眠らない街

将棋、サッカー、スノボ、マンガとちょっぴり恋愛話など。

挑発作戦

2008年07月30日 | 将棋
王位戦第2局で、羽生が2手目△3二飛戦法を採用していた。
結果は、逆転で深浦王位の勝ち。

今朝、NEC将棋部の同僚加藤幸男くんと話す機会があり、2手目△3二飛戦法の話をした。
というのは、先日瀬川プロと話した時、瀬川プロは
「2手目△3二飛戦法は、今後はすたれるだろう。先手良しになるはず」
と言っていたので、それについてどう思うか聞いてみたかったから。
「すたれるというか、主流にはならない戦法だと思います」
「何故なら、思想が2手目△3二金と同じだからです」
「?」

言っている意味がすぐに分かる人は少ないと思う。私も説明を聞くまでは?でした。


2手目△3二金というのは、「居飛車党が、居飛車党に、振飛車出来ますか?」と挑発する戦法。
後手からすれば、相居飛車になれば、飛車先の歩突きを保留出来る等、選択肢が増えるけど、振飛車にされれば多少損が残る
だから、振飛車党に対して、2手目△3二金は意味がない。人を見る戦法と言う訳。

一方、2手目△3二飛というのは、「振飛車党が、居飛車党に、振飛車出来ますか?」と挑発する戦法。
後手からすれば、居飛車vs振飛車になれば、後手で石田流に出来るメリットがあるけど、相振飛車になれば、先手が角筋を止めずに駒組み出来るという選択肢が増える。
ぶっちゃけ、相振飛車にされると後手メリットはないし、形を決め過ぎているという損が残る

・・・説明を聞いて納得。
で、幸男くんからすると、「人を見る戦法」というところが「主流にならない」云々になっている。
それにしても、24道場で2手目△3二飛をやられる場合があるけど、ラッキーと思わなくちゃイカンということですな。
残念ながら、そのように思ったことは皆無でした・・・(泣)


ところで、このパターンは他にないのだろうか?
「A党が、B党にB裏出来ますか?」
A、Bが居飛車、振飛車の2種の組み合わせならば、4通り出来るはず。
①「居飛車党が、居飛車党に、振飛車出来ますか?」
②「振飛車党が、居飛車党に、振飛車出来ますか?」
③「居飛車党が、振飛車党に、居飛車出来ますか?」
④「振飛車党が、振飛車党に、居飛車出来ますか?」

①は、2手目△3二金(第1図)。
②は、2手目△3二飛(第2図)。
③は、ちょっと難しいけど、2手目△6二銀(第3図)。

タイトル戦で、羽生が谷川に対して用いたことで、一時期話題になった。
しかし羽生は、将棋世界2006年10月号「イメージと読みの将棋観」の講座で、
「振飛車で来てくれるなら有力な作戦です。しかし居飛車で来られると受け身になり易くてつらい」
と語っています。
また、同講座では、渡辺、谷川、佐藤、森内、藤井も共通の見解を述べています。
2手目△6二銀と言えば、アマでは有名な「英春流」の出だしですが、これはプロの目から見ると厳しいということなんでしょうね。
将棋世界のアマプロ戦、北浜プロ-桐山アマ戦でも、北浜プロは自戦記で先手が指せると書いていたっけ・・・

④って、あるかなぁ~
少なくとも、2手目で挑発する作戦はないと思う。
誰か知っていたら教えてください(笑)

好きだけど、帰れない

2008年07月21日 | 日記
久々の「あいのり」ネタ。

「あいのり」に限らず、告白するタイミングはとても重要だと思っている。
大きく分けて2通りのケースがあると思う。
1つが、自分の気持ちが溢れた末に告るケース。
自分の中で、テンパッてテンパッてどうしようもないから、告白するというもの。
もう1つが、「機は熟した」と判断して告るケース。
相手をよーく観察し「これなら告ってOKになるはずだ!」と狙って告白するというもの。
主体を、自分に置くか相手に置くかの違い。
で、「あいのり」で言えば、前者は撃沈率高しで、後者はカップル成立無事帰国になることが多いように思う。

