眠らない街

将棋、サッカー、スノボ、マンガとちょっぴり恋愛話など。

関西遠征~11月23日~vs大阪・京都

2008年11月26日 | 棋譜
さて、西日本職団戦当日
西日本職団戦は、A~D級とF級(フリークラスでF1、F2がある)に分かれています。
前者は、会社対抗の団体戦で、関東の職団戦と同じ。
後者は、有志で構成されたチーム対抗の団体戦で、社団戦のようなもの。

私が参加したのはF1級で、17チームが参加。
3~4チームが1ブロックになった予選を戦い、1ブロック2チームが通過。25分切れ負け。
ブロック分けでは、優勝候補最右翼の桜井研チーム、同じく優勝候補の大阪・京都チームと一緒になります。

桜井研チームは、アマ名人の浅田氏を筆頭に、関西の学生強豪で構成されています。
関東では馴染みがありませんが、以前本ブログにも登場した桜井氏が研究会を主催しています。
若い方ですが、かなり熱心で関西将棋界を活性化しようとしていて、関西のアマ強豪も一目置いているようです。
桜井研の名前は覚えておくと、関東でも頻繁に耳にするようになるでしょう。

大阪・京都チームは、リコーの野山氏、日レスの鰐淵氏、社団戦光OKACHIチームの近村氏など、メジャーアマ強豪が勢ぞろい!
職団戦のS級で見知った顔が多く、「よくぞこれだけのメンバを集めた」という感じ。

私が所属するのは、アラフォー・アラフィーチーム
NEC将棋部の辻さん、JFさん、大阪正棋会の巽さん、寺井さん、私で構成されています。
皆さんとは顔馴染みで、気心知れた仲と言えます。
特に巽さんは、中終盤の鍛えが入った指し手に個性が出ていて、私の憧れの振飛車党です。
同じチームで指せるなんて、夢のようです。

1試合目、vs大阪・京都戦。

第1図は中盤の難所で、先手はここで方針を立てる必要があります。
候補手は、▲9五歩▲8五歩▲5六銀▲6五歩あたりでしょうか。
しかし、後手が指したら、また悩むことになりそう。つまり、▲8五歩なら△7三銀、それ以外なら△2五歩の時、指す手が難しい。
私は、前述の4つ以外の手を指しました。

第1図以下:▲5六歩△2五歩▲5八飛△5四歩▲9五歩△2二飛▲6五歩(途中図)△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△2四飛▲6六銀△7三銀▲5五歩△同歩▲同銀△5三歩(第2図)

まず考えたのは、▲8五歩とせずに△7三銀と上がらせたいということ。
端攻めを狙って▲9七桂~▲8五桂を残しておきたいのです。
また、▲5六銀としても、銀がぶつかる形にはならないだろうなぁ~ということ。
後手は、2筋の歩交換~△1五歩~△1三桂のように、2筋1筋だけ手をかければいい状況。
だから、▲5六銀は、後手の狙い筋に対し何ら働いていないのです。

考慮5分ほどで▲5六歩。狙いは▲5八飛~▲5五歩~▲5四歩の中央指向。
後手も▲5五歩は許せないはずで、△5四歩としますが、途中図の▲6五歩までが読みの括り。

角がぶつかる形を作ることで、▲3一角を狙い筋として残しました。
本譜は第2図まで進行しますが、「▲8五歩とせずに△7三銀と上がらせる」が実現しました。
我ながら、主張した手順かと思います。

第2図以下:▲6八飛△2五銀▲4五歩△5四歩▲4六銀△3四銀▲3三角成△同桂▲6六角△2三飛▲7七桂(第3図)

しかし、第2図を前にして、再び悩むことになりました。
▲9七桂としたいのですが、現状は無理。▲5七飛として角にヒモをつけても、それほど安定した形にはなりません。
次に考えたのは、▲4五歩~▲4四歩を何とか実現出来ないかということ。
▲1六歩が一案で、▲1六歩△2五銀▲4五歩と進めることは出来そうですが、その後、△1六銀▲同香△1五歩と強襲されると、25分切れ負けでは自信が持てません。うーむ。

