森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
花・髪切と思考の
浮游空間
カレンダー
2024年10月 | ||||||||
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ||
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | ||
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | ||
27 | 28 | 29 | 30 | 31 | ||||
|
goo ブログ
最新の投稿
8月6日(土)のつぶやき |
8月5日(金)のつぶやき |
6月4日(土)のつぶやき |
4月10日(日)のつぶやき |
2月10日(水)のつぶやき |
11月12日(木)のつぶやき |
10月26日(月)のつぶやき |
10月25日(日)のつぶやき |
10月18日(日)のつぶやき |
10月17日(土)のつぶやき |
カテゴリ
tweet(762) |
太田光(7) |
加藤周一のこと(15) |
社会とメディア(210) |
◆橋下なるもの(77) |
◆消費税/税の使い途(71) |
二大政党と政党再編(31) |
日米関係と平和(169) |
◆世相を拾う(70) |
片言集または花(67) |
本棚(53) |
鳩山・菅時代(110) |
麻生・福田・安倍時代(725) |
福岡五輪幻想(45) |
医療(36) |
スポーツ(10) |
カミキリムシ/浮游空間日記(77) |
最新のコメント
Unknown/自殺つづくイラク帰還自衛隊員 |
これお・ぷてら/7月27日(土)のつぶやき |
亀仙人/亀田戦、抗議電話・メールなど4万件突破 |
inflatables/生活保護引き下げ発言にみる欺瞞 |
これお・ぷてら/10月2日(火)のつぶやき |
THAWK/10月2日(火)のつぶやき |
これお・ぷてら/10月2日(火)のつぶやき |
THAWK/国民の負担率は低いというけれど。 |
THAWK/10月2日(火)のつぶやき |
THAWK/[橋下市政]健康を奪い財政悪化招く敬老パス有料化 |
最新のトラックバック
ブックマーク
■ dr.stoneflyの戯れ言 |
■ machineryの日々 |
■ えちごっぺのヘタレ日記 |
■ すくらむ |
■ 代替案 |
■ 非国民通信 |
■ coleoの日記;浮游空間 |
■ bookmarks@coleo |
■ 浮游空間日記 |
過去の記事
検索
URLをメールで送信する | |
(for PC & MOBILE) |
オリンピック国内候補地選考でアンケート
日本の国内候補地は30日、55人の判定委員会委員の投票によって決まる。
18日のマスメディアでいっせいに報道された日本オリンピック委員会の評価委員会報告の発表以来、さまざまな動きがでている。
そこで東京に劣っていると判断がくだされた福岡市の山崎広太郎市長は、ここでいちいちふれることはできないが、破れかぶれと見まがうほどの行動に走っている。率直にいって本人にとっては逆効果だと管理人は考える。管理人は、この山崎の行動ひとつをとっても、彼には市長としての資質が欠けていると思えてならない。市長の座を追われることも考えられるのにである(別のエントリー)。むろん逆に、そんな事態だからこそ彼をそうさせているという見方も成り立つ。
保守会派・みらい福岡の議員らでつくる「みらいの福岡を考える会」が主催し集会では、昨年9月の招致決議に賛成したものの、財政負担を伴う須崎埠頭再開発などをめぐって、会派内に招致を疑問視する声も出たという(西日本新聞)。
さらに、11日の請願署名審査、さらにJOC評価委員会報告をうけて、おそらく大慌てかあきらめなのかはっきりしないが、推進派は署名を取りはじめた。最後の追い込みとのふれこみだ。
市議会での「福岡オリンピック招致に反対する会」の請願署名の審査結果は、JOC評価委員会報告をはじめ、このようにさまざまな意味で波紋を投げかけているとみてよいのではないだろうか。
こんななかで、日経新聞が8月21日朝刊で、アンケート調査結果をつぎのように伝えている。結論を先にいえば、五輪候補地支持は東京48%、福岡37%。同紙はこの結果を「首都圏の回答者が多いことを考慮すれば、ほぼ拮抗(きっこう)した数字と見ることができる」としている。
私が注目したいのは、それぞれを推す理由である。
東京を推す理由は、
・施設、交通網が充実している
・首都である
・自分の観戦に便利
・東京が活性化してほしい
・福岡は適していない
反対に、福岡を推す理由は、
・地方都市で開催してほしい
・九州が活性化してほしい
・大都市での五輪は弊害が大きい
・東京は適していない
・自分の観戦に便利
の順になっている。それぞれの第一位はいずれも60%を超えている。
一目で両者のちがいが分かるのは、福岡を推す理由が願望をふくみ、推すだけの、具体的な優位とする事実にはもとづいていないことだ。一方、東京を推す理由の第一位は、「施設、交通網が充実している」という項目。回答者にとって、この優劣の差が歴然としているということだ。
評価委員会が福岡市の計画に疑問をさしはさむのも、実はここに関係している。評価委員会は実現性に首をかしげた。それは、施設、交通網の差が明らかであって、五輪開催にふさわしい水準に整えるためには多額の費用と建設のための歳月を必要とするからである。須崎地区には現在、建物が建っている。その買収だけでも相当の期間が必要だろう。そこを評価委員会は恐れているのだ。その上、財政の問題も横たわっている。
調査は全国の20歳以上の1000人を対象にしたという。精度や設問をはじめ調査自体の問題もあろうが、要は、インフラの優劣はだれの目にも明らかだということだ。
これを克服するには、福岡市には多額の金と年月が必要になる。つまり、これこそが、実現性がないということの本質だと管理人は考える。
JOC評価委員会報告書の語るもの -福岡オリンピック招致は?