先週、宮くんが、桃に告白して撃沈。
宮くんのケースは、後者だと思っていた。
宮くん自身、テンパッていたと思うけど、桃が弱気になったところで、頼りがいのあるところを見せた。さらに純粋さあふれる告白。
タイミングも良かったし、「伝わる」告白だったように思う。
久々の当確マークだと思っていたので、この結末には本当にビックリした。
「宮くんを好きになれなかった」
数週に渡って仲の良いところを観ていたので、こういうモンなんだ・・・と女性不信になりそうだった。
宮くんは、自分の成長を実感出来たこともあり、
「桃には幸せになって欲しい」
と言っていた。
さわやかと言えるけど、何か物足りない。

今週、クロがコースケに告った。
宮くんから勇気をもらったということもあると思うけど、雰囲気に乗せられてしまったような気もする。ちょっと早かったのでは思った。
しかし、告白の直後のコースケの涙。
翌朝、クロと対峙した時の
「いつしかクロを目で追っている自分がいて、好きになっていた」
の一言。
「おおー!やったか!」
と思ったのもつかの間、
「でも中途半端はしたくないから・・・」
「好きだけど、帰れません」
マチャミも言っていたが、訳分からん。分かるような気もするけど、やっぱり分からない。

ラブワゴンが去って、クロの独白が始まる。
「好きって言ったよね。言っていいんですか!?」
「軽々しく、「好き」って言わないで欲しい」
あいのりは、告白以外で「好き」と言ってはいけないルール。
押さえていた感情をやっと解放出来たクロの「好き」に対し、コースケの「好き」はどういう重みがあるんだろう?
クロの言い分は理解出来る。一方、コースケにも言い分はあるはずだ。
私は一方の言い分だけ聞いて、一方に味方することはしないようにしているが、クロの言い分には共感出来る
「帰れると思っちゃったよ!マジむかつく!」
「何がいけなかったんだろ」
「すがれば良かったのかな・・・すがりたくなっちゃったよ~」
「私の一生懸命を振ったんだから、いい恋して日本に帰って来て欲しい」
「・・・いっぱい後悔すればいいんだ!!」

「好き」と言われた後に振られて、混乱してると思う。
コースケを想いやる気持ちがある反面、「愛しさ余って憎さ100倍」も出ている。
この場合、「憎さ」というより「恨みつらみ」の「つらみ」という感じだろうか。
でも、
「・・・いっぱい後悔すればいいんだ!!」
これが好きってことなんだと思う
こう書くと、非難轟々になって、ヒトデナシみたいに言われるけど、こと恋愛に関しては、モノ分かりが良すぎるのも物足りない。
もっとドロドロしていて、デコボコしたオフロードの道の先に光があるような気がする。
「あなたの好きってそんなモン?」
エゴを前面に出して相手に迷惑かけるのは問題だけど、本気ならエゴ丸出しだっていいんじゃないか

言うか言わないかの差。誰でもそういう面は持っている。
「不幸になればいい!」
「大いに後悔しろ!」
「自分を振った罪悪感にさい悩まされればいい!」などなど。
自分と一緒じゃない相手の不幸を思い浮かべるというのは、自分と一緒だったら幸福という裏返し。

ストレートに
「・・・いっぱい後悔すればいいんだ!!」
と言って笑顔を見せた女子大生クロに、自信と清々しさを感じました。

バッケンレコードを越えて

2008年07月14日 | その他
7月12日、何気なくTVを観ていたら、その番組が放映されていました。
タイトルから想像出来るように、スキージャンプ選手を追いかけたドキュメンタリー。

北海道大倉山ジャンプ台のバッケンレコードを打ちたてた金子選手、家族、そして、婚約者のストーリー。
トリノオリンピックを数か月後にひかえた金子選手、練習中の事故で、生死をさまよう大けが・・・10日後に意識を取り戻す。
しかし、
「これはなんて動物かな?」
絵を見せられて、答えられないほどの記憶障害と後遺症。婚約者の名前すら出てこない。

言葉と記憶を取り戻すリハビリ。懸命にサポートする婚約者。
金子選手の前では、笑顔を絶やさない婚約者の気丈さと強さ
このリハビリの最中、ふとジャンプのポーズをとる金子選手。
無意識の中のジャンプへの情熱。
そして奇跡的な回復。
事故後、初めてのジャンプ。喜びと充実感。
結婚。大けがを乗り越えた2人。幸せなひと時。