第2図から▲6八飛。△2五銀を誘って▲4五歩。
▲4六銀までの進行が読み筋で、端攻めを緩和出来たし、戦えると自信を持てました。
しかし、この後がマズかった

第3図まで進めたのは、勝手読みもいいところで、せっかくの構想がパァ。
第3図以下、△8七角▲9四歩△同歩▲9三歩△7六角成▲8五桂△2六歩で必敗形。
戻って、▲3三角成でなく、じっと▲1六歩(変化図)で一局だったと思います。

2勝2敗でこの対局が残りましたが、何とか逆転勝ちしてチームに迷惑かけずに済みました。
でも、内容は褒められたものでなく、自戒の一局。

関西遠征~11月22日

2008年11月25日 | 将棋
11月22~24日の連休で、関西遠征してきました。
今回は、23日の西日本職団戦に出場するのが目的。

理由はいくつかあります。
NEC将棋部の辻さん、Kくんが、社団戦や職団戦の度に上京してくれます。
「遠征して将棋を指す」ということの大変さを、実感しようと思ったのが1つ。
また、私は毎年、年2回遠征している(四日市レーティング大会、平成最強関西)のですが、平成最強関西が無くなり、近鉄将棋まつりに行ったものの、四日市レーティングは不参加でした。
「2回目の名目を作った」のが理由の2つめ。
更に、今年はチームに迷惑をかけているし、刺激を受けに行ったのが3つめ。

将棋に対する熱意やモチベーションというのは、遠距離恋愛と同じようなもんだと思います。
記憶や思い出は薄れてしまいます。「分かりあえているはず」と思っちゃいけないんですね。
毎日のように話して、言葉を綴って、読んで、どんどん2人の出来事を足していったり、日々好きになって行くのが大事。
将棋も、何年も前に立てた目標や、ポーズの「今年は頑張ります」って言葉じゃなく、熱意やモチベーションや刺激をどんどん取り入れた方が良いです。
夏の遠征に続き、今回も「将棋を教える」でおなじみのTくんが一緒。彼も意欲があります。
11月22日、午後2時頃新大阪到着。そのまま関西将棋会館に直行しました。

関西将棋会館では、増田五段による5面指し指導対局が行われていました。
椅子に座らず、立ったまま次から次へ盤面移動。
また、新たなお客さんが来ると、受付でなく増田五段に指導料を払っているのが妙な感じ。
この指導対局で、ちょっとした手筋を見たので紹介します。

小学生くらいの子供と増田五段の指導対局。大胆にも平手で挑んでいました。
第1図は、後手増田五段が△5五歩▲同歩△同飛と5筋交換した直後、▲2四歩と手筋の反撃をしたところ。

第1図以下:△2四同角▲2二歩△3三桂▲2一歩成△4五桂▲5六銀△4六角▲2三飛成△5三飛▲4七歩△1九角成▲1一と△5四香(第2図)

▲2四歩はよく見る手筋ですが、△同角▲2二歩△3三桂~△4五桂が初めて見た返し技
▲5六銀で読みを打ち切ってしまいそうですが、△4六角~△5三飛がピッタリです。
第2図まで、先手の歩切れもあり、必勝形を築きました。

この進行を想定して、5筋歩交換したのだとしたら強すぎますね。

夕方、NEC将棋部の辻さんと合流。
辻さん自宅で、手厚い持てなしを受けました。
私、Tくんともに独り身なので、暖かい家庭料理には心温まる思いでした。
その他、女性の口説き方などなど、豊富な人生経験を注入!!
辻さん、奥様最強タッグの必須キーワードは、グループ交際、ホームパーティ、新規メンバーとのこと・・・みんな難しいんですけど
#辻さん、奥様、お世話になりました。

早めに就寝し、翌日の西日本職団戦に備えました。
(続く)

