セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「ラストレター」 

2020-12-15 10:45:12 | 映画日記/映画雑記
 「ラストレター」(2020年、日本)
   監督 岩井俊二 
   原作・脚本 岩井俊二
   撮影 神戸千木
   音楽 小林武史
   出演 松たか子
      福山雅治
      広瀬すず
      森 七菜  庵野秀明
      豊川悦司  中山美穂

 「Love Letter」の主役二人も出てるので、観る前は手紙を真ん中に置いた何組かのオムニバス映画かと想像したんだけど、全然違った。(笑)
 でも、ファーストシーンとセカンドシーンの繋げ方、片や同姓同名、片やそっくりさんという同一性、学校の使い方とか結構なぞってるとは思う。

 姉 未咲の法要、その姉宛に来た同窓会の知らせ、妹の裕里は会場に姉の死を知らせに行くが“そっくり”な為、姉と間違えられてしまう、そこには高校時代から未咲を忘れられずにいた乙坂も来ていた・・・。

   予告編 https://www.youtube.com/watch?v=EvkzNshmjCA 

 作品は悪くないと思います、ノスタルジーと現実の相剋、仄かな想いとか、終盤、ウルウルする所も有ったし(汗)、でも、それ以上のものは感じられませんでした。
 松たか子も福山雅治も好演だと思うし広瀬すず、森七菜は如何にも岩井監督好みの少女性を出してるしで皆、頑張ってると思うんだけど、この作品、未咲の人生を滅茶苦茶にし自殺に追い込んだ豊川悦司演じる阿藤の無頼派になり損ねた只のクズっぷりと、その内縁の妻中山美穂の底辺っぷりが強烈で、作品の美しい印象全部がこの二人の背中に隠れてしまった、豊川悦司なんて僅かワンシーンなのに。(笑)
 「Love Letter」を観ていなかったら感じ方は違っていたかもしれない、なまじ二つの作品に繋がりが有る(スタイルとか無くはないけど)のかと思って続けて観てしまったのが運の尽き、まぁ、登場人物は監督の創造物だから監督がどうしようと勝手なのだけど天国と地獄ってやつですかね。(笑)
 前の記事で博子(中山美穂)にまるで生活感が無いと嫌味を言ったら、なら「生活感をどうぞ」と返されました、これは苦笑いするしかないでしょう、そんな作品でした。

  思い出は 遠くにありて 想うもの
   浮世のことは ほろ苦きなり

 R2.12.13
 DVD


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