一連のエントリーで書いていたように、JOCが最も懸念していたのは、福岡市の財政問題と計画性、実現性についてだ。評価委員会の報告もやはり財政面での東京都の優位を強調していたように思う。
この結果が、30日の国内候補地で覆ることはまずないと管理人は思う。勝負あった。
管理人は彼の顔などみたくもないものだが、苦々しい表情をした山崎広太郎の姿が浮かんでくる。結果は相当のダメージだったらしく、山崎市長は、昨日も評価委員会の報告をうけ、文句をつける会見をした。
また、別のエントリーでふれた「候補地決定応援ツアー」も意気があがらないことだろう。動員されて参加する人にご苦労様と申し上げたい。
この結果はもちろん、圧倒的な市民の反対の意思と、「福岡オリンピック招致に反対する会」の13万を超える署名をはじめとしたさまざまな運動が反映していると管理人はみる。
この評価委員会報告書の提出とその結果をふまえて、山崎市長の責任の問題を明確にしておかなくてはならないと管理人は考える。
それは、市議会の昨年の招致決議が実体として、今月11日の請願審査によって否定された事実に関してある。決議をあげた議会はそれに忠実であれば、招致反対の請願にNOをつきつけなければならなかった。だが、議会はNOとはいえず、継続審議という結果だった。これは現時点で招致決議を維持できなかったということだ。
山崎市長の責任は明確だ。8月1日のエントリーでのべた市長退職金返上要求はここにきて現実味を帯びてくる。
JOC評価委員会の報告書をまたずとも、報告書がのべた、いわば結論部分を、マスメディアはすでに予測しえたはずだ。メディアでなくともデータでそれは裏づけられるものであり、誰でもわかる。それを報道する姿勢はほとんどみられなかった。市民に正確な情報がとどけられたとはいいがたい。評価委員会が指摘する問題はもっと市民に届けられてしかるべきだったと管理人は考えている。マスメディアのこうした姿勢をどう考えていくのか、これも私たち福岡市民につきつけられた問題であった。
提灯もち新聞・西日本新聞は評価報告書の結果を報道した18日朝刊で、「選定はなお流動的」として、つぎのように伝えている。
日本オリンピック委員会(JOC)の評価委員会がまとめる評価報告書は、JOC役員や競技団体関係者ら選定委員55人が国内候補都市を決めるための参考にする重要資料だ。ただ、選定委員は報告書以外に、競技団体にとってのメリットなど独自の視点も加味して投票先を選ぶとみられ、報告書の“結論”が30日の投票行動に直結するとは限らない。
評価委員会は10人で構成。うち8人は選定委員も兼ねており、報告書の内容が「東京優位」で最終的にまとまれば、福岡市が厳しい状況に置かれるのは必至。ただ、長野、盛岡、旭川、山形の4都市が競い合った1998年冬季五輪の国内候補都市選考では、投票日直前まで盛岡有利とみられていたが、結果は長野だった前例もある。(以上、引用)
だが、あえていえば長野、盛岡、旭川、山形の地方の4都市の比較と、一方がオリンピック開催の経験をもち、財政計画上の開きもある東京都と福岡市の比較とを同列視する同紙の見識はいかがなものか。何よりも冬季五輪と夏季五輪のちがいがあるではないか。
西日本新聞はまた、14日朝刊でつぎのように山崎市長の姿勢を報道した。
「裏も表もない。書き残しもない。そんな福岡の計画案と東京とどちらを評価するか、JOCの在り方が問われる」
12日午後、福岡市内のホテル。後援団体主催の講演会で、山崎市長はまくし立てた。同席した自民党の古賀誠元幹事長も「山崎市長に背中を押されて私たちも全力を尽くしている」と声を張り上げた。
財政難を理由とする五輪招致反対の逆風は依然強い。市議会でいったん招致に賛成した民主党は、独自候補擁立を決め、五輪招致反対請願に同調。東京に負ければ、選挙戦で「五輪攻撃」を展開する構えだ。(以上、引用)
提灯もち新聞はこの記事で、市長選もにらみ、同社を退職した人物で、しかもその人物をふくめて候補者の選考に入っているという見方もある民主党を早くももちあげているとみてよい。
管理人は別のエントリーでつぎのように書いた。
市長選にすでに民主党として候補者を担ぐことを表明しており、その候補として数名の名前があがっている。その1人が西日本新聞を先日、退職したばかりの幹部社員というから失笑ものだといわざるをえない。
山崎市長は、30日の候補地決定で落選をすれば、その座を追われることがありうるし、その可能性は高いと管理人は考えている。提灯もち新聞はすでにその先をみている。そのことをふくめて権力の提灯もちとしての実態に引き続き言及することにする。
福岡オリンピック招致をめぐる報道はこれでよいか
これは、事実とその評価をほぼ的確に伝えていると管理人は考える。
全文を紹介する。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
●十三万六千人署名運動の成果
~オリンピック反対の請願、継続審査になる! 第一常任委員会~
八月十三日開かれた福岡市議会の第一常任委員会でオリンピックをやめ
ることを求めた共産党市議団と市民団体が13万6千人の署名を提出、請願
審査を求めた審査が継続審議になった。
この請願審査には、共産党、民主党、社民市政クラブの各会派が賛成し
た。誘致にかんする「賛成体制」は、昨年の市議会決議でも共産党、ふ
くおかネットワークなどが反対していたが、さらに今回民主党、社民市
政クラブなども「反対」に転じたことで、山崎広太郎市長はJOC(日
本オリンピック委員会)に申し開きが立たないようになった。
山崎広太郎市長を支える自民、公明、みらい福岡の与党会派は形無しの
状況に陥った。また山崎市長はJOCに対して顔向けが出来ない状態に
なり、福岡市にオリンピックの国内候補地を招致するのがより一層厳し
くなったとの見方もある。
【マックス市政ニュース】vol.559 2006/8/16
―――――――――――――――――――――――――――――――――
わが提灯もち新聞・西日本新聞が「五輪招致反対の請願 民主が採択求める 福岡市議会意見2分、継続審査」と題して審査のもようを伝えたが、その内容たるや、議会会派の動向のみの報道であることは否めない(別のエントリー)。