今シーズン

2008年11月21日 | スノボ
今シーズンの初滑りは、12月21日になりそうです。
先日、チケットをとってきました。

ガーラ湯沢のオープンが12月12日。
かぐらのオープンが11月22日(明後日だ!)。
雪情報は、毎日のようにチェックしています。
かぐらのメインコースが、しっかり雪でうまった映像などもありました。
でも、ガーラ湯沢の方が銀世界っぽいよなー♪

現在、12月7日にかぐらで滑るかどうかを検討中!
サッカーやらライブなどで、意外と予定が空いていません。
そう言えば、12月7日は、マグロ名人だったっけ(笑)う~む・・・

先手有利~「後手がかなり挽回した」!?

2008年11月15日 | 将棋
将棋の結論は「後手勝てない」です。

「ウソ言うな!」とか「大ぼら吹き!」とか言われても、万物の理だから、仕方ありません。オーマイガッ!。
種明かしをすると、以前、森田将棋の森田さんと話したことがあって、氏から「後手勝てない」と教わったのです。

将棋に限らず、「交互に着手」「手数が増えても着手の選択肢が狭まらない」ゲームは、こういう結論になってしまうのだそうです。
というのは、後手必勝手順らしきものが見つかった場合、先手はパスしてしまえばいいから。
将棋は、ルール上パスが出来ないけど、パスに近い手は指せます。飛先の歩を切った後、再度合わせるなど。
だから、後手は勝つことが出来ません。先手の勝てない可能性があるとしたら千日手ですが、これも後手が勝つわけではありません。
もっとも、結論だけ分かっても、ゲームが十分に複雑で必勝手順が確立されていないならば、ゲームとしては成立します。
数学的見地で結論だけ分かっても、ゲーム性は損なわれないというヤツですね

さて、ここ数年「先手有利」という言い方が目立つようになってきて、先後で五分という認識はなくなってきています。
「先手有利」「先手に利がある」「先手勝率53%」「先手勝ち易い」・・・これらは全て似て非なる言葉。
テニスに例えてみると分かり易いと思います
「先手有利」は、形勢有利。勝ちに近いという意味で、フィフティーンラブのようなもんだ。
「先手に利がある」は、先手が得。サーブ権があって、先手主導でゲームを進められるという意味。
「先手勝率53%」は、形勢先手良しを意味しません。サーブ権がある場合のキープ率に当たります。
「先手勝ち易い」は、将棋用語のニュアンスだと、形勢先手良しを意味しない場合が多い。「後手有利だけど実戦的には先手勝ち易い」などのように使います。後手が間違えやすく、そのままゲームセットにならないだろうという意味。
テニスで言えば、アウェイでの試合とか、芝コートを得意にしている選手がクレーコートでやるような感じになるでしょう。

先ほど「「先手有利」という言い方が目立つようになってきた」と書きましたが、実は「先手に利がある」という意味になっているケースがほとんどです。
サーブ権をそれだけ重要視しているわけですが、本当に「形勢有利」と考えている人はいるのでしょうか
NEC将棋部でお世話になっている天野奨励会三段から、
「森内九段は後手番になると、初形から形勢を悲観している」
という話を聞いたことがあります。
まあ、これは半分作っていると思うけど、振飛車党の私としては、
「サーブ権は重要だけど、形勢に差があるなんて・・・そんなバカな」
と思っていました。私はサーブに威力がないジミー・コナーズタイプなんでしょうね(笑)

しかし、「形勢有利」と言い切った文章を見てしまった!!
この感覚についてこれる人がいるのだろうか・・・
文章の主は、我がNEC将棋部の長岡さん。元アマ名人にして、全国大会出場の常連のトップアマ。
で、長岡さんが書いたNEC将棋部ブログの「朝日アマ名人戦3番勝負の第1局の観戦記」の中の一文。
まさに衝撃の内容!!気になる方は是非読んで欲しい。ただ文章は上手くない(笑)

