誰もいない部屋でひたすら取材ビデオを見つめる由香ちゃんの孤独が、ふと感じられました。
<東洋テレビには、彼女の境遇に共感できる人間は、いないだろう・・・。少なくとも、今の現場では。
画面は変わって。
「頭を剃った少年」の故郷を訪れた家を出た鷲津の目に泊まったのは、村で亡くなった老人の葬式。
そこで燃やされていたのは、紙幣(冥府国際銀行と書かれていた)。中国古来の風習で、あの世でもお金に困らないように、とするものですな。
これを見ると、「捜神伝」(中国説話を集めたもの。筑摩書房から出ています。)の姑獲鳥を思い出しますな・・・。
<貧しさで子を亡くした女が夜叉に姿を変えてお金を分捕っては燃やして我が子に与えていた話
燃やされて行く紙幣を前に、鷲津は何を思うのか・・・。
そして、鷲津が「いつか見て来た」道に辿りつくのです。
つまりは物語の最初の道へと。
赤い車が走った道を、今度は鷲津が一人歩いていくのです。
暫し感傷に浸ることがあっても、それでも独り鷲津は往くのだな・・・。
それは鷲津も、芝野も、劉も、勿論、由香ちゃんも西野も皆同じ。
「あなたは私」で「俺はあんた」であるということだ。
世の中は、金だ。
金が悲劇を生む。
だからこそ、希望を見出さねばならない。夢を見出さねばならないのだね。
「人は生きねばならない、鳥は飛ばねばならない。」
さあ、明日からまたガンバロウと思い、そしてRoad to rebirthが始まる。
+++++++++++++
なんとか終わり。
訂正は後日します。
イロイロ見つけてしまいましたが・・・後回しで(笑)。
なんとか、明日に第2回目観賞を行いたい故に、映画版ハゲタカのネタバレメモを駆け足メモ書き。
例によって、順不同/あやふや台詞/妄想爆走中。
1. 経済破綻の始まりは・・・?
スタンリー破綻より、一気に加速化された不況の波。
これでもか、これでもか、と言わんばかりに不況の字が新聞の紙面を賑わしております。
<世界経済不況の始まりって鷲津ファンドが引き金なの?(笑)
東洋テレビでも結局、鷲津ファンドのスタンリー買収の意図は掴めていなかったみたいですね。由香ちゃんも結局、どう、とも言えなかったみたいだし。
ただ、「ドバイの資金調達がアカマ買収の為の資金源ではなかったとすれば・・・?」、、、ということは感じていたようですが。
具体的に確たることは掴めてなかったみたいです。
現実世界でもそうですが、これからどうするか・・・。
自分で考えないとですね。
これからどうなるんだろう、とかはあまり言いたくないなあ。
2. 終わりの始まり
TV会議が終わった後(というより一方的に退席)、劉は一人、街中を歩いております。タートルネックのシャツにジャケット(シマシマ)にお揃いのズボン、そして傘(ホテルの備え付けか・・・?)に新聞。
一見すると、仕事終わりか休憩中のビジネスマンです。
眼鏡もかけてないし。
なんか、憑き物が落ちた顔をしてます。雨上がりの路を歩く姿は清いものがあります。
こういう顔は、見たことがある。BANANA FISHというマンガがあったが、その主人公(アッシュ・リンクス)の最期に似てる・・・。
そして、最期も似てる・・・(泣)
路を一人、歩いていた劉。背後から、いきなり襲われるのです。
一瞬守山かと思いましたが、違ってました。<これは救われた。
サラリーマン風の男。
そのまま刺されて殺されてしまうかと思いましたが(それにしてもちゃちいナイフだ。多分、それでは殺せないような気がする。刺すだけでは、不十分)、襲ったあげくにお金をむしって行くだけでした。
<だけでもアンマリな事体ですが・・。
でも痛ましいことに、それだけではなく・・・。
もみ合って溢れたお金(財布も)に群がってくるホームレスたちの姿。
「止めろよ!!」
刺されてる?のに(出血は確認できず)、必死に泥まみれになったお金を拾う姿はただ悲しく・・・。
「拾え!拾わなきゃ、いけないんだよ!」と守山に叫んでいた劉の姿と重なり、ともかく切ないものですね。
お札(日本円だけでなく、中国元もあった)だけでなく、小銭も必死にかき集めてる所は、自動販売機の小銭を必死にかき集めていた西野(オヤジさんの方)を思い出します。
オーバーラップがあって、切なかったな。
泥まみれになって集めて、そして歩き始め、そして、崩れ落ちる劉。
崩れ落ちて行く劉の目の前に、日本銀行が遠く見えるのは、何かを象徴しておりますね。
3. 去り行く者たち
劉が舞台を降りると同じくして、もう一人、舞台から降りようとしている人もおります。
アカマ自動車の古谷社長、重役(誰だっけ?)。
筆頭出資者であるMGS銀行の飯島。
その背後には、芝野。
そこに登場・・・!した鷲津。
来るなり北米市場進出にあたっての古谷社長の手落ちを批判してます。
海外展開の遅れを問題にされてましたが、その原因は、会社の非効率化を批判していた古谷社長自身の手落ちだったと。
「結局、スタンリーに高額の手数料を払っただけだ」
という鷲津に、
