眠らない街

将棋、サッカー、スノボ、マンガとちょっぴり恋愛話など。

およげタイ焼きくん

2009年05月30日 | その他
「毎日、毎日、ぼくらは鉄板の上で焼かれて嫌になっちゃうよ~♪」

タイ焼き屋さんを見ると、何げに歌ってしまいます。
最近、薄皮タイ焼きのチェーン店が増えてきていますが、薄皮タイ焼きよりも昔ながらの生地の厚いタイ焼きの方が好き。
つーか、タイ焼きのうまさは生地とあんこの絶妙なバランスだと思うけど、何故バランスを無視して薄皮にこだわるのか理解出来ません。

さて、冒頭の「およげタイ焼きくん」の歌詞ですが、恐るべき事実に気付いてしまいました。
この歌の世界では、タイ焼き1個が1人格(?)ではないのです。

主人公のタイ焼きくんは、毎日毎日焼かれています。
お店のご主人は、売れなくて冷めたタイ焼きを焼き直しているわけではないでしょう。
つまり、毎日焼かれているタイ焼きは別モノで、別モノだけど共通の人格(?)を持っていることになります。

・・・

「いいの、私は3人目だと思うから」

#上田-村田戦の記事は、現在作成中です・・・

Ladies Holly Cup~上田女流-村田女流戦

2009年05月22日 | 将棋
将棋倶楽部24で上田女流二段vs村田女流初段の対局が行われています。
現在、ライブ観戦中。

先手上田さん、振りアナ。後手村田さん、居飛車銀冠から穴熊に組み替え中。
現在40手目の局面。
村田さん小考で、△8六歩と仕掛けました。

以下、▲同角△8八歩▲7七桂△8九歩成が予想されますが、これはひと目ダメと私が思った手順。
一気に終盤戦になりそうです。
私的には△7四歩としたかったけど・・・

ところで、暫定ですが、上田さん2500点、村田さん2484点。
私より上の点数です・・・

対羽生戦を実現させて下さいっ!!

2009年05月19日 | 将棋
将棋の瀬川四段がフリークラスを脱出し、順位戦C級2組に昇級しました。

瀬川さんは、私が所属するNEC将棋部の師範で、サラリーマンからプロに編入した棋士。
「編入」の一言で書いたけど、当時(4年前)は、編入の制度自体がなかった。
アマチュアで実績を上げ、実績を上げるとプロの公式戦出場へのお呼びがかかる。
そこでプロ相手に好成績を収めた。収めてしまった。
元プロの卵で、年齢制限で退会した過去を持つ瀬川さん。
瀬川さんが、
「プロになりたかった」
「今でもプロになりたい」
・・・と昔の夢、今の夢を語ると、瀬川さんを慕うアマチュアの強豪の協力や、世論の後押しもあり、編入への門戸が開かれ、編入試験が特例で実施。
その編入試験に合格し、4年前晴れてプロの一員になった。

プロになってからも、フリークラス脱出という高いハードルがある。
今までのフリークラスは、知らない人にイメージし易い言葉で言うなら、「体験入店」みたいなもので、成績が悪いと「本採用」にならない。
今回の昇級で、本当の意味でプロとしての足固めが出来たと言える。

・・・と、将棋界を知らない方への説明でした。
正確な表現とは言えませんが、おおよそ上記のような流れ、状況だと思ってください。

さて、本題。
瀬川さんは、5月15日の対局で勝利し、C級2組昇級。
5月16日、NEC将棋部例会に師範として参加し、部員への指導。
その後の祝勝会兼打ち上げで、部員各位の手厚い祝福を受け、満面の笑みを受かべていました。
祝勝会の後半、瀬川さんの感想で、
「努力してもすぐには結果は出ないけど、努力しないとすぐに逆の結果が出てしまう」
というのが印象的でした。実感のこもった苦労して苦労して目標を成し遂げた人の言葉という感じがします。

以下は、私と瀬川さんの会話。
「瀬川さんは、羽生名人と公式戦で指したことがあるんですか?」
「いえ、まだないですね」
「A級の先生とは指したことがあるんですが・・・」
「でも、アマの頃の方がA級の先生との対局は多かったですね。久保さんとか久保さんとか」
瀬川さん、普段はクールで真面目な人ですが、お酒が入るとジョークやウケ狙いの言葉が多くなります。
「是非、近いうちに羽生名人と指して下さいよ!」