この朝日アマ名人戦3番勝負は、今年の初夏、加藤幸男朝日アマ名人-金内辰明挑戦者で行われました。
1勝2敗で防衛失敗に終わったのですが、加藤幸男さんとは同僚なだけに残念な思いで一杯でした。
長岡さんは、わざわざ対局会場(山梨県)まで赴き、全局観戦して詳細な解説と感想をレポートとしてNEC将棋部ブログにUPしています。
で、その観戦記。問題部分を要約すると以下になります。
「第1局は負けてしまったが、この対局で加藤幸男さんの防衛を確信した」
「焦点は後手番対策で、加藤幸男さんは対策をしっかり立てて来ていることが、第1局から感じ取れた」
「59手目の局面(第1図)、勝負所を迎えているが、ここでは後手も十分に指せていると思う」
「この局面、先手有利かもしれないが、初形からみると後手が随分挽回した」

「この局面、先手有利かもしれないが、初形からみると後手が随分挽回した」
というのは、どういう言い草(失礼!)なのか!?
50対50でイーブンとした時、初形は55対45で、この局面は51対49まで差が縮まったということなのだろうか!?
初形の差の程度を、「随分」という表現を使ってまで、表せるものだろうか!?

全くもって理解出来ない世界ではある。
「頭文字D」の藤原拓海は、ハチロクで連戦連勝していても、自分のハチロクvs自分の4WDでは、どうしようもない差を実感している。
長岡さんも、先手と後手ではかなりの差を実感しているのかもしれません。
プロは、先手勝率53%が共通認識になっていて、53対47のような感覚(初形の形勢判断を数値化出来るとは思えないので「感覚」という表現)がありますが、長岡さんの「随分」という表現には、「53対47じゃすまない」というニュアンスがあります。

あきれ果てているのではありません。むしろ逆。感心を通り越してショック。
私はこういう突拍子(この表現も長岡さんにとっては失礼になると思いますが、あえてこう書く)もないことを言う人が好きなのです。
こういう人には、自分から頭を下げてでも、その人が見えている世界を教えて欲しいなぁ~と思うのです

近代の将棋で一番進歩したのは、「終盤のリードを生かして勝ち切る技術」と言われています。
ここで「サーブ権を先手有利に結び付ける技術」が加わると、先手に利がある→先手有利と同義という言い方が出来るかもしれません。
前述の天野三段の話も、森内九段が「サーブ権を先手有利に結び付ける技術」に自信を持っていることの裏返しなのでしょうね。

越智?鶴岡?原監督?~日本シリーズ第7戦巨人-埼玉西武

2008年11月12日 | その他
私は巨人ファンなので、日本一を逃したのは本当に残念でした。
ただ私は、第7戦、原監督はスゴいな・・・あれが「将の器」と思いました。

巨人の強さは、打線が強力なのはもっともですが、越智、西村、山口の中継ぎトリオの安定感だと思います。
それが、第5戦までハマっていた。
西武は、先発が崩れると中継ぎでゲームを立て直せませんでした。一方巨人は立て直していた。
だから、私は第5戦で王手をかけたとき、このまま「巨人行くだろう」と思っていました。
#イ・スンヨプや阿部の要素も当然あるので、あまり的確な指摘ではないと思います。1ファンの感想程度と捉えて下さい。

第7戦、埼玉西武渡辺監督のエース中継ぎは、正に奇策!
こういう手を思いつくのも素晴らしいですし、期待に応える選手もスゴい。
しかし、原監督の堂々さも評価されるべきだと思いました。

2-1で迎えた8回表、マウンドには越智。シーズン最多登板の中継ぎエースです。
一部スポーツ新聞のコラムでは、中継ぎ陣を酷使したのが敗因とありますが、これは的を射ていないと思う。
短期決戦、気持ちのハリもあるし、モチベーションもある。最多登板/中継ぎエースの自覚もある。
疲れがあっても、気持ちで十分カバー出来る短い時間のはず。
足りなかったのは「経験」だと思います。
シーズンは、長丁場で負けても次があるし、本当に命が取られるようなシチュエーションではありません。
しかし、日本シリーズの最終戦1点リード。片岡をデッドボールで出し、即盗塁→送りバントで1アウト3塁。
本当に命を取られるような感覚、逃げだしたいような感覚があったと思う。
こういう状況で、プレッシャーのかからない若手選手がいるでしょうか?
プレッシャーを力に出来るのは、そういう経験をした選手だけなのではないでしょうか?