一転して、所属チームからの引退勧告。ジャンプ選手として復活が難しいと突きつけられた瞬間。
それでも、前を向く金子選手とその奥さん。

そして・・・奥さんの病気。癌
療養で離ればなれの生活。
「今度は俺がサポートする番だ」
と力強く決意する金子選手。

これほどまでに、試練を与えられなくてはいけないのだろうか・・・と思ってしまう。涙なしに、観ることが出来なかった。
自分が言うと、月並みでしらじらしく聞こえるので、「愛」という言葉がどうも苦手。
でも「バッケンレコードを越えて」には、深くて曇りのない「愛」が凝縮されていた。

まだ観てない方は是非

信用、凡戦、勝負の機微~櫛田-森下戦から

2008年07月08日 | 将棋
羽生がタイトルを防衛した時など、将棋世界の企画で「羽生の強さを探る」的な座談会形式の読み物が載ることがある。

「羽生は終盤間違えない」「若い頃よりも正確になってきた」「序盤も終盤も凄い」などなど。
羽生と対戦する棋士は、羽生やや良しで終盤を迎えた時、それが微差だとしても勝負をあきらめてしまうことがあるという。
また、対羽生戦で難解な終盤を迎え、羽生が千日手模様で粘った時、打開せざるをえないという。
打開出来ないのは、羽生ともう1局戦って勝てる気がしないし、もう1局羽生と指すことがしんどいから。確信が持てなくても自ら打開し、結果、指し過ぎてしまう。
つまり「羽生ブランド」を信用しているから。
この「信用」の威力は凄い。信用して投げてくれる、信用してクソ粘りをしてこない。
勝負における「信用」とは、強さを認めさせること。

先日の「NHK杯櫛田-森下戦」の日記は、ところどころ修正している。
修正前の「信用を失くした」云々がどういう意味かは、前述の羽生の例を見れば自明だと思うが、表現的に誤解を招くのは確かだから。

あの局は凡戦だ。
楽天野村監督のボヤキを想像させるようなと言えば、程度が分かると思う。
私的に、振飛車の中盤の捌きは参考になったが、居飛車穴熊唯一の勝ち筋~しかもワナを張って待ち構えていた筋~にみすみすハマったのは、残念でがっかりの一言。
櫛田六段は、▲3九金打△5九歩成の後の▲4二桂成を、文字通りノータイムで指していた。勝ちと思って舞い上がったのかもしれない。しかし、唯一の負けルートに飛び込んでしまった。
また、勝った森下九段も「名竜」挑戦の面影は見られなかった。

今、角道を止める振飛車は、全体的に苦戦している。
将棋世界の記事を見ると、後手が角道を止める振飛車は勝率4割に満たないらしい。
その中で櫛田六段は、四間飛車で立ち向かっている。ゴキゲン中飛車をやらないノーマル振飛車党の私としては、頑張って欲しいと思っている。
だが、櫛田六段のスタイルの四間飛車は、どうしても主導権が取れない
女子バレーの柳本ジャパンのような感じで、個々に勝っている部分はあるものの、高さという武器を持った相手には、辛抱を強いられるし、自分のミスが致命傷になり易い。
対抗するためには、サーブで崩す、サーブレシーブの強化、コンビ攻撃など、高さによるアタックの強さ以外の部分の強化、精度向上が求められる。とりわけサーブレシーブの強化は必須だろう。
櫛田-森下戦を観戦しての櫛田六段への感想は2点。
1点は、サーブレシーブをもっと強化しないと居飛車穴熊相手にはツラいだろうなということ。
△4一金は確かに妙手だけど、穴熊の常套手段であり、居飛車穴熊に挑む振飛車党は、例外なく1回以上食らっている手筋。
櫛田六段としても、この類の手に煮え湯を飲まされた経験があるはずで、何故櫛田六段のセンサーに引っ掛からなかったのか不思議なほど。
▲3九金打に対し△4一銀まで心配していた櫛田六段だから、読みが発散していたのかもしれない。
もう1点は、櫛田六段を相手するプロは、皆、居飛車穴熊を選ぶだろうなということ。
これも信用・・・仕方ない。

