セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「美女と野獣」

2014-11-13 23:35:32 | 映画感想
 「美女と野獣」(「La Belle et la Bête」2014年 仏・独)
   監督 クリフトフ・ガンズ
   脚本 クリストフ・ガンズ  サンドラ・ヴォン=アン
   撮影 クリストフ・ボーカルヌ
   美術 ピエール・アデノ
   衣装デザイン ピエール・イヴ・ゲロー
   出演 レア・セドゥ
       ヴァンサン・カッセル
       アンドレ・デュソリエ   エドゥアルド・ノリエガ

 子供に読み聞かせる「童話」としては申し分ないと思います。
 でも大人が観れば、美女が野獣に好意を寄せていくシーンなしに、いきなり、
 「愛してました」
 と言われても、
 「???」(笑)
 まぁ、この美女、ちょっとツンデレなんで、野獣の過去と優しさ、実家へ帰してくれた心に
デレッとなったのかもしれません。

 その部分を除けば僕は世評ほど悪い作品ではないと思っています。
 実は僕、ディズニー版もJ・コクトーの作品も観てません。
 だから推測でしか書けないのですが、
 「美女と野獣」=ディズニー・アニメと思ってる人には合わないだろうな、と想像はしています。
 ディズニー・アニメって僕から見ると、アメリカの「宝塚」
 どんな原作だって、無理矢理に宝塚にしちゃうんです。

 「美女と野獣」、元々はフランスのおばさんが子供に読み聞かせる為に作った「お話」とか。
 今回の作品は、フランス・ドイツの合作で原作に重心が有る作品。
 根性曲がりで皮肉屋のフランス人がパーフェクト・ハッピーな作品を書く訳がない。(笑)
 (相対的にアメリカ人はパーフェクト・ハッピーな話に癒されなければやっていけない)
 ハリウッドやディズニーのサービス過剰に辟易してる僕にとって、この作品は丁度良い塩梅だったのです。

 他所の感想を読むと、王子様がディズニー風でなくギラつき度の高い髭面のオッサンというのが受け入れがたいようですが、どうでしょう?
 僕は、この作品にディズニー風の王子様こそ似合わないと思っています。
 (この辺が女性の夢を壊してるのかな(その割に男の夢は壊してない(笑))

 ラストも多分、今迄の作品と違うのだろうけど、
 現代に「お伽噺」を再現させる為の良い手法だと感じました。
 このラストで大人が観ても耐えうる作品になったと思います。

※僕が観に行った時点でYahho!の点数は2.8くらいだった、こんな低い点数のを観に行ったのは初めてかも。(笑)
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「忍ぶ川」 | トップ | 「忍ぶ川」ロケ地巡り (城... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは☆ (miri)
2016-04-19 10:52:37
この映画を見ました☆

> 子供に読み聞かせる「童話」としては申し分ないと思います。

この映画はそういうスタイルなので、それで良いと思います☆

> でも大人が観れば、美女が野獣に好意を寄せていくシーンなしに、いきなり、「愛してました」 と言われても、 「???」(笑)

私が見た字幕は「もう愛してる」でした。
好意を寄せていくのは、私にはよく分かりましたよ?

> まぁ、この美女、ちょっとツンデレなんで、野獣の過去と優しさ、実家へ帰してくれた心にデレッとなったのかもしれません。

そういう事ではないと思います・・・
殺されるとまで覚悟して行ったので、
野獣の行動のあれこれがだんだん腑に落ちて・・・
多分、男性には分かりにくいでしょうね~。

> 実は僕、ディズニー版もJ・コクトーの作品も観てません。

たまたま昨年の今頃、両方見ましたが、それぞれの「おもむき」があって
それぞれに良い作品だったと思います☆

> 「美女と野獣」=ディズニー・アニメと思ってる人には合わないだろうな、と想像はしています。

この作品も入れて、3つとも、全然違う「おもむき」なので・・・
アニメ版は子供さん向けに簡単になっているので、大人の人で、あれを
「美女と野獣」だと思って、この作品を見る人はあんまりいないような気が???

> 「美女と野獣」、元々はフランスのおばさんが子供に読み聞かせる為に作った「お話」とか。
> 今回の作品は、フランス・ドイツの合作で原作に重心が有る作品。

最初から誰が誰に読んでいるか分かりますしね~
この作りで良かったと思います☆

> 僕は、この作品にディズニー風の王子様こそ似合わないと思っています。

アニメの王子様もそんなにイケメンではなかったです。
この作品は美女も野獣(王子)も、美男でも美女でもないし、
あれこれ普通にヨーロッパの映画に出まくっている人達ですので
あんまり期待とかはなく、私にとってはそれがかえって良かったです。

> ラストも多分、今迄の作品と違うのだろうけど、
> 現代に「お伽噺」を再現させる為の良い手法だと感じました。
> このラストで大人が観ても耐えうる作品になったと思います。

この映画でひとつだけ良くなかったのは、あのような年齢の子供たちを
夕方に寝かしつけるってどうなんでしょう?ってことでした(笑)。

監督さんが「サイレント・ヒル」の監督でビックリ仰天!
でも美しい調度やお衣装、セットの全て、エンドロールの素晴らしさは納得の出来でした♪


.
幾らか良くなりましたか (鉦鼓亭)
2016-04-19 23:46:17
 miriさん、こんばんは
 コメントありがとうございます!

