村上春樹著「 猫を棄てる・父親について語るとき 」を読みました。
表題のとおり、作者のお父様の事を書かれたもので、1時間で読めるような小さな本です。
青春時代三度も戦争に駆り出され、最終的には京大に入り国語教師となり満たされなかった、自分の想いを息子に託す。
息子は親の想い通りにはならず我が道を進む。そこに親子の葛藤が生じ20年も疎遠の中になった。
ー 彼は僕にトップクラスの成績を取って貰いたかったのだと思う。
そしてじぶんが、時代に邪魔されて歩むことのできなかった人生を自分に変わって僕に歩んでもらいたかったのだと思う。
僕は今でも、この今に至っても、自分が父をずっと落胆させてきた、その期待を裏切っていた、と言う気持ちを
ー あるいはその残滓のようなものを ー抱き続けている。と~
僕がこの文章で書きたかったことのひとつは、戦争というものが一人の人間
ーごく当たり前の名もなき市民だーの生き方や精神を大きく深く変えてしまえるかということだ~~~
世界の村上春樹が述懐しています。(作家として成功している彼にお父様は満足されてたと、私は思います。)
私は、世界で読まれている「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」他沢山の村上作品を読みましたが、
凡庸な私には「どうして騒がれるのか?」理解できませんでした。
唯一面白いと、思ったのは1Q84」だけでした。
唯、まだ若いと思っていた作者が73歳と知って、愕然としています。
何度も候補に挙がって、叶わなかったノーベル文学賞は「もう、無理なのでは?」と
でも、期待しています。
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