どうやら私は、コロラトゥーラという声種に関して、間違えた認識を持っていたようです。高音を技巧的にころがすのは確かにすごいと思うけど、あまり感情を感じず、それより叙情的な歌のほうがいい!と思っていたわけですが、ころがすのも感情の一部分なんですよね。
いやはや、完璧な歌唱はないと思っていたけど、あるんだ。。。。というくらい、鳥肌が立つ思いだった、ほぼ満席の横浜みなとみらいホールでのエディタ・グルベローヴァのコンサート。
前半はモーツァルトのオペラ、後半はベルカントという構成で、私が知っている曲がほとんどだったので、それだけでも楽しむことができました。
演奏会と言っても、まるでオペラを演じているようだったし、とにかくピンと当たった高音は余裕で、まだまだ上が出そうな勢いなので、高音の曲を歌っているという感じがしないのです。コロラトゥーラも叙情的に歌えるんだ、無知ぶりを発揮した次第
プラス、オケは東京交響楽団だったのですが、アリアの間に(グルベローヴァがお休みしている間)それぞれのオペラの序曲や間奏曲の演奏があり、これがまたブラーヴォでした。オペラの序曲だけを集めて聞けるなんて、普通ないですから。
アンコールがまた素晴らしい。
バーンスタインのキャンディードの「きらびやかに楽しんで」、時節柄?こうもりからアデーレのアリア「田舎娘の姿で」の2曲。
「きらびやかに・・・」は、中音域もきちんと出るようになったら歌いたいと思っている曲なので、これを生で聞けたのうれしかったし、アデーレもこの曲はやってなかったなあとか、あれもこれも歌いたいっ!!!
ベルカントの曲が飽きた、なんて師匠に言った私、まだ全く何も出来てないのに、なんとナマイキなんでしょうと深く反省しながらも、興奮状態で会場を後にしました。
ウィーン国立歌劇来日記念特別演奏会
エディタ・グルベローヴァ オペラ・アリアの夕べ
指揮 ラルフ・ヴァイケルト オケ 東京交響楽団
~本日の演奏曲目~
第1部
♪モーツァルト 歌劇「ドン・ジョバンニ」より
序曲(オケ)
ドンナ・エルヴィーラ 「あの人でなしは私を欺く」
♪モーツァルト 歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」より
序曲(オケ)
♪モーツァルト 歌劇「イドメネオ」より
エレットラのアリア
「イドメネオ王が亡くなられた~この心の中に感じるもの全て」
バレエ音楽K.367より <パ・スール>(オケ)
エレットラのアリア
「心が乱れる~オレステとアィアスの苦しみ」
第2部
♪ドニゼッティ 歌劇「シャモニーのリンダ」より
リンダのアリア「この心の光」
♪ロッシーニ 歌劇「ウィリアム・テル」より
序曲(オケ)
♪ドニゼッティ 歌劇「ルクレツィア・ボルジア」より
ルクレツィアのロマンツァ「安らかに眠っている・・・なんと美しい」
♪ベッリーニ 歌劇「ノルマ」より
序曲(オケ)
♪ベッリーニ 歌劇「海賊」より
イモジェーネのアリア「その汚れない微笑と」
そして。。。。
会場ではテノール歌手、福井敬さんをお見かけしました。
また、黒のロールカラーのインナーに黒パンツ、そしてストールという、いかにも歌手みたいな男性多数、後部座席は歌手のタマゴであろう若い女性でにぎわっていました。休憩時間に「すごくない?」「もう私歌えないかも」「あー、やばいよ。。。」という声がたくさん聴こえてきて、みんなタメイキ。
チケット取ってくれた友人には心から感謝です。実は、師匠(や先生方)以外のソプラノ歌手のソロコンサートはバーバラ・ボニーのみ。考えてみるとメゾとかバリトンのコンサートのほうが多いのでした。
1週間に、日本のプリマに世紀のプリマの2つの演奏会を聞けるなんで幸せだしすごい贅沢なことですね。。。
高レベルの演奏会聴くたびに、そのパワーが乗り移って、翌日自分が歌ったら奇跡的に上手くなってたりしないかな、といつも思うのですが、そんなことはあり得ません、当然ですが。。。。
私の間違ったコロラトゥーラへの認識を改めさせるために、神様が導いてくれたのかもしれません。目指してみようかな、コロラトゥーラ。。。目指そうと言ってなれるものではないですけど。
さ・・・まずは現実に戻ってやることやらないとな!!
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