要するに、「議会での審査の結果は、市民の1割近い請願署名に直接には表現された市民の意思が民主・市民クラブも、社民・市政クラブを動かし、さらには議会与党をも動かした」のだ。【マックス市政ニュース】がいうように、「山崎広太郎市長はJOC(日本オリンピック委員会)に申し開きが立たないようになった」し、「国内候補地を招致するのがより一層厳しくなった」と受け止められる。
署名の力はほんとうに大きかったといえる。奮闘されてきた「福岡オリンピック招致に反対する会」のみなさんと、自らの意思を表したいと署名された市民のみなさんの努力の反映だと思う。
西日本新聞はまだ提灯もちを続けている。「応援ツアー参加募集 30日、候補地決定 推進委『緊張の瞬間見守ろう』」という記事がそれである。
オリンピック招致をめぐって、審査結果が明らかになったという重要な変化があるのに、市民の声や反対の側を扱わずに、いまだに市や招致推進の側の報道に努める姿勢には呆れるばかりだ。無神経もはなはだしい。というよりも、意識的に報道しているとしか考えようがない。
7割もの市民が反対するのだから、動員されたもの以外にほとんど応援ツアー参加者はいないだろうが、それにしても西日本新聞はひどすぎる。
オリンピック招致反対で福岡と東京が手をつなごう
石原慎太郎東京都知事は『週間ポスト』(8月18、25日号)で、なぜ今、東京五輪なのかと問われてこう答えていいます。
やはり日本の存在感を、もう少しいろんな形で世界に示す必要があると思います。いつもアメリカの影におびえ、日本の存在感は非常に希薄な感じがするなあ。古い言葉でいえば国威発揚ということですね。
さらには、こんなこともいっています。
ナショナルチームといえども、選手の気質が変わって、もうしごけなくなったというんですね。これではどんな種目でも成績があがらない。
石原知事の言葉によると、日本の存在感を示すという国威発揚だから、彼の頭にあるのは五輪での実際の成績でしょう。五輪の場を最大限、活用し、日本の成績を国の内外に鼓舞するということにほかなりません。まるで、しごきによって日本が世界に認められるといわんばかりです。
この石原知事のとても私には理解しがたい発言は、オリンピック憲章にてらしてみてもいかに歪んだものか、それを少しみてみます。
手許に、日本オリンピック委員会から提供されたオリンピック憲章(OLYMPIC CHARTER)があります。そのなかの「オリンピズムの原則」第2項にはつぎのように書かれています。
オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和をとれた発達に役立てることにある。その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。(悪訳だとの指摘もあるので原文をあげておきます)
The goal of Olympism is to place sport at the service of the harmonious development of man,with a view to promoting a peaceful society concerned with preservation of human dignity.
オリンピック精神とは、上記憲章にあるように、平和(な社会)を前提にしています。そうすると、軍拡論者の石原氏がそもそも五輪を語ること自体、あやしいものです。彼の意見にあるように、むしろ五輪を国威発揚の機会にしようというのですから、ほんとにきな臭い意図を感じざるをえません。
この記事のなかで、石原氏は開発や多額の投資にからんでも発言しています。
国内候補地決定が間近に迫ってきたいまの時期に、ようやく東京都で都のすすめる招致計画に待ったをかける運動が取り組まれているようです。私はこの東京都での運動を大いに歓迎し、連携して取り組みをすすめる方向を探るべきだと思います。
「『東京都平和祈念館(仮称)』建設をすすめる会」というこの組織は11日、日本オリンピック委員会に対し、招致を撤回し、都民のくらしや命、平和を守る施策「東京都平和祈念館」の建設に着手することを求める意見書を提出したそうです。
同会の意見書は、都が「世界一コンパクトな大会」と強調していることについて、関連道路だけで6兆円を超える莫大な事業費が予想されていると指摘し、「コンパクトどころか、大型開発推進をオリンピックをてこに強行するもの」と断じています。
福岡市の計画も、東京都の計画も、招致計画をだしにして大型開発をすすめようという意図はまったく同じです。米軍再編にからんで全国で基地移転反対の運動が沸き起こっています。五輪招致反対運動はまさに基地移転反対の運動と同様に、同じ立場にある地域の運動が互いに連帯してとりくまないと切り崩される性格の運動だと私は思います。
福岡市、東京都双方がオリンピックをまったく同じように大型開発推進の契機として位置づけているのだから、連携の条件は十分あるのではないでしょうか。
福岡オリンピック招致に反対する請願署名がもたらしたもの
福岡オリンピック招致反対という市民の強い意思が市議会を動かした。これが率直な感想である。
要するに、市民の1割近い請願署名に直接には表現された市民の意思が民主・市民クラブも、社民・市政クラブを動かし、さらには議会与党をも動かした。その結果は招致反対署名を「不採択」できず継続審議とせざるをえなかったことに表れている。
◆市議会各会派は
自民、公明、みらい福岡の与党各会派は、今回の第一委員会での審査結果がどんな意味をもつのか、あらためて考えてほしいものだ。昨年9月の招致決議に彼らは賛成をしたのだが、今回の審議はそれを否定する結果であることを肝に銘じてもらいたいと率直に思う。
もれ聞くところによれば与党会派のある議員は、公には会派の決定に逆らえないので今回の委員会審議でも請願署名に反対の意思を表明したが、地元の有権者の前では、「私はオリンピック招致に反対」などとのたまわっているらしい。私心なくふるまうとはどういうことか、地方自治体の議会の議員ならば、あらためて有権者の前に自らの見解を披瀝してみたらよい。
◆態度変更のわけ ―民主党