また、凡戦と書いたなら、自分なりの切り口で理由付けしたくなる。
将棋の観戦記は、プロやその道何十年の将棋番記者が書いたものであるが、指し手の解説や描写は素晴らしいものの、「勝負の機微」を書いたものは少ないと思う。
先崎八段の連載では、プロならではの「勝負の機微」論を読むことが出来た。
阿部八段のTV解説などは、これを前面に押し出してくれて結構好きだ。
でも、これらはホント少数だった。
今から10年くらい前、私が調布将棋センターで将棋を指していた頃、元奨励会の先生、常連、元学生名人、某全国区の強豪など、そうそうたるメンバーにもまれて、「ここはこうやるもんだ」「こういう手は例外なく悪い」などの「勝負の機微」感を叩き込まれた。
そう言った貴重な財産を、読み物として出してみたいと思っている。
巨人ファンがいても、FC東京サポがいても、櫛田六段ファンがいても、ジャンル関係なく好ゲームは好ゲームと書くし、凡戦は凡戦とハッキリ書く
熱のこもった好局でも、個人的につまらないというものは、どうしてもあるなぁ~興味の有無は仕方ない。

表現には気をつけますが、凡戦を「いやぁ~熱戦でしたね」などとは書けません。

NHK杯櫛田-森下戦

2008年07月06日 | 棋譜
がっかりした一戦
最近、好局の多かったNHK杯だけど、本局は本当にがっかりした

森下九段は、竜王と名人双方に挑戦したことのある棋士。私が好きな棋士でもあります。
櫛田六段は、アマトップがプロ入りした例として、先駆け的な存在
今、アマ棋戦に優勝すれば、奨励会三段で受験して編入する制度があるけど、それ以前では、年齢制限前のアマが奨励会初段を受験する方法しかなかった。
吉田正和三段のケースが記憶に新しいが、櫛田六段もそのルートでプロ入りしている。
そして「櫛田陽一」と言えば、私の年代のアマにとって「ブランド」でもあった。
将棋世界7月号の先崎八段の連載にもあったけど、櫛田六段は、アマ振飛車党の格好のお手本。これは私も同意見。
振飛車は中盤が命。中盤、細かい手順で少しずつ優位を築いていく「櫛田世紀末四間飛車」は、櫛田六段の成績はともかく参考になる手順の連続なのです。

しかし、がっかりした。
森下九段にも、櫛田六段にも。終局が11時36分ってなんなんだ。

第1図は、中盤、櫛田六段が仕掛けたところ。細かい局面の違いはあるけど、部分的には定跡型。

第1図以下:△8四飛▲5五歩△6四歩▲同歩△同銀▲5四歩△同金▲5八飛△5五歩▲6三歩(第2図)

居飛車穴熊の7三桂+4二角の攻撃陣を、振飛車が6六銀型で迎え撃つ場合、振飛車は6八飛型、または、6九飛型どちらにするかがポイントになる。
どちらにも主張があるけど、一番の違いは、6八飛型は▲5九角と引けないという点。
▲5九角と引く余地を作るため、▲5八飛としなければいけない変化がある。
この戦型、自分的には、振飛車が指せる!という印象がない。
▲6三歩もやりたい手ではあるけど、定跡書では「意外と働かないと金」みたいな解説になっている。


第2図以下:△8六歩▲同歩△6五桂▲5九角△7五銀▲6五銀△同金▲6二歩成(途中図)△6六銀▲5二と△7五角▲7八飛(第3図)
「意外と働かないと金」になってしまうのは、角が7五地点に出られた場合、目標がなくなってしまうから。
それでも本譜、角の活用を図るためとは言え、△7五銀は感触が悪い。
振飛車から見れば▲6五銀~▲6二歩成は当然。居飛車は7五銀と6五金の形が悪すぎる。
途中図の局面は、やや振飛車良し
更に△6六銀が感触が悪い。▲7八飛までの局面は、飛が捌ける目処が立ち、振飛車絶好調!