長嶋監督が、1アウト満塁で水野をリリーフに出した名シーン。一番経験と度胸のある選手を送りました。
原監督として、なりふり構わず1点を守るなら、ノーアウト2塁の時点で、経験を重視して豊田をマウンドに送ることも出来たはず。
でも、若き中継ぎエースを「真のエース」にするために、経験を積ませたのではないでしょうか。
クライマックスシリーズで、クルーンが中村紀にデッドボールを出した時、スパッと代えたシーンと表裏一体なのではないでしょうか。
「中継ぎエースのお前がやらなければ、誰がやるんだ!」
というメッセージを、私は原監督の目から感じました。
残念ながら、原監督のメッセージ(?)は、越智は届かなかったのかもしれませんが、エースを育てるためならば安い投資だとも思いますし、あそこで代えてしまったら、越智には中途半端な悔しさが残るでしょう。

原監督は、よく動かなかった。
越智は、プレッシャーで手が縮こまっていたが、仕方無いとも思う。
唯一残念なのは、キャッチャーの鶴岡。
8回表、鶴岡がマウンドに駆け寄るシーンがなかった。デッドボールの時、盗塁された時、どちらかでもマウンドに行っていれば、同点止まりで済んだのではないか?
西武は9回で決着をつけないと、出せる投手がいなくなっている。
だから、同点止まりなら、山口、豊田、クルーンが残っている巨人が厚かったはず。

原監督が残念に思ったのは、越智でなく鶴岡の若さなのだと私は思っている。

藤井は超上手い!!~NHK杯片上-藤井戦

2008年11月11日 | 棋譜
久々に、プロの技術の高さを目の当たりにした思いです

藤井、超上手いです、上手すぎます!!あれが振飛車の真骨頂ですね。いやぁ~感心することしきりでした。
実は、ガジガジ流と藤井システムのイメージが強すぎて、「振飛車を指す棋士ではあるけど、振飛車党とは見ていなかった」ところがありました。
普通の振飛車も超上手い!凄かったです!

最近、「穴熊の暴力」という言葉をよく見かけます。
これって、「無理(?)が通れば道理引っ込む」だと思うんですよ。
でも、大山、森安の頃の振飛車と、大ちゃんの四間飛車は「柔よく剛を制す」が根底思想だったんですね
2008年は「柔よく剛を制す」の思想が無くなった・・・体現する振飛車党が消えた年
でも、水面化ではいたんですね!あぁ良かった

勿論、主張点なくして「柔よく」にはなりません。
振飛車に求められる「柔」とは、居飛車穴熊の駒組みの偏りや無理を咎める動きだと思います。
本局、居飛車の駒組みは居飛車穴熊ではありませんが、序盤の▲6六歩という小さなミスを咎めで開戦!
失敗した頭がある先手の▲5八飛、▲3七桂など、これまた小さなミスの反動で有利を拡大
終盤は、一見遅そうな△3七桂成がピッタリ距離感を測った一着で、速度計算の確かさを感じさせました

で、実戦の進行ですが・・・

第1図以下:△2四歩▲同歩△同角▲4六歩△1四歩(途中図1)▲6八角△3三角▲2五歩△4二角(第2図)

第1図の1手前の局面を見た時は、後手とても勝てるという感じはしませんでした
ですが、▲6六歩が不用意で△2四歩の仕掛けを誘発。先手片上五段は、真っ先にこの手を悔やんでいました
飛交換は後手有利。なので、先手は飛交換を避けますが、△2四同角の局面がビミョーです。
本譜は▲4六歩ですが、△1四歩(途中図1)が好手。△1三角▲2五歩△4六角を狙っています。
▲6八角と受けましたが、▲6六歩と▲4六歩と▲6八角の3手は1手多い。1手余分に指しているがゆえに、バランスが悪い
そのバランスの悪さを突いて、△3三角▲2五歩△4二角(第2図)が細かい動き。
先手に歩を使わせるだけでなく、無理な動きを強要する狙いです。