「じゃあ、どうすれば良かったというだ?!」
という古谷社長。それを君がいったらオシマイではないのか(汗)。経営者じゃん。
結局、古谷社長は飯島さんに引導渡されてましたな。
「見苦しいな、古谷君。」
相変わらず、腹黒い飯島さん・・・v。
正直、飯島さんは黒すぎるので頭取には不向きと思ってたんですけど、どうやって頭取になったのかなあ・・・?よっぽどMJS銀行の経営がヤバかったのですかね?やむを得ず?。
古谷社長、完璧に魂ぬかれてしまってます。そして泣いてます。
<大人の人が泣いてる場面ってどうしていいのか解らないな。頼むから他所で泣いてくれって思う私は優しくないんだろうなと思います・・・。
鷲津は、それに対して特に何も言うつもりはないみたい。
「それでは、後は宜しくお願いします。」
しれっと退出してしまいました。
残ってるのは、飯島、芝野、古谷。
そうして・・・。
アカマ自動車で役員会議が開かれた結果、「取締役社長の解任」が決議されてしまいます。
全員一致というところが悲しい・・・。古谷社長(この時点から、前社長)は、もう呆然というかどうしていいのか解らないというか、そんな状態です。
涙に加えて鼻水までたらしてます。
切ないなあ・・・。怠慢だったわけでもないし、愚かだったわけでもない。でも、間違った決断をした責任は取らなければならないということなのですね。
社長や創業者がいなくなったとしても、会社は生き続けます。海の怪物リバイアサンみたいです。
<[国家は人を食う巨大な怪物] by トマス・ホッブス;リバイアサン(国家)より
古谷社長に対して「会社は生き物」といった芝野の言葉がこんな形でリフレインされてくると、切ないですな・・・。
4. そしてベルが鳴り舞台の幕が降りる
アカマに対するTOBを成功させた鷲津ファンドは、早速ミーティングを開始しております。
議題は勿論、アカマ自動車再建案。
鷲津ファンドの若い兄ちゃん(若本?)が張り切って説明しております。
その熱い?ミーティングを他所に、外では凄まじい雨です。
その中、充電中の鷲津の携帯のバイブが鳴りますが、当然鷲津さんは会議中で出れません。やっと会議が終って、鷲津が携帯を取った時には、すでにバイブは鳴り止んでおり、留守電ランプが光っているだけ。
鷲津が何気にパチンとスチッチを入れた途端、凄まじい雨音と弱々しい青年の声が漏れ出てきて・・・
「寒いよう・・・。」
声の主は、劉一華(といっても今となっては偽名)。
あの傲岸不遜なまでの挑戦的な青年はどこに行ったんだろう、まるでNYで寂しく鷲津の背中を追いかけていた気弱な青年が帰ってきたみたい・・・。
「頼むよ、、鷲津。」
「俺もその車に乗せてくれよ・・・。」
その声を聞いた瞬間に、大凡のことを理解したであろう鷲津さんは、動揺して意味もないのに部屋(といっても、仕切られたスペース内といった感じ)を独りウロウロ。<でも脳内では冷静に事実認識を一方ではしてそう・・・。
「頼むよぅ・・・。」
という言葉を最後に切れた劉の電話に対して、何度もリダイヤルを開始しております。
何度も、何度も。
ここの鷲津の目の表情は本当に見ていて切ない。これは劇場の大きなスクリーンで見れてよかったと思うシーンかな。
冷静沈着、でも「つい熱くなる」性格、そして、情に厚い性格の鷲津が、顔を覗かせていて・・・。
そして電話は遂につながることはなく・・・。
拍手のような雨音の中に路上に転がった人間の足下で、電話のバイブが鳴るだけ。
(顔はいっさい画面に映らない。正直、ナチュラルに路上で死ぬ人たち(某地区みたいに・・・)と同じように、「自然に」路上に捨てられていた感じだった。路上で人が死ぬ様に、少し似ていた。)
+++++++++++
字数がオーバーしたので、もう1回。
例によってネタバレメモ書き。
順不同。台詞は曖昧。<観賞後2週間位たったので、かなり忘却の彼方・・・。
来週にハゲタカ鑑賞(2回目)をしたいので、何としても書き終わっておきたい。
1回目と2回目で、ハゲタカの印象って変わってくるので、なんとしても2回目のフィルターがかかる前に第一印象を書いておきたいのだ・・・。
1. 謀略者たち in 鷲津ファンド
某ホテルでの中米会談からタイムコースを前後して。
謀略者たちは、本拠地(鷲津ファンドオフィス)にて事項を確かめ合っております 。
謀略者、この場合は鷲津と西野、、ということになりますが。
資金が欲しいスタンリー。
ノウハウ・リンキングが欲しい中国系国家ファンド。
利害の一致した両者は、スタンリーの求める金額・ファンドの求める条件の契約書にサインをしたようです。
食いつくかな?ということを西野は鷲津に問いかけております。
鷲津は、スタンリーの社長の給料の額(70億!だった?)を挙げて、「これ以上、何を望むって言うんだ?」と逆に問い返します。
ともなれば、それは鷲津が歩んできた道程(ホライズン時代)を否定することにもなると思うのですが、或る意味「再生」を果たした鷲津さんにとっては、自然な流れになるのか・・・?
