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NHK杯中田宏-佐々木勇戦

2013年05月05日 | 将棋
相矢倉、先手中田八段のスズメ刺し模様から、意表の仕掛けでポイントを稼ぎ、中央の厚みを生かして、中田八段圧勝。

解説は佐々木四段の師匠石田九段でしたが、弟子の戦いぶりにご立腹・・・
「14香じゃダメだねぇ~」「何がしたいんだ。この手は」などなど。
感想戦でもご立腹は収まらず、弟子に対して「得意のボヤキ」に終始しました。

未経験の戦いになってしまったということはありますが、中田八段にポイントを挙げられてから、佐々木四段は「一見頑張っている風のダメ手順」という感じ。
「自然に指したつもり」「想像以上に悪くてびっくり」というコメントにも、石田九段は「論外」口調、中田八段は対戦相手への思いやり(大人だなぁ)があるものの、内心「論外」を匂わせたものでした。

棋士の育った背景について言えば、
昭和世代の将棋指しは、基礎、基本を重視で、研究や定跡を突き詰めることに重きをおいていない面があります。
単純に言うと、感覚や筋を重視して、違和感のある手、気持ち悪い手は最初から切り捨てます。「手に対する偏見」があるとも言えるでしょう。
それに対し、昨今の平成世代の棋士は、研究重視、「人よりも研究で優る」があります。
石田九段のコメントも、佐々木四段のコメントも、自身の棋士の過程を考えればある意味当然なんだけど、それでも「こういう筋の悪い手を指したら、絶対に良い結果につながらない」というのは、無くして欲しくない感覚と思います。
で、これこそが、プロとアマの最大の違いだと思うのです。

14香を打った瞬間、私はチャンネルを変えたくなった(結局最後まで観た)し、心情的には石田九段寄りです。
若手が個性を出すのはいいけど、新聞棋戦やTV対局は、良い棋譜を作りあげる社会的責任があります。
14香を打ったら、その責任は、その瞬間果たせなくなったと言っても過言でない。14香はそういう手です。

1つ石田九段のファインプレーを挙げるなら、感想戦も14香の前後から始めさせたこと。そして14香をダメと一刀両断したこと。
今や弟子の方が強い師匠が、師匠として最後かもしれない教えを注入したとも言えます。

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1 コメント

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Unknown (グッチ)
2022-01-14 13:26:38
スノーボードはもうやめたのですか?
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