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もう終ってしまった話なので今さら感はあるのですが、記録しておきたい大事な公演になったのでやっぱり書いておくことにしました。かなり長文になってしまいましたがおつきあいください。
先週、荒川区民オペラ、ヴェルディ作曲オペラ「運命の力」で、荒川区民交響楽団の一員としてオペラのオケに参加させていただきました。
8/1金曜日終日仕事の後、18時~21時半で2日土曜日組のGP, 2日は3日の日曜組のGPと土曜組本番。3日は日曜日組本番と4回演奏しました・・・1回3時間半ですから本当にハードでした。
数年前まで歌のメンバーとしてオペラの活動をしていた仲間からお誘いがあったのが1月半ば。漠然といつかオペラにオケで、とは思っていましたが、実力的にムリなことはわかっていました。そしてその時期は既に参加している会社のオケ演奏会練習が佳境の頃でもあり、さらにはそのオペラの本番とオケの夏の公演の本番が続くのでさすがに断りました。Cb経験2年目で入れてもらった会社のオケですので、好きなオペラに声がかかったからと乗り換えるなんてやはりできませんから。
しかしメールをやり取りする中で、稽古くらいは見てみたいという気持ちが出てきて、見学に行ったのが2月の半ば。
まだオペラの練習が始まって間もない時期でしたが、荒響メンバーがオペラが大好きというのは音を聞いてすぐわかりました。聞いているだけでワクワク。
見学の後半には一緒に弾いてました^^;
とはいえ、12時半~16時半の会社オケの練習後に18時~21時の荒響の練習に行くのは体力が心配。
その流れの中で会社オケの演奏会も終わり、夏の公演で私はメインに乗らないことが決まり、それなら大丈夫かなと3月後半にもう1度見学をしたうえで参加を決めたわけでした。
また続けている声楽も、一通りやるべきことはやって、ステップアップするのにどうしたらいいかいろいろ考えている時期でもありました。
メールのやりとりは20回以上で見学にも2回行ってキャストも演出関係も全く知らないまま、練習に参加し始めたのは4月の後半でした。このようにオペラ?ラッキー!と飛びついたわけでないのです。
練習は大変でした。何がってまずは体力。
ヴェルディは楽しいので思いのほかワクワクとダブルヘッダーに参加していましたが、20時半頃になると意識が途切れ始めて・・・。バス椅子も疲れるので、翌日はグッタリでした。7月以降は土日の練習で、日曜日の歌あわせは14時~21時という長時間。
そして、歌と合わせるのがとにかく大変。
今回は18人キャストがいたわけですが、オケとは別にソリスト練があり、そこでの様子をマエストロ・副指揮・コンミスなどからオケメンバーにフィードバックされ音楽を作るということをやっていきました。
予想以上にテンポが変わったり延ばすところが長かったり、私自身も歌う立場なのでわかりますが、こんなに人によって変わるものなのか・・・
また、歌合わせは立ち稽古でもあり、物語の順番(演奏順)でないし演技が中心だからしばし音楽が止まる。待ち時間が長い。冷房が強くて寒い・・・
さて、そんな中で印象深かったのは3幕冒頭のアルヴァーロの2曲続くアリア、そしてカルロとの二重唱。このあたりから一気に運命の力が動き出すワケですが、ゆえに歌うほうはすっごく大変(たぶん)。
今までテノールは同じ人類と認めていなかった私も^^、一緒にやっていこうと思うきっかけになったシーンです。
そしてそのアリア前にあるクラリネットのソロがまたすごく美しく・・・ 初めて荒響の見学に行ったとき、これを聞いて参加したいと思ったのは本当です。
運命の力といえば、序曲とレオノーラのアリア「Pace」しか知らない人も多いと思いますが(私もそうでした)、これでもかというくらい素敵な曲満載でした。
これは来場してくれた友人たちが口を揃えて言っていたことです。
打ち上げのときに、アルヴァーロだった川久保さんに3幕の話をしたら「コントバラスのボン・ボン・・・という音を聞くとすごく安心だし、入りやすいんだよね」と。
それを聞いて本当にうれしかった。
私自身もそれをやりたくてコントラバスを始めたワケですし。
今回の経験で私の師匠がいつも言っている「コントラバスの歌」に少し近づけたような気がしました。
また小崎マエストロのお言葉にもたくさん感動しました。
中でも、GP終了直後、本番に向けておっしゃった「一音一音常に新しい気持ちで」。
間違えても飛び出してもそれが新しい音であればいい・・・
「本番でいらないのは反省と後悔」。
これって音楽だけでなく、全てのことに言えるよい言葉だと思いました。
もう1つ大事なこと。荒響の団体として温かさにも感動の連続でした。というか、それがあったから私のような未熟者でもオペラの一員として参加できたのですが。素敵なメンバーと出会えて本当によかったと思っています。
今回トップ裏で弾きましたが裏なので譜めくりがありました。楽譜は67ページですから30回以上ある。超スピードでめくる箇所もたくさんありましたが、トップであるリーダーは譜めくりのあるあたりを全て暗譜していました。 GPでは振り下ろしにスレスレだった私のためにチューニングまでして楽器を用意してくれたもう1人の仲間。Cbは3人でしたが、いつも和気合い合いと楽しく練習できたのはこの二人のおかげです。
また、オケというのはパート(楽器)で集まるのが普通ですが、ここはそういう隔たりもない。
私もいろいろなパートの方と仲良くさせてもらっています。
よく知らない人にも気軽に「こんにちは」「おつかれさま」と声をかけます。
コンミスの存在も大きいです。Vnだけでなく全てのパートを把握していて、演奏中も声が飛び適度な緊張感が生まれて。
オケピットでは全く舞台が見えませんでしたが、狭い舞台を生かした美術で衣裳も美しく、とても素敵な舞台だったと聞いています。DVDが楽しみです。
キャストは一流オケでオペラ経験のある実力のある方ばかり。立ち稽古では私は一番外側の位置で歌に近かったので、素敵な声をシャワーのように浴びてそれは心地よいものでした。
歌と楽器、両立していくのは大変ですが、これもまた愛好者ならではの楽しみ。私自身の中は、歌と楽器という境はなく、メロディと伴奏という関係でこれからも続けていくと思います。どちらかが優先になるのはその時々で変わると思いますけど。
受け取ったモノがあまりに大き過ぎてまだ整理できないでいますが、この1ヶ月は一旦オケはお休みして歌に集中します。歌に関しては第2ステージに差し掛かっていますので・・・。それについてはまた。
尚、Facebookの荒川区民交響楽団のページに運命の力の写真がたくさんありますので、写真はそちらをご覧ください。最後になりましたが、オペラは普通、合唱や歌手側が主催となって制作されますが、荒川区民オペラは荒川区民交響楽団が主催というのも特筆すべきことです。
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