プロからすれば、羽生名人と指すのは大それたことではありません。
しかし、アマの頃の瀬川さんが「プロになりたい」という夢を持っていたのと同時に、
「公式戦で羽生名人と対局したい」
という夢を持っていたらどうだろう?
NEC将棋部の誇るアマ棋界トップ中のトップの清水上くん、加藤幸男くんの両名でも「公式戦で羽生名人と対局したい」という夢を語ったら、大半の人が夢のまま終わると思うだろう。
少なくともアマが抱く夢としては、実現確率がほとんどゼロのような夢。

瀬川さんが羽生名人との対局を実現し、
「アマチュアの頃からの「羽生名人と公式戦で対局する」という夢が叶いました」
とコメントしたら、この叶った夢はプロになるのと同等以上のドリームだよね。
夢の大きさから言えば、こっちの方が上なんじゃないか。

夢はデッカく!
近いうちに、羽生名人との対局を実現し、是非こうコメントして欲しいなーと思う。
実現確率がゼロのような夢、でも道は細いけど存在している。
サラリーマンが羽生名人と指すという夢が叶う瞬間を見たら、少しずつそういう夢を抱く者が増えるだろう。

女子プロレスがアツい!

2009年05月10日 | その他
昨日、スカパーで偶然女子プロレスを観ました。
適当にチャンネルを回して、男性プロレスに合わせたと思ったら、実は女子プロレス。
でも、90年代マイブームだったこともあり、かなりワクワクしながら観戦していました。

私がマイブームだった頃、女子プロレスは以下の団体がありました。
・全日本女子プロレス(以下全女)
北斗晶、堀田由美子、豊田真奈美、アジャコング、ブル中野、井上京子、井上貴子、三田英津子、下田美馬、KAORU、吉田真理子、伊藤薫、渡辺智子など。
後に、長谷川咲恵、中西百重、高橋奈苗などの有力選手を排出。
選手層の厚さ、興業数の多さ(年間250以上行っていたはず)で、当時、女子プロレスは全女を中心に回っていた。
・LLPW
神取忍、ハーレー斉藤、立野記代、風間ルミ、紅夜叉など。
選手層は厚くなかったが、神取忍という絶対王者がいることで、存在感があった。
・JWP
キューティ鈴木、ダイナマイト関西、尾崎魔弓、ボリショイキッド(コマンドボリショイ)、プラム真理子など。
ジャパン女子という団体が解散した後、その所属選手が中心となった。
プラム真理子選手は、ストレッチプラムという必殺技の使い手(全日本の川田利明の得意技)だったが、若くして急逝された。
・FMW女子
工藤めぐみ、シャーク土屋、ナース中村(バッドナース中村)、クラッシャー前泊など。
90年代、女子プロレス軍団抗争のきっかけは、FMW女子の選手が全女の興業に乱入したのがきっかけ。
・その他
時期はずれるけど、90年代後半(だったと思う)、元クラッシュギャルズの長与千種が興した団体がある。

スカパーの放映はOZアカデミーというアジャコングが中心の団体の興業で、豊田、アジャ、井上貴子、KAORU、ダイナマイト関西、尾崎魔弓、私の知らない若手が参戦していました。
豊田のジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックス、KAORUのエクスカリバー、アジャの裏拳、井上貴子のディステニーハンマー、ダイナマイト関西のスプラッシュマウンテン、尾崎魔弓のテキーラサンライズという必殺技が出る度に、昔のワクワク感が戻ってきましたね。
90年代のような水着でなく、井上貴子などショートパンツ&黒を基調にしたSMの女王様ちっくなコスチュームで見せ方もグッドでした。
#それにしても、井上貴子、いまだキレイで美人だわ。

また、アジャの灯油缶やKAORUのベニヤ板(注:キャラクターを確立するためのアイテムとして、コスチュームだけでなく、選手の代名詞と言える凶器を持っている)を使った攻撃なども当時そのままで、ホント懐かしかったです。

