「共喰い」(2013年・日本)
監督 青山真治
原作 田中慎弥
脚本 荒井晴彦
出演 菅田将暉
木下美咲
田中裕子
光石研
篠原友希子
何が言いたいのか良く解からない作品でした。
多分、「この世は支配と被支配の世界であり、そこを脱する手立ては少ない」辺りなんだと思います。
そして、それを立証する為、「血の遺伝(業)」を持ち出してくる。
(天皇制にまで飛躍する論理は苦笑するしかない~これで評論家ウケはするかも)
その「支配/被支配」の材料として、品性の欠片も持ち合わせてない獣性そのものの人物を創り出す訳ですが、
もう、この人間(主人公の父親)を観てるだけで反吐が出そう。
又、この父親と主人公に相対する為に出てくる四人の女が、「憎しみ」、「妥協」、「反抗」、「お金」を象徴したような存在、極めて図式的で面白くない。
(画的には愛人役の篠原友希子が好みのタイプだったのが唯一の救い)
「大人への旅立ち」>このテーマに於いても、似た雰囲気のある「祭りの準備」に遠く及ばないと思います。
何より、小さな町の限られた登場人物だけで展開されるので閉塞感に満ちていて、それを破る気概もないし深刻な悩みも感じられない。
完全にコップの中の嵐に過ぎないんです、それもネバネバの。(笑)
邦画特有の「4畳半物語」を大仕掛けにしただけの感じがしました。
主役の男の子(菅田将暉)がもう少し上手ければ、話に、もう少し説得力も出たんでしょうが、
演技が硬くて一直線で柔軟性と振幅がまるで無い、これがトドメの一撃。(笑)
政治的でデリケートな問題には本当は余り触れたくないのですが。
この物語、本来なら父親が獣性を発揮し、それが主人公に発覚した瞬間、主人公が父親を刺し殺すなり、絞め殺してしまえば、話はそこで終わりなんですよね。(それだけの事を平然とやったんですから~中身は違うけど「青春の殺人者」(親殺し)のような着地点だって有り得た)
でも違う展開にした。
そこで行われた構図は、「天皇制>家父長制>そこで虐げられる女性からの復讐」
(1950~60年代、進歩的文化人の金科玉条だった思想)
そして物語は「昭和最後の日」をラストシーンに持ってきてる。
そうである以上、触れたくはないけど触れざろうえない。
原作者や監督は「天皇制=暴力性の源泉」、と考えてるみたいですが、果たして、そんな単純なもので済まして良いのでしょうか。
ならば、こちらも単純に言い返しますが、王制にしても神政にしても、彼らが愛して止まない民主政府にしても、その内部に「暴力性」を内臓しているのは、天皇制と何ら変わる事がないし、ただ、それを利用・使用しようとする者と支持する多数の国民が居るだけの話。
人間の作り得ない「幻の体制」に身を置いて現実を糾弾するのは「お気楽」な身分だと、僕は思います。
※タイトルと「親子と女を巡る濃密なドラマ」のコピーから、「相姦モノ」だろうとの推測は持ってました。
僕は、説得力があれば「相姦モノ」に倫理的拒否反応は無いのですが、下品極まりない獣人の所業など観たいとは
思っていません。(そんなものAVを探せば幾らでも出てくる)
※狭い世界で話を完結させたいのは理解するけど、主人公の恋人の家族が物語に入ってこないのは、余りに不自然。
※演出は並、音楽の使い方は凡庸、強調点を使い過ぎ(つまりは下手)。
監督 青山真治
原作 田中慎弥
脚本 荒井晴彦
出演 菅田将暉
木下美咲
田中裕子
光石研
篠原友希子
何が言いたいのか良く解からない作品でした。
多分、「この世は支配と被支配の世界であり、そこを脱する手立ては少ない」辺りなんだと思います。
そして、それを立証する為、「血の遺伝(業)」を持ち出してくる。
(天皇制にまで飛躍する論理は苦笑するしかない~これで評論家ウケはするかも)
その「支配/被支配」の材料として、品性の欠片も持ち合わせてない獣性そのものの人物を創り出す訳ですが、
もう、この人間(主人公の父親)を観てるだけで反吐が出そう。
又、この父親と主人公に相対する為に出てくる四人の女が、「憎しみ」、「妥協」、「反抗」、「お金」を象徴したような存在、極めて図式的で面白くない。
(画的には愛人役の篠原友希子が好みのタイプだったのが唯一の救い)
「大人への旅立ち」>このテーマに於いても、似た雰囲気のある「祭りの準備」に遠く及ばないと思います。
何より、小さな町の限られた登場人物だけで展開されるので閉塞感に満ちていて、それを破る気概もないし深刻な悩みも感じられない。