第2図以下:▲4七銀△4三銀▲3七桂△2三歩(途中図2)▲1六歩△5二金▲6七金右△3二飛▲5八飛(第3図)

先手は、後手について行くのが精一杯という感じ。

途中図2の△2三歩は勿体ないようですが、▲3七桂と跳ねさせた(△4二角の効果)ことに満足して、3筋狙いに切り替えています
▲5八飛は、局後の感想戦で、片上五段自ら「悪手だと思うが・・・」と言った手。
片上五段「最善を尽くしても、先手は良くて千日手」
藤井九段「千日手なら、こちらは満足」
しかし、先手はそう「感じていた」としても、千日手には出来ないでしょう。
そこまでハッキリと形勢に差がついているわけではないのです。
だから▲5八飛。
3筋で歩交換されることに対して、5筋歩交換で釣り合いを取ろうとしたのですが、結果的に後手に新たな主張点を許してしまいました。
第3図以下、十数手進んで第4図。

第4図以下:△5四歩▲2八飛△3二飛▲2六飛△5一角▲5八銀△2二飛(途中図3)▲5七角△5五歩▲2九飛△5四銀(第5図)

第4図の次の手で、あっさりと△5四歩
一見先手の主張が通ったようで、そうではありません。後手は5筋歩交換を逆用しようとしています。
それを実現すべく、細やかに先手の手を消していきます。
▲2八飛は、▲4五歩△同歩▲2四歩△同歩▲同角が狙い。
△3二飛はその防ぎ。▲2四同角に対し△2二飛を用意。この変化は銀損しますが、2枚飛車の方が勝ります。
更に▲2六飛で2枚替えを狙います(飛を取らせる位置をずらす)が、△5一角がその防ぎ。

狙いがなくなった先手は▲5八銀と手待ちしますが、△2二飛(途中図3)が5筋歩交換逆用の準備
▲5七角に対し、△5五歩が待望の一着!
以下△5四銀までで狙いが実現。離れ駒が無くなり、後手は強い戦いが出来るようになりました。
第5図以降戦いが始まりましたが、5四銀型の好形を生かし、飛交換からピッタリ1手勝ちしています。

後手は、先手の弱点を「1つだけ」形を変えながら狙っていました。
先手は、最初の疑問手を何とかフォローしようとしますが、既に「歪み」が生じています。
「歪み」は、最初は6筋(▲6六歩)。以降、2筋(▲2五歩)→3筋(▲3七桂)→5筋(▲5五歩)と場所を変えますが、後手は、その「歪み」を的確に狙います
最初の実利をあっさり放棄(途中図2、3)しているように見えて、次の「歪み」を狙うための的確な動き。
「歪み」を感じ取れる感覚が、最高峰の振飛車使いなんだと思いました。

アウェイG大阪-東京戦

2008年11月09日 | FC東京&サッカー
鹿島戦のアグレッシブさとは打って変わって、耐えしのんだ末の勝利という感じでした。
スコア上は3-1で快勝ですが、前半4度の決定機を防いだ塩田の活躍が大きかったですね。
ただ、塩田が当たっていたのは、ラッキーだけではありません。
G大阪の播戸選手の裏に抜ける動きをよく見ており、思い切って前に出ています。
最初の決定機では、ペナルティエリアの枠の近くまで出ています。
塩田の意識の高さが、もたらした勝利と思います。
しかし、G大阪の「ムービングフットボール」は凄いですね。
パスワークよりも、ゴールへの意識の高さとそれを生かす技術が凄い。
パスの出し手と受け手、オフ・ザ・ボールの動き、これが東京。
G大阪はここまで当たり前。その次の段階として、パスを受けた時の前を向く速さクサビの縦パスが入った時のアタッカーの動き出しの早さ
ここまで精度が高いサッカーならば、マンマークよりも2ラインのブロックを作って、受けに徹するのも1つの作戦かもしれません。
ボール支配率は、G大阪61%、東京39%
中盤勝負にせず、G攻撃陣vs東京のブロックデフェンスという構図が良かったかも。
ルーカスに1点返された後、守り切るということで、一層集中出来ましたからね。