最近、段々、記憶力に衰えが・・・。(笑)

多分、男性には分かりにくいでしょうね~。
>ちょっとピンとこなかった記憶が有ります。

たまたま昨年の今頃、両方見ましたが、それぞれの「おもむき」があって
それぞれに良い作品だったと思います☆
>コクトーの作品は「いつか」観てみたいと思っています。
ディズニーの方は今度企画で「アニメ縛り」が有った時にでも観てみようかな・・・。

美男でも美女でもないし
>男の評価は専門外ですが、美女でした!!(笑)
僕は初対面なもので。

夕方に寝かしつけるってどうなんでしょう?
>そうでしたっけ(記憶あいまい)・・・。
ラストシーンは憶えてるのですが、そういえば夕方。
あれって前のシーンと時間が繋がってたのか、ハッキリ思い出せません。(汗)

美しい調度やお衣装、セットの全て
>綺麗な映画でしたし、色調も好みでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先日、「ティファニーで朝食を」観てきました。
(昔々、TVの吹き替え版で半分くらい見た事はある)
へプバーンは魅力的だし有名な音楽も良かったけど、あの役は原作者が推したモンローの役だなァ、というのが僕の印象でした。
(もしくはキム・ノヴァク。只、モンローやノヴァクだと音楽を変えないと、それだと、あの名曲が生まれないし、何だか究極の選択(笑))
こんばんは☆ (miri)
2016-04-20 19:11:11
>幾らか良くなりましたか

いつもあたたかいお気遣いを有難うございます☆
本当にマシになりました。
まだ完全に普通ではないけど、もう少しです!
頑張ります!!!

>最近、段々、記憶力に衰えが・・・。(笑)

お互い様ですよ~
「恋におちて」など、あやふやで申し訳なかったです。

>先日、「ティファニーで朝食を」観てきました。

先日見に行かれると書かれていたので
記事を楽しみにしていたのですが書かれないのですか?

カポーティさん、グラマーな女優さんを推していらしたんですね! ビックリ☆
私はやっぱり、ホリーはあの小説の中にしかいないような気がするので、
この映画は(もちろん音楽セットで)この完成版で良いような気がします♪

今月の企画、参加されることになさいましたか?
私が見ようと思っている作品も「ファミリー」かどうか?怪しいものです(笑)。

では、もし良かったら、週末にご一緒しましょう~!


.
ティファニーで朝食を (鉦鼓亭)
2016-04-20 23:45:03
 miriさん、こんばんは
 コメントありがとうございます!

「ティファニーで朝食を」
この作品、miriさんが宵乃さんの所へ残したコメント見て、設定の認識に隔たりが有るようなので、多分、噛み合わない、そんな気がして遠慮しました。

僕は原作を知らないので、あくまでオードリー用に書き換えられた映画の中のホリー・ゴライトリーという人間から想像して二つだけ書きます
・有名な冒頭のシーン
 予めお断りしておきますが、あのシーン大好きで多分死ぬまで忘れる事はないでしょう。
 ティファニーとオードリーとムーン・リバー、完璧なくらい決まってる。
 でも、よく考えると、あのシーン、似合っていては「夢」じゃないんですよね。
 オードリーが憧れてショーウィンド覗くより、シックなドレスを着ながら、ちょっと不釣り合いな感じの出せるモンローの方が適役だと思いました。
・オードリーだけが持っていて、消そうと頑張っても消せない「気品と知性」
 それが有るからお洒落な作品になったけど、あの役には不似合い。
 モンローの持つ天然さとキュートな愛敬の方が向いてる。
 マフィアのボスが塀の外と交わす「天気予報の暗号」、オードリーだと「何で気付かない!」と思っちゃいます。(笑)
(この役がオードリーには似合わないと言ってるのは男ばかりですが)

 この作品、「どんなに厚い鎧で心を閉ざしていても、人は他者との繋がりを何処かで求めているもの、そして、その繋がりこそが人間らしい生き方なのでは」
それがテーマじゃないかなと僕は思いました。

今月の企画
>「シェフ~三ッ星フードトラック始めました~」繋がりで観てみる気になった作品です。
宜しくお願い致します。

頑張ります!!!>来月の映画館が楽しみですね。
 

コメントを投稿

映画感想」カテゴリの最新記事