若い選手がチャンピオン。私の知る選手がヒールという構図でしたが、私の知る選手の実力からは、若い選手とはまだまだ差があるように思えました。
それにしても、私が知っている前述した選手たちは、30代後半~40代前半(神取忍が45歳)なんですが、技術としてのプロレス、インサイドワークとしてのプロレス、ショーとしてのプロレスが上手いですね。
3点目は誤解を招きやすいですが、見せ場を後半にしっかり持ってくるとか、観客の呼吸を外さないとか、そういう「場を読む能力の高さ」を感じさせます。

ところで、若い選手の中に要注目の選手がいました。
松本浩代という選手なのですが、動きがきびきびしているし、力強いし、根性もある。
ちょっと調べたら次世代のエース候補らしい。
一気にファンになったので、今後もどんどん伸びて行って欲しいです。
#松本浩代選手が書き込んでいる「息吹」のブログはこちらからジャンプ。

東京-京都戦~得点のニオイがしません(泣)

2009年05月10日 | FC東京&サッカー
0-0で今季初の引き分け。
判定がおかしく、再三プレーが止まるので、流れがぶつ切りになるという点はありましたが、それでも何とかしなきゃね。

京都から得点のニオイはしませんでしたが、東京も同じ。
いえ、シュートは打っているし、惜しいヘッドもあるんだけど、19本シュートを打っている割に枠に飛んだシュートがあまりにも少ない。
平山のヘッド2発は、いずれもドンピシャのタイミングで、競っている相手DFの頭の上で合わせているので、スゴイんだけど勿体ない。
後半のコーナーキックで、大竹がキッカーになる時、応援が最高潮になるけど、裏を返せば、それぐらいしか得点の雰囲気を感じさせていないということでもあります。

一番得点の可能性がありそうだなーと思ったのがカウンターだけど、平山がゴール前に走り込む時、同じリズムで真っ直ぐ走って、相手DFの裏に詰めるんだよね。
これでは、クロスが良くても(この時はクロスが上がらなかったけど)、多分、得点は出来ないと思う。
クロスが上がらず、平山は「あ~ぁ」みたいなポーズをしていたけど、スタンドのサポは「その位置じゃダメだよ」と思ったかもしれません。
カウンターについては、赤嶺の動きも問題あり。
中央で受けたら、前を向いている味方にバックパスしてランという感じだけど、ボールをキープしつつ、味方の押し上げのタメを作る動きも欲しいなぁ~
多分、今の東京に有益で即効性のある練習って、カウンターの練習だと思う。

また、ここ数試合観戦して、現状東京は4-4-2を使いこなせるだけのスキルがないということと、攻撃の選手が0.5人くらい足りない感じがしています。
良い感じで攻め上がってシュートが多くなってきたけど、こういう風に感じるということは、決定機は少ないしボールの失い方やボールの繋ぐエリアがイマイチなため。
というのは、サイドの狭いところでちょこまかやっていて、窮屈に繋ぎながらボールを失っています。
効率的に配置されていない、どっしりボールを中央キープする選手がいないというか。
この試合でも、大竹、達也、祐介と攻撃的な選手を投入しているんだけど、掻き回し系でどっしりという感じではありません。
中盤の攻撃の起点(クサビを受ける人)をどこに、どうやって求めるのか?
本来梶山の役目だと思うけど、少なくとも今日の梶山からはそういう感じは受けませんでした。
今後に関しては、どういう攻めをしたいのか、一度整理した方がいいかもしれませんね。

またスタメンについて、新人の米本くんはとても良く頑張っていると思います。
だけど、今はセカンドボールを拾うという役割がメインだと思っています。
つなぎの部分で、どうしても精度の粗さが目立ってしまいます。
京都はカウンターが主なので、ボール奪取や攻め上がりということを考えると、ダブルボランチの一方はセカンドボール拾いというより、対人やボール奪取が持ち味の今ちゃんが適任だったように思いました。

それでも、FWのシュート数が多くなってきたのは良い傾向。赤嶺6本、平山4本。
1本決めれば変わると思うので、早いうちに決めて欲しいですね。特に平山!!!

