『愛の貧乏脱出大作戦』は、『マネーの虎』と同じく私が興味をもって鑑賞していた番組でした。
この番組は、飲食店を経営するも、来客数が日に日に少なくなっていき、どうにも経営が行き詰ったお店を再起させるべく、繁盛している飲食店にその店の店主が修行に行き、その技を磨いて自店に帰って店を立て直す、という趣旨でした。
ともに経営に関する番組でしたが、私はどうも経営に関することに魂が縁があるようです。
飲食の自営業は、手続き的に非常に簡単にできるものですが、そのかわり営業し続けれる店は非常に少ないのが現状のようです。
先の『マネーの虎』にしろ、『愛の貧乏脱出大作戦』にしろ、そこらで出てきた大物社長さんたちには共通点があって、 誰もが唸る料理を作れること 礼儀ができていること お店が綺麗 常識に囚われない新しいメニューを創り出せる こういうことが自然にできる、ということですね。
人の下で雇われている間はいいものの、自分が店主になって経営していくと、礼儀知らず、店をきれいにしない、メニューを創り出さないというようになってしまう飲食店の主は多くいますね。
1人だと、そうなっても誰も注意や叱ってくれる人がいないのでついつい手を抜いて仕事をしてしまうのですね。
これは自営業者のみならず、SOHOやネットビジネスで生計を立てている人は戒めねばならないことのようですね。
ああいった項目が人に言われなくとも、自主的に当たり前のようにできる人でなくてはしてはいけないようですね。
繁盛している飲食店の達人の店にいたときはできても、自分の店に戻ると、そういったことが全くと言っていいほどできなくなってしまう人はやはり成功できないまま終わってしまってましたね。
あの番組にでていた高円寺にある「ミスドルミツ」というパン屋を経営している廣瀬光雄さんは、この本に出ていますが、廣瀬氏に言わせると、
「お客さんが店に入ったときに、雰囲気がいいと感じる。この人の作った料理はうまそうだと思わせる。こういったセンスやあしらいがないとお店は流行らない。」
ということです。
働くということはお金になるんだということと、働くということは人に喜ばれるんだ、ということが分かったといいます。
また廣瀬氏は、「人から喜ばれることは快感だった」そうです。
その喜ばれるために、パンを精製するときに使う水は、山梨の山奥から汲んできた特別なものを使うのだそうです。
そして卵は、1個45円もする有精卵を使うのだそうです。
「少々高くともその商品がお客様のニーズにこたえているのなら、そして他店には簡単にまねできないオリジナルブランドとなる商品なら絶対に売れる」
とも言います。
1斤330円の食パンはいつも売り切れだといいます。
その食パンを食べてみたい誘惑にかられますね。
こういうように手間暇かけて作っていく原動力は何か、と探っていくと、やはりお客様に喜んでもらいたい、という気持ちが第一にあるような気がして私はなりません。
ただ生計を立てるために仕方なくものを作っている、というのではお店は成り立たないのは明白ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=V5Ax-j-FGtU
私の家の近くにある30年以上繁盛しているパン屋さんの主人に、「何時に起きてパンを作っているんですか?」と訊いたところ、朝3時に起きて作っているのだそうで、私は仰天してしまいました。
そこは駅からかなり遠くて、お世辞にも便がいいとは思いませんが、それでもこの長い期間繁盛できているのは、やはりパンを作るのが楽しい、パンでお客様に喜んでもらいたい、という気持ちが第一にあるからでしょうね!
そこの店のパンはレベルの高いです。
それでもその店の主人に辛そうな表情は一切ないですから、やはり今のパン屋の生活に充実しているんだなあという気が伝わってきます。 またこの本に登場する「崎陽軒」の曽兆明氏は、 あげ湯葉と蜜煮金華ハムのパン包み ほら貝のグラタンエスニック風 など、どんどんとメニューを変えていくようです。
曽氏は、お客さんに飽きさせてはいけない、お客さんにいつも喜んでもらいたい、新しい料理を作らなければならないという使命感が出てくるといいます。
経営者になった後は、こういった創意工夫が必要なのは明らかです。
前に紹介した元大物社長であった飲食の虎であった小林敬氏は、毎月新しいメニューを出すのを月課にしていたようです。
小林敬
その小林敬氏について書いたページはこちら!