経営状態が実はボロボロだったスタンリーについて、西野は厚化粧をしているとコメントしております。
「俺もそうだったからね・・・。」
西野の発言には、虚業が実業を買おうとしている、、、という鷲津のかつての言葉がベースに入っているのだろうな。
シミジミと述回している西野を見やる鷲津の表情には、少し父性じみたものが見えた・・・気がしました。
「Greed is good、強欲が善の時代は終った」
鷲津の言葉には、並々ならぬものが感じられます。
ファンドの役割の変換、自ら属していた世界のシステムの破壊・・・。
目の前で言われたら、多分、ゾクって来そうです。
案の定?、西野は、「喫煙ルームはどこかな?」という言葉を残して部屋を後にしておりますが、ぜっっったいゾクゾクっとしていたに違いないと踏んでます。<ゾクっとしたから部屋から出たんでしょうけど。
鷲津は破壊者としてどう動くのか?
2. アイデンティフィケーション in どっかの工事現場
夜の工事現場(B型のヘルメットを思い出す・・・)にて、鷲津さんは佇んでおります。
乗ってきた車は、変わらず、黒塗りの車でございます。
そこにやってきたのは、やはり黒塗りの車にのった劉(運転手付き)。
遅れてやってきた劉、余裕綽々で挑戦的に鷲津に畳み掛けてます。
「どうしたんだよ?」
「後手後手に回ってるじゃないか?」
そんな飽くまでも挑戦的な劉に対して、鷲津が掛けた言葉は私にとって意外なもの。
「アカマを愛していたんじゃないのか?」と。
こういう台詞は、むしろ芝野さんが言う言葉じゃないの?
鷲津が使うとしても、もうちょっとネチッとした口調(大河内ファミリーに対して言ったように)で言うと思うけど。
と思うような、意外な言葉。
そういった言葉は、当然劉には堪えてないようですが。守山に金を渡したことで、アカマに対する何かにフタをしたのですかね?
しかし、その鉄壁の防御も、鷲津により容易く崩壊されますが。
「お前の故郷を調べた。」
「劉一華、お前は誰なんだ?」
その言葉に、急に(本当に急に!)狼狽えるような顔をする劉。
アイデンティティの崩壊した瞬間になるのかな・・・。
「頭を剃って」日本に来て(残留孤児3世)、でも日本人としてなじめず(日本語がしゃべれずに虐められた by 村田さん)。
苦学してアメリカに渡って、鷲津に出会い鷲津になろうとした。
でも誰にもなれなかった、誰かになれるはずもなかった。
「お前こそが、アカマを愛していたんじゃないのか?!」
自己は自己に依る処を求めよ、というのは仏教の教えである処ですが、何となくそれを喚起させるシーンです。
サイの角のようにただ独り歩め、という言葉と共に、孤独に先に往くしかない人の切なさそのものも見ているかのようです・・・。
しばし相手の目に縋るような目をしてから劉は去りましたが、自己の構築したアイデンティティが、自分がなりたかった相手から崩される・・・(しかも、その前に劉は鷲津に拒まれてるんだよね。「お前に何が解る?」って)、という重傷を負ってしまいました。
果たして、劉は自身を再生できるのだろうか?