東京-京都戦

2009年05月09日 | FC東京&サッカー
試合開始10分前に目が覚めて、そこからソッコーでスタジアムへ。
前半30分から観戦です。

前節広島戦では、中盤の折衝では悪くなかったと思います。
しかし、ゴール前でアイデアが足りず…というより、ゴール前で動きが乏しく、得点のニオイを感じられませんでした。
深くえぐってマイナスのクロスとか、クロスを合わせる側の駆け引きがないとか、2列目から飛び出すとか…
何か、
「今からクロスを上げますよ~」
「了解!1、2、3、ジャンプ」
って感じなんですよね。

ということで、ペナルティーエリアで動いてボールを受けるという点に注目したいですね。

花みず木トーナメント~受け将棋ですか・・・

2009年05月05日 | 棋譜
2009世田谷区花みず木女流オープン戦、準決勝のもう1つの対局が、渡辺女流2級-F女流学生名人戦。

渡辺弥生(みお)女流2級は、東大を2回卒業して、前回の女流育成会でぶっちぎり昇級した期待の若手。
一度、会館道場で、渡辺さんとは知らず感想戦に首を突っ込んだことがあります。
また、会館道場で女流プロ成り立ての渡辺さんが、指導対局を行っていたのですが、会館道場五段の方に圧勝(平手)していたこともありました。
この2つの出来事で、「なかなかやるな!」というイメージがありました。
20代後半で女流プロになった遅咲きでもあるし、こういう方には頑張ってもらいたいと、かなりの期待を持って観戦していました。

一方、F女流学生名人は、メディア等の情報も含めて全く予備知識なし。
Fさん、
「渡辺さんは大学の先輩(両者とも東大)だし、勝負になるように頑張ります」
との戦前コメント。
意外と謙虚だなーという印象。
女流アマタイトルホルダーなら「女流プロ2級と互角近く指せるぜー」とか内心思っていてもよさそうだけど・・・
解説の鈴木八段、藤田綾女流2級の戦前のコメントでは、渡辺さんは受け将棋の居飛車党、Fさんは四間飛車党、戦型は四間飛車-イビアナだろうという予想でした。

初手から:▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲5六歩△7二銀▲6八玉△6二玉(途中1図)▲7八玉△3二銀▲5八金右△7一玉▲2五歩△3三角▲5七銀△4三銀(途中2図)▲7七角△8二玉▲8八玉△5二金左▲6六歩(途中3図)△4五歩▲6七金△4四銀(第1図)

初手から指し手を紹介するのは、私の棋譜紹介では珍しいけど、序盤で気になった点が3つあります。
・Fさんは四間飛車党ということだけど、実戦で鍛えが入った感じではないということ。
・Fさんはイビアナ対策を確立していないということ。
・渡辺さんの▲6六歩は損。本で覚えた将棋という感じ。

Aちゃんも含めて、角交換型振飛車じゃないノーマル振飛車党は、自分なりのイビアナ対策を確立していないと生き残れない時代になっています。
定跡書に書かれている手順でも構いませんが、それを自分のものにしていることが重要です。

途中1図の△6二玉は、直前の手が△7二銀。藤井システムをやると見せかけて、あっさり放棄。
途中2図の△4三銀は、直前の手が△3二銀ですが、△4五歩からの角ぶつけをあっさり放棄。
結局、脅しや見せかけをするけど、直後にあっさり放棄している点で、どうやってイビアナに対峙するかの意図が見えません。
あまり「序盤の拘りがない」のと「穴熊対策が確立されていない」のだと思いますが、もうちょっと狙う姿勢が欲しいです。
狙っている姿勢が相手の伝わると、相手も息が抜けませんから。


一方、渡辺さんの駒組さんですが、これも貪欲さに欠ける感じ
途中3図の1手前△5二金で、振飛車からの急戦が狙えない状態になっています。
だから、出来る限り角の効きは通しておきたい。もしかしたら、▲6六銀~▲6八角~▲7七銀引の4枚穴熊に組めるかもしれません。
振飛車の駒組にピンと来ず、本来急戦警戒の▲6六歩を突いているので、実戦よりも定跡書で覚えた将棋という印象を受けます。