悲しいのは、民主市民クラブである。民主党には民主党の事情があるのだろう。けれど、態度変更するのであれば、その前に、有権者にその理由を明確に伝えなければならない。それくらいの重みをもつ市民の請願のはずだ。社民・市政クラブも同様だ。
提灯もち新聞として一貫して踏ん張っている西日本新聞―一部に最近の報道姿勢をうんぬんしているサイトがあるが、そうではない。当初から同紙は基本的には提灯もちだ―は、この辺りの事情をつぎのように伝えている。
民主・市民クラブは「招致決議後に招致の内実が見えた。須崎埠頭の再開発につながる五輪招致には反対する」と強調。「国内候補都市の選考が間近で、招致中止は現実的ではないが、財政状況の厳しさを理由に再開発中止を求める請願の趣旨には賛同する」(以上、引用)
ほとんど意味不明だ。自らの不勉強ぶりをいまさら公にできる民主党とはいったいどんな政党、会派なのか。呆れてしまう。
思い出してもらいたい。招致決議をあげた昨年の議会でも、日本共産党議員団から市の財政計画の杜撰さについて厳しい指摘があったことを忘れてはならない。民主・市民クラブは当の議会の議論に参加しているわけだから、なぜその時点で「財政状況の厳しさ」を会派として把握できなかったのか、市民の側からみれば民主党はよほど怠慢だと率直に思う。それとも議員とそれを支える事務局の水準の問題か。いずれにせよその責任が問われることをはっきりと自覚してもらいたいものだ。
◆市長選めぐる思惑
民主党の事情とは、市長選をめぐるお家事情だ。これほど多くの市民が反対する五輪招致に、いまの時点で賛成というには事情が許さない(これは与党会派も同じこと。30日のJOCの国内候補地決定にゲタをあずけた格好だ)。周知のとおり、市長選にすでに民主党として候補者を担ぐことを表明しており、その候補として数名の名前があがっている。その1人が西日本新聞を先日、退職したばかりの幹部社員というから失笑ものだといわざるをえない。当の本人はすでに立候補の意思があることをマスメディアに流し、オリンピック招致の市民投票を検討するなどと宣言している。私は、当の本人から直接、今回の第一委員会の審議結果についてインタビューしたいと心から思っている。ちなみに、先の西日本新聞の記事を穴があくほどに眺めていただきたい。ここらの事情が行間ににじみでているとみるのは管理人だけだろうか。
◆13万超の請願署名の重み
今回の審議は「福岡オリンピック招致に反対する会」(以下、反対する会)ほか2団体の請願を同時に審議するものであった。事実としてあげれば、反対する会の署名数に比べると、他2団体の署名数は数千なのだから反対する会の請願がほとんど議会にインパクトを与えたと管理人は考えている。当日の傍聴者も多くは反対する会の運動を陰に陽に支えた人だという。
◆問われるマスメディア
今1つはマスメディアの姿勢だ。提灯もちの西日本新聞はともかく、マスコミの多くは反対する会の11万を超える招致反対署名の提出(5月25日)を契機に、報道姿勢がかわったというのが管理人の考えだ。興味のある方は前後の各紙をふりかえってもらいたい。管理人はこの間のマスメディアのあり方について大いに疑問をもっているし、一連のエントリーでそのことについてふれている。
あえて付言すれば、招致反対を唱える立場の人のなかにも確実にマスメディア(の姿勢)に振り回されている人がいる(別のエントリー)。お互いに心しないといけないと思う。
市民が最も知りたいのは、今回の審査結果が、市政にどのような影響を及ぼすのか、とくに市民にとってどのような意味をもつのかを明らかにすることだ。まさかそうしない理由に「不偏不党」をもちだすことはないだろう? たとえば今回は3団体からの請願だ。マスコミとしての評価はそれぞれにたいして、どうよ! マスコミの姿勢と取材力がこれほど問われているのも今回の請願運動をめぐる取材の特徴の1つだと管理人は思っている。
◆招致をくいとめる最後の局面
これからはJOCへの最終盤の働きかけが必要となるように思う。
WEBサイトによれば、ある団体は今月26日に要請はがき配布宣伝をおこなうらしい。管理人が知るところによれば今月半ばには評価委員会の報告書はできあがるはず。だとすれば、老婆心ながらあえていえば、26日の配布ではほとんどその効果もないものに等しいのではないだろうか。招致を断念させるためにも招致反対を志す人びとは、全力をあげる必要があるように思う。
ざっと、こんな背景が今回の委員会審議の今回の結果をもたらしたというのが管理人の正直なところの意見だ。同時に、山崎市長の責任を市民側から問う局面も当然のことながら予測される(山崎市長の責任問題の管理人の考えの一端については別のエントリーをごらんください)。
福岡オリンピック招致反対の請願を継続審議に
結果は、招致推進派議員が圧倒的多数をしめる福岡市議会において、推進派は「不採択」にできず、請願署名を継続審議にしました。これは画期的なことです。
昨年9月、市議会で招致決議をあげている与党会派にとって、今回の請願署名を不採択にすることはいわば至上命題であったはずです。そうでなければ、招致決議をあげた意味そのものが問われるからです。しかし、それはできませんでした。
これは市民の力です。反対する会の声明はこの点にふれて、つぎのようにのべています。
自民・公明・みらい福岡など招致推進派議員が圧倒的多数をしめる議会において、推進派が「不採択」にできず、それどころか、これまで招致決議に賛成していた会派、民主市民クラブ・社民市政クラブまでが次々と「採択賛成」に態度を変えたのは、本日かけつけた100名の傍聴者をはじめ、13万6,576筆に及ぶ請願者と市民の世論の力です。
そのとおりだと思います。
市民の力は与党会派を動かしただけではありません。
これまで招致決議に賛成していた会派、民主市民クラブ・社民市政クラブまでが次々と「採択賛成」に態度を変えたのです。
これら与党および各会派の態度を規定したのはまさに市民の力です。同時に、今月30日には国内候補地が決定されます。これだけ多くの反対の声を前に、市民の声を無視する態度決定することは得策でないという「読み」も働いたのでしょう。民主や社民の態度変更もそれと異なることはありません。