3. 弾丸は放たれた in 鷲津ファンド/アカマ/スタンリー
ミーティングルームには、メンバーズが集結しております。
<中延さん、村田さん、金髪美人、若い兄ちゃん(改訂:若本猛という役名らしい)他。
そして行うのは、本格的な攻撃。
「アメリカを買い叩く!!!」
鷲津ファンドの武器は、オルトXというスタンリー・ブラザーズの出している商品。
詐欺まがいのものだ、という中延さんの言葉から容易に推察出来るのは、サブプライム・ローンという商品ですね。
それを武器にするというわけだ<実は、200億円分ほど買っていた。アラブの金はこうして使われた(笑)
そして、弾丸は放たれる。
「そちらの商品を即刻解約したい。」
鷲津から電話を受け取ったスタンリー・ブラザーズ日本法人の坂本さんは大慌て。
いくら何でも、200億円の大金は、すぐには用意出来ない。
しかも、かかってきた時間は、日本市場が閉まる時間。よって、ロンドン市場に助けを求めるしか無いっと。
「ロンドンに至急、連絡を!!!」と叫んでいた坂本さんもですが、同じオフィスのヒトたちにも混乱が伝わって凄いことになりそうです。
<実際には、慌てて廊下に飛び出したりして、事情を知らない他の社員のドーナツを落っことしていたりしていたらしい(未公開シーン)。
しかし、その大慌ても報われない。<涙
それさえも「想定の範囲内」だった鷲津さん。飯島さんに頼んで、ロンドン市場に手を回してスタンリーが資金調達出来なくするようにしてしまった。<坂本さん、報われない・・・。
資金調達に失敗した、という報はファンドにとって著しい損失になる(by 中延さん)ので、これによりスタンリーの混乱は拍車をかけられる。
そして混乱に乗じて、鷲津たちはオルトXを含めたスタンリー関連商品を売りまくる。
「売って売って売りまくれ!」
誰かがスタンリー商品を大量にたたき売っていくこと+資金調達失敗で、著しく株価が下がるスタンリー。
アカマではスタンリーの外人(ジョンかデイブ)が、頭を抱えております。「OH-,,,No,,,」みたいになってます。
それを見た古谷社長も大慌て。
どうなっているんですか、芝野さん!!とこっちも大慌て。
芝野さん、うっすらの原因(鷲津)を察しているものの、何とも言いようがなく・・・。
にしても、古谷社長。
どうしていっつもファンドの人と一緒なんだろう・・・。5兆の会社といっても、元は工場のオヤジみたいなものなんだから、生産ラインとか回ればいいのにさ・・・。
4. マンダリンホテル
スタンリーはひん死であります、そして、ひん死の者と手を組んだものも、また道連れにされようとしております。
言わずとしれた、中国系国家ファンド(略語を忘れた)。
ピンチ極まりありません。
そのピンチに対処しなければならない劉一華は・・・。
何故か動いておりません。
普段の彼ならば、会議の合間にでも資料を読み込み戦略を練り上げていることでしょう。だのに、何もしてない。
窓の外を見てるだけ。
爪を噛んでる所をみると、幼児に返ったのかと心配しきり。
切ない・・・。
そんな彼とは無関係に、BWスタッフがTV会議の時間ですと通達に。
黙って会議に向かう劉。
何を考えているのかな・・・。なんか、ここは切ないなあ~。
そんな劉を置いてきぼりに、幹部たちはアカマに注ぎ込んだ資金を引き上げにかけないと、とても保たないということでアカマからの撤退を指示しております。
短時間の間に、アカマ+スタンリーと立て続けに資金を放出してきたせいか、もう保たないということでしょうか?
「十分収穫はあった。」
「君の地位は保証する。」
という幹部の言葉が白々しい響きであります。
何もかもなくした・・・と思われる劉は、資料をテーブルからたたき落として会議から途中退場です。
どうするんだよ・・・劉。
取り繕うだけの余裕さえ、もうなかったのか、取り繕う必要性を見出すことをしなかったのか・・・。
<自分より年上の劉なのに、姉のように心配するよ、私は(笑)。
++++++++++
あと少し!!!
例によって順不同のネタバレメモ書き。
映画のハゲタカは、どちらかというとRoad to rebirthじゃないよなーっというどうでも良い感想。
1. 新旧入り乱れての再会 in 西乃屋
西乃屋旅館を無事とりもどして、旅館のオヤジをやってる西野(治)の元にいつか見たような黒塗りの車が登場。
お父さんと同じ服装で猫をあやしていた治の視線の先は、鷲津。
「久しぶりだな。」という鷲津に対して、治は猫を抱いたまま探るような視線を投げております。
そんな鷲津と西野は、いつか見た西乃屋の裏口(旅館のタオル、ぞうきんなんかが置いてあった所)にやってきます。
前回は、ハゲタカ鷲津が西野に缶コーヒーを渡しておりましたが、今回はタバコのお出まし。
「最近は、どこも禁煙で・・・。」と嘆く西野。
完璧に、ヘビースモーカーな感じですな。カワイソウに。。。
ニコチン中毒じゃないから、私にはそこの苦しみは解りませんがね。
嘆きつつ、西乃屋唯一の喫煙スペース(全館禁煙だから:笑)で吸い始めた西野に、
「一本貰っていいか?」
と問いかける鷲津。
タバコを吸うんだよねー、この人も。
西野は無言でン、、て感じで渡してます。タバコ銘柄は、ドラマ版から変わってません。<黄色のパッケージのタバコ(アメリカンスピリッツ?)
