眠らない街

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将棋の神に降級せよと言われた男

2005年11月24日 | 棋譜
「対局数100局以上で勝率7割オーバーの棋士は?」というクイズを出されたことがある
(その時の)答えは、羽生、丸山、深浦の3人

深浦と言えば「勝率が良い」「逆転負けが少ない」の代名詞のような存在であるが、どうも認める気には慣れない
居飛車党なのに手を作って行かない、攻めつぶしに行くというリスクを背負わない、相手の間違いをひたすら待っている、ような感じがある
サッカーで言えばリアクション?横浜FM?
羽生、郷田、谷川の格調の高さには遠く及ばない

2005年3月4日、将棋界の一番長い日、A級順位戦の深浦-羽生より。
深浦は引き飛車棒銀の戦型を選択、その銀を4七→5六と繰り替えて「やらせよう」としているところが「らしい」
それに対し、羽生は金を逆に上がり、全体のバランスをとって千日手辞さずの構え。
「さあ、お手並み拝見」「それとも私ともう1局指しますか」と盤外のプレッシャーをかけた。
「引いた相手を崩せるかどうか」という、ジーコジャパンのような課題を突き付けられた。深浦は自分のスタイルを曲げるしかなかった。

第1図以下:▲3八銀△2二玉▲2五歩△同歩▲同桂△同桂▲同飛△2四歩▲2九飛△7五歩(第2図)

攻め筋は▲2五歩ぐらいだが、この形は桂交換しても良くならない。3七に角打ちの隙が出来るのが痛いのだ。つまりこの局面以前に問題がある。
苦労して桂を交換したが、△7五歩が強烈なカウンター。▲同歩なら△8三桂で後手の攻めが厚くなる。
      
本局は120手で羽生の勝ち。
降級争いをしていた鈴木大が勝ったため、深浦は降級した。

深浦は単に羽生に負けたのではない。将棋の神から「居飛車党として在り方」を問われ、将棋の神が使わした試験官羽生に負けたのだと思う。
彼の「羽生世代に宣戦布告」は、まだまだ早かったようだ

#FC東京、新潟戦快勝。11戦負け無し!ササすげー