この結果は、招致決議をあげた市議会で、招致賛成に回った各会派の責任を鋭く問うものにほかなりません。与党会派にとってはこの1日が、招致決議から招致反対の請願を退けられないという後退した1日であり、まさに屈辱的1日であったはずです。本日の委員会のなかで会派の態度を問われ、請願に反対の意思を小さい声で告げることしかできなかった公明党の姿にもそれは表れています。
なによりもこの結果は、山崎市長の責任を厳しく問うものです。市民の反対の声に耳を貸さず、招致準備を税金を使ってすすめてきた責任は重大です。招致決議からほぼ1年後の請願署名の審査でそれにNOといえなかったのですから、市長の椅子そのものを問う結果だと受け止めてもらわなければなりません。
管理人は別のエントリーで市長の退職金返上を提案しましたが、その有効性は、今回結果でさらに裏付けられたと思います。
退職金返上を管理人がよびかけたということは、べつの言葉でいえば、山崎市長の辞任を提案したということにほかなりません。今回の事態は、山崎市長の地位そのものを問うものだということを、市長自身にきちんと認識してもらいたいと思うのです。
五輪立候補の爪あとを報道
西日本新聞が『国内候補地 代償重く 大阪「夢の跡」ルポ』と題する、地域報道センターの署名入り記事を掲載した。
曰く、
福岡市と東京都が競う2016年夏季五輪の国内候補選考レースは、競技団体トップらの投票による決着まで残り1カ月を切った。東京を破ることができても「日本代表」として、世界の候補都市と争うには、どんな課題が待っているのか。08年夏季五輪招致で国内候補都市になった大阪市は、その後の世界選考で惨敗、今も多額の負債などの後始末に苦しむ。大阪五輪の“夢の跡”を歩いた。 (以上、引用)
評価委員会の現地調査も終わったので、運を天にまかせておくほかはない。そこでこの記事の登場なのだろう。
私たちは、マスコミがどうであろうと、限られた情報のなかで、事実は何なのかを選び取ることが求められている。これは今回のオリンピック問題にかかわる報道をみてきて、管理人があらためて実感したことであった。
たとえば、管理人がその再三、提灯もちぶりを批判してきた西日本新聞の報道ぶりは実に徹底していたように思っている。
それは、単に反対運動を報道せずに小さくみせるだけではない。福岡市民とともに反対運動を取り組んでいるのはだれなのかを正確に福岡市民に認識させてはならないという大きな力の存在と、そのことを映し出せないマスコミの姿がそこにあった。それを管理人は批判したいのだ。まったく歯がゆい思いをしてきた。
それは、一面でいうと意図的な「排除」と「分断」が現実におこなわれていることでもある。
たとえば署名数一つをとっても、同じ「反対派」といっても、その取り組んだ結果が10倍もの差のある実態だ。西日本新聞はどのようにこれをとらえてきたのだろうか。西日本新聞はこの違いをどのように分析してきたのか。公平にみれば、市民への影響力の大きさは歴然としているではないか。それを無視するばかりか、ゆがめて報道してきたのが実態ではなかったか。
マスコミのオリンピック報道で思うことは、反対勢力を小さく見せようとするだけではない。それだけではなく、市民の立場でこの運動を取り組んできた勢力を市民に知らしめようとしない力が働いていること、実はここにこそ、西日本新聞の編集姿勢が表れていると率直に思う。
こんな構図のなかに我われ市民が置かれていることを忘れてはならない。反対派を自認するあるブログは―私には突然に思えるのだが、最近になって西日本新聞の報道姿勢をうんぬんしはじめた。その意図はどうであろうと管理人にとっては、うれしい限りである。西日本新聞の今回の記事も大きくいえば、こんな変化の一つなのかもしれない。
何度もいっているが、われわれは逆にマスコミに選び取られることのないようにしたいものだ。もう一つ、提案だが、西日本新聞の不買運動も検討してしかるべきではないか、というのが管理人の考えである。
福岡オリンピック報道で思うこと ― その2
提灯もち新聞の西日本新聞も、さすがにこれを伝えないわけにはいかないようだ。「JOC、東京を高評価 国内候補選考 残り1カ月 評価委、視察を終了」と題して、同紙1日朝刊はつぎのように伝えた。
記者会見した林委員長は「都の開発計画の中に五輪の施設を取り込んであり、ゆとりある施設(計画)と感じた。高い評価が出せるのではないかと思っている」と話した。遅塚研一委員(JOC総務委員長)は「東京は(福岡のように)地権者から同意書をとる必要が全くない」と、財政面での優位性を指摘。一部競技で競技団体からの風の影響などを指摘されているが、福田富昭委員は「影響のないように改修してもらえると回答を頂いている」と述べた。(以上、引用)
それでも記事「計画は福岡優勢 総合力は東京 2016年夏季五輪招致」では、以下のように福岡市に肩入れしてきた「編集姿勢」が受け取れるだろう。なんとかもちあげようとする努力の跡がつぎの記事にはにじみでている。
曰く
各競技団体の招致テクニカルディレクター(TD)の調査では、福岡市がやや優勢だった。いち早く招致に名乗りを上げ、国際オリンピック委員会(IOC)の考え方に沿った計画を練り上げた成果だろう。競技団体からは「熱意は福岡の方がすごい」とか、「東京の計画は、まだ詰めきれていない」といった声が数多く聞かれた。
だが、つまりは次のようにいわざるをえないのだ(以下、同紙からの引用)
TDの評価対象は競技会場や選手村、過去の実績といった部分だけ。最終的には交通輸送や安全対策、宿泊施設、財政計画までも考慮される。都市としての潜在力では明らかに東京に分があろうが、評価報告書ではそこまで言及されるはずだ。
管理人は、国内候補地が決定されたとき、西日本新聞がどのような報道をするのか、楽しみにしている。これまでの度重なる提灯もちぶりと歪んだ報道には驚かざるをえなかった。長きにわたるこのような報道姿勢が検証されてしかるべきだと考えている。別のエントリーで「報道管制」とのべたが、ここまで拘るのは、オリンピック問題に限らず、また、もっといえば西日本新聞にかぎらず、マスコミの報道姿勢に疑問をもっているからである。