さて第1図で、△4四銀の櫛田システムに決まりました。
第1図からの手順は省略し、第2図へ。

第2図以下:△5五歩▲同歩△4六歩▲同歩△5五銀▲2四歩△同歩▲3五歩△4六飛▲3四歩△4四角▲2四飛△2二歩(第3図)

ここの手順は、定跡通りの進行。定跡書にも全く同じ形、同じ手順が解説されています。
勝負の山場は、第3図から5手後と6手後になります。

第3図以下:▲2五飛△4五歩▲3三歩成△同角▲5六歩△同銀▲同金△同飛▲4五飛△5八飛成▲6七銀打(第4図)

第3図からの▲2五飛△4五歩も現在の定跡手順で、更に▲3三歩成△同角▲3七桂(5手後)と続きます。
これに対する振飛車の対策(6手後)が見ものでした。
しかし、渡辺さんは▲3三歩成△同角の後、30秒の秒読みを目一杯使って▲5六歩。

???
定跡は、▲5六歩△同銀▲同金△同飛▲4五飛△4三歩という展開。
本譜は、▲5六歩△同銀▲同金△同飛▲4五飛△4四歩(飛取り)となり、定跡と比べて、飛を成ることも出来ず、角を質駒にも出来ません。ぶっちゃけ、ハッキリ損
研究手順かもしれませんが、▲3三歩成△同角の交換の意図が不明です。

・・・などと考えていると、Fさんは△4四歩とせず強気に△5八飛成。
それに対し▲6七銀打。
「いやぁ~受け将棋ですねぇ~」
と解説の鈴木八段。
正直、ガッカリしました。
第3図から、本局最初の勝負所で、あり得ない指し手。
渡辺さんの指し手は、自分から1歩損して金銀交換を挑み、一方的に交換した銀を手放したことになります。
何か、攻め駒不足や理屈を無視して「固けりゃいい」と言わんばかりのポリシーの無さを感じます。
「いやぁ~受け将棋ですねぇ~」
という鈴木八段のコメントは、あからさまに「あり得ない」と言えず、苦肉の解説だと想像。

第4図以降、Fさんが△5二竜なら完封だったでしょうが、△2八竜▲4一飛成△2九竜▲5二歩と進展。
この後は、Fさんの指し手が乱れ、渡辺さんが圧勝。
はた目には先手が女流プロの貫禄を見せた形になりました。
しかし、私的には、急所で一番あり得ない手を指し不利になり、後手が間違えたのを咎めただけです。
あと、こういうのは「受け将棋」とは言いません。ただの「受け偏重の将棋」です。

もう1つ局面を紹介します。
第5図は、決勝の香川女流-渡辺女流戦の中盤。
渡辺さんに見落としがあり、ここでは香川さん大優勢。
観戦者としては、いかに粘るかが焦点でした。

第5図以下:△7四歩▲6四角(図略)

島九段の解説は、下記。
「この局面(第5図)は、腕の見せ所ですね」
「怖いでしょうが、△2三玉のようなことをやってみたいですね」
「飛と飛の間に角がいる形は、後手も怖いですが、先手も難しいのです」
「△9九飛成とすれば、後手は怖さがなくなりますが、先手も楽になってしまいます」
「簡単には楽にさせないということで、7九飛はこのままで頑張ってみたいですね」
全くもって解説の通り。もし香を取るなら、先手が角のために1手かけて(例えば▲7六歩とか)からにしたい。
島九段の解説の熱が会場に伝わり、観戦者は次の手に注目したと思います。
しかし△7四歩。観戦者一同ガッカリ。
すかさず、▲6四角で先手は怖いところがなくなったばかりか、以降の進展で▲9一角成~▲5五馬が実現し、ブっ大差になってしまいました。
もうちょっと何とかしたかったなぁ・・・これなら△6七歩成~△9九角成の方がまだ良かった。

