8/1 Thu.
「暑いですね。」このフレーズは、梅雨が明けた7月末から突如訪れた 連日の30℃超の陽気の中での「常用語」となりました。
この日の夜、会合を終えて帰途に就く際 中御所にある「気温表示」をふと見上げると「只今の気温 29℃」の表示が。
どうやら 今夜も熱帯夜のようです。
私も心がけますが、みなさんにおかれましても「水分補給」それも 喉が渇いてからでは遅い、寝る前にコップ一杯、出かける前に一杯の「事前補給」に努めていただきたいと存じます。
熱中症は生命の危険にも関わるもの、特別な備えではない「〇○の前に 先ずは水分補給」ごくシンプルな備えを(私も含めて)励行しましょう。
この日の新聞(信毎)記事で「2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す札幌市の石川敏也副市長らが31日、長野市役所に加藤久雄市長を訪ね、そり競技会場として同市のボブスレー・リュージュ施設「スパイラル」の活用を打診し、加藤市長は「可能な限り協力する」意向を示した。」との記事が掲載され、注目しました。
記事によると、札幌市の石川副市長は「IOC(国際オリンピック委員会)からは、そり競技会場は既存施設を使うように―と推奨を受けた。(それを受けて)国内唯一の施設であるスパイラルの活用を図らせていただきたい。」と協力を求めた。これに対し加藤市長は「再び札幌で五輪が開催されることを期待している。私どもとしてできる限り協力できる部分は協力したい。」と述べた、とのことです。
長野市のそり施設「スパイラル」は1998年長野冬季五輪のボブスレー・リュージュ会場として建設されました。その後20年に亘り 長野市は年間約2億2千万円の維持管理費のうち、ナショナルトレーニングセンター指定による国の負担分1億円を差し引いた それでも約1億2千万円に上る負担を市費でまかないながら維持してきましたが、長野市公共施設適正化委員会の提言もあり 2017年度を最後に製氷を休止しています。
長野市としては、五輪大会が「国家的行事」として行なわれたことから、施設の国有化を国に求めたこともありましたが「施設の管理運営は「地元」の責任と負担を主体とする」との閣議了解が1989年になされていることから難色を示され、断念した経緯もあります。
長野冬季五輪開催のために欠かせない施設として建設された「スパイラル」が、後に多額の市民負担を強いることとなり、そしてまた今、再び冬季五輪の施設として脚光を浴びるようになることについて、私は長野市民として、札幌市から「指名」を受けたことについては名誉に感ずると同時に、それに伴い派生するであろう諸課題を考えると、何とも複雑な心境に至りました。そして、その「複雑な心境」は、私のみならず多くの市民の方々が抱いたものではないかとおもったところです。
「平和とスポーツの祭典」である五輪大会は、4年に1度、世界各地で開催され、私たちに多くの有形無形のレガシー(遺産)を遺してくれます。
そのうえでこの度、2030年の冬季五輪大会について札幌に招致が決まれば、同じ国民として、とりわけ五輪開催市の市民とすればご同慶に堪えないところです。
一方、前述のとおり、五輪施設の維持管理の主体が当該自治体にあることや、スパイラルの使用再開となれば、かなりの修繕費用が必要になることが見込まれることから、いわゆる「費用対効果」の試算は欠かせないところであるのは論を待たないところです。
私は、札幌冬季五輪に「スパイラル」を活用することは、道義的には大いに賛成したいと思います。
そのうえで「現実問題」スパイラル活用によって、大会運営費がどのくらいの節約になるのか、施設の修繕費がどのくらいになって、長野市の負担はあるのか無いのか、あるとすればどのくらいかかるのか、また、スパイラル活用に伴い長野市が負う負担や影響はどのようなものがあるのか、そうは言っても国の支援は得られないのか、一方で、一連の取組みでどのような相乗効果が期待されるのか、そして何より、長野市民のみなさんはどう受け止めているのか等々、さまざまな視点での検討・検証は欠かせない要件であろうと思います。
この案件について私たち長野市民は、札幌と一緒になって大会を盛り上げたい意欲(情熱)と、費用対効果などの試算(冷静)の狭間で心悩ますことになるのは必至です。
私も折りに触れて、この件を心に留めてまいりたいと思うところです。