オランダ流人生やり直しドラマ？

少し前ですが、ディーデリック・コーパル監督のオランダ映画「人生はマラソンだ！」（１２）は、ロッテルダム・マラソンに出場しようと奮闘する中年おやじたちの物語。

自動車修理工場を経営するオーナーが税金を滞納し、払えないと工場を取られてしまうというわけ。そこでスポンサーを見つけて、マラソンに出ようと計画します。

しかし、連中は仕事もしないで遊んでばかりいるダルダルの中年おやじたちで…。ごく普通の人たちががんばって、最後はみんなハッピーになれる人生ものですね。

イギリス映画によく見るジャンルです。マーク・ハーマン監督「ブラス！」（９６）とか、ピーター・カッタネオ監督「フル・モンティ」（９７）。最近なら、マシュー・ウォーチャス監督…

「パレードへようこそ」（１４）も。これからは、オランダ映画にも注目しましょう。ディーデリク・エビンゲ監督「孤独のススメ」（１３）も、最後にはきっとハッピーになれるはず。

オランダの田舎町で、１人静かに暮らすフレッド（トン・カス）は妻に先立たれた初老の男。息子とは疎遠となり、フレッドは人付き合いを避けて暮らしています。

お気に入りのコーヒーを飲み、夕食は６時きっかりに取る。そして、日曜日には教会へ。そんなフレッドの前に、言葉も過去も持たない男テオ（ルネ・ファント・ホフ）が現れます。

彼を帰す家が分からず、いつの間にかテオはフレッドの家に住みついてしまいます。やむなく２人の奇妙な共同生活が始まり、次第に友情のようなものが生まれるのです。

こうして、フレッドの規則正しい単調な日常も変化していくのでした、いったいテオとは何者？そしてすべてを失くした男が、見つけた幸せとは？監督は、本作が初長編作品。

フレッド役のトン・カスは、俳優の他、監督、脚本家としても活躍しているそう。映画に流れるのは、あのシャーリー・バッシーの名曲“Ｔｈｉｓ Ｉｓ Ｍｙ Ｌｉｆｅ （Ｌａ ｖｉｔａ）”です。