悪手を指したかどうかは、大きな問題ではありません。
悪手を指したけど、意図や狙いがあれば、それは今後の飛躍の糧になるというモンです。
でも、ポリシーや意図がないただの弱気や拘りの無さは、今後の飛躍を感じさせません
ポリシーのない穴熊党、急所で強い手が指せない受け偏重の将棋。
渡辺さん、今のままだと女流プロでやって行くのはツライだろうなぁ~と思いました。
会場に観戦者は、一番ひどかったのはAちゃんと映ったかもしれませんが、私は渡辺さん-Fさん戦の渡辺さんよりも、香川さん-Aちゃん戦のAちゃんの方に光るものを感じました。

<追記>
第4図までの手順で、▲3三歩成△同角▲5六歩~▲4五飛△4四歩とするのは▲2五飛と逃げて△3四歩を狙う手があるとのこと。コメント参照。
この手順の意図は分かりましたが、そうするとなおさら▲6七銀打がどうかという感じです。

勝ったどー!東京-大宮戦

2009年05月04日 | FC東京&サッカー
ナオのハットトリックで3-2で勝利でした!!
しかし、道のり未だ険し・・・です。
ふらふらになりながらも、何とかゴールにたどり着いたという感じ。
ロスタイム5分を見て、
「5分なんて長さは、多摩川クラシコ以来だよ~(泣)」
なんてグチも出ましたが、すんなり終わってくれないところは、東京らしいですね(笑)

前半30分までは完璧だったと思います。
赤嶺の裏を狙う動きで、大宮守備陣を混乱させ、ナオがかき回すサッカー。
ある意味、原東京が得意としていた「中盤を省略した」「パント→ラッシュのラグビー」のようなサッカーでした。
混乱させ、先制点を奪った後は通常の攻撃に戻し、ゲームコントロールとカボレの突破でダメ押し出来れば良かったけど、セットプレーから1点を失い、途端に慌てる展開に。

ハーフタイムに入り修正出来るかなと思ったけど、なかなか直らず、大宮に押し込まれる展開。
その中で、ナオのドライブシュートがチームに勇気を与えました。
偶然かと思ったけど、狙ったシュートしたとのことでビックリ。
その後セットプレーから、大宮マト(高いし強いし、いい選手ですわ)に決められると、前線で時間を使うことも出来なければ、ゴールに迫ることも出来ません。
達也と平山が何とか良い攻めをしてくれればと思いますが、ことごとく決定機を外します。
それでも何とか逃げ切り成功!
トーチュウお立ち台で、米本が元気いっぱいのコメントでスタジアムもほのぼのムードになりました。
とりあえず「勝ったどー!」という感じです。

#「勝つ喜びを知った」という米本のインタビュー。はきはきした受け答えで好感度UPです♪

#シャーも披露。時々、腕を逆回転させてスタンドから笑みがこぼれていました。

ところで、慌てるというのは、プレッシャーがかかっているからですが、東京の場合は中盤のボールの失い方、FWが決め切れない、前線でボールが納まらないということなど、自分たちのプレーの精度のなさがプレッシャーのかかる度合いになっていると思います。
この試合でも、ボールホルダーに当たりに行く時、不用意にボールを奪いに行き、かわされて、後ろから追いかけるデフェンスが多かったです。
まあ、かわされる度に石川がデフェンスで頑張ってくれたので、決定機になりませんでしたが。
結局は、自分たちの自信の有無。ちゃんとやれれば、自信があれば、プレッシャーもそれほどかからないはず。

とりあえず、産みの苦しみを十分味わってもぎ取った勝ち点3なので、自分たちのサッカーを客観的に見つめて、「右肩上がりの成長2009」を実行してもらいたいと思います。

#それにしても・・・今ちゃんの嫁さん、カワイかったなぁ~(笑)
私の席の周りの人は、皆カワイイを連呼していました。

東京-大宮戦

2009年05月02日 | FC東京&サッカー
DFをブルーノ、今野に代え、赤嶺、カボレの2トップにする布陣。
久々の4-4-2です。

原東京の時代から、ボックス4-4-2に挑んでうまく行かないのが東京の歴史。
この大事な状況で、この布陣を持って来るとは思いませんでした。
しかも攻撃の組み立てには関与しない赤嶺・・・正直、不安の方が大きかったです。