森下九段は、感想戦で「▲7八飛を見落とした」と言っていたが、こんなに簡単に悪くなるものだろうか。
何か「読みの精度」が悪い印象・・・好きな棋士なんだけどなぁ~


第4図は、第3図から数手進んだ局面。
▲5四桂とした局面ですが、これが俗手の好手。
櫛田六段の着手が早く「他の手には見向きもせず」という感じだった。▲6四角はいずれ指すけど、後手の銀を使わせようという狙い。
第4図時点で、11時25分頃だった。

第4図以下:△3一銀打▲6四角△8六飛▲4二と△8九飛上成▲3二と△同銀▲3九金打(第5図)

▲6四角とすれば一直線に進む。
局面は振飛車が優勢でなければおかしい。だから「見つけられるかどうか」にかかっている。
▲3二と△同銀まで進んで、次の手が勝負の分かれ目。
「▲3九金打」
解説の中村九段が、即座に言った。
「この手はどうでしょうかねぇ~」



第5図以下:△5九歩成▲4二桂成△4九と▲3二成桂△4一金▲2二成桂△同玉▲4九銀△同飛成▲同金△同竜▲3九銀△5五桂▲4二飛△同金▲同角成△2九飛 まで108手で森下九段の勝ち(投了図略)

▲3九金打は一目悪そうな手。私の口癖で
「悪そうな手だなぁ~」
というのがあるけど、この手が指された時もこう言った。
中村九段も、手順を読み切ったわけではない。感覚が「この手はどうでしょうかねぇ~」と言わせている
中村九段に限らず、プロなら10人が10人ともこういう第一感を持つと思う。
麻雀で言えば「指が嫌がる打牌」という感じだろうか。

局後の感想戦では、第5図の1手前の局面で、▲4二桂成でも▲3九金打でも難解ではあった
※▲3九金打の変化は、以下△5九歩成▲同角△同竜▲4二桂成。
この変化は▲5九同角がポイント。

ただ、▲3九金打△5九歩成▲4二桂成だけはあり得なかった。△4一金がピッタリ過ぎる。
アマでも県代表クラスになれば、読み筋の中に△4一金を組み込んで指すことは難しいことではない
▲3九金打が感触が悪いというのを理由付ければ、「攻駒が少なくなる」「その金はと金で取られる」「攻駒が少なくなったので相手に受けの余地を与える(△4一金を誘発する)」ということになる。
勿論、時間があれば感触が悪い手の中にも「利害の利」を見つけられる可能性があるが、それは「居飛車穴熊が手ぐすねひいて待ち構えている見え見えの罠」を一発で見破っていることが前提である。
仮に△4一金が見えていなかったとしても、居飛車穴熊に美濃囲いで挑む振飛車党は、「これは一発食らう手だ」という危機察知というか、センサーが備わっているもんだ。
中村九段は、一時期四間飛車を指していたから、そういうセンサーが反応してのコメントなんだろう。

センサーに反応すれば、後の手順は読めてなくても「見切り」で指す。
「見切り」で▲3九金打でなく、▲4二桂成と指す。
以下、△4九飛成▲同銀△同竜▲3九金打。この局面、居飛車穴熊は絶対詰まない形なので、これも嫌な流れであることは間違いない。
でも、これで負けるならば、TVの先のアマ振飛車党は本望だろう。△4一金を食らって負けるよりは
「△4一金を見落としました」
などとプロに言って欲しくない。言われたらアマ振飛車党は悲しすぎる。

本局、▲3九金打でも形勢不明だったという事実はあまり意味がない。
それは、プロが3人集まって、調べあった末の結論。
1手30秒の秒読みで、そんなに正確に指せる訳がない。だからこそセンサーが重要だし、指運と言われる将棋も、センサーの優劣であることが多い。

