眠らない街

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禁手を許しますか

2008年08月02日 | 将棋
最近、2回ほど相手の禁手で勝ったことがあった。
1つは、2手指し。
もう1つは、相手の時間切れ。まあ禁手ではないですけどね。

調布将棋センターに通っていた頃、将棋を指した後の常連同士の酒の席で、何回か出た話題が「禁手を許すかどうか」だった。
で、私はこの話題が嫌いだった。

「今日、大会でサイテーなヤツを見かけたよ」
「明らかに相手が初心者なのに、指した手で時計を押さないからと言って、反則勝ちを宣言して、係に勝ちを告げたヤツがいた」
「初心者なんだから、許してやれっつーの」

「某道場で、2歩打ったヤツがいて、相手の人が「大会じゃないんだからそれぐらいいよ」って、許したんだよね」
「それで、そのまま進んだら、相手の人の秒読みが切れて、2歩打ったヤツが切れ勝ちアピールしやがった」
「周りの人が「お前2歩許してもらったろーが!」って怒ってたけど、全くその通りだよな」

私を除く皆は、話を聞いて頷いている。
前者の勝ち名乗りを受けたヤツ、後者の2歩を許してもらった後で切れ勝ちをアピールしたヤツ、それぞれサイテーなヤツという意見。
それで、大抵の場合、私は
「別にいいじゃん」
「2歩許したんだから、自己責任じゃん。外野がとやかく言うこと自体おかしいでしょ」
「相手は自分を倒しに来てるんだ。倒しに来てるヤツが自ら転んだのに、何故見逃す必要があるの?」
と反発してみる。すると、非難の言葉でサンドバックになるのが常だった。

私は、この2つの話に出てきた彼らと、同じ行動を採るわけではない。
また、将棋を指す人なら、対戦相手が禁手を指した場合の行動はまちまちだと思う。
「その程度いいよ」と許す人。
許さない人。
道場の手合いなら許すけど、大会は許さない人。
自分より弱い相手との対戦なら許すけど、自分より強い人が禁手を指したら許さない人。
自分が指したら負けとするけど、相手が指したら許す人。
初手の先手後手の間違いは許すけど、それ以外の禁手は許さない人。
皆、それぞれにスタンスがあっていいと思う。
禁手は即負けだから、許さない人が非難されるのはおかしい。
一方で、アマチュアで、趣味なんだから、大目にみる考え方もいいと思う。
要は、当事者同士で解決すればいいだけの話。
私は、人のスタンスに意見するというのが変だと思ったし、それを話題にするのが理解出来なかった
まあ、今、よくよく考えると、この話には「人として」「将棋として」の2つの焦点があるんだと思う。
「人として」に焦点を絞ると、後者のケースはさすがにツラの皮。
でも、だからと言って禁手を許すかどうかは別問題。

ちなみに私のスタンスは「許さない」。
自分の禁手も、相手の禁手も「許さない」。
指し続ければ、どこかに違和感が残る。禁手を許されて、もし勝ってしまったら自己嫌悪になる。
違和感やモヤモヤ感が、どうしようもなく嫌だ。
そういうものから解放されたいので、その局は終わらせてしまった方がいい。スッキリする。
あと、禁手を許すというのは、どうも「上から目線」「自己満足」的な感じがする。

もう禁手を許す/許さないという話をすることもなくなったけど、ふと思い出した。
そして、この話に関しては、何十年意見は変わっていない。