しかし、試合開始とともに、赤嶺が積極的にDFの背後を狙い、それに応じて赤嶺めがけたロングボールで攻撃のリズムを作ると、大宮守備陣が混乱。
赤嶺が狙い、石川がかき回し、梶山、米本をセカンドボール拾いに専念させるという大胆な戦術。
この攻めが功を奏して、石川が快足を飛ばして先制ゴール。

東京の攻めは、ボックス4-4-2の長所の流動性を無視したものですが、赤嶺を生かすという意味では納得でした。
今までは、梶山が中央でボールキープ出来るかがキモでしたが、こういう攻め方があるんですね~

前半38分時点で、2-1でリード。
混乱した大宮守備陣も落ち着きを取り戻してきて、勝負はまだ分かりません。
後半は、外し続けているカボレと、ブルーノの攻め上がりに期待です。

花みず木トーナメント~拘り

2009年05月02日 | 棋譜
2009世田谷区花みず木女流オープン戦が4月29日に行われました。
Aちゃんが出場したこともあり、NEC将棋部員有志で応援に参戦!
Aちゃんは香川女流2級と対戦し、途中作戦勝ちになるも、最後は香川さんが77手で勝利。女流プロの貫禄を見せました。
勢いに乗った香川さんは、決勝でも圧倒しそのまま優勝。
優勝した香川さんは、正直、強いと思ったし、「意思の強い」良い将棋を指すなという感じ。

この「意思の強さ」というのは、私が将棋をみているAちゃん、Fくん、Tくんらに身につけてもらいたいこと。
「意思の強さ」と言われても彼らは実感が沸かないでしょうが、分かる時が来たら、絶対、「一段上の景色」を見て、将棋が指せるようになると思います。

話を戻して、花みず木トーナメントは、若手女流プロ、世田谷区民、女流アマタイトルホルダーの4名で争われる公開対局。
Aちゃんは育成会員で、世田谷区民枠での出場。
持時間は5分切れ30秒ですが、5分ではほとんど考えていなくても中盤の入口前に切れてしまいます。
NHK杯と同じ考慮時間制にした方がいいと思いますが、次回から検討してもらいたいですね。

Aちゃんは、中盤で香川さんの意表の仕掛けに動揺し、そのまま立て直せず短手数で負けてしまいました。
そのことをすごく気にしていましたが、動揺したらなかなか立て直せないのは、実力に関係なく起こること。
公開対局、30秒将棋、実力を考えれば、仕方無いと思います。
むしろ私が残念だったのは、Aちゃんの良さが会場の観戦者に伝わらなかったこと。
物凄く高度な序盤の駒組をしていて称賛されてもいいのですが、乱れた部分ばかり印象に残ってしまったと思います。

第1図は、香川さん-Aちゃん戦の序盤。

第1図以下:△4二銀▲8五歩△5四歩(第2図)

両者とも振飛車党で、相振は戦前から予想されていました。
Aちゃんが、△3五歩を保留しているのは最新の定跡。
香川さんは最新定跡というより、「肌にしみ込んだ感覚で指している」という印象。
第1図の▲8六歩を見てそう思ったのですが、この▲8六歩にはちょっとした思い出があります。
調布将棋センター時代に、私の師匠格の先生から、以下のように教わりました。
「いいか○○。▲8八飛と▲8六歩はセットだけど、▲8八飛だけでは何ら効果がない」
「だから▲8六歩を先にして、飛の道筋を確保してから飛を回るんだ」
「場合によっては居飛車で使うことも出来るからな」
香川さんは誰かに教わったわけではないでしょうが、相振を指し込みながら、こういうことを実感してきたのでしょう。
この時点で「香川さんやるな」と思ったし、かなりの実戦量もあるだろうと推測出来ました。

さて、本譜は第2図の△5四歩で、序盤の方向性が決まりました。

第2図以下:▲8八飛△5三銀▲4八玉△5二金左▲5八金左△6四歩▲3八銀△1四歩▲1六歩△3五歩▲4六歩△3六歩▲同歩△同飛▲4七金△3二飛▲3九玉△8二玉(第3図)

