森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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翻弄される日本国ではなく
常日頃、膨大な「思いやり予算」を日本からせしめている米国の、「思いやり」でしょうか。さすがに日本の一部にある例の「指定解除」に反発する声が耳に入り、それを静めようという政治的判断と外交的対応といえましょう。
拉致で北朝鮮に圧力 ライス長官が明言 外相と核厳格検証も一致 高村正彦外相は27日午後、ライス米国務長官と京都市で会談し、北朝鮮の拉致・核問題での連携を強化する方針で合意した。ライス氏は終了後の記者会見で、拉致問題について「北朝鮮が前向きな形で解決に取り組むよう働き掛けるのは米国の重要な政策だ。これからも圧力をかけていきたい」と明言した。 ……… ライス氏の発言は日本国内で高まっているテロ支援国家指定解除に対する批判を和らげ、米国が非核化進展を優先し拉致問題を軽視するのではないかとの見方を打ち消すのが狙いとみられる。 ……… また、7月7日からの主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の成功に向け緊密に連携を図る方針で合意。高村氏は地球温暖化対策をめぐり、温室効果ガスを2050年までに世界全体で半減する長期目標をサミットの際に合意するよう求めたが、ライス氏は緊密な連携を約束するにとどまった。 |
しかし、「拉致」がそれ以上のもの、つまり今後の米国の北朝鮮外交の柱になるかといえば、そうは思われません。ようするに政治的判断と外交的対応の域を出ないのでは。
なぜなら、今回の米国の対応そのものが、対北朝鮮政策でブッシュが唯一、得点をかせげそうだという観測すらささやかれているのですから。イランでもイラクでも、さしたる成果もなく泥沼化して米国が疲弊している状態で、北朝鮮こそブッシュの名を残す可能性大と踏んでいるという見方です。
こんな見方にたてば、米国の顔色をうかがいながらも、何一つ自ら局面を切り開き、事態を進展させることのできない日本政府の一喜一憂が滑稽なものに映ってしまいます。同じように、「拉致被害者の会」もまた、米国頼みの昨今の姿勢です。米国の「指定解除」に失望を表明したり、落胆したり、「早すぎる」などといったりしてきた態度に、今回のこのライス発言で変化が生まれるのでしょうか。何だか、とても奇妙な構図を感じてしまいます。
しかし、冷静にみてみると、朝鮮半島の非核化への一歩であることにまちがいはないのですから、その方向は歓迎すべきものでしょう。たとえ米国の思惑が、傍目からみて仮にダーティにみえたにしても。もちろん実現の道筋が北朝鮮の今後の態度によることは自明のことですが。
何よりも、北朝鮮による核計画の申告は、寧辺(ニョンビョン)にある核施設の無能力化とともに、六カ国協議が合意した北朝鮮非核化の「第二段階の措置」とされてきたはずです。いまの情勢では、唯一、朝鮮半島の非核化を扱える協議の場としての六カ国協議がつぎのステップと考えてきたのですから、事態が前にすすんだことははっきりしています。
こう考えると、日本政府の対応も、「被害者の会」の発言も、国会以上に相当ねじれているように思えます。
関係国は朝鮮半島非核化にむけて外交努力をつくさなければ、あるいはその過程でしか、拉致問題も解決できないでしょう。そんな外交努力と拉致を切断し、一方を単に迫るだけではそれが外交によってすすめられる以上、打開できるようには思われません。そのかぎりで、ライスが双方の行動と約束を強調しているのは当然のことでしょう。
つまり日本政府の手の内には、拉致というカードしかないという現状をあらため、日朝間に横たわる諸問題を掌にのせ対応することが求められているのではないか。そのことがまさに、日朝平壌宣言(02年)がうたったことではないのでしょうか。
米国頼みで、その対応に喜んだり、沈んだりして翻弄される外交にも、日本の米国追随の姿勢をことさら感じるわけですが……
(「世相を拾う」08115)
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