西日本新聞に以前、オリンピックに関するある記事について、登場する人物の人選は何によっているのか質問すると、その答えは「よく知っている団体」だからという返答だった。だが、「よく知っている」という以外の理由がある、と管理人は考えている。いうまでもなく質問したのは、人選そのものが公平におこなわれていないという思いがあってのことだ(別のエントリー)。
要するに、反対勢力もあらかじめスクリーニングにかけられている。マスコミに登場するのはマスコミ各社の眼鏡にかなうもののみであると管理人は思う。
新聞やテレビをとおして管理人がみてきたのは、取材力の問題もあるのだろうが、かなり歪んで報道されているということである。こんな実態にあることを、今回のいくつかの体験をとおしてあらためて実感した。だから、マスコミに過度の期待をかけるのも、マスコミを過少評価するのも正しくないだろう。
この現状を正確につかむと同時に、限られた情報のなかで何が正しいのか、事実なのか、それを読み取り伝えること、要するにメディア・リテラシーが求められているということをいま痛切に感じている。
福岡オリンピックの可能性はない ― 現地調査の結果
結論からいえば、福岡市が国内候補地になることはまずない、と管理人は判断します。以下、報道を参照して、それをみてみましょう。
東京都と福岡市が争う2016年夏季五輪の国内候補都市選定で、日本オリンピック委員会(JOC)評価委員会が31日、東京都への現地調査を終えた。林務委員長らからは、都市開発と五輪開催計画との調和や実現性の高い財政計画、コンパクトな会場配置に高い評価があったが、老朽化した競技場改修などに注文も付いた。
1964年東京五輪でも使った駒沢オリンピック公園などについて、福田富昭副委員長は「早めの改修が必要」と指摘した。移動で渋滞に巻き込まれたが「五輪専用レーンができれば速く移動できる」と楽観視した。財政面では遅塚研一副委員長は「4000億円の積み立ても計画しており、運営経費が予算をオーバーすることも覚悟していて安心した」と話した。
【以上、共同通信社】
つまり、東京都の場合、財政計画がしっかりしているということが強調されています。
これにたいし、管理人が提灯もち新聞とよんでいる「西日本新聞」は、現地調査についてつぎのように伝えていました。
日本オリンピック委員会(JOC)評価委員会が25日、福岡市での現地調査を終えた。委員は記者会見で「非常に精度の高い計画案」と福岡五輪の開催概要計画を評価した。
委員は初日の24日に続いて市内の競技会場予定地を視察し、海の中道海浜公園(東区)などを回った。林務委員長は「(競技会場が)集約され非常に近い。国際オリンピック委員会(IOC)基準を忠実に守り、かなり満足いく内容」と語り、別の委員も「施設が素晴らしく、世界に負けないと実感した」と述べた。(以上、引用)
東京都の現地調査を伝える記事と比較して、評価委員の言葉が抽象的であることに気づきます。また、「IOC基準を忠実に守り」などと、いわずもがなのことをのべています。要は、福岡市の概要計画書は書類としての評価が高いというこだと思います。
管理人が注目したいのは、つぎの部分です。
西日本新聞は以下のように続けます。
また評価委員は、会場視察後の計画説明の場で大会運営費2850億円の計画について「ドーピング対策などで経費が膨らむ可能性がある。覚悟があるか」と指摘したことを明らかにした。これに山崎広太郎市長は「責任を持って対応する」と応じたという。【以上、西日本新聞】
つまり、評価委員会は財政計画を懸念している。福岡市が財政的に耐えられるかどうか、懐疑的なのです。そのことは「福岡オリンピック招致に反対する会」のJOC要請(7月20日)でも、招致担当窓口責任者がはっきりと同会代表に伝えているのです。
ですから、先の東京都での現地調査で、評価委員があえて都の財政計画がしっかりしているというのは福岡市との比較の上でのことと理解することができます。
福岡市の財政計画は危ない。実現性がない。これが評価委の態度だと思われます。言い換えれば、福岡市の計画は「絵に描いたもち」なのです。根幹である財政計画にたいする評価は選考にあたって決定的だと管理人は考えるのです。
この脈絡で推測すれば、山崎市長のとる方向、あるいはとくに同氏をかついできた勢力から「取らされる」といったほうがよいのかもしれませんが、その方向がみえてくるような気がします。
われわれ市民は、多数の市民の反対の声を無視して、ここまで招致準備をすすめてきたのですから、山崎氏の退職金を返上すべきだとの声をあげてもよいのではないでしょうか。
「反対する会」は署名の追加提出を計画しているようです。さらに署名を積み上げ追い込む、今必要なのはこれです。
マスコミの「福岡オリンピック招致」報道
アナウンサーは「技術的な問題が生じた」と説明して次のニュースに移るという対応をしていたが、私には「問題は技術的なことではなく、イスラエル当局が自国に不利な放映を阻止したのではないか」という疑いが浮かんだ。
これは、田中宇氏の『田中宇の国際ニュース解説』「戦争とマスコミ 」の冒頭部分である。看過できない重大事だ。こんな報道規制で私たちは右往左往しているのか。
と同時に、これを読んで、マスコミのオリンピック報道を思った。わが近辺の出来事なのである。
正直なところ、オリンピック招致にまつわるマスコミの報道は目に余る。ひどい実態だと私は思う。とくに、西日本新聞の提灯もちぶりは滑稽でさえある。なぜ、こうもあるのか。現場の記者は、招致反対派の取材にもきているので彼らに要因があるとは思えない。まさに、報道管制がひかれているにちがいない。そう思わざるをえないのだ。
『西日本新聞』は6月、福岡市とあるシンポジウムを共催した。賛否両論を戦わせると銘打って。だが、その人選に疑問を抱かざるをえなかった。反対を唱えている個人・団体は多い。賛成派はともかく、反対を唱える人びとを人選が代表するに適当であったのか、疑問を抱かざるをえなかった。
これ以後の報道も「作為的な演出」がおこなわれている。たとえば、先のシンポジウムに出席した反対派を非難するつもりはないが、13万の招致反対署名に象徴される市民の意思を無視できないと思う。この署名に託した市民の思いはどうシンポジウムに反映されただろうか。よっぽど鈍感なのか、あるいは無視したのか、どちからだと私は考える。反対派がこんな構図の中におかれてしまってはその存在意義も薄れてしまうというものだ。その後も、13万を集めた団体のことはほとんどふれられていないといってよい。
