8/10 Sat.
9日行なわれた「夏の甲子園」で、初出場を果たした飯山高校が 古豪仙台育英高校と一回戦でぶつかり、1対20の大差で試合は「大負け」しました。
しかし なぜでしょうか、私たちの心には 何ともいえない晴れやかな気持ち、清涼感が残る一戦となったのでした。
試合は両チーム無得点の3回、何と飯山高校が先制してゲームが動くこととなりました。ランナーを二塁に置いて、キャプテンくんが一閃したバットから放たれたボールがライト線を破ると、アルプスの応援団はもとより、地元でPV観戦する飯山市民、テレビやラジオで観戦する長野県民は大歓声、その健闘ぶりに大きな拍手を送ったのでした。
私は たまたま移動中のカーラジオで「その瞬間」に立ち会うことができ、思わず「よしっ!」と声を上げたところです。
が・・・その後は 一巡した育英打線が飯山高ピッチャーのボールに慣れたのか、打つわ打つわの猛打猛攻に転じ、終わってみれば20得点を喫する大敗ゲームとなってしまいました。
それでも、一塁側を 飯山の雪景色の如く真っ白に染めた大応援団は、最後まで飯山高ナインに声援を送り続け、負けてなお「よくやった!」と惜しみない拍手を送っていたのが印象的でした。
その後 あいさつ回りで伺ったお宅でも、家人の方が「僅差の負けなら悔しさが残るけど、あれだけ大差がつけば かえって気持ちがイイや。負けっぷりが良かった!」と笑顔を見せていました。
私(だけではないでしょうが)の抱いた「清涼感」は、いったいどこからきたのでしょうか。それはやはり、冬の間 雪に閉ざされる雪国飯山の それも公立高校の野球部が、さまざまなハンディを乗り越えて練習を重ね 一丸となって甲子園の切符を手に入れた。私たちは、雪国の冬の厳しさを知るが故に、飯山高ナインの頑張りに対しエールを送りたくなる心境にさせてくれたのでしょう。
恵まれた環境で結果を出す、に比し、ハンディある環境にありながらも頑張る姿に人は感動を覚え、人は恵まれた前者より恵まれざる後者に大きな声援を送るものです。
後者の者においても、ハンディを言い訳にせず、たとえ厳しい環境であろうとも等しく努力を重ね、それを結果につなげる。
夏の甲子園における飯山高ナインの頑張りは、応援した私たちに「一服の清涼感」を与えてくれたと同時に、私にとっても大きな励みになったのでした。