2月に見たシュツッツガルト歌劇場の魔笛に続き、コンヴィチュニー演出のモーツァルト最後のオペラセリア「皇帝ティトの慈悲」を観ました。モーツァルトが魔笛作曲中に、新作オペラの依頼があって作曲されたのがこのオペラ。だから、最後に完成したとされるのは魔笛なのかな。
魔笛では、予想もしない演出プランにあっけにとられた私でしたが、あれに比べれば今回はおとなしいように感じたのでした。
でも、2回観て、コンヴチュニーの演出スタイルがわかったような気がしました。
◆キャストの人間的側面を深堀していて、その人柄は、どんな場面展開になっても
一致するようによく練られている。
◆指揮者とのコミュニケーションもよく、オケ(ピット)も舞台の一部となっている。
◆観客へのサービス精神を持っている(観ている人を意識している)
というのが、演出の感想です。
実はモーツァルト好きの私も、このオペラを観るのは初めて。2幕だから、休憩1回で3時間以上の上演はかなりキツイ。 スピード感を持って展開する演出を見逃すまい!という気持ちで臨んだので、飽きずに観ることができたように思います。
キャストにオケピ歩かせたり客席に座らせてみたり、音楽止めてやり直しさせてみたり、大道具に日本語を表記するのも魔笛と一緒だわ。上演言語以外の言語(今回は日本語)入れるのもサービスの一環か。
私が見たのはAキャストだったのですが、皆さん好演でした。林美智子さん、相変わらず美しい!悩めるイケメンってところで、幸田浩子さんとの息もピッタリ。感情表現の激しいなヴイテッリアを手を抜くことなく演じきった林正子さんも素晴らしい。そして、これまた悩める皇帝ティト役望月さん、相当大変だったのではないかしら?休憩時間も衣裳のまま(役のまま)ロビーを歩いたりして、皇帝役に徹していました。
いつの世も人は悩み考え、決断して生きてきているのですね・・・
でもやはりセリアは難しい。理解するにはもう1回観たいところで、高橋淳さんのティトも興味あったのだけど、やはり上演時間が長いので2回観る元気はなく、諦めました。
そして、家でお正月に録画しておいた(観ながら寝てしまったので)ジョナサン・ミラー演出のものを観ました。こちらはレチタティーボを全てセリフで処理しているので2時間程度と時間短縮されていたのですよ。ジョナサン・ミラーの演出では、ティトは軍隊の幹部という設定でした。
コンヴィチュニー演出の「皇帝ティトの慈悲」のストーリーやキャストは二期会のサイトをご覧くださいマセ~
二期会オペラ公演ラインナップ
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