受け取ったタバコを吸いつつ、鷲津は西野にこんなことを。
「頼みたいことがある。」
「力を貸して欲しい、と。」
鷲津さんが頼み事・・・<驚愕!
でも西野は返事がなし。
ただ、
「面白いシナリオを思いついた。」という鷲津の言葉にピクリと振り返りました。
さすが治くん、捻くれてます。<爆
無条件では手伝ってくれない。そこに面白いこと(西野がカラムことで生まれるメリット、面白さ)がないとね。流石に、西乃屋を4年間で軌道に乗れるようにしただけのことはありますね。<内心ではかなーり嬉しいとは思うけどさ。
「あぶく銭は、いいように使ってやらないとな。」
という鷲津は、どんな秘策を持っているのか?
果たして、逆転のシナリオなるか?
2. 反撃ののろし
アカマ社長室では、古谷社長とスタンリー・ブラザーズの外人(ジョンかジム)とお話中。
ですが、そこにお電話ですとのお知らせ。
後にしろ、という社長を他所に、いえ、、、と言葉を濁らせる部下の人。
スタンリーの外人の方だと。
そして電話にでてならば、かかってきたのは鷲津ファンドの金髪美人。
「鷲津さんからの伝言です。」
と軽やかな英語が流れてきます。
でも内容は相当、パンチが効いております。
「スタンリー・ブラザーズを買収する。」
という伝言。
自分の会社を買収する、という伝言にスタンリー外人はアワアワしております。
速攻で、対抗策を見つけなければ。
助けてくれる(資金が潤沢な)ホワイトナイトを見つけなければなりません。
鷲津は、中延さんと共にまた会見です。
スタンリー・ブラザーズに対して、買収をかけるという。
とっくの昔にアカマ自動車の舞台から降りていたと思っていた鷲津ファンドが、なぜ今頃になってアカマのファイナンシャル・アドバイザーのスタンリーを買収するのか?
各所困惑気味です。
東洋テレビでTVでLIVE放送で見ていた由香ちゃんたちも困惑気味・・・。
アカマを取られた腹いせではないか、とディレクターも言っていたし野中サンもさっぱり掴めていない様。
由香ちゃんも黙ったまま・・・。
一方、芝野サンは電話を鷲津に入れております。
「どういうつもりなんだ?」と。
それに対して鷲津は、
「想定の範囲内ってやつです。」と応える。
・・・ホリ*モン?
何にせよ、ギャラルホルンは打ち鳴らされたのです。
鷲津ファンド、反撃開始。
3. マンダリンホテル
鷲津ファンドがスタンリーを買収にかかる、という一報は当然のことながらBWの劉にも入った様です。そして状況を把握しないうちに上層部からつつかれております。場所はホテルの部屋に帰るエレベーターの中、、だからよっぽど急の電話なんですなあ。
話しながら部屋に向かおうとしてます。
私も掴みきれてない・・・と早口で報告している所を見ると矢張り鷲津ファンドの真意が掴めていないということになるでしょう。
とにかく調査してみます、、、とエレベーターを出た所で出会ったのは守山・・・。
一瞬、劉は刺されるか撃たれるか、、、と思いましたが兎に角両者は黙って劉の部屋に入ったみたい。
無言のまま部屋に入り、劉は黙ってアタッシュケースから400万だして守山に差し出します。
そして、「元いた場所に帰れ。」と言うのです。
元いた場所って何処だよ・・・と一瞬思いますが、帰る場所のない(というより切り捨てた)『頭を剃った』少年からすれば、アイデンティティーを保てる場所・・・ということになるのかな・・・?と推察。
ま、それはこの時点では解りませんが。
「騙してたのか?!」と守山は叫びます。
別に親友という訳ではない。お互いのことは、何一つ知らない。
だけど間には確かなシンパシーああったはずではないか、と。
守山君は、その400万を思いっきり床に投げ捨ててます、まき散らしてます。
正直、お金に窮々な人間としては、ちょっとばっかしムッとします。お金がないという現実を知らない甘ちゃんなのではないかと。つまり、貧しい、といっても餓死することもない、ような。
電気、ガス、水道代・・・肉親が病気になったりして払えなかった過去を持つ人間(つまり私)からすれば、凄まじく腹がたつ場面です。
持って帰れ、恥じゃない、それを受け取ってもお前は何も変わらないから!と。
劉は拾え!!と強く強く言っております。
恐らく、守山くんのことを劉自身は気に入ってたんだろうなー。何となく、愛を感じます。劉の教唆は守山君がアカマに切り捨てられてしまう一因になってしまいましたが、その結果を劉は予測していたのかしていなかったのか・・・。
「拾わなきゃいけないんだよ!」
自らもかき集めながら、そして守山のポケットの中に入れております。
迫真です。
その守山も、劉の意図に気付いたのでしょうか。
自ら、黙って、ポケットの中にお金を入れ始めました。
それを見つめる劉の胸中に上ってくるのは、何なのだろうか。
シンパシーか、オーバーラップか・・・。
「元いた場所」に帰れ!