完全にコップの中の嵐に過ぎないんです、それもネバネバの。(笑)
邦画特有の「4畳半物語」を大仕掛けにしただけの感じがしました。
主役の男の子(菅田将暉)がもう少し上手ければ、話に、もう少し説得力も出たんでしょうが、
演技が硬くて一直線で柔軟性と振幅がまるで無い、これがトドメの一撃。(笑)
政治的でデリケートな問題には本当は余り触れたくないのですが。
この物語、本来なら父親が獣性を発揮し、それが主人公に発覚した瞬間、主人公が父親を刺し殺すなり、絞め殺してしまえば、話はそこで終わりなんですよね。(それだけの事を平然とやったんですから~中身は違うけど「青春の殺人者」(親殺し)のような着地点だって有り得た)
でも違う展開にした。
そこで行われた構図は、「天皇制>家父長制>そこで虐げられる女性からの復讐」
(1950~60年代、進歩的文化人の金科玉条だった思想)
そして物語は「昭和最後の日」をラストシーンに持ってきてる。
そうである以上、触れたくはないけど触れざろうえない。
原作者や監督は「天皇制=暴力性の源泉」、と考えてるみたいですが、果たして、そんな単純なもので済まして良いのでしょうか。
ならば、こちらも単純に言い返しますが、王制にしても神政にしても、彼らが愛して止まない民主政府にしても、その内部に「暴力性」を内臓しているのは、天皇制と何ら変わる事がないし、ただ、それを利用・使用しようとする者と支持する多数の国民が居るだけの話。
人間の作り得ない「幻の体制」に身を置いて現実を糾弾するのは「お気楽」な身分だと、僕は思います。
※タイトルと「親子と女を巡る濃密なドラマ」のコピーから、「相姦モノ」だろうとの推測は持ってました。
僕は、説得力があれば「相姦モノ」に倫理的拒否反応は無いのですが、下品極まりない獣人の所業など観たいとは
思っていません。(そんなものAVを探せば幾らでも出てくる)
※狭い世界で話を完結させたいのは理解するけど、主人公の恋人の家族が物語に入ってこないのは、余りに不自然。
※演出は並、音楽の使い方は凡庸、強調点を使い過ぎ(つまりは下手)。
この映画を見ました☆
>何が言いたいのか良く解からない作品でした。
私は鉦鼓亭さんの記事が難しくて、よく分かりませんです・・・ほほほ(と、笑ってごまかす)。
自分的には、仁子さんの気持ちがとてもよく分かるので(ヘンタイの件は、わかりませんが・笑)・・・
きっと私も、青春時代に戦争のせいで腕を半分なくしたら、あの人のせいと、一生涯恨んだと思います。
もちろん最初らへんは、洗脳されているからアレですが、いつまでも結婚できなかったり、
やっと結婚したらヘンタイだったとかは、全部「あの人」のせいにして、暗く内側に溜め込む人生を送ると思います。
全体的には、芥川賞をとったとかの原作ももちろん読んでいないし、
意味プーのところも多いし、げろげろ~って思うところも沢山ありましたが、
まぁお話そのものは、原作がこういう感じなのでしょうから、仕方ないですよね~。。。と
割り切ってしまったので、見る前にチラホラ聞いていた、嫌な感じは、驚くほどなかったです(笑)。
>※演出は並、音楽の使い方は凡庸、強調点を使い過ぎ(つまりは下手)。
けっこう好きな方の監督なのですが、汚いモノばかり目に入ったので、この作品はね~笑。
でもまぁラストが、原作はどうか知らないけど、彼女の家族も賛成の上(もう他の人にはもらってもらえないので)
繰り返さずに、少しでも上を見て、いつかもうちょっと町の方に行ってほしいですネ、若いんだもの☆
音楽は仰る通りでした(笑)。
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コメントありがとうございます!
折角、コメント頂いたのに・・・。
これと「そこのみにて光輝く」は余り思い出したくない作品(笑)、僕の中ではいずれも「青春の殺人者」と空気感が似た感じがします。
困った事に、どれも出来が良くて。
只、その3作品では、これが一番評価低いです。
でもまぁラストが、原作はどうか知らないけど
>その部分は監督のオリジナルと聞いています。
いつかもうちょっと町の方に行ってほしいですネ
>僕は「祭の準備」みたいな終わり方になるのかなと思ってたのですが、閉塞感に覆われたまま終わってしまいましたね。
この記事で菅田クンの事、ボロクソに書いてますが、「そこのみにて~」では凄く良くて、見る目の無さを痛感しました。それも記憶に残る出来事。(汗)