東京の攻撃陣に目を向けると、ナオ、カボレがアタッカーが、コンビとして成熟されてきましたね。
お互いがお互いの特徴を分かってきた感じで、2人だけで決定機を演出していることも多いのです。
カボレのゴールにつながったナオのクロス、前半のカボレからナオへのスペースへのパス。
どちらも見事でした。後者は決めて欲しかったですけど。

また、あまり評価されない平山ですが、ポストをしっかりやっていてボールが収まります
カボレ、ナオというアタッカーを生かすという意味では、赤嶺よりも効いていると思います。
平山が中央で引きつけるから、周りが動きやすくなっていますね。
ここで、東京のシステムと平山の関係ですが、東京は4-3-3なので、4-4-2のチームと対戦する場合、中盤では数的不利になります。だから、中盤でまともに対峙してはマズイのです。
平山がトップに入って、ボールをキープしてくれることは、中盤の数的不利を緩和することになります(緩和し切れなかったのが、天皇杯の仙台戦)。
ということで、私的には、4-3-3を継続するなら、トップは赤嶺よりも平山が適任だと思います。
日本人得点王の赤嶺がベンチなのは、確かに勿体ないのですが・・・

今日の試合、一番嬉しかったのは、平山が獲った3点目の組み立て
平山が中盤で基点になり、味方の押し上げのタメを作って、徳永にパスすると同時に前線に攻め上がります。
徳永との呼吸も抜群で、一瞬でG大阪明神選手の前に入り、徳永からのパスを受け、振り向きざまにシュート!
理想的な基点、ポストプレーで、東京の攻撃のバリエーションが増えました。いままで、こういう得点ってなかったですからね~♪
まだまだ課題の多い平山ですが、攻撃陣をリードするとともに、この試合のポストプレーからのシュートで徐々に存在感を見せたと思います。

ただ、エメルソン、赤嶺が生きるシステムもオプションとして確立して欲しいですね。

モー娘ライブ~at八王子市民会館

2008年11月08日 | その他
八王子で行われたライブに行って来ました。
京王線で京王八王子駅に向かったら、途中で人身事故が発生!
開演時間に間に合わないかも・・・と覚悟したら、運よくタクシーをつかまえることが出来、間に合いました。ホッと一息。

今回のライブツアーでは、新曲「ペッパー警部」(ピンクレディーの曲のカバー)を披露。
更に作詞家阿久悠が作った曲をカバーしたアルバムの中から、数曲を歌っていました。
私の世代だとほとんど知っている曲だけど、20代のファンだと知らないだろうなぁ~(笑)
「ペッパー警部」「どうにも止まらない」「恋のダイヤル6700」とか、モー娘の世界とは一味違った妖艶さがありました。
また、「恋のダイヤル6700」では、曲の歌詞にひっかけてリンリンがメインボーカルをやっていたり、意外性が良かったですね。リンリンもいい表情してました。

モー娘のライブに行くといつも思うけど、ファンも含めたライブ空間のエネルギーが、とにかく凄いです。
ファンのエネルギーも凄いし、モー娘のメンバの躍動感も凄い。
アイドルオタかもしれないけど、「エネルギー空間」に行くのはいいもんだ。
いろいろなライブに行くけど、このエネルギー空間と一体感は、モー娘のライブじゃないと味わえません。