は、様々な感慨を投げかけてます。
4. 中米会談? in 都内某所
鷲津ファンドに買収を仕掛けられたスタンリー・ブラザーズさん。
幹部たちは続々と集まっております。
勿論、ホワイトナイトと会うために、つまりはBW、中国系国家ファンド。
<それを新聞みながら監視する村田さん(笑)
ファンドの幹部たち(共*党幹部たちでもある)とホワイトナイト契約を結ぶスタンリー・ブラザーズ幹部たち。
色がものの見事に別れてますね。
中国系は、ものの見事に黒髪黒目。スタンリー側は、金髪碧眼。
そして部屋は、赤、赤、赤。
中国パワーがスタンリーを圧倒的に上回ってる、という示唆なんでしょうか・・・?
ハゲタカはビジュアル(色彩)からも攻めるぜ。
色の対比をハッキリとする演出、、というと何となく、映画「英雄」を思い出しますね。<あの映画は、始皇帝と暗殺者たちの話だったね・・・。
そして見事に契約成立。
その背後には・・・なんと西野治。
どうやら彼がこの場をコーディネイトしたみたい。ITバブルの寵児だった彼には、その時作った様々なリンクを持っていたのだろうな・・。
BW側としては、しかも鷲津とかつては敵対していた・・・という事情も鑑みてOK出したのかしら・・・。
西野は劉と握手を交わして言葉も交わしております。
その時に、西野の「うちの旅館のお客になってもらってます。」という言葉に劉が「是非、泊まらせて下さい。」と返しております。
その顔は、結構、やりきった感イッパイ。
鷲津ファンドよりも先手をうった形になりますもんね。
西野は是非どうぞ、と返しましたな。
なーんか、ありそうな表情でしたけど。松田龍平独自のオーラ、ということもあるけども、治の表情から感情を読むことはなかなか困難だなあ・・・。
鷲津ファンドが大失敗して、その後に劉が西乃屋に泊まりに来たとして。治は、ナチュラルに歓待しそうだー。
<鷲津が簡単にやられる、、、とは考えてないだろうけど。
会議が終って役者たちが退出した後、、会場の廊下に出てきたのは鷲津と中延さん。
スタンリーと中国系ファンドの会談は、全ては鷲津のシナリオの上だったのだなあ。
食いつきましたな・・・といった感じかな。
後はどうでるか・・・といった所かな。
+++++++++
よーし、あと少し!!!
例によって映画・ハゲタカのネタバレの続きです。そして順不同。
ネタバレメモを書いてから、第二回視聴と行きたいのに、速くしないと上映が終りそうな勢いです。
1. 東洋テレビ独占取材 in マンダリンホテル
東洋テレビに劉から独占取材の申し出が来ます。
由香ちゃんはモテモテですね。
ま、由香ちゃんのバックグラウンドを知った上での申し出・・・ですが。それを承知で飛び込んだんだったら、由香ちゃんも記者として成長した・・・ことになるのでしょうか。
<割り切って利用することが、別に悪いこととは思いませんからね。主流にするには危険ですが、脇(スパイス程度)として利用するのは別段問題ないような気がします。
劉はタートルネックのシャツですね。ブランドものなんでしょうが、それにしてもラフだなあ。勿論、視聴者に対してのアピールも含まれてるのでしょうが・・・。
ま、そんなこんなで取材開始です。
まずは派遣工たちの待遇/集会について。
それにしても心の奥底に囁くような言葉を劉は吐くね。
「君も、コチラ側の人間だったはずだ。」と。
鷲津に父親が自殺に追い込まれてから、地獄を見てきたのだろう?
ジワジワと言葉が染み込んで行くような感じです。
劉の旦那、ネチッこいですぜ。蛇みたいに、メフィストフェレスみたいに訴えかけます。
「現実を見ろ、それが君の役目だ・・・。」
三島由香はどう出るか?
キャスターとして、個人として。
どう闘う?