本局は、森下九段の出来もイマイチだったが、櫛田六段のセンサーの衰えを目の当たりにしたという意味でもがっかりだった。

バーカ~6月25日~30日

2008年07月05日 | 八海さん
6月24日に逢って、そこで誕生日プレゼント~というかラブレター~を渡した。
彼女と別れてからメールを全て削除し、メールフィルターを設定。
その後、「今日、時間を取ってくれてありがとう」という内容のメールをした。
メールフィルターには、送信元にエラーが返る設定と、送信元に何も返らない設定の2つがある。
前者に設定したのは、私が何かしら期待しているからかもしれない。
自分がふっ切るのが目的ならば、彼女を思い起こさせるものを全て排除すればいいだけの話。
「あなたを拒絶しています」という態度を見せることによって、彼女のハートにチクリと刺したいからなんだと思う。

6月26日、Nさん経由で、彼女からメール。
「メールが繋がらない事情を教えて下さい」
26、27日と、このメールを無視した。

6月28日、ちょっと根負け気味
2日間無視したから、事情教えての催促が来るかと思っていたが、何もなし。
オレはひねくれている。催促されたいんだ
彼女が
「どうしてなの!ねぇどうしてなの」
と言ってくることを期待している。
しかし何もないから、結局、こちらから催促するハメになり、電話を入れた。
繋がらず、留守電。
「Nさんから転送されたメールを見ました。何か用でしょうか」
28、29日、彼女から連絡なく、
「何なんだよ!アイツ」「八海コ~!電話よこせよなー!」
を連呼することになる。
駆け引き(?)というものがあれば、彼女の方が上なんだろう。
でも実際は、彼女は何も考えていないし、私のことも眼中にない。
それがどうにも悲しい。

6月30日、会社の昼休みに彼女から電話
「何か用があるの」
「いえ、CDありがとうってメールしたら、繋がらなかったから」
案の定・・・
「別にいいよ。お礼なんて。そんなもんじゃないし」
「大した物じゃない」という意味ではない。困ることを承知のラブレターだから、「「ありがとう」なんて言うな」という意味。
「なんで繋がらないようにしているの」
「うーん・・・ないしょ♪」
「ないしょ!?」
「そう、ないしょ♪」
「拒否してるってことでしょ」
「ないしょ♪」
「なんで?」
「・・・じゃあ1つだけ。メールでやり取りすると、また誤解するだろ」
「う~!そうかぁ・・・」
「別に連絡する手段がないわけじゃないし。電話は使えるよ」
「電話強制なの?」
これはスルーした。
「あのさ!Nさんに転送頼まずに、直接連絡してこいよ」
「Nさんには通じないうちらだけの話もあるし、迷惑じゃん」
迷惑なんてカケラも思っていない。安直にNさんに頼るところが面白くないだけ。
メールが繋がらなくても、私と話す方法は4通りくらいある。自力でどれかに辿りついて欲しかった。
「電話するってことに頭が回らなかったもんで・・・」
「そっか。じゃあ」
「うん」
ちょっと嬉しかった。気にしてもらえているという事実が。直後にメールした。
「繋がらない理由は想像通り」
「何故そうしているかは、2つ理由があるけど、もう1つは言えません」
「CDは聴いてないでしょうねぇ~。聞いていたら、ありがとうとは言えないと思う」
「気付いてる?」
「あの2曲は、先週の日曜までの自分のラブレターなんよ」
「・・・」
「信じるなよな~バーカ♪」

しゃべり過ぎてるな・・・後から読み返すと、恥ずかしいを通りこしてイタい。自己嫌悪。
・・・あぁ・・・
また話したい。
また話したい。
また話したい。
また話したい。

悔しくない敗戦

2008年07月05日 | FC東京&サッカー
結局1点も取れないどころか、後半永井にカウンターからゴールを決められ、0-2で負け。

負け惜しみと取られそうだが、全く悔しくない。
東京のサッカーの方が、遥かに上ということが分かったから。
後半、自由自在にボールを回し、主導権を握っていたのは東京だった。
浦和は個々の選手のスキルで凌いでいたに過ぎないし、東京のスキル不足が助けていただけ。

今の浦和は、居飛車穴熊が出た当時、固さと腕力だけで勝ちを稼いでいた学生強豪と同じ。そこには、本筋は存在しない。
私が調布で本筋に触れたように、東京は本筋を身につけようとしている。
右肩上がりのその先には、、Jを席巻する姿があるはず。
今日の負けは出世払いだね。