また、今回、一番びっくりしたのは、リンリン、ジュンジュン2人の中国人メンバの日本語がとっても上達していたこと。
MCでは日本語で普通に会話していたし、久住小春をイジって笑いをとっていたり、面白かったですね~
リンリンは天然系、ジュンジュンはツンデレ系みたいな感じでキャラ立っていたし、名実ともにメンバの一員になってました。
故郷を離れ、日本でやっているので、この2人には頑張って欲しいと思います。

今、モー娘は、冠番組がなくなったとか、ハロプロメンバーの大量卒業/若返りとか、人気が落ちたとか、アイドルとして旬を過ぎたような言われ方をしています。
長いことやっているグループだけど、現メンバは14~22歳ぐらいのコたちなんだよね。
皆、カワイイし、メンバそれぞれのキャラが立っていて、私にとっては旬のアイドルですよ。ホント。
あと、加護ちゃん、辻ちゃんがいた頃が浦和のサッカーだとすれば、今は清水のサッカーという感じ。いい「試合」してます。

さて、次はいつ行こうか(笑)

ナビスコ決勝~大分-清水戦

2008年11月01日 | FC東京&サッカー
TV観戦で、清水を応援していましたが、0-2で負け。
大分が初優勝を飾りました。
東京が2004年に初優勝した時、直後のリーグでの対戦相手が大分でした。
「ナビスコ覇者なら、大分に負けないよな~」
と思って、勝ち切れない東京にブーイングしたこともありました。
あの時の東京と異なり、大分は勝ちパターンを持った良いチームに成長なったと思います。

ただ、私の中では、大分が勝ったというより、清水が勝てなかったという印象が強いです。
大分は良いチームなのは間違いありません。コンセプトの統一された組織的なサッカーをしています。
でもね、いくらシャムスカ監督が、
「大分は守りだけではない。攻めもある」
と言ったところで、降格した札幌より得点数が少ないチームでは、説得力がありません。
やはり、大分は守りのチーム。先制して、ゲームコントロールしてナンボでしょう。その「ナンボ」はかなりの精度と統率力があるのですけど。

話を元に戻して、私の中での焦点は、清水が得点出来るかどうかでした。
で、清水が得点した瞬間(先制する、同点に追いつく)、ゲームはほぼ終わりだと思っていました。
清水の攻撃陣は、J屈指だと思います。
個々の能力じゃなくて、チームが持つ攻撃のスキルとそれを生かす精度が屈指だと思うのです。
しかし、この試合に限っては、屈指の攻撃陣は沈黙しました。
清水は、自分たちのサッカーを出し切ることに注力し過ぎたのではないか?
大分の攻略法を、どれくらい考えていたのか?・・・という点では非常に疑問が残りました。
攻撃スキルと精度が高くても、プランが伴っていなかった印象です。
清水側に決定機はあったものの、清水の攻めは大分の守りを一瞬たりとも崩してはいません。
サイドからいくらクロスを上げても、中央のターゲットは少ないし、得点のニオイがしません。
そもそも、中央でボールが落ち着くからサイド攻撃が生きるはずですが、中央でどっしりキープするという感じではありません。

大分の攻略を考える場合、川崎が3-0で快勝した川崎-大分戦がモデルケースになります。
大分は3バックにマンマークを敷いていて、常に1人余る形を作ります。
大分を攻略するには、中盤でボールを奪って、攻撃、守備同数のカウンターを仕掛けるのが理想。
3トップならば、それをし易いのです。
先制された直後、清水は交代カードを切ります。サイドバック児玉→市川、MF山本真→マルコスパウロ。
攻撃面の特徴は異なっていますが、同じポジションの選手を代え、布陣に変更はありません。
FWの投入は後半44分に原→矢島。
オプションの1つとして、4-3-3はなかったのかなと。

清水の基本布陣のダイヤモンド4-4-2が悪いわけではありませんが、それは大分の土俵でもあります。
前半も攻め急ぎ過ぎていたし、大分のリズムに合わせてしまったような気がします。
選手も、長谷川監督も。

#ここで書いたのは一例ですが、シャムスカ監督のコメントを見ると、大分が非常に繊細なゲームプランを持っていたことが分かります。