2. 抗議活動 in 競技場前の広場(←オリンピックをしていた会場の名前忘れた)
オリンピックが行われていた競技場(なんて名前だっけ?)前の広場には、様々なアカマの派遣の人たちが集まっております。
そして、野太い声が広場に鳴り響いております。<主に男性が多いですが、見る限り女性もいたようですね。
その中で、孤軍奮闘している守山くん。
拡声器とアンチョコを持って、必死に演説内容をチェックしております。
そんな中、主催者の内の一人が。
「我々の手違いで、集会は中止になりました!!!」と行きなりのデモ中止宣言。
なんてこったい。
BWの差し金か?裏切り者が出たぞー。
「フザケルな!」と出席者側はカンカン。
主催者側はもみくちゃにされております。そして守山くんも抗議者たちにもまれながらも反論を試みる。
「やるって!」
やるから黙れ、話を聞いてくれ、話をさせてくれ!
そんな守山君の願いもむなしく、モミクチャにされる人、人、人。
子供のサッカー試合のように、秩序と戦術のないチームではサッカーボール1つに集中してしまってとにかく群がり群がりどうにもならない状態といった所か。
その状況下を取材しているのは東洋テレビスタッフ(カメラマン、野中さん、ディレクター、由香ちゃん)たち。
しかし、野中さんはやっぱり腰が引けてるみたいですね。アカマ自動車は、東洋テレビに200億円以上の広告費を入れているから、広告主を批判するのはマズいという訳ですな。
役員連中の首が飛ぶ、、、と言う野中さん。
その視線の先には、
「やるって!」
という守山くんが頑張っております。
しかし、その中、思わぬニュースが飛び込んできますが。
アカマとBWの業務提携ニュース。
こっちの方が、ニュースバリューがある!!と野中さんは由香ちゃんを説得するも、由香ちゃんは動かず。<カメラマンさんも動いてませんでしたね。ディレクターはどうだったかな・・・。
「三島!!」という野中さんの声に背を向けて、由香ちゃんは労働者たちの取材を敢行するのでした。
ジャーナリストとして、一歩踏み出したということかどうなのか。その奥底には、先日の劉との取材があることは言うまでもないのでしょうが。
「話を聞かせて下さい!!」
「どうか!」
必死に群衆に取り付くも、まともに話は聞けない状況。
それでも食い下がる。
さてさて。
格差を報道しておきながら、格差社会勝ち組の報道機関は、どう動くのか?
<滅茶苦茶の皮肉です。格差社会、とわめいておきながら、実は一番格差のある所のマスメディア、というのは周知の事実ですもんね。
そしてその裏側では、糸を引いている人間が車の中で会談中・・・。
「このデモもすぐに収まりますよ・・・。」
と話しかける劉の先には・・・アカマ自動車の古谷社長。
まんまと、メフィストセレスの罠にかかった様・・・。目が変わってます。ぜんぜん、違う。少なくとも、ニューアカマGTの発表の時とは明らかに違う。
そして、目の死んだ社長は、派遣のヒトたちを正社員として契約する旨を了承しているのでした。守山を除いて。
「意思を持った人間がいてもらうと困る」・・・と。
それを無表情で見つめるのは、守山を「誰か」にした劉。
劉は、何を考える・・・?
3.アカマ自動車
鷲津がドバイで頑張っている間、アカマでは大変なことになっております。
勿論それは、社長が鷲津ファンドとの提携を停止してBWと手を結ぶという方針を打ち出したから。
南国に態々行き、レストランで説得工作(劇場未公開)までした芝野さんは当然納得しない。
どうしてだ?と問いつめる芝野さんに対して、
「憧れや夢、そんなもので食って行けるほど生易しい時代ではない。」と宣う古谷社長。
「こんな時代だからこそ、夢や希望を語るリーダーが必要なんです!」と訴える芝野。
「私が何故、この仕事を引き受けたとお思いですか?」
それは、このアカマ自動車にかつて自分が憧れていたからだと説得する芝野。
日*のフェアレディXみたいなものかしら。
アカマGTが出たときも、きっと沢山の人たちが驚嘆と憧れの目で見たのでしょう。いつかは、GTをと。
それは、国を越えてもきっと同じなんでしょう・・・。
しかし、古谷社長の腹はもう決まっているようで。
「何も変わらないんだよ。」と嘯き、、、そして。
4. BWとアカマ自動車との合同記者会見 in マンダリンホテル
なんつー現実だろう。
BWとアカマの企業カラー(青と赤)が入り交じって、何ともまあカラフル。
凝ってるなあ、美術スタッフさん・・・。
BWの由来が赤(中国)を隠すため、ということもあるだろうけども、単純にアカマに対する色として青を持ってきたのかな・・・とも思います。