アウェイ浦和-東京戦

2008年07月05日 | FC東京&サッカー
開始直後、かなり浮き足だっていたけど、オフサイドで救われてから冷静さを取り戻したね。
エジミウソンに縦パスが入る前につぶせるようになってきた。

0-1で負けているけど、相手の強さを見切ったと言う意味では、勝ちパターンになっていると思う。
浦和のサブに良い選手はいるけど、ジョーカーはいない。
カードなら、東京の方が、流れを変えられる選手が揃っている。
東京の懸念は、やっぱりカボレ。引っ張り過ぎてもダメ。
いつ赤嶺に替えるかがポイントになりそう。

点が取れるかどうかだよね。

悩み中~7月1日

2008年07月01日 | 八海さん
「明日、東京駅で」の後の話について。

6月23日の夜から6月24日に彼女に逢うまでが1話分。
彼女に、半年間の自分の想いを多少なりとも知って欲しいところがあって、自分が持っていたシングルCD2枚を彼女の誕生日プレゼント~というよりラブレター~にした。
彼女に逢うまでは、心臓がバクバクしていた。意識が飛ばないように・・・というのは、誇張表現ではない。
気を抜くと本当に持って行かれそうな感じ。
東京駅に着くと、彼女から連絡があり「日本橋口で待ち合わせたい」「やっぱり変更!八重洲北口!」「八重洲北口に着いたら電話して!」など、勝手なことほざいている。
・・・とまあ、こんな感じ。これをいつものように長ったらしく書く予定。

6月24日、彼女に逢ってからのやり取りを詳細に書いて1話分。
久々にあった彼女の印象。初めてみたメガネ姿。オレンジのTシャツが似合っていたこと。意外と胸が大きく目のやり場に困ったこと。
でも、私の知っている彼女ではないような感じがしたこと。
スノボの雑談。核心に触れる話~あの時の心境。何時会うつもりだったのか?などなど。
そして、この恋愛は結局何だったのかということ。
これが本当の最終回。

飛ばした話は、「傷つけ合った末」の直前。どのような経緯で傷つけ合うことになったのか?
自分のエゴがモロに出る話なので、書きづらい。書かないかもしれない。


今、悩んでいる。
6月24日に彼女に逢った時、頭の中だけでなく、もう終わったのを実感した。未練も何もなかった。
メールは全て消した。彼女からのメールは、受信しない設定にした。
彼女から「CDのプレゼントありがとう」などと書かれたメールを見るのが嫌だから。
あの2曲を聴けば、少なからず私の想いの深さが分かるはず。
振った男の想いの深さを分かったところで、彼女にしてみれば迷惑以外の何物でもないだろう。
私は、彼女が困ることを承知で、あの曲を贈っている。それが「ささやかな抵抗」な訳。
それに対して、ありがとうと言われたら、こちらは立つ瀬がない。それか曲を聴いていないに決まっている。
彼女は、そういうことを平気で、天然で、無自覚で言いそうだから嫌だ。

彼女が、Nさん経由で送信不可(PostErrorが返る設定になっている)の理由を聞いてきた。ほっとけばいいのに。
「八海コからです↓(伝書バトかよ!)」
「メールが繋がらない事情を教えて下さい」
何故、理由を聞いてくるのだろうか?
Nさん経由ならば送信出来ると思っている時点で、拒否られていることは分かっていることになる。
拒否られているならば、用件を転送すればこれっきり。これで全て終わる。
用件でなく質問。
「メールが繋がらない事情を教えて下さい」
「事情」・・・?「理由」じゃなく?
違和感の残るキーワード。
何故繋がらないか、何故そういうことをしているのか、その両方を聞いているのだろう。
何故そういうことをしているのかと、Nさんを経由してまで聞きたいということは、オレと話したいのか?
・・・また考えこんでしまった。そうやって考えるごとに、頭の中の彼女の割合が増えて行く。悪循環。
一方で、安直にNさんに頼るところも腹が立つ。
「お前!理由を聞きたいんじゃないのか!?何故、人を頼る!直接電話をかけてこいよ」

無視したかったが、無視し切れない自分がいた。
で、彼女と先日、電話で話した。
それ以来、また話したくなっている。
ドツボ・・・ビョーキだ。