↓
http://72405615.at.webry.info/201408/article_3.html
また中古本のフランチャイズ店である「BOOK-OFF」も定期的に本の配列を変えていますね。
こういった工夫を忘れないでいなくては、お客さんは飽きてしまうのは明白です。
同じメニュー、同じ外観ではどうしてもお客さんは飽きてしまうのは、古今東西変わらぬ事実のようですね。
そういった経営理論を人から教えられるのを待っているのではなく主体的に学んでいかないと経営は立ちいかなくなるようですね。
そういう主体的に学んでいって成功した達人の例として、デザートショップの『モンサンクレール』の辻口博啓氏の例が上がっています。
辻口氏は、朝6時から夜中の2時まで働いた後、銀座のショーウィンドーを回り、ディスプレイやライティングの仕方を学んで、奥行きや空間などを見ながら感性を磨いていったようです。
また売れているケーキ屋の裏にいってゴミ箱を覗いて材料メーカーの名前や電話番号をメモして知識を仕入れていたようです。
非常な好奇心と絶えない努力ですね。
また材料を本物にこだわる必要もあるようですし、本場に行って修行をすることの重要性も説かれています。
この本の104ページには、 「仕事中に先輩の作った料理の味を盗んだり、調理しているところを見て覚えては、休みの日に自分で作って食べてみました。
何が違うかと思えば、また先輩の仕事をみて、何を仕入れているのか、どこが違うのかを確認して作ってみる。 そうして、1つずつ覚えてきました。」
という努力の過程もつぶさに書かれています。
これは、『イザベラ.ディ.フェラーラ』の谷本英雄さんの言葉ですね。
また鰻屋の『神田きくかわ』の葛岡洋右さんは、巷に出回っている鰻ではなく、品種にこだわったようです。
そのお店では、ジャポニカ種の鰻で、矢作川の天然水で育てたウナギが最もいいということを勉強し、それをお店で出すようにしたようです。
こういうことを知るのは、お客様に喜んでもらいたい!という心の芯から思う人でなければできない芸当です。
そういうことを調べるのは誰でも面倒くさいですが、その心以上に「お客様に喜んでもらいたい!」という心があるからこそそれができるんですね。 この葛岡洋右さんは、「月給はお客様からいただいている!」という信条で商売をしているようですね。
非常に勉強になりますね。
これまでこのブログで書いてきたように、この世には2つのタイプがいて、1つは人の心を重んじるタイプ、もう1つは人の心を軽んじても平気なタイプ、この2つのタイプがいるようですね。
後者のタイプの人は、どんなことをしても前者のタイプにはならないようで、友人が全銭なくても気にも留めないでいるのです。
飲食店で成功するためには、前者のタイプでないと無理のようですね。
後者のタイプの人は、「儲かるから」という理由で人との接客の仕事はしないほうが無難のような気がします。
私の知っている人で、非常にラーメンを作るのが上手いですが、店員たちに非常に汚い言葉を店内で平然と吐くために、それを聞いて不快に思ったお客さんがどんどん増え、来客数は日に日に激減、ついに閉店を余儀なくされ、今その人は数百万円の借金を抱えて返済中、という人がいます。
こういう例を見ても、いくら料理の腕がよくとも、人に対する心遣いが出来ない人は接客業をしてはいけないと思いますね。
『マネーの虎』に出てきた社長たちの自叙伝や、この本に出てくる達人たちの経験談を読むとそのことがひしひしと感じることができるのです。
その例として好例なのが、串焼き屋の『い志井』の石井宏治さんをあげれますね。
このかたは、学生時代に某飲食店のバイトをして、そこで「石井がバイトに入ると忙しくなる」「石井が辞めたら店が暇になった」ということを言われ、そこに感動しこういう人付き合いの仕事をしようと決意したといいます。
後者のタイプの人にこういったことを言っても感動しませんよね?
そういうタイプの人は物事をよりよくする努力に敏感ですね。
既存の事柄を金科玉条に仕立て上げないで、そこから先にいいことをする改良の精神があるのですね。
日本料理の『中村屋』の中村勝泰氏は、盛岡のホテルで働いているときに、 「高い野菜を東京から仕入れないで地元の山菜を使ったらどうか。 地元の鮭やブリ、カレイ、カツオなどの旬の魚に置き換えてメニューを考えていった」というエピソードを書いています。
また中村氏いはく、仕事だけでなく、日頃の何気ない勉強や人付き合いが大事ということです。
街のショーウィンドウを見る。
そのことで今の流行がわかり、盛り付けに参考になる。
また、車のセールスマンと話すことで、商売につながる話を聞くことができる可能性がある、ということですね。
こういった例を見ると、成功するためには、好奇心と探求心、不屈の精神と練習を欠かさない、ということが大事なのが分かりますね。
人と同じことをしていればいい、それ以外はするな、と某仕事場で言われたことがありますが、そういわれたときに疑問に思ったことがしばしばでした。 確かに、アレンジしてはいけない場面はあります。
しかし、そこは堅持したうえで、アレンジすべきことはアレンジしていかなくてはならないと接客業や自営業は成功しないのではないか、と思われてならないのですね。
確かに、『愛の貧乏脱出大作戦』に出てきた経営が立ち行かなくなったお店の例は、接客態度がいいかげん、お店が汚い、味が悪いという共通例があるように思います。
接客態度、清潔感、おいしい料理
こういう事柄は決してアレンジしてはいけません。
しかし、それ以外のところで、してもお店の運営上なんの差支えが起きないことや、することによってお客さが喜びまた来てもらえることにつながるのなら、どんどんやっていくべきだ、と私は思っているのですし、この番組に登場してきた達人たちはそういったことを積極的に取り入れてしてきたのですね。
その最たるものが、やはり新メニューの開発ですね。
いくら美味しい人気メニューでも、何回も食べていたらやはり飽きてしまうのは古今東西変わらぬ事実ですね。
新メニュー以外にも、この本に登場してきた達人たちが自発的に取り組んできたアレンジは、たくさん書かれています。
そういったことを逐一ここで書いている時間はないので、本書を読んでいただくのがいいでしょう!(笑)
こういった内容について大いに感動し、いつまでもしていきたい!と思った方はこの本を読み、実行することによって成功できるのではないか、と思われてなりません。
この本には、以下のお店の達人の略歴やモラルがつまびらかに書かれています。
『おけいすし』
『むつみ屋』
『麻布長江』
『あほうどり』
『老松』
『龍虎殿』
『リストランテ.ヒロ』
『四五六菜館』
『ぐんけい』
『鮨處おざわ』
『高木屋老舗』
『嶋村』
『くろば亭』
以上読んで、達人の内容について読みたいと思った方は以下よりどうぞ!
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