ブルーといえば、ブルー・ブラッドという考え方もありますが・・・。
<貴族/優良種のこと
「鷲津ファンドがホワイトナイトではなかったのか?」という問いかけに対して「方針が合いませんでした。」という古谷社長。
この人はー。<溜め息
その記者会見には勿論、アカマ派遣工たちの抗議集会への取材を終えた由香ちゃんたちも遅れて合流。
由香ちゃんたちが着いた頃には、劉たちは記者たちを引き連れて退室直前。
その流れの中、敢然と立つ由香ちゃんに向かって
「見たか、これが現実だ。」と嘯く劉に
「憎しみでは、何も変わらない」と言い返す由香ちゃん。
憎しみだけでは、、、という由香ちゃんに矢張り成長が鑑みれたな・・・と感涙。
由香ちゃんたち(三島製作所のお母さんも含め)は、鷲津を赦しているものね・・・。
「怨執の彼方」という言葉がぴったりだなあ。
このエピソードを見て思い出すのは、森永ヒ素ミルク事件の話。
森永の粉ミルクの中にヒ素が混入しており(工場のシスティマティックな問題のせいでしょうか?)、それを飲食した乳児たちが多く障害を負ってしまった。
その際、責任者たる森永社長は東西南北から被害者たちからもの凄い恨まれていた。殺してやろうと思っている患者の家族もいたそう。
だが彼は、最後には被害者たちの家族の方々に感謝されつつこの世を去った。
それは何故か、と被害者家族を弁護していた側の中坊氏(元弁護士)が語るには。
森永社長は、事件が起こってから誠心誠意、とにかく患者たちの為に奔走したからなのだそうだ。
とにかく、真摯に、誠実に。
乳児たちの多くは、結局は障害を負うことになって、それは家族に重くのしかかることになったのだけども。
それでも、森永社長が奔走していた姿の果てには、被害者たちの赦しが待っていたわけだ。
由香ちゃんの強い背中を見ていると、なんだか、そのエピソードを思い出します・・・。
赦すというのは、強く美しい・・・。
5. 孤軍奮闘 in オリンピック国立競技場前広場
「誰かになるんだ!!」
拡声器を使って、精一杯叫んでいる守山の視線の先には、誰もいない広場。
おそらくは、正社員にするという旨が告げられたのでしょうね。
待遇が改善されるのであれば、もう、抗議集会する意味も大義もないもんね。
「誰かに、なるんだ・・・!!」
誰もいない広場に屈む守山。
切ないなあ・・・。
6. 鷲津ファンド
アカマとのパートナーシップを解消した鷲津ファンドではありますが、そんなことには拘泥していない様子の鷲津たち。
それぞれに土産を持って帰ってきた鷲津たちは、その情報を披露しております。
その中には、、、。
村田さんが、中国の湖南省より持ち帰ってきた情報にはトンでもないものがありました。
パラパラと写真をめくって行く鷲津。
貧しい村、古いあばら屋、そして・・・壁の赤い車の絵・・・。
その赤い車に、鷲津はじっと見入っており・・・そして。
「どういうことだ、これは?」
芝野さんに連絡をしております。
劉一華は、劉一華ではなかったと。
湖南省の劉一華は、今もまだ湖南省におり生活しているという報告に、芝野さんは愕然としております。
劉はニセモノ。
では、彼は誰なのか・・・。
その問いに、村田さんは一つの示唆(確証がないから示唆だろうか?)を致します。
これより奥地に、『頭を剃った』少年がいたと。
つまりは戸籍を取り替えて、別人として生きている人間がいると。
それが劉である確証はない・・・と言いつつも、アカマ買収に関わる劉一華は、どう見ても、その少年ではないか・・・。
少年が描いたであろう赤い車の絵を前にして、暗然とした気持ちでイッパイになる芝野。
でもこの情報はうかつには流せないよね・・・。リスキーだし確証もないし。
取りあえず解っているのは、劉がニセモノであることだけ。
そして、、、赤いアカマに憧れを抱いていた少年であったろう、、ということだけ。
かつての日本人のように、芝野のように。
オーバーラップしますねえ。
「社長。何故、私がこの仕事(アカマ再建)を引き受けたとお思いですか?」
芝野は、古谷社長にこう言っていた。
切ないな・・・。
事情を承知してしまった鷲津は、眉間に皺を寄せております。
かつての自分、かつての芝野、かつての西野、かつての由香・・・。それが劉に集約されてるような感じなのかな・・・?
「俺は、アンタだ。」
「貴方は、私なんだ。」
オーバーラップ、オーバーラップ。
外には夜の帳が降りております。
様々な人間たちの事情を飲み込み、夜の闇が静かに佇んでいるだけです。
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ふう.
ようやく佳境にさしかかる所・・・か?