信じがたいと思われる向きがあれば、ぜひ『西日本新聞』のwebサイトを一度ごらんいただきたい。どれほど「ゆがんだ報道」がおこなわれているか、たちどころに分かると思う。
日本のジャーナリズムもまさに危機のなかにある。
福岡で現地調査始まる 2016年五輪招致
現地調査は30競技団体が終えており、今回の評価委が最後となる。評価委はJOC副会長兼専務理事の林務氏が委員長を務め、JOC役員ら10人で構成。福岡空港に出迎えた山崎広太郎市長は記者団に対し「東京との違いをしっかり見てもらいたい」と述べた。
評価委は、山崎市長らから計画の概要について説明を受け、午後には博多湾を囲むように配置された3つの会場群を視察し、25日まで調査。
東京都への現地調査は30日と31日に行われる。
以上、共同通信(こちら)
下記のスケジュールをみれば、ほぼ判断できるように、評価委員会の現地調査は形式的なもののようだ。たとえば博多ポートタワーは対象会場は多数あるはずなのにわずか30分で終わる。
すでに30にのぼる競技団体の現地調査が下記のとおり終了しているので、現地調査の最後とはいえ、評価委員会の調査は、私にはセレモニーにみえてしまう。だが、同時に、各競技団体の現地調査の“裏を取る”という目的もむろんもっているのだろう。
しかし、それにしても以下の競技団体を迎える接待費用はどれくらいになるのか。たしかに『国内立候補都市選定に係る行動規範』第4項、同第5項には、つぎの定めがある。
4.本会(=JOC、引用者)及び各加盟団体とも、各都市関係者または代理人など第三者による個人的な接触によって誤解が生じないように配慮するものとする。
5.本会、各加盟団体関係者及び招致TDの現地調査などの際に、各都市関係者、または代理人など第三者による必要以上の接遇がないよう徹底する。
これらの接遇等を含め『現地調査に関する基準』について別途定める。
*TD:招致テクニカルディレクター
そこで、『現地調査に関する基準』の当該部分をみてみよう。「接遇」にかかわるのは第4項のみである。
4.現地調査関係者は、必要以上の接遇を受けないものとする。
しかし、これでは何も説明したことにならない。基準が明確になったわけでもない。地元に任されているといってもよいだろう。あるいは接待の相場があるとも勘ぐりたくもなる。
ともあれ、「招致できようとできまいと開発はやる」と山崎市長はのべた。したがって、もともとオリンピック招致に全力をあげる気とは思われないのだ。だから、使われる金に我われはなおさら敏感にならざるをえない。捨て金、ドブに消える金となる。金の使いみちにたいする市民のみなさんの監視が重要だ。
■評価委員会委員 林務委員長をのぞく
福田富昭(選手強化本部長)・遅塚研一(総務委員長)・河野一郎(情報・医・科学専門委員長)・小谷実可子(アスリート専門委員長)・櫻井孝次(事業・広報専門委員長)・水野正人(スポーツ環境専門委員長)・冨田正一(国際専門委員長)・川杉収二(事務局長)・中島武範(日本障害者スポーツ協会常務理事)
■評価委員会による現地調査は以下のスケジュールで行われる予定(いずれも資料公表時)。その後、博多ポートタワーなど予定が一部変更されたもよう(こんなことがたびたびある。先日は「福岡オリンピック招致に反対する会」が宣伝行動を予定していたため、急遽行程が変更された)。
【24日】
・14:10~ 博多ポートタワー、・14:40~ 博多埠頭、・15:40~ 海の中道海浜公園、・16:00~ 雁ノ巣レクリエーションセンター、・17:00~ 福岡タワー
【25日】
◇東ルート
・10:00~ 北九州メディアドーム、・10:50~ 遠賀川漕艇場、・13:10~ 雁ノ巣レクリエーションセンター、・14:20~ 博多の森テニス競技場、・15:20~ 市民体育館
◇西ルート
・ 9:15~ マリンメッセ、・ 9:40~ 国際センター、・10:40~ 今津地区、・11:30~ 小戸地区、・13:05~ ヤフードーム、・14:05~ 百道浜、地行浜、・15:10~ 油山牧場
■終了した競技団体の現地調査(いずれも資料公表時の予定。法人形態名および名称のうちの「日本」は省略した)
・ホッケー協会(7/1~7/2)・体操協会(7/1~7/2)・障害者スポーツ協会(7/1~7/2)・テニス協会(7/3~7/4)・ボート協会(7/3~7/4)・バレーボール協会(7/3~7/4)・バスケットボール協会(7/3~7/4)・バドミントン協会(7/4~7/5)・クレー射撃協会(7/4~7/5)・水泳連盟(7/5~7/6)・ソフトボール協会(7/5~7/6)・近代五種/バイアスロン協会(7/5~7/6)・ウエイトリフティング協会(7/7~7/8)・レスリング協会(7/8~7/9)・ライフル射撃協会(7/9~7/10)・アーチェリー連盟(7/10)・セーリング連盟(7/10~7/11)・柔道連盟(7/10~7/11)・アマチュア野球連盟(7/11~7/12)・アマチュアボクシング協会(7/12~7/13)・馬術連盟(7/13)・フェンシング協会(7/13~7/14)・陸上競技連盟(7/14~7/15)・卓球協会(7/14~7/15)・テコンドー協会(7/14~7/15)・ハンドボール協会(7/15~7/16)・自転車競技連盟(7/17~7/18)・カヌー連盟(7/17~7/18)・トライアスロン連合(7/18~7/19)・サッカー協会(7/19)
福岡オリンピック招致 -反対する会がJOCに要請
http://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20060720ie29.htm
「会」はJOCオリンピック招致推進室幹部と面談。同会とJOC幹部との懇談の内容を要約すると以下のとおり。(詳細はこちら)。