序盤の方向性というのは、先手向飛車に対し8筋を受けて指す(矢倉)のか、受けないで指す(美濃)のか、ということ。
美濃は8筋歩交換を許すけど、囲いに費やす手数は矢倉より少なくて済みます。
その分、攻撃型を作ることを優先したわけです。
また、後手の攻めは2筋が絡まないので、効率の良い攻撃型を作る必要があります。


第3図以下:▲9六歩△5五歩▲8四歩△同歩▲同飛△8三歩▲8八飛△6三金(第4図)

第3図の△8二玉は手順前後で、△5五歩が正解。
▲8四歩△同歩▲8五歩△同歩▲同飛△8三歩▲2五飛という筋でつぶれていましたが、本譜▲9六歩で一瞬の危機は去りました。
先手の▲9六歩は、▲9六歩~▲9五歩~▲9七桂~▲8五桂~▲9三桂成を狙っています。
後手の△5五歩は、△5五歩~△5四銀~△4四歩~△4五歩という攻撃型を作る狙い。これが実現すれば、前述の効率の良い攻撃型になります。

相振が難しいのは、一見良い形でも、相手玉への具体的な攻撃手順が見えていないと何にもならない点です。
居飛車の相矢倉は、先手の攻撃型が確立されていて、後手はそれを阻止することは出来ません。最善形で受けに徹する戦い方になります。
一方相振は、矢倉(高矢倉、平矢倉)、穴熊、美濃、金無双と複数の囲いがあり、それぞれどのように攻撃型を作るかが問われます。
また、相手の囲いによって攻撃型が変わり、相手が形を決めない状態では、どれにも対応出来るようにする必要があります。
更に、自分が攻撃型を作るだけでなく、相手の理想の攻撃型を阻止するという戦いもあります。

ここまでAちゃん、先ほどの手順前後を除き、ほぼ満点の内容。

第4図以下:▲3六歩△5四銀▲2八玉△5二飛(第5図)

▲3六歩はやや早い感じ。代わりに▲2八玉と指したい。
攻撃型を作る先陣争いでは、Aちゃんがややリードした感じ。
しかし、第5図の△5二飛がどうだったか・・・

第5図以下:▲9五歩△4四歩▲3七銀△4五歩▲同歩△同銀▲4六歩△3四銀▲6五歩(第6図)

第5図の△5二飛は、ひと目指したくない手。
後手の理想は、△4四歩~△4二飛(または△1三角)~△4五歩。
しかし、△5二飛を省略して△4四歩とすると、▲6五歩△同歩▲8四歩△同歩▲同飛△8三歩▲5四飛△同金▲4三銀が生じます。

だから、Aちゃんが指した△5二飛は慎重な手を言えるけど、指したくない
というのは、後手は4筋を狙っていて、飛は3筋なら4筋攻めと連動して使えますが、5筋では使えません。
だから飛の位置をいずれ変えることになりますが、その時に△5二飛が1手損になるから。
私だったら(時間があれば)▲4三銀をやらせてどうかを考えます。やらせてダメなら△7四歩で防ぐか。
Aちゃんがどういう考えを持っていたかは分からないけど、形にとらわれて△5二飛ならば、そういう部分に拘りを持って欲しいと思います。

さて、第5図以下の進行で、△4五同銀も他に何かなかったかという感じ。
本譜の△3四銀で端攻め狙いが見えたのかもしれませんが、ここは先手陣が不十分(攻撃型が出来ていない、▲3八金としていない)なので、一気に攻撃開始したいところでした。
△4五同銀に代えて、△3三桂▲4四歩△4二飛とか。
ここでも、▲3八金としていない点に着目して、
「生かして帰さん!」
ぐらいの意気込みを見せて欲しかった。

本譜は、第6図の▲6五歩が香川さんのジャブで、△同歩▲8四歩から十字飛車を狙っています。
これに動揺して乱れてしまい、冒頭の結果になってしまいました。
ただ、▲6五歩△同歩▲8四歩△7四金とすれば、先手が攻め切るのは容易でなく、後手に楽しみが多い局面でした。

第5図手前までの序盤と、第5図以降の乱れ具合、両方ともAちゃんの実力と言えますが、中終盤が伸びてくれば、もっと勝てるようになると思います。
また、自分の構想を実現するための「拘り」や「意思の強さ」を持って欲しいですね。