倉野立人のブログです。

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「政倫審」に総理も出席 ~賽(さい)の目はどう出る?~

2024-02-29 | 日記

今や 国民にとって最大の関心事(疑惑)になっている、自民党派閥による裏金問題。

その真相を究明するべく行なわれるハズの「政治倫理審査会(政倫審)」が、受けて立つとした〝5人衆〟ならびに自民党の対応(足並み)の乱れによって膠着していました。

それが一転、岸田総理が自ら出席することを表明したことで 否応なく〝拒否議員〟も出席を余儀なくされ、それも公開の場で行なわれることになりました。

これは いわば想定外の流れ…紙面によっては「総理の奇襲」と表現する社もあるほどです。

 

 

 

 

この対応は、果たして評価されるべきかどうか?微妙なところと申せましょう。

この〝裏〟には、この時期 新年度の予算審議(成立)が懸(か)かっていることがあります。

政府(総理)側とすれば、何としても年度内に新年度予算を成立させたいところですが、その審議を行なうためには、かかる政倫審に応じることが絶対条件であり、また その応諾に向けて時間をかけてしまうことは、年度内の成立に大きな支障となってしまうのです。

総理とすれば、このことに時間ばかりを費やせば 自らの首をも絞めることになってしまうことから「オレも出るからオマエらも出ろ」とばかりに(自らの)出席を示すことで、5人衆の重い腰を上げさせた、というところでしょう。

こう言っては何ですが、総理にとっては予算成立が最優先課題で そのためには政倫審を早いとこ済ませてほしいというのが深層にあり、そのために自分が白砂(しらす)に上るのは何でもないという心理じゃないかと思わされるほどです。

 

このこと(総理出席)を〝リーダーシップ〟として評価する向きもある(のかなあ)と側聞もされていますが、むしろ 逆だという見方が。

本来であれば、政倫審の対応については 自民党内で共通認識(それも国民目線に立って)を整え、政倫審の意義を踏まえて臨むべきでありますが、その主張は 出席者(対象は51名)を絞るとか完全非公開とか、自らの都合のイイ内容に収めようとするハラが明け透けに見え、あげく出席者の間でも対応にバラつきが出るなど、いわば党内ガバナンス(統治)が瓦解している有様です。

そこに総理自らの出席 とは。

いわば イタズラした51人の兄弟姉妹の仕業を質すのに、その者たちがゴネて収拾がつかなくなったのを見かねた親が自分で出てきて言い訳をするかの所作…子どもの不始末に親が出てきて蓋(ふた)をすると言われかねない行為とも言えるでしょう。

 

で この政倫審、肝心なこと(国民が知りたいこと)は 裏金づくりの悪しきシステムの全容と、そのカネをどこに使ったかなどの「具体的な中身」だと思います。

このことについては、これまで散々に予算委員会などで総理に対し質してきていますが、その答えは いわば暖簾(のれん)に袖押し的な〝すれ違い答弁〟に終始していました。

だから国民は、政倫審の場で〝当事者の弁明〟を聞こうとしているのに、またぞろ そこに「親」が出てきて詭弁を繰り返すとすれば。

政倫審は 単なるセレモニーに終始することが憂慮されるところでしょう。

 

そんな〝上滑り審査〟に終始したあげく「もう(政倫審)をやったからイイでしょう。さっさと予算審議に入りましょう。」と言われても、こっち(国民)とすれば さらにストレスが溜まるばかり…さらなる政治不信の温床となりかねないところです。

 

そんな〝変則実施〟となった政倫審では、攻める野党の力量も問われるところです。

真に国民が知りたい(暴きたい)ところに切り込めるか・相手の急所を突いた口撃(こうげき)を果たせるか、こちらも注目されるところです。

 

「奇襲」と言わしめた政倫審への総理出席。賽(さい)の目はどう転がるのでしょうか。

(ただ そもそも、総理は かかる政倫審への招へい対象にはなってないんですけどね)

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