同幹部は、「反対する会」が取り組む、福岡市を候補地に選ぶなというJOCへの要請はがきが連日届いていることを同会の代表団に伝えた。会側が、この間の市民のオリンピック招致にたいする反対の意思表明―不市民のおよそ6、7割は反対していることを、マスコミの各種世論調査をもとに説明すると、上記幹部はそれに反論することはまったくできなかった。
上記JOC幹部は、「東京には都市力、福岡には人の力を感じる」とのべた。同幹部によると、東京都の場合、反応がほとんどないのに比べ、福岡市は賛成、反対いずれの立場であっても「熱意が感じられる」とのこと。(だが、人の力があるといっても、反対が圧倒的なのだ。)
「会」の代表は、福岡市議会に提出された11万余(すでに13万を超えた)の招致反対署名に寄せられた期待と声を伝え、福岡市の現状からみても福岡市を選択すべきではないと強く要請した。また、何よりも平和と人権が守られていてこそ、オリンピックが成り立つが、いまの福岡市では大型開発の一方で、市民生活にしわ寄せがひどく及んでいること、人権がまもられているとはいいがたいことなどを訴えた。
JOC幹部は(これだけの)「反対の声があることは事実は事実として伝えざるをえない」とのべていた。また、もっとも懸念しているのは須崎地区の再開発。その見通しのなさをうすうす承知しているようだ。
一方で「オリンピック憲章」を代表団に配布し、オリンピックの理念を必死に伝えようとする同氏の姿は、当のIOCやJOCの金権腐敗体質ともあいまって、率直にいってから回りしているようにも思えた。
同会代表の石村善治(福岡大学名誉教授)さんは、「要請は市民の声をJOCに知ってもらう上で有意義だった」と語っている。
同会代表団は要請終了後、JOC記者クラブで会見し、福岡市の反対運動の状況と市民の反対意見の強さを訴えた。
福岡オリンピック招致 ― 評価委員会が視察予定
いよいよ24日、25日の両日、国内立候補都市評価委員会による現地調査が行われる予定で、そのスケジュールも確定している。東京都にたいしては、30日、31日におこなわれることになっている。
福岡市では、同現地調査団は第1日目、博多ポートタワーからメーン会場(陸上・サッカー)、パビリオン建設予定地、アリーナほかをわずか30分の予定で視察する。その後、博多埠頭、海の中道海浜公園などを予定している。つぎの日はルートを東西2つに分け、北九州会場をふくむ14会場を視察することになった。
最近は、山崎市長のオリンピック招致に関する発言がいっさい聞こえてこない。今秋の市長選で、支持を取り付けられると目算していた政党会派が、山崎氏を支持せず対抗することを表明したので、安閑としていられまい。実はオリンピックどころではないのかもしれない。あるいは、市民の支持もえられず、勝ち目はないとすでに心のうちでは決めているのか。
福岡・九州オリンピック招致推進委員会のホームページには、あのわけの分からない招致賛成署名の到達が309934(18日現在)と記されていた。
この間にも福岡市の「ドブに捨てる金」が毎日増えていっていることに注目したい。
7割の賛成なくして招致なし -2016年オリンピック招致問題
この訪問をへて、JOCは24,25日の両日、候補地選定のための審査をおこなうことが予定されています。
先日、候補地として福岡市を選定しないよう日本共産党福岡市議団がJOCへ要請したことが新聞報道されていました。
そこで知人の同党議員に詳細を聞いてみました。
JOCがいうには、ロンドンが立候補したとき、他の候補地もふくめてどの地域も事前の市民の世論は多いところは9割、少ないところでも7割の賛成だったらしい。JOCの当日の窓口責任者は最低この水準は求められる旨の返答をしたということです。
福岡市が招致に手をあげていることについて、各種世論調査はいずれも福岡市民の6~7割が反対の意思を表明しています。これはJOC担当者がいう水準に遠く及びません。圧倒的な市民、すくなくとも市民の7割が賛成でなくてはならないのです。福岡市は7割が反対なのです。
勝負は決まっています。
最近になって地下鉄各駅に招致推進のポスターがはりめぐらされましたが、勢いがありません。
一方で私が注目したいのはマスコミ、とくに『西日本新聞』の報道姿勢です。
最近の賛成派・反対派が一堂に会したというシンポジウムや『西日本新聞』の記事「「世界に通用」どっち?」(7月1日付)などにみられるのは、福岡市における市民の反対の意思を正確に反映したり、報道する点で疑問をもたざるをえません。たとえば上記記事には、東京都と福岡市の比較表が掲載されています。そのなかの<反対運動>の項には、福岡市に関してつぎの記載がある。
財政難や須崎地区再開発に疑問など市民らが約1万3600人の署名をJOCに提出
たしかにJOCに提出されているのは以上の1万なにがしの署名かもしれないが、福岡市議会にはその約10倍にものぼる招致反対の請願署名が提出されているのです。
この事実を反対運動から欠落させるマスコミの姿勢を、私は理解できない。『西日本新聞』は市の広報紙かと見まがうばかりです。
いずれにせよ、福岡市が候補地になることはJOCの示す「ものさし」からみてもありえないことなのです。
「オリンピックそのものに反対せよ」
そのなかで、スポーツジャーナリストの谷口さんはオリンピックに言及しています。その章のタイトルは「オリンピックの光と影」。ここには、オリンピックをめぐる暗躍の実態が描かれています(感想は後日アップ予定)。
同じ谷口氏の講演を聞く機会がありました。「福岡オリンピック招致に反対する会」が開いたシンポジウムで、そのなかで谷口氏は先の書と同様に、その理想とはまったく裏腹にオリンピックを商業主義に引き込んでいった歴史が語られました。その実態に管理者はあらためて驚かされました。詳細は、本ブログにTBいただいた大津留公彦さんのブログをご覧ください。
谷口氏の結論は、財政的な問題ほかで反対するのは措くとして、そもそもいまのオリンピックそのものをラディカルに問うてみよ、勝利至上主義と商業主義、金権腐敗など、オリンピックの実態はどこからみても反対すべきものだということだと思います。
気迫のこもった谷口氏の講演に、参加者のほとんどはひきこまれたのではないでしょうか。有意義な講演でした。
大津留さんのブログはこちら